Neoglyphic では、複数の媒体で開発中の知的財産である Sunborn Rising のワールドの物語を開発中です。開発の初期段階でリアルタイム エンジンの評価を行って、アンリアル エンジン 4 の採択を決めました。リアルタイム グラフィックスでは CG 品質に最も近づけるポテンシャルがあると判断したからです。
候補だったエンジンには共通した課題がありました。キャラクターの毛皮です。毛皮はリアルタイムでは難しい課題であり、カスタムしか方法はないように思えます。そこで、Chief Creative Officer の Christopher Chamberlain と共に、考えうる様々な方法の長所と短所を洗い出しては、開発中の問題を想定しました。この時、若い猫に似ている主要キャラクターの Barra をプロトタイピングしてみました。
スタイライゼーション、スカルプ フォーム、ポリカード、フォトリアリズムなど、可能なことは何でもやりました。技術とアートの両方で行い、両方の変換を常に表にまとめました。目的は最終レベルに仕上げることではなく、アンリアル エンジンを用いた場合の長所と短所の評価がほとんどです。私達はまず以下の方法を試しました。
- 写真をもとに綺麗に調整したテクスチャー
- スタイライズド調に直したものに、ノーマルで細かいディテールを足したもの
- 写真をそのまま使った あまり綺麗じゃないテクスチャー
- 輪郭にメリハリをつけるために置いたポリカード
- スタイライズドのためにモデリングした毛束
これらの結果にはあまり満足できず、最後の方法である、スタックされたジオメトリのレイヤーを最近人気が落ちているアルファで含んむシェル ベースを試すことにしました。
この方法は負荷が高すぎると一般的には言われていますが、パフォーマンスは二の次で、シネマティックス並の品質を第一に考えていたので、この方法にしました。早い段階から、まずまずの結果が出ました!パフォーマンスは予想以上で、ビジュアル品質も格段に改善しました。この技術に時間を費やすほど、さらに多くが改善され、ますます楽しくなりました。
自分が思っているよりも忠実度をさらに上げることができるのではないかと、初めて可能性を感じました。幸運にも、プロシージャルなノイズを最新のライティング、シャドウイング、人造技術に結びつけて、ギャップを埋めていきました。アルファ、カラー、形状の制御など、様々な技術で実験しつづけました。初期段階のテストで確認したことを、キャラクター上でも試してみました。
そしてある時、この技術をアンリアル用の full-blown プラグインに利用してみることにしたのです。移植可能でインストールも容易、様々なプラットフォームに対応するスケーラビリティを目指しました。そして開発に取り掛かりました!
もとのプロトタイピングを完全に再構築して素晴らしい効果がでました。演算シェーダーと CPU で物理へのサポートをビルトインすることで、プラットフォームすべてが利用できるようになりました。パフォーマンス ターゲットに合わせて新たな LOD システムも作りました。劇的に使い勝手が良くなり、実装はドラッグ&ドロップ操作だけで済むようになりました。ライティングとシェーディングも完全に手直しして、ビジュアルも素晴らしくなりました!
この技術を NeoFur Unreal Engine 4 プラグインで実行したところで、元の位置に戻りました。シェル ベースでの作業内容と利点に非常に満足しています。物理とダイナミクス、ブループリントによるスクリプト化、高いパフォーマンス、そして何よりも超一流のビジュアルが素晴らしいです。今後もソリューションのレベルを上げ続けていきたいと思います。
広く受け入れられている見解が絶対に合っているとは限らない、ということを学びました。世は無常であり、技術も変化します。可能、不可能という状態はいつでも変わり得るのです。ゲーム業界もそれ以外の業界も、素晴らしい発想、実例、技術を出し合いながら切磋琢磨して進化する、そんなアンリアル エンジンの今後に期待しています。