OC4 注目のアンリアル デベロッパー、Future Lighthouse
2017年9月21日

OC4 注目のアンリアル デベロッパー、Future Lighthouse

作成 Roberto Romero Perez, CTO at Future Lighthouse

Oculus Connect 4 で我々、Future Lighthouse が、VR コミュニティに対するエバンジェリズム (説得してファンになってもらうこと) とアドボカシー (相手にとって最善を追求し、長期的な信頼を得ること) について語ります。Future Lighthouse は、ストーリーテリングを体験する MELITA をアンリアル エンジンを使って制作しました。現在、業界で何が起こっているか、どのように業界を発展させていくかについて分析し、“Building Global Communities” というパネル ディスカッションで検討します。このディスカッションには世界各地から以下のデベロッパーが集結し、地域のコミュニティに関わった体験を共有します。

パネリストは、Future Lighthouse (スペイン) のRoberto Romero Pérez (本ブログの著者) 、 Ìmísí 3D Creation Lab (ナイジェリア) の Judith Okonkwo 氏、および Psychic VR (日本) のNausharwan Mir 氏といった顔ぶれです。VRBase (アムステルダム / ベルリン) の Sara Vogl 氏が司会を務めます。

Unreal+Engine%2FblogAssets%2F2017%2FSEPTEMBER+2017%2FFuture+Lighthouse+at+OC4%2FHighresScreenshot00006-770x416-3da72f203eb1a0d5472b41eb6c0b9b4ae42e3ac8

Future Lighthouse のシネマティック体験では高度な AI の MELITA と優秀な女性科学者、Anaaya が登場し、物語が展開します。Anaaya は人類が移住可能な新たな惑星を見つけるという任務を与えられ、旅をしながら人生の意味についても考えていきます。

「VR 産業が発展を続ける中、VR というメディアが持つ可能性の実現に向けて女性が大きな役割を果たしています」と Malia Probst 氏。同氏は VR Scout、および VR 技術に関して女性が立ち上げたスタートアップに力を入れているベンチャー キャピタル ファンド、Women in XR のパートナーです。「今までで最も野心的な VR プロジェクトのひとつである、MELITA が強い女性を主人公としていることは、こうした動きにふさわしいものであると言えます。」

Unreal+Engine%2FblogAssets%2F2017%2FSEPTEMBER+2017%2FFuture+Lighthouse+at+OC4%2FHighresScreenshot00025-770x408-683278114d7e64a968824603cc4366b89e57e6d5

MELITA の物語は、三部構成です。第二部と第三部はまだ制作段階であり、Venice Film Festival (VFF) の Co-Production プログラムで現在資金を募っています。このプロジェクトは、アカデミー賞への足掛かりとなる VFF で披露されるだけでなく、OC4 でも上映予定です。

「この作品が他の VR 体験と際立って違う点はシネマティックな動き、キャラクターの成長、アクターとダイアログの組み合わせです」と MELITA のディレクターであり、Future Lighthouse の CEO である Nicolás Alcalá は説明します。「この作品は、VR シネマティックスのナラティブの限界を押し上げました。お気に入りのアニメーション映画の中に入ったかのような感覚が得られます。」

Unreal+Engine%2FblogAssets%2F2017%2FSEPTEMBER+2017%2FFuture+Lighthouse+at+OC4%2FMelita_Lake-770x433-93366500bda7c95f6b092cf335e41b25e67ae859

三部構成の体験を通して、Future Lighthouse では、二種類のカメラビューを使って没入感のあるストーリーとインタラクションする新たな方法を模索しました。“Director’s Mode” のカメラビューでは、シネマティックな手法で観客の感情に訴えかけ、ナラティブな体験をすることができます。“Dollhouse Mode” のカメラビューでは、目に見えない巨人の視点で観客はあらゆるものを見ることができます。さらに、メインの物語から離れて様々なシーンやキャラクターとインタラクションする方法もあります。

Melita には他に類を見ない技術的課題がありました。Future Lighthouse は限界を押し広げたかったのです。アンリアル エンジンを使って制作することで、あらゆる面で現状を打破して、映像にインタラクティブな要素を加えることができました。

Unreal+Engine%2FblogAssets%2F2017%2FSEPTEMBER+2017%2FFuture+Lighthouse+at+OC4%2FHighresScreenshot00003-%282%29_%28CON-TITULO-Melita%29-770x397-e3273e2ca55c93a5e376f696020992a8693a75bf

Future Lighthouse の CTO の Roberto Romero (本ブログの著者) の技術的戦略

ホログラム: マテリアル パラメータ コレクションと独自のブループリント システムを使って、ホログラム エフェクトをうまく管理しました。これにより、シーケンサーで各要素を個別にアニメートする必要なく、オパシティ、明るさ、色などの個々の設定とグローバル設定を制御することができました。これは、発生するイベントとアセットに加えられる変更について、各シーンで繰り返されるプロセスを考えると必須でした。

レベル ストリーミング:  プロジェクトの最終段階になるまで、レベル ストリーミングは使用しませんでした。それまでに、 13 シーンに分けて、順次ロードしました。しかし、サウンドトラックとシーンの切替えがロード時間なしでシームレスに起こるように連続性が必要でした。音楽トラックには他のシーケンスの部分からは独立したマスター シーケンスがあります。このマスター シーケンスで基本的制御も行いました。

各シーンの名前を順番に記述し、そのサブ シーン (ライティング、動的および静的) を記述しました。それらを、各シーンの順序、アプリケーション内の順序、および各シーンの合計持続時間を決める一連の文字列で構成されるデータ構造に加えました。リアルタイムでこの構造を読み出してシーンをロードまたはアンロードすべきかを把握し、常に可視にするかについても制御し、メモリのロードとパフォーマンスの最適化を制御します。

Unreal+Engine%2FblogAssets%2F2017%2FSEPTEMBER+2017%2FFuture+Lighthouse+at+OC4%2FHighresScreenshot00011-770x416-4980cde3d02c17aa157026ffff743f4fb65a9c70

遷移: シーケンサーのフェード遷移機能以外に、いつでもコントロールを使ってシーンのイン、アウトを遷移できるように他の方法を実装しなくてはなりませんでした。これを行うために、グローバル ポストプロセス エフェクトを使いました。このエフェクトでは適切な時だけ徐々にアクティベートし、ディレクターが望むエフェクトを実現します。

ストーリー展開: MELITA のインタラクティブな体験では、色々な場所で Melita の過去について少しづつ明らかになっていきます。キャラクターに関して様々なインタラクティブな要素を作成しました。例えば、熊を撫でたり、道案内の蝶々と戯れたり、こうした要素に関する情報をサウンド クリップを通して伝えるオーディオ ログを示して Anaaya と Melita の物語を展開させます。

--

OC4 パネル ディスカッションの詳しい情報については、 Oculus Connect の公式ウェブサイト をご覧ください。MELITA と Future Lighthouse に関する情報は、ここから ご覧いただけます。