画像提供: People Can Fly

Outriders、機動性の高い戦闘とディープな RPG メカニズムの融合

By Jimmy Thang |
2020年10月9日

Bartosz Kmita 氏は、People Can Fly のクリエイティブ ディレクターであり、さらに Outriders ではゲーム ディレクターを務めます。 2005 年に入社してから BulletstormGears of War シリーズなどのゲームに携わってきました。
ポーランドのスタジオである People Can Fly は高品質なシューター ゲームの開発で有名であり、 これまで Gears of War: JudgementPainkillerBulletstorm など、絶賛されているタイトルを開発してきました。 次回作となるゲーム Outriders では、最も野心的でディープな RPG メカニズム、広大な世界、特殊能力を重視した機動性の高い戦闘を取り入れることを目指しています。  さらにこのゲームは PlayStation 5 と Xbox Series X の両方でリリースされる、次世代タイトルの第一弾でもあります。そこで People Can Fly のクリエイティブ ディレクターである Bartosz Kmita 氏にインタビューし、この象徴的なタイトルをスタジオがどのようにまとめ上げるのかについて、お話を伺います。 

チームが Diablo から受けた影響について、そして大量の略奪とディープなカスタマイズ オプションを提供する RPG シューティング ゲームの作成を目指した経緯についてお話しいただき、 さらにクリエイティブ ディレクターとしてゲームのダイナミック難易度システムを実装し、Outriders の危険でリアルかつ広大な世界を構築した方法についても詳しくお聞きします。 
 
Bulletstorm、Gears of War: Judgement、Painkiller など、 これまでのシューター ゲームを開発した後で、新しいタイトルを作成する際の目標は何でしたか?また、Outriders を形作るうえでこれまでの経験がどのように生きていますか?

クリエイティブ ディレクター Bartosz Kmita 氏: 数年間 Epic とともに Gears of War: JudgmentFortnite など、 素晴らしいゲームに携わった後、真に私たち独自の、新しくオリジナルなタイトルを制作したいと切望していました。 そして機が熟したので、飛び込むことにしたのです。 

Outriders では、これまでに当スタジオが経験したすべてを表現しています。これは多くの意味で、数々の素晴らしいシューター ゲームに取り組んだ経験の集大成なのです。 同時にゲーマーとしての情熱も込めました。 もちろん、私たちはシューター ゲームが大好きですが、RPG の大ファンでもあります。 専門知識を生かしたシューターを作りたいと思っていましたが、私たちにとって新しいディープな RPG メカニズムにも挑戦したかったのです。 

私たちはこれまでプレイしたいと思ってきた、まだ誰も実現していないゲームを作ることを決意しました。それはディープなカスタマイズ システムを備え、プレイヤーが自分のキャラクターとプレイ方法を定義できる、強烈で攻撃的なサードパーソン シューター ゲームで、すべてがダークで引き込まれるような SF の世界で展開するのです。 

Outriders に影響を与えた他のゲームはありますか?

Kmita 氏: 当スタジオの開発経験以外では、たとえば私たちのお気に入りのゲームである Diablo のようなクラシック RPG にとても触発されました。

Outriders が RPG メカニックを取り入れたシューター ゲームであることを考慮すると、2 つのジャンルのバランスをどのように調整しましたか?

Kmita 氏: 当スタジオとって重要な要素は、優れたサードパーソン シューター ゲームの基盤の上に、プレイヤーの選択と所有に関する強力な要素を重ねることです。 これは RPG の中核要素であり、選んだロールをプレイするための機能です。 RPG とは、ただ対話を選択するだけのものではなく、プレイヤーがキャラクターのプレイ方法を選択して、そのアクションを通じて自分自身を表現できる、ゲームプレイが重要なのです。 プレイするクラス、使用するスキル、装備する武器や鎧、さらに製作者側がプレイヤーのためにレイアウトしたゲームプレイの課題に対して、プレイヤー自身が出した明確な回答をどのように織り込むか。これによってプレイヤーはゲーム内で独自のアイデンティティを形成し、本当の意味で Outrider になりきって選んだロールをプレイできるのです。
画像提供: People Can Fly
機動性の高い Outriders の戦闘システムはとても評価されています。 最初からこの速いペースを実現するつもりだったのか、それともこのデザインは試行錯誤から生み出されたのでしょうか?

Kmita 氏: そのアイデアは非常に早い段階でもたらされました。 サードパーソン シューターの制作を計画する際に、ゲームに略奪を取り入れ、さらにプレイヤーがクールな新しい装備を常にすべて見られるようにしたかったのです。 しかし、Gears of War フランチャイズを経験しているので、略奪を取り入れた新しい Gears の基本的なゲームは作りたくありません。頭を切り替えて、独自の趣向を凝らしたサードパーソン シューターを制作する必要がありました。 サードパーソン シューター ゲームの新しい個性を創造したかったのです。 

この個性に対する答えはパワーでした。 私たちの目標は銃とパワーを 50/50 で使い分ける戦闘システムを制作することであり、 必ずしもすべての時間を射撃に費やさず、超人的パワーを放って敵を間引くシューターの作成を目指しました。 この決定からチームは気づきを得ました。 Outriders は超強力な戦場の神なのですから、プレイヤーがパワフルだと実感できることが重要です。 つまり、多くのゲームのようにカバーの後ろに身を隠すのは全くパワフルではありませんので、カバー シューターのようではダメなのです。 プレイヤーが、より高い機動性を持ち、より速く動きまわり、より簡単に回復して、より頻繁に獲得したパワーを行使できるようにしなくてはいけません。 

Outriders にはカバーが存在しますが、その使い道や、利用するかどうかも、プレイヤー次第、どのような Outriders を作り出すか次第なのです。 あるプレイヤーにとってカバーは生き残るための重要な要素になりますし、別のプレイヤーにとっては全く意味がありません。 ある段階でカバーを完全に取り除くことさえ考えましたが、自由はプレイ方法を定義する重要な柱の 1 本であり、プレイヤーがゲームにアプローチする方法についてより多くのオプションを利用できるように、カバーを残すことにしました。 

このゲームは 100 を超えるカスタマイズ可能な武器を備えていますが、それらのデザインにどのように取り組みましたか?

Kmita 氏: 荒々しいダークで汚れた世界観を感じてほしいと願いました。 つまり [エイリアンの惑星] であるイーノックには、ピカピカの金属や宇宙レーザーは存在しません。 

物語にはアノマリーと呼ばれるストームが登場し、これが電子機器をすべて吹き飛ばしてしまい、人類の技術はアナログまで後退します。 その結果、利用できる武器は弾道型で、使い古され、頻繁に別の部品から改造したような外観なのです。 ただし、これは始まりに過ぎません。 自分の Outrider がより強力になり、アノマリーをさらに注入され、目を見張るパワーを獲得していく、このゲームの世界観への旅が始まります。 武器や鎧も、そうした発展曲線を描き、物語が進むにつれて外観も機能もクレイジーになり、ゆがんでいきます。 終盤のプレイヤーはアノマリーを注入された驚くべき武器を装備して、信じられないほどシュールなことが可能になるでしょう。 
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時間を曲げるトリックスターや、炎を操るパイロマンサーなど、プレイできる 4 種類のクラスについて、キャラクターのデザインとバランスをどのように実現しましたか?

Kmita 氏:
中核となるサードパーソン シューターの体験を導入して、その上にパワーの要素を重ねたいと常に考えていました。 

当初はそもそもクラスが存在せず、 プレイヤーが自分のパワー セットを選択できる非常に制限が少ないシステムがありました。 どんなキャラクターでも思いのままに作成できる完全な自由。それが私たちの想像する夢でした。 ところがプレイをテストする最初の段階で、これは初めてのプレイヤーにとってあまりに圧倒的で、予想通りには受け入れられないことに気付いたのです。 もう少しプレイヤーをガイドする必要がありました。 

そこで、プレイヤーに方向性を示しつつ、同時にプレイヤーを制限しないために、クラスを導入したのです。 タンク、DPS、ヒーラーのロールにプレイヤーを閉じ込めるクラスについて、当初から厳格なアプローチを取らないように心掛けました。 選択できるクラスはすべて、完全に自給自足型で、非常にパワフルかつ個性的、さらに楽しいものであるべきです。 

それぞれのクラスは、ブルーザー、アサシン、メイジ、レンジャーなど、基本的な原型に従いますが、同時に多様なビルド、武器、装備を用意して、プレイヤーがアーキタイプにのめり込むか、または型を破壊してまったく異なるビルドを作り出せるようにします。 たとえばトリックスターは、高い機動性とダメージを備えた典型的なアサシン DPS クラスですが、必要に応じてタンクとしてビルドできますし、あるいは時間操作能力に集中して群衆をコントロールする重装備のサポート キャラクターを作成することもできます。 

最終的に満足できるクラスに仕上げました。 初めてのプレイヤーのためにガイダンスと方向性を与えますが、上級プレイヤーは本当に創造的なビルドを実現できます。 

Outriders のダイナミック難易度システムを解説していただき、ゲームに取り入れた方法についても教えてください。

Kmita 氏:
Outriders にはゲーム開始時に難易度の選択がありません。 ワールド ティア 1 から始まり、プロローグを終了すると自動的にワールド ティア 2 に進みます。 そこから先は、プレイヤーが大胆不敵に行動してワールド ティアをアンロックしていく必要があります。

このワールド ティア システムの意義は、戦闘の開始時にただ選択するよりも、難易度をもっと野心的な挑戦にすることです。 プレイヤーが常に次のティアを目指し、次の課題の達成に向けて努力する動機を与えるようにしたかったのです。 ワールド ティアが高いほど XP ブーストが得られるだけでなく、エピックまたはレジェンダリーの戦利品を獲得する可能性も高まり、 ワールド ティアが高いほど Outrider のパワーアップが速くなります。 
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最大 3 人のプレイヤーが協力できるゲーム仕様を考えると、プレイヤーが戦闘に出入りする際の難易度について、どのようにバランスを取るのでしょう? 

Kmita 氏: Outriders では、次のウェーブでスポーンする敵の数と体力を、プレイヤーがセッションに参加/離脱するたびに動的に調整します。 セッションに参加するプレイヤーが多いほど敵がたくさん出現し、 これはキャプテンと小ボスにも当てはまります。 

ワールド ティアに関しては、セッションのホストがプレイしているワールド ティアに協力セッションが常に設定されます。 ホストはパーティーに合わせていつでもワールド ティアを調整できますが、アンロック済みの値よりは高くなりません。 

Outriders には膨大な数の敵と、個性的で巨大なボスが登場します。 このデザインについて何を心掛けましたか?

Kmita 氏: 敵のデザインでは、機動性、攻撃性、パワーに直結するユーティリティのコア戦闘ループを考慮しました。 これらはすべて、より速く、より攻撃的な Outriders のゲームプレイの特徴に何らかの方法で組み込まれ、戦闘でパワーを使いたくなるゲームプレイの課題をもたらします。 

プレイヤーは敵兵や小型のクリーチャーに側面から攻撃され、カバーに長時間留まると外に弾き出されます。これはプレイヤーが常に動きまわり、攻撃し続ける強い「動機」になります。 さらにプレイヤーは、ヒーリング メカニックの管理、敵のキャスト バーの妨害、急速に向かってくる敵集団への対応など、スキルの重要機能を習得する必要に迫られます。 より高いワールド ティアで生き残るためには、より緻密な戦闘要素の習得が不可欠です。

惑星イーノックではアノマリーの影響で超進化が引き起こされ、この惑星に住むクリーチャーは開拓者を破壊するために作られた凶暴なモンスターに変わってしまいました。 巨大なボスがその典型です。 その圧倒的迫力を目の当たりにすることで、超進化したイーノックのクリーチャーが何をするのか、プレイヤーは思い知らされます。 
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このゲームの広大なワールドを、チームがどのようにデザインしたか詳しくお聞かせください。

Kmita 氏:
Outriders のワールドは広大で壮大な体験にしたかったのですが、それと同時にオープンワールドを採用するつもりはありませんでした。 何が起こるかわからないゲームプレイに対応するのではなく、エンカウンターをより高度にデザインすることで、もう少し方向性が定まり、統制が取れた世界を求めたのです。 

そこで当スタジオはハブアンドスポーク構造と呼ぶ仕組みを導入しました。この構造は、大きく曲がりくねったレベルを相互に接続して、すべてのハブ領域を囲みます。 ワールドとプレイヤー体験を、こうした複数のハブとスポークで構成して、この間は Outriders のトラックで移動します。 

プレイヤーは高い自由度を持ち、レベルやハブの間を思いのままに移動できます。 それと同時にプレイヤーは決められた物語の主な道筋をたどり、各レベルを進むにつれて、しっかり設計された敵との遭遇を体験します。 

多種多様なバイオームについて、これほど美しくリアルな環境を、チームがどのように制作したのか教えてください。

Kmita 氏:
イーノックの世界は、ダークで荒廃した場所として創造しました。開拓者が訪れる約束のエデンの園はねじれ、悪夢に変質してしまったのです。 そこで約束された魂は、目の当たりにするすべてです。かつての姿は痛々しい記憶となり、現在では泥と血にまみれています。

これは狂気への旅なのです。プレイヤーと Outrider のキャラクターは両方とも異なる時空から来た流れ者であり、ともにこの旅を経験していきます。 旅を進めるほど、このワールドはダークさと困難さが色濃くなっていきます。

これらを念頭に置いてワールドをデザインしました。原始的で薄汚れた人間の建造物、自然の美しさ、そして純粋な恐怖が混ざり合います。 これはイーノックを横断する旅なので、明確な特徴を持つさまざまな場所にプレイヤーを連れて行くことができます。 多くの場所が似通っている場合と比べて、環境アセットをほとんど再利用できないため、これは大変な作業でした。  

Unreal をベースにした数多くのプロジェクトに長年携わってきた経験から、チームは Unreal ツールセットを最大限まで活用してレベルを制作できます。 ワークフローをスムーズにして、新しいシーンをこれまでになく迅速に設定できました。 これにより、当スタジオにとって大規模な課題でしたが、Unreal Engine に関する深いナレッジと提携の経験によって実現できました。 
画像提供: People Can Fly
Outriders のパーティクル エフェクトは見事ですが、チームはどのようにこれを実現しましたか?

Kmita 氏:
Outriders のエフェクトについては、多くの時間を費やして、さまざまなバリエーションをテストしました。 正直に言うと、今でも微調整しているくらいです。 ただ火を導入するだけでも素晴らしく機能しますが、でもパイロマンサーが火柱を召喚したら、実際の炎をプレイヤーに感じてほしいのです。 持っているパワーや動作が与える影響は、ただ見栄えが良いだけではダメで、実戦で素晴らしいと実感することが非常に重要です。 Unreal には、まさに最適な、優れたパーティクルとライティングのシステムが用意されています。
コンソールの技術仕様に制限されず、自身のリソース次第という環境にあり、これは本当にエキサイティングです。 
- Bartosz Kmita 氏:
Unreal Engine がこのゲームに適している理由はなんでしょうか?

Kmita 氏:
Unreal Engine は当スタジオにぴったりでした。 他のツールは本当に検討さえもしていません。 長い間 Unreal Engine に携わってきましたが、さらに Epic との協力から学んだことも大きいです。 当スタジオのプロセスとワークフロー、そしてニーズに合わせてエンジンを微調整する能力は、現時点でとても高く、Outriders に Unreal 以外のツールを採用する意味がありません。 飛行機から徒歩に移行するようなものです。 

Unreal は信じられないほど強力なゲーム開発ツールセットであり、エンジンの機能と既存のアセットをすべて活用することで、必要な機能を独自に実現する方法に多くの時間を費やすことなく、非常に迅速にプロトタイピングとデザインの開発を開始できます。 

屈指のゲーム開発スタジオとして、次世代コンソールに期待することはありますか?

Kmita 氏:
新しいコンソールには優れた新機能が数多くありますが、最もエキサイティングなのはクリエイターに与えられた自由です。 

当スタジオはテクノロジに縛られないゲーム制作から常にスタートし、実現できるすべての可能性を想像します。 目指す方向性が決定したら、実際に何ができるのかを調査する必要があります。 

ここで制限が見つかるため、ビジョンの調整を迫られます。 たとえば膨大な敵を画面に表示できなかったり、エンジン内で大規模なシーンを実行できなかったり、必要な操作が機能しなかったり、陰鬱な濃いボリュメトリック フォグがパフォーマンスを犠牲にしないと実際のゲームプレイで望むほど見栄えしなかったり、等々。 現時点では、どのような制限があるか、そもそも制限があるかどうかさえわからない段階です。 つまり現在はコンソールの技術仕様に制限されず、自身のリソース次第という環境にあり、これは本当にエキサイティングです。 

貴重なお話をありがとうございました。 Outriders の詳細はどこで確認できますか?

Kmita 氏:
Outriders の詳細については、ゲームの 公式 Web サイトTwitterFacebookDiscord をご覧ください。

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