本日はよろしくお願いいたします!まず、Wildgate はどのようなゲームであるのか教えていただけますか?
Grant Mark 氏、テクニカル ディレクター:インタビューにお招きいただきありがとうございます!もちろんです。Wildgate は、プレイヤー同士が協力して宇宙船のクルーとなり、エイリアンの遺跡を探索し、強力なアーティファクトや実験的なテクノロジーを見つけ、無限の冒険の世界で他のクルーのプレイヤーと戦闘を繰り広げる PvP アドベンチャー ゲームです。
ストーリーとビジュアルの観点から、Wildgate’ の世界観を作り上げていくうえで、最も影響を受けたものは何でしょうか?
Rick Gilliland 氏、テクニカル アート ディレクター:私たちは、自分たちならではの小さな SF の世界を探し求めていました。インスピレーションを得たのは、スター・ウォーズやスター・トレックといった、SF の古典作品ですね。また、土曜日の朝に放映されていたアニメーションや Jim Henson のさまざまな作品など、文化的なアイコンの魅力を取り入れ、楽しさを表現したいと考えていました。
リーチを、不思議で挑戦的な感覚を同時に感じられるようにしたかったため、雷雨や巨大な波といった迫力ある数多くの自然現象を参考にしました。また、プレイヤーに宇宙にいるような感覚を味わってもらいたかったのですが、これまでに見たことのないような宇宙のイメージを表現するため、宇宙とは無関係の多くの参考画像からインスピレーションを得ました。たとえば、クラウド タンク、神話や伝説に登場する動物、顕微鏡画像などです。
キャラクターについては、バリエーション豊かなストーリーを展開できるように、個性豊かなキャラクターを作り上げました。また、リーチを威圧的な存在にするために、キャラクターに頼りなさを出すことも重要でした。プレイヤーが新しいゲームに飛び込むのと同じように、キャラクターも準備万端ではなくとも、どのような状況にも対応できるという相反する感覚を同時に感じてもらいたいと考えました。
宇宙船は、実際、ホットロッド (改造車) から大きな影響を受けています。こういったパワフルなマシンが個性的で、表現の余地が豊富である点に魅力を感じました。唯一無二の存在と感じるように各宇宙船に個性を持たせ、プレイヤーが宇宙船を通じて自己表現できるよう、より多くの宇宙船とカスタマイズ オプションを追加したいと考えました。
最終的には、あらゆる要素がプレイヤーが体験するゲームプレイを裏付けるものになるようにしたいと考えています。Wildgate は混沌としていて、挑戦的で、遊び心に満ちています。こういった感覚をあらゆる要素に織り込むように努めています。
デビュー作である Wildgate に Moonshot Games がスタジオとして抱いた主な目標はどのようなものだったのでしょうか?
GM 氏:これについては、プレイヤーとデベロッパーの 2 つの視点からお話しします。
プレイヤーとしては、Wildgate がプレイヤーのストーリーの源となることを希望していました。プレイヤーがゲーム セッションを終えるたびに、自分に素敵な出来事や、成功または失敗した巧妙な計画のストーリーの余韻に浸ることができるような作品にしたいと考えていました。他のプレイヤーとの予測不可能なインタラクションこそが、PvP マルチプレイヤーの醍醐味の 1 つです。Moonshot では SF ファンとして、これらのストーリーが展開される宇宙戦闘のサンドボックスを作りたいと考えていました。
デベロッパー、そしてスタジオとしては、どのようなゲームを選ぶにしても、スタジオの全員がクリエイティビティに容易に貢献できていると感じられるものであることが重要でした。Wildgate のようなサンドボックスでは、チーム内の誰もが、宇宙船のアップグレード、プレイヤーや宇宙船の武器、装備などについて、未完成ながらも刺激的なアイデアを簡単に出して、そのプロトタイプを素早く作成することができます。今日の Wildgate は、Moonshot のチーム全体が一体となって築き上げた成果の結晶と言えるでしょう。
Wildgate では、プレイヤーは敵を銃で撃ち抜くか、逃げ切ることで勝利を掴み取ることが奨励されています。 このゲームプレイはどのように展開されるのでしょうか?
GM 氏:Wildgate で勝利する方法は 2 つあります。アーティファクトを奪取して、Wildgate を通過するか、最後の 1 隻となるまで耐え続けるというか.. . .飛び続けることですね...つまり、最後の 1 隻になるまで生き残るということです。プレイヤーは、ヒーロー、装備、武器、宇宙船といった自分の装備の構成をある程度自由に決めてリーチに突入しますが、一旦リーチに入ると、クルーは、どの宇宙船のアップグレードを見つけるか、他のクルーと遭遇するか、回避するか、プローブでどの情報を収集するかなど、自分自身で運を切り開かなければなりません。
プレイヤーは、マッチの展開に応じて、自分のクルーが今何をすべきか常に選択を迫られます。より良い宇宙船のアップグレードを入手するために、もう 1 つの注視点をクリアするべきか?宇宙船の戦闘に備えて、より多くの燃料と氷を集めるべきか?向こうの敵艦にレーザー ラムは本当に必要なのか?自艦に装備した方がずっと様になるのではないのか?
マッチではクルーの間でのプレイには高度な非対称性があります。そのため、プレイヤーはリーチでのプレイスタイルにクリエイティビティを発揮する余地が大いにあります。
ゲームに登場する宇宙船には、どのような特徴がありますか?また、プレイヤーは他のプレイヤーの宇宙船を妨害しようとする一方で、自身の宇宙船を常にメンテナンスする必要がある点について、詳しく教えてください。
GM 氏:Wildgate に登場する宇宙船は、古代のアーティファクトを求めてリーチを探索していないときでも、探鉱クルーが最も多くの時間を過ごす場所です。これらは、世界間のレジャー クルーズ用のすっきりとしたラインの宇宙ヨットや、アコード海軍の流線形のスター ファイターではありません。知的生命体が航行した中で最も奇妙な宇宙空間に定期的にさらされる、使い古された、ボロボロの機械です。
プレイヤーとして、宇宙船で火災が発生すると、大抵は酸素漏れの可能性を考えます。窓やドアが割れると、酸素レベルが低下します。自然発生的に火災が発生し、宇宙船内全体に広がります。これらはどちらも、プレイヤーが頼りにしているマルチツールを使って対処しなければなりません。宇宙船はさまざまな方法で損傷を受けますが、船体への直接的な衝突や火災の場合、その損傷はリアクターの損傷につながります。
各宇宙船には、爆発するまでに耐えられるリアクターの損傷量に上限が設定されています。プレイヤーはリアクター冷却材 (リーチの氷の小惑星から採掘できる資源) を使用することで、リアクターを損傷から回復させることができます。そのため、これはプレイヤーが注意深く管理する必要がある重要な要素です。プレイヤーは、たとえ命を落としたとしても、自分の宇宙船でリスポーンできますが、宇宙船が破壊されれば、そこで終了です!
本作に登場する武器、ガジェット、トラップについて教えてください。また、UE5 はこれらの開発にどのように役立ったのでしょうか?
RG 氏:本作では、ブループリントによって、クリエイティビティを大いに発揮することができました。デザイナーが新たなアイデアをすばやくゲームに取り入れられただけでなく、チームのほぼすべてのメンバーが参加して提案することもできます。開発のさまざまな段階で、ハッカソン週間を設け、ゲームに役立つと思われるアイデアを探求する機会を設けました。
その例として、いくつか素晴らしい事例があります。レーザー ラムは、自船に装着して他の船をノコギリのように切り裂くための装置ですが、このハッカソンのセッションでプロトタイプが作られました。ボイド タービンは、プレイヤーが掴んで宇宙を移動するための宇宙船エンジンであり、これも同様の方法で作成されました。このようなプロトタイプは社内のプレイテストで頻繁に採用されました。これは、ゲームの楽しさを見出すプロセスにおける重要な要素です。
Wildgate の真価は、プレイヤーが見つけたガジェットを楽しく、創造性あふれる方法で組み合わせるときに発揮されます。このゲームはまさにサンドボックス型の体験です。Unreal Engine では、ゲームを適切に構築すれば、サンドボックス方式でコンポーネントを簡単に組み合わせて実験し、楽しさを見つけることができます。そして、アイデアが固まってきたら、機能をコンポーネントにカプセル化し、それを C++ に取り込むことで、すべてがスムーズに動作するようになります。
開発中に最も印象に残った Unreal Engine 5 の機能は何ですか?
RG 氏:Nanite は本当に素晴らしいテクノロジーですね。最初は懐疑的でした。当スタジオのアート スタイルでは、Nanite デモで紹介されているような超高解像度のスタティックメッシュは必要ありません。ですが、メッシュを切り替え始めると、その結果に驚かされました。
Nanite に切り替えたことで、遠くのメッシュにもシャドウを描画できるようになり、さらにシャドウ レンダリングのコストも削減できました。Nanite のフォールバック メッシュはコリジョンの近似値として優れているため、さまざまな LOD プリセットやカスタム コリジョン メッシュの調整にかける手間が減りました。
その後、Nanite ワークフローを導入し始めると、スタティックメッシュのレトポロジー化やベイク アーティファクトのデバッグが不要になりました。作業が大幅にスピードアップし、Wildgate のアート制作における楽しくクリエイティブな部分に集中できるようになりました。
EU のソースをどのように調整したか、もう少し詳しく教えていただけますか?
RG 氏:当スタジオのエンジニアリング チームのほとんどは、カスタム エンジンの経験があります。チームは、物事の根本を理解し、それがどのように機能するかを正確に把握し、パフォーマンスを最大限に引き出すコードとコンテンツを作成することを得意としています。Unreal Engine のソース コードにアクセスできるため、その能力を活かすことができるという点で安心感がありました。
多くのカスタム拡張機能を作成しました。ブループリント演算子と連携するカスタムの型も作成しました。アニメーションでトリガーする Niagara システムに追加パラメータを渡すための AnimNotify も作成しました。キャラクターに命を吹き込むカスタム AnimNodes を構築し、FDeferredDecalProxy のラッパーを作成することで、移動する宇宙船にパフォーマンスの問題を起こさずにデカールを生成できるようにしました。
Epic のデベロッパー コミュニティの回答と事例は、4.23 から 5.5 でのゲーム リリースまで、エンジンのアップグレードを通してスムーズに作業を進めるためのテンプレートを提供してくれました。
Unreal Engine を使うことで、エンジニアリング部門とアート、デザイン、オーディオなどの部門間とのコラボレーションや一体感のあるワークフローがどのように推進されるのでしょうか?
RG 氏:Unreal のワークフローは、明確な引き継ぎと、メンバーがすぐに作業に取り掛かり、自ら拡張する方法を学べるという、絶妙なバランスを実現しています。エンジニアの中には、アーティストが後から追加できるように Niagara システムを作成している人もいれば、VFX アーティストがユーザー パラメータを綿密に設定して、Niagara システムを使用するデザイナーが特定の用途に合わせて簡単にカスタマイズできるようにしている人もいます。
Wildgate のようなシステム重視のゲームを開発している他のスタジオに、何かアドバイスはありますか?
GM 氏:私たちにとって、Wildgate を今のようなゲームに仕上げるうえで、プレイテストは欠かせない要素でした。当スタジオではほとんどのものを作る際に、「這う、歩く、走る」アプローチと呼んでいる手法を採用しており、特に新しい宇宙船や探鉱船のアイデア、あるいはハードポイント デバイスのような一見シンプルであるもののアイデアが練られているものを作成するときには、このアプローチが当てはまります。大まかな構想を練り、できるだけ早くプレイテストを実施し、どのように展開していくかを確認しましょう。この方法は、ゲームプレイのアイデアから UI レイアウト、パフォーマンスの最適化まで、多くの点で効果を発揮しました。プレイテストのフィードバックはオープンに議論されるようにしています。これは、機能やメカニクスの方向性を明確にし、意図していた方向性と合致している点と合致していない点を把握するのに役立ちます。
当スタジオは、プレイテストが開発ライフサイクルとスタジオ文化の根幹となることを認識していたため、最初からツールチェーンを念頭に置いて構築しました。実際、Wildgate の最初のマルチプレイヤー ビルドをリリースする前から、ビルド配布とプレイテストのためのツールは準備できていました!