2017年1月30日

アナログ時代のテレビ修理ゲーム TV Trouble

作成 Jeremy Peel

ストリーミング エラーや Netflix のいまいちな映画カタログについても、やがて懐かしく思い出す日がくることでしょう。今それを想像するのは難しいですが、過去の憂いをレンダリングし、かつてはいい加減だった見かけや音に新しい魔法をかける力、それが郷愁です。

TV Trouble は、プラスチックのアナログボタン、砂利のようなホワイトノイズの 1967 年のテレビを修理スタッフとして修理するゲームです。

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「私は 1990 年代生まれなので、すごく小さい頃はまだアナログ時代でした。で記憶はそこまで鮮明ではないので、今ずっと懐かしさに浸れるほどではありませんが」と共同デベロッパー Ben Wilson 氏は話します。「ボタンやダイヤルに触った時の感触と音に満足感を覚えるのは、現代の家の技術には存在しない懐かしい何かがあるからなのでしょう。」

ベルトコンベヤーで流れてきた修理品テレビの画面に再び画像が映るように、あれこれいじくりまわします。アンテナが折れてしまったテレビ、あちこちのつまみが捻じれているテレビもあれば、いくつかチャンネル ボタンを形式上チェックするだけものものあります。見事修理が完了すれば、スコアボードに加算され、華々しく音楽が流れます。そして、次の修理品が流れてきます。

「アナログ時代のビデオのアーティファクトされた外見とサウンドには、今はもう存在しない奇異な存在という感覚を与える何かがあるのだと思います」と Wilson は分析します。

Wilson 氏は、48 時間ノンストップ ゲームジャムで「working rhythm」を開発してきた大学時代の友人の Kathy Zalecka 氏、Dan Cohen 氏、Al Taylor 氏と一緒に TV Trouble を制作しました。この特別なプロジェクトはチャット サービス Slack で去年 2 月の週末に行われました。

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「おかしなアイデア」について一晩考えて過ごした Wilson のパートナーは、テレビ修理ゲームを思いつきました。Wilson は WarioWare からの手掛かりとして、そのアイデアに惹かれました。

「プレイヤーに休む暇を与えない、ノンストップで続くゲームが私は好きでした」と説明します。「このゲームのコメディ要素とフローは、プレイヤーに延々に課されるタスクです。」

TV Trouble は、懐かしい時代のイメージと相反して次々とコンベイヤーに登場するタイムアタック ゲームにしようとしていました。Wilson は、プレイヤーの設定を、思いやりのない会社で超過労働を強いられ、不満を持っている大勢の中の名前のない作業者としました。集中力が必要な複雑なタスクを課せられています。ダイヤルを回す部分はヒッチハイカーのミニゲーム Thief or Fallout を思わせますが、そんなに悠長に修理している時間はありません。

最初チームは、プレイヤーに修理の失敗に限度をつけることを考えましたが、1 つ 1 つのテレビに時間をかけてしまうと、故障テレビをそこまで気にするほどお金をもらっていない作業者という前提と矛盾することになります。

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「負けという判定ではなく、もう修理できないと思った時点でプレイヤーは自由にギブアップできる形式の方が、このゲームにはふさわしいと思いました」と Wilson 氏は言います。「プレイヤーの成績は問題にしない、このような種類のゲームが好きです。」

「個々のアクションは、自分がいる生産ラインの全体的なモメンタムほど重要ではないのです。時間内に修理ができなければ、次のコンベイヤーが流れてくる、ゲームはずっと罰を与え続けます。この方が、プレイヤーに自分が歯車の一部であることを強く感じさせることができます。」

チームはアンリアル エンジン 4 を使用しました。Wilson 氏がここ数年、TV Trouble や Button Frenzy をいったゲームを制作できた「唯一の理由」とするのが、アンリアルの  プログラマー以外でも使えるビジュアル スクリプティング システムのブループリント です。TV Trouble では、ギブアップした場合にオーディオのピッチが急に変わるシステムをビルドしました。

「スタティックからそのままクリーン オーディオへフェードすると、あまりに不自然になります」と Wilson は説明します。「こうした小技は独自に行うと難しいですが、経験の積み重ねには役立ちます。」

画像は Wilson が以前 60 年代のテレビ映像を探し出した無料アーカイブ サイトから使用しました。彼は、現在とはまったく別世界のぶっきらぼうな広告業界にいたことがあり、そこでは「驚くほどひどい攻撃性」が普通でした。

「魅力的なマテリアルは山ほどあります。その時代に生きるとはどんな感じなのかを想像してみてください」と彼は言います。

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Zalecka 氏は、それに合った 3D モデルとアートを早急に準備し、TV Trouble はこれまでにないような、時代ものタイムアタック ゲームとなりました。

「プレイ中にちょっとした歴史の断片をプレイヤーに感じてもらいたいと思いました」と Wilson 氏は思いを巡らせます。「こうすると、ゲームの時代と場所の具体的な設定が分かりやすくなります。このゲームから感じる不気味な懐かしさがたまらない、という感想を頂きました。」

4 人の友達が昨年の Leftfield Collection の EGX で TV Trouble をお披露目し、現在 Steam で無料リリース されています。

「チームで作成した要素はほとんどオンラインで見られるので、オリジナルと最新版の違いを簡単に確認することができます」と Wilson 氏は言います。「子供の身長の印をつけている家の柱のようなものです。」

TV Trouble は Steam からダウンロードできます。 アンリアル エンジン 4 は現在無料です。

編集注記: PCGamesN  は、長く続いている Making It in Unreal シリーズのためにアンリアル エンジンで制作された素晴らしいゲームを選んでそのデベロッパーにインタビューしています。エピック ゲームズは編集プロセスに関与していません。