
ブループリントにはノードベースでグラフィカルなインターフェイスが備わっています。そのため、プログラミングで中心となる原理を非常に容易に会得することができます。ただし、だからと言って、ブループリントが貧弱なスクリプティング システムということにはなりません。事実は、その反対です。ブループリントを使えば、UE4 の数あるツールと機能に深くアクセスすることができます。それによって、ハイクオリティで、インタラクティブなリアルタイム プロジェクトを制作することが可能となるのです。このようなプロジェクトは、ゲーム開発、インダストリアル デザイン、建築ビジュアライゼーション、TV、映像といったさまざまな業界で展開されています。
ブループリントは、C++ を基づいたプログラミング言語です。また、その機能上の根源は、Unreal Engine 4 の奥深いところにあります。そのため、ブループリントを最大限活用しようとするならば、適切な解説書が必要となります。Epic Games が UE4 によるゲーム プログラマーである Marcos Romero 氏と提携して、教室でブループリントを教えるときに使える教材を作成することにしたのは、そのような背景があります。UE4 Blueprint Instructors’ Guide には、大量の講義、達成度評価、テスト、用語集、プロジェクト ファイルなどが含まれています。本ガイドは、Epic の他の教育者向け教材と同様、クリエイティブ コモンズ ライセンスに基づいてリリースされているため、指導者はそのまま利用することもできれば、自身の講義に組み込む形で利用することも可能です。
私たちは、Blueprints Instructors’ Guide の著者である Marcos Romero 氏にお会いして、UE4 のブループリントの経験について語っていただきました。
ブループリントとは、どのようにして出会ったのですか?
Marcos: 2013年6月、まだ Unreal Engine 4 がベールに包まれている頃のことですが、Unreal Engine 4 のベータ版プログラムへの参加のお誘いが Epic Games からありました。「Romero UnrealScript」というブログを運営していたからです。私自身、プログラマーであり、興味の中心はゲームプレイ プログラミングにあるので、ブループリントは私の関心の的となりました。

ブループリント ビジュアル スクリプティングを使ってみて、どのような点が最も気に入っていますか?
Marcos: ブループリント エディタは、メインのエディタに組み込まれていますよね。ブループリントで行ったことは実に素早くテストすることができる、という点です。
教師として、ゲームデベロッパーとして、ブループリントは仕事にどのような影響がありましたか?
Marcos: ブループリントと出会った時、私は、このビジュアル プログラミング言語に潜むパワーを感じ取ることができました。同時に、ブループリントがどのように機能するのかユーザーが理解するためには、そのコミュニティにもっとチュートリアルが必要になるだろうと予測できました。そこで、Unreal Engine 4 が公開された 2014年3月、私は「Romero Blueprints」を立ち上げました。Unreal Engine 4 のブループリントだけを使ってゲームをプログラムする方法について教え始めたのです。
ビジュアル プログラミング言語としてのブループリントには、どのような感想をおもちですか?
Marcos: 一般的にビジュアル プログラミング言語というものは、何らかの制約があるものですが、ブループリントにはそれがありません。従来のプログラミング言語に含まれていなければならない要素がブループリントにもすべて入っているのです。プログラマーとしては、とても扱いやすい言語です。柔軟性が備わっているブループリントは、プログラマー以外の人たちにも使いやすいと思います。

ブログでは、UE4 とブループリントについてどのような反応がありましたか?
Marcos: 読者の多くが喜んでいます。Unreal Engine 4 が完結した製品として使用できるからです。ブループリントについて言えば、プログラマー以外の人たちは、ゲームのロジックをプログラマーに頼らずに組み立てることができる環境だと評価しているようですね。
UE4 Blueprint Instructors’ Guide がリリースされたところですが、このガイドは、どのような人たちに役立つと思いますか?
Marcos: 主な読者は、教室で Unreal Engine 4 のブループリントを教える必要がある先生たちになります。このガイドでは、広範囲にわたるテーマが扱われています。ブループリントのパワーをフルに引き出すためには、さまざまな要素を理解することが必要となるのです。