ホラー ファンは、しくじって死んでいく主人公にあきれることがあるでしょう。あるいは、簡単に逃れさせてくれる悪役をばかにするかもしれません。自分だったら、もっとうまくできるのにと思いますよね。
非対称 5 プレイヤーのホラー ゲーム、Dead by Daylight をプレイしてこうした戦いがどんなものか試してみることができます。
ひとりのプレイヤーが容赦ない殺人者になり、他の 4 人は生存者として共に協力したり、追ってくる殺人者に一人で立ち向かい相手を出し抜いたりします。こうした設定が大成功につながり、Dead by Daylight から複数のコンテンツが生まれました。『HALLOWEEN®』 映画シリーズをベースにした新たなチャプターもそのひとつです。
Behaviour Interactive のテクニカル ディレクターである Fadi Beyrouti 氏とクリエイティブ ディレクターである Dave Richard 氏が Dead by Daylight の制作背景とアンリアル エンジン 4 (UE4) を選んだ理由について話してくださいました。
Q:Dead by Daylight がオリジナル プロジェクト第一弾になった経緯を教えてください。
Behaviour Interactive:非対称ホラー ゲームのコンセプトを長く温めていました。我々のスタジオにはホラーとそれを取り巻く人間模様が大好きなスタッフが集まっているので、このテーマは繰り返し話題に上りました。利用できる技術、リスクの大きさ、その他の要因から、これまではこうしたコンセプトを実現するのは難しいことでした。このプロジェクトは棚上げされましたが、やっと条件が整い、あまり妥協せずに開発に没頭することができました。
Q:オリジナルのプロトタイプは、別のエンジンで実行しましたよね。その後の開発に UE4 を使った理由は?
Behaviour Interactive: アンリアル エンジンを選んだ理由は以下のように数多くあります。
- アンリアル エンジンのネットワークとマルチプレイヤーのサポートは大きな強みでした。我々はすぐに使えるソリューションが必要だったのです。
- アニメーションに関して、UE4 には非常に信頼性の高いシステムがあります。
- アンリアル エンジンではソース コードが利用可能であり、必要に応じて手を加えることができます。
- UE4 では更新と改善が頻繁に行われ、その数もかなりのものです。
Q:特に便利だった機能や驚かされた機能はありますか? 開発にどのように役立ちましたか?
Behaviour Interactive: 便利さという点では、何と言ってもブループリントでしょう。開発時間を大幅に短縮したからです。本当の意味での強みは、どのゲーム制作でも最適になるように C++ とブループリントのコードをどの程度使うかを選ぶことができるということです。我々の場合、C++ を使って管理の枠組みを定め、ブループリントを使ってゲームの機能を拡張しました。
UE4 で驚いたことのひとつとして、ビジュアルの手直しをしなくても、ゲームの見栄えが良かったことです。これに関して、シェーダー開発パイプラインは素晴らしかったです。アーティストたちはスクリプトを記述するのではなく、ノードを接続することができます。 新たにカスタム ノードを追加し開発するのも非常に簡単です。
概してツール チェーンはとても使いやすかったです。チーム全体が効率的に作業できるツールが沢山ありました。
Q:ホラー ジャンルでは雰囲気が重要な役割を果たします。Dead by Daylight で目指した雰囲気はどのようなものでしたか? また、それを実現するためにどのような技術を使いましたか?
Behaviour Interactive: ホラーではライティングの調整が大きな部分を担います。ゲームプレイと雰囲気とのバランスを取ることが課題です。特にライトをベイクしたり、ごまかしたりできないプロシージャルに生成されるゲームではそれが重要になってきます。雰囲気づくりに使われる植生、霧、その他のエフェクトもゲームプレイで隠れ場所、相手を惑わす手段として使われます。
Q:プロシージャルな生成を用いてバランスのとれた体験を生み出すのは難しいものですが、特にマルチプレイヤーとなるとやっかいですよね。プレイヤー間のバランス感覚についてはどのように作業を進めましたか?
Behaviour Interactive: コミュニティをモニターするために基本的ルール、厳しい評価基準、多くのテストと分析ツールを用いました。プレイヤーたちは進化し、新たなコツを見つけるので、バランスが崩れてしまいます。ゲームも同時に素早く進化しなければなりません。
Q:毎回違うゲーム展開になるので、プレイヤーは夢中になり、絶えずバラエティに富んだ状況に遭遇することになります。特にお気に入りのものはありますか?
Behaviour Interactive: あらゆる希望が失われたかに思えてもプレイヤーが何とか打ち勝っていくのが好きです。ほとんど勝ち目がない状況で、信じられないようなゲーム展開を見てきました。プレイヤーが勝利の条件よりも自らの役割に集中するとゲームは面白くなり、それに応じた報酬も与えられます。
Q:ローンチ以降、無料のThe Last Breath のチャプターを含めて新コンテンツを立て続けにリリースしていますよね。プレイヤーのフィードバックをどの程度新しいコンテンツに反映していますか?
Behaviour Interactive: どのようなものを作るかについては自分たちの課題がありますが、コミュニティに耳を傾け、モニターし、彼らとやりとりしてフィードバックを集め、今後のことを考えています。多くの場合、コメントが具体化したり、さらに他のコメントへとつながります。
Q:Dead by Daylight が YouTube と Twitch でこんなにも人気を集めたことをどうとらえていますか?
Behaviour Interactive: そうですね。嬉しい驚きです。YouTube と Twitch に適したゲームになるように計画し、制作したんです。こうした媒体を通してゲームの知名度を上げる戦略でした。とはいえ、反響の大きさには驚かされましたけど。
Q:殺人者と生存者では、どちらがお気に入りですか?
Dave:両方とも好きですよ。社内で両方の役でプレイしてみました。それぞれお気に入りはいましたが、誰もが両方の役を演じるのを楽しんだんです。
Fadi:私はどちらかというと生存者役の方を沢山プレイしました。殺人者としては未熟者で、生存者としては平凡でしたけど。
Q:Dead by Daylight の詳しい情報はどこで入手できますか?
Behaviour Interactive: 弊社のウェブサイト で常に最新情報とニュースをご覧いただけます。もちろん、Twitter と Facebook をフォローしていただくこともできますし、Twitch で毎週情報を配信しています。