©️ 2023 DogHowl Games ©️ 2023 tinyBuild

荒廃した惑星を舞台とする Level Zero ゲーム開発の裏側に迫る

Brian Crecente
ウクライナで生まれ育った Alex Pimenov 氏は Doghowl Games の共同設立者であり、Level Zero プロジェクトのゲーム ディレクターを務めています。Doghowl Games チームのプロジェクト ビジョンについて、Alex にお話を伺います。以前、Alex は 9 年以上にわたって映画業界で勤務した経験を持ち、さまざまな作品のディレクターやプロデューサーを務めました。
「(昨年) 2 月 24 日を境に私の目標と夢が一瞬にしてすべて消え去り、私の当面の目標は「自分と家族の安全を確保する」というシンプルな原則に変わってしまいました。あらゆる物質的なものがその価値を失い、文字どおりすべてが現実化した夢のように思えました。眠ることができるのは私の体が疲労しきっているときだけで、目が覚めたときには、すべてが夢であってほしいと願わずにはいられませんでした」

ウクライナに住む他の大勢の人々と同じく、ウクライナを拠点するゲーム開発スタジオ Doghowl Games の共同設立者である Alex Pimenov 氏の生活も 2022 年 2 月を境に永遠に変わってしまったのです。

スタジオを創設して Doghowl として初作品となるタイトル、Level Zero の開発契約を結んでからほんの 1 か月後、それまで予想もしなかった出来事によって、Doghowl Games のメンバーたちの生活は一変することになりました。戦争に伴ってゲームの基礎作業は最初の週に中断を余儀なくされましたが、Alex と他のチームメンバーはなんとか生計を立てねばならないことから、その後すぐにプロジェクト作業の再開を決断しました。

「私たちのチームには優秀な人材がそろっており、互いに助け合い、このすばらしいプロジェクトをやり遂げるというひとつの目標の下に結集しています。そして今まさにその作業を行っているところです」と Alex は語ります。「この戦争はウクライナにおけるゲーム開発に特定の変化だけでなく、予測もできなかった過酷な状況に対処するという、思いもよらない経験をもたらしました」

3 月に行ったこのインタビューでは、戦時下におけるゲーム開発がどのようなものか、非対称型ホラー作品の Level Zero がその開発初期からどのように進化したのか、そしてゲーム開発に Unreal Engine を使用することでチームが得たインスピレーションについて Alex Pimenov 氏にお話を伺いました。
 

Doghowl Games はいつ、どのように設立されましたか?

Alex Pimenov 氏 (Doghowl Games 共同設立者):
私たちはもともとさまざまな場所に住んでいましたが、10 年前にマルチプレイヤー ゲームを通じて知り合いました。その時点ですでに、私たちはさまざまなゲームの独自サーバーや MOD を開発することに興味を持っていました。私たちは Unreal Engine 4 のリリースに注目し、興味を持って UE について学び始めました。Unreal Engine についての十分な知識を得て、独自のゲーム「Level Zero」を開発するアイデアが生まれました。当時のメンバーは 4 名で、それぞれの本来の仕事の合間にこのプロジェクトの作業を進めました。ゲーム開発からビデオ プロダクションに至る分野での長年の経験から、このゲームをパブリッシャーの興味を引くものにすることは難しくはありませんでした。私たちはチーム内のすべてのプロセスを正しく構築するために、Outloud の創立者であり、ゲーム開発業界で長年の経験を持つ旧友たちと合流しました。

Doghowl Games を創立したのは戦争直前の 2022 年初頭でした。同時にあるパブリッシャーとの契約も成立させました。現在私たちのチームは 20 名ほどとなり、MetroCall of DutyDead Space といった人気作品での経験を持つプロフェッショナルがそろっています。

今はどちらを拠点としていますか?

Pimenov 氏:
ほとんどはウクライナ、ヨーロッパ、北米におり、チーム全体がリモートで働いています。

ご自身とスタジオの安全を確保するために、どのようなことを行っていますか?

Pimenov 氏:
戦争の始まりは、すべてのウクライナ国民に例外なく甚大な影響を及ぼしたと思います。こうした出来事に備える方法はありませんが、あらゆるリスクを軽減するための努力は尽くしています。

戦争が始まったときは、チーム全員に必要なすべての機器を提供することが私たちの最優先事項でした。チームメンバーが安全に、かつリモートで作業できるように、ノートPC、発電機、バッテリー、その他のデバイスを購入しました。この戦争はウクライナにおけるゲーム開発に対して特定の変化だけでなく、予測もできなかった過酷な状況に対処するという、思いもよらない経験をもたらしました。

戦争により、日常の業務やゲーム開発への集中力といった面でどのような影響がありましたか?

Pimenov 氏:私たちはリモート作業に必要なすべての機器をチーム全員に提供しました。スタジオの運営については戦時下にあっても通常どおりで、明確なプランに沿って動いています。爆撃の際には防空シェルターに避難し、その後仕事に戻ります。停電の際には補助電源に切り替えて作業を続けます。
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停電に備えてチームが購入した大量の発電機
ウクライナであなたが経験したことと、ご友人やご家族が経験していることは、このゲームのルック アンド フィールにどういった影響を及ぼしましたか?

Pimenov 氏:
ゲームのルック アンド フィールにこの戦争の影響はまったくありません。私たちは目の前にあるすべての目標を達成しつつあります。もし戦争がなければ今とは違うことがあったかもしれませんが、それを見いだす機会は今後一切ないでしょう。

この大変な状況を受けて、ゲームの開発を中断しようと考えたことはありますか?

Pimenov 氏:
正直に言えば、戦争が始まった最初の数週間は、だれもプロジェクトのことを考えてさえいませんでした。私自身について言えば、2 月 24 日を境に私の目標と夢が一瞬にしてすべて消え去り、私の当面の目標が「自分と家族の安全を確保する」というシンプルな原則に変わってしまいました。あらゆる物質的なものがその価値を失い、文字どおりすべてが現実化した夢のように思えました。眠ることができるのは私の体が疲労し切っているときだけで、目が覚めたときには、すべてが夢であってほしいと願わずにはいられませんでした。

1 か月ほどたったころ、生活を中断することは何の解決にもならないという現実に戻され、プロジェクトの作業に戻らざるを得ませんでした。私たちのチームには優秀な人材がそろっており、互いに助け合い、このすばらしいプロジェクトをやり遂げるという 1 つの目標の下に結集しています。そして今まさにその作業を行っているところです。

スタジオについて将来希望することは何ですか?

Pimenov 氏:
スタジオとしての成長と拡大に向けて引き続きまい進し、新しいクールなプロジェクトを続々立ち上げて、ウクライナのゲーム開発をさらに推進していくことです。ウクライナの開発者たちは戦時下であっても大規模で複雑なプロジェクトを遂行できるのだという信頼感を世界中の人々に示したいと思います。ウクライナには、メディアの制作という点で、独自のスタイルを備えた非常に豊かな文化があるのです。

御社は 2021 年に Level Zero のトレーラーがヒットを収めた後に、パブリッシャーとの協議によってこのゲームのアルファ リリースの延期を決定しましたが、その経緯と、今後それがゲームの最終的なビジュアルと機能にどのような影響を及ぼすか教えてください。

Pimenov 氏:
戦時下ではあったものの、パブリッシャーからはプロジェクトをさらに向上させるための機会をいただきました。これは私たちにとって非常にありがたいサポートでした。私たちはゲーム環境全体とすべてのキャラクターを完全に見直しました。これは、その 80% が Unreal マーケットプレイス からのアセットを使って以前に作成したものであったためです。新しいキャラクターたちには非常に満足しており、このゲームにおける強みのひとつとなっています。

また、プレイヤー選択の際のマッチメイク システムを構築するために、ゲームを専用サーバーに移行しました。私たちは、ゲームの拡張性を高め、キャラクターのカスタマイズや特典、ゲーム進行といった新しい機能を容易に開発に取り入れられるように、文字どおりコード全体を書き直しました。全体的なアニメーション システムにもさまざまな変更が適用され、独自のロコモーションを開発したことで、キャラクターの動きをより現実味を帯びたものにすることができます。また、ビジュアルの面でもゲームプレイの面でも今までとは異なる雰囲気を持つ新しいマップの作成も進行中です。このゲームの世界観は、宇宙における設定と (SF ファンではない方のために) 地球寄りの設定の両方に対応できるように描かれています。

このゲームの開発に Unreal Engine を採用した理由は何ですか?

Pimenov:
私たちが Unreal Engine をとても気に入っているからです。本当に優れたツールです。UE を選んだ理由は数多くありますが、主な理由としては、ゲームのビジュアル要素と、プロジェクトを迅速にプロトタイプ化できる可能性が挙げられます。UE ならば、多くのツールを使わずともクールなグラフィックを作成できます。優れた映像を作成する方法についてのビジョンがあれば、それを Unreal Engine で必ず実現できます。Unreal Engine 5 に移行して、その新機能やツールを試す機会が待ち遠しいです。

小規模の独立系ゲーム開発スタジオである御社にとって、Level Zero で実現しようとしていた目標の達成に、Unreal Engine はどのように役立ちましたか?

Pimenov 氏:
インディーゲーム開発者にとって Unreal Engine が無料であることは重要な要素です。また、Unreal Engine を学ぶための数多くの資料がインターネット上に存在していることも重要な点です。ブループリント ビジュアル スクリプティング を使用すれば、初めてのプロジェクトであっても簡単に作成することができます。また、マーケットプレイスのアセットと Megascans を使用することで、多額の予算をつぎ込まずとも、最初の段階でビジュアル要素を大まかに描き出すことができます。
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非対称型ホラーゲームの開発を決定した理由を教えてください。

Pimenov 氏:
このゲームは、もともと 2 対 2 の対戦モード向けに設計されたものです。私たちは 1 匹のモンスターは 1 人のサバイバーよりも強いという設定を確立したかったため、ゲーム内でサバイバーの数を増やし、サバイバーとしてプレイするほうが簡単であるという状況をつくることを決めました。

では、「4 人の人間対 1 匹のモンスター」ではなく、「4 人の人間対 2 匹のモンスター」としたのはなぜですか?

Pimenov 氏:
ランダムなプレイヤーとともにプレイした場合はゲームから得られる感情を共有しづらいものですが、こうした感情や印象をだれかと共有するということが、このゲームのとても重要な部分であることがその理由です。友人たちと同じチームでプレイできないこともデメリットとなります。Dead by Daylight といった作品では、強力なサバイバー側のプレイヤーを相手に、モンスターとしてプレイした際に屈辱感を感じることがありますが、私たちはプレイヤーがこうした感情を 1 人で味わうことはあまり好ましくないだろうと考えました。

このゲームの開発に影響を及ぼした特定のビデオゲームはありましたか?

Pimenov 氏:
私たち自身がゲーマーでもあるので、何か新しいゲームプレイを開発したいと考えていました。私たちは、市場には新しいアイデアを備えた斬新な作品が足りないと感じていたので、このゲームには、他のマルチプレイヤー ゲームにはないような「光」を主力武器とした主要メカニクスを考案したのです。

インスピレーションを得るうえで、参考にしたホラー映画や作品はありましたか?

Pimenov 氏:
環境の制作時には オデッセイ (The Martian)プロメテウス (Prometheus)アナザー・ライフ (Another Life) シリーズといったさまざまな映画に注目し、そのスタイルというよりも雰囲気に関してインスピレーションを得ようとしました。キャラクターとクリーチャーについては、できる限りオリジナルのものを作成したかったので、他のゲーム作品と比較するようなことをするつもりはありませんでした。その意図がどれだけ反映されているかは、プレイヤーの皆さんがご判断ください。

時間とともに、Level Zero のゲームデザインとビジュアルはどのように進化しましたか?

Pimenov 氏:
ゲームのビジュアル デザインで主に変わったのは、アセットの使用からオリジナル コンテンツに切り替えた点です。ゲームのスタイルについては、元からのビジョンを維持して変えないようにしています。このゲームのカギとなるスタイルは、過度な SF 要素なしに近未来を描くことです。私たちは、現実味のある、理解可能でなじみのある要素を取り入れた、人間工学に基づく論理的な環境を作成したいと考えました。こうした環境の中で、プレイヤーはその目に映るものからよりリアリズムを感じることができます。私たちは、単にデザインのためのデザインや、SF 作品のための SF デザインを行うことには反対なのです。
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Level Zero のストーリーとその背景について教えてください。

Pimenov 氏:
私たちは、ゲームの完全なバックストーリーをオーディオ シリーズにまとめました。このバックストーリー自体は今のところ秘密です。

マルチプレイヤー ゲームですが、ゲームの基礎となるストーリーについてはどのように語られる予定ですか?

Pimenov 氏:
Calls オーディオ シリーズをご存じの方もいると思いますが、私たちは、ゲームのバックストーリーを相互接続された一連の音声コールという形で表現したいと考えています。バックストーリーをひもとくには、ゲームセッション中に隠されたキャリアを見つける必要があります。プレイヤーは、これを使ってストーリーの整合性を解明し、さらにその対価として多額のゲーム内通貨や他のアイテムを取得することができます。ゲームのすべてのマップは一貫したバックストーリーにつながっており、注意深く考察する必要があります。プレイヤーはバックストーリーを解明するにつれて、さまざまなマップの秘密の場所へのアクセスを手に入れます。 

ゲームで使われている宇宙服はすばらしいですね。SF 特有のスタイルを連想させます。現在の宇宙服は、1 年前のオリジナル トレーラーに登場したものとはかなり違うようですが、現在のデザインになったのはどういった理由ですか?また、変更した理由と、この変更によって何を達成しようとしたのか教えてください。

Pimenov 氏:
過去にはキャラクターを Unreal マーケットプレイスから選んでいたので、独自のスタイルはありませんでしたが、皆が認知できるもの (人) に十分似ていたので、依然としてリアルなキャラクターとして表現できていました。現在のキャラクターは、顔を除いて完全に最初から作成したものです。これらのキャラクターは MetaHuman で生成したものです。この MetaHuman を利用できることも Unreal Engine を採用するメリットのひとつといえます。MetaHuman を使って得られるキャラクターの品質はとてもすばらしいものです。スタイルについては、無防備で非武装の科学者を表現するキャラクターの作成がなかなかの課題でした。このゲームの設定では、他の惑星を調査している企業は軍事組織ではないため、科学者たちが軍人には見えないようにする必要があります。 

クリーチャーのデザインもすばらしいですね。これらをどのように生み出したのですか?

Pimenov 氏:
クリーチャーを作成するためのソリューションを模索していたときの目標は、「理にかなった」クリーチャーにすることでした。私たちは、クリーチャーの種としての生物学的な成り立ちを考察しました。これらのクリーチャーは深層の地下水の中で誕生し、光を目にしたことのない深海のクリーチャーから進化を遂げたものです。ですので、クリーチャーには魚に似たものも多くいます。クリーチャーは共食い種であり、危険を感じたときには力を維持するために自らの子でさえも摂食します。また、電流に影響を及ぼす力を持っています。クリーチャーには性別がなく、クリーチャーが背負っている魚の卵に似た卵から繁殖します。
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エイリアンが光に弱いというアイデアは興味深いコンセプトですね。このような設定に決めたのはどのような理由ですか?また、ゲームデザインにはどのような影響がありましたか?

Pimenov 氏:
新しい、オリジナルのメカニクスを含むあらゆるゲームにはプロトタイピングが必要になります。これが、オリジナルのゲームを開発するうえで最も難しいことのひとつです。こうしたメカニクスが生む優れた効果として、他のゲームではおなじみの銃火器をサバイバーたちが所持していないことによる「危うさ」があり、これによって「どうすることもできない」という感覚が起こります。これによってこのゲームの没入感が高まり、斬新な感覚も生まれます。新しいプレイヤーが暗闇の隅で立ちすくみ、安全であると思い込みながらも、実際には (クリーチャーは暗闇でもよく見えるため) その暗闇が最も危険であることに気づかない様子を観察するのは興味深いと思います。プレイヤーがこれに気づくとゲームの緊張感がより高まります。クリーチャー側はハンターのような感覚で、サバイバーが予期せぬタイミングで強襲します。

ゲーム内の光と闇のメカニクス、さらにあのすばらしいフレア エフェクトのような特殊ライティングを活用するために、どのように Unreal Engine を使用しましたか?

Pimenov 氏:
私たちは、サバイバーのダークゾーンを完全な暗闇にするために、皆さんが使い慣れているスカイライトは使用しませんでした。逆に、モンスターにはスカイライトを表示して、暗闇でも見えるようにしました。フレア エフェクトについては、Niagara を使用しました。とても強力なエフェクト ツールで、すばらしい結果を得ることができました。

非対称型マルチプレイヤー ゲームの運用には安定したプレイヤー プールが非常に大切ですが、それを維持するために何をしていますか?

Pimenov 氏:
あらゆるマルチプレイヤー ゲームには一定の数のプレイヤーが必要です。プレイヤー維持率を保つために、ゲームのオンラインの面のサポートを促進する高度な進行システムを取り入れる予定です。ゲーム モードが 2 対 4 であることから、私たちがサバイバー側により多くのプレイヤーが必要だと十分に理解しています。そのため、サバイバーの進行はより幅を広げる予定です。ゲームのバックストーリーを解明するにはサバイバーとしてプレイする必要があるため、これによって十分な数のサバイバー プレイヤーを確保することができます。

プレイヤーのマッチメイクはどのように行う予定ですか?

Pimenov 氏:
ゲームのプレイヤー選択にはマッチメイクを利用します。ランキングによって自分と同じスキルを持つプレイヤーがマッチします。うまくプレイすると自分のランクが上がり、敵もその分強くなります。
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ゲームにはどういったプレイヤー進行を取り入れて、どのように使用する予定ですか?

Pimenov 氏:
スキンをアンロックしてキャラクターをカスタマイズしたり、特典をアンロックしたりするには、ゲーム内通貨をためる必要があります。通貨はさまざまな行動やタスクを完了することで獲得できます。マップ上のさまざまなアイテムを集める必要があり、これらのアイテムは通貨と交換することができます。このゲーム進行の特性として、実質的にプレイヤーが前進できるのは、プレイヤーがゲームセッションを生き残り、勝利して終了した場合のみであることが挙げられます。たとえば、バックストーリーの一部を解明するには、情報キャリアを見つけてゲームに勝利し、このキャリアからボーナスを得て、バックストーリーの探求を続けることができます。特典をアンロックするにも通貨が必要になります。新しい特典をアンロックできても、それに見合うだけの通貨を持っていない場合は、その特典をゲーム内に取り込むことはできません。こうすることで、プレイヤーの生存とチームの勝利がより価値あるものとなります。プレイヤーが獲得しなければならないものとして、強力なプレイヤー コンテンツを提供したいと思います。たとえば、難しい冒険をクリアすることが獲得条件のスキンを単に購入することはできません。このため、必要なタスクを完了してスキンを獲得することが、そのプレイヤーが注目される機会につながります。

プレイヤーは異なるキャラクター ロールやモンスターにアクセスできますか?

Pimenov 氏:
私たちは、キャラクターのイメージとそのロールを結び付けたいとは思っていませんでした。ゲームでのこういった結び付けを私たちが好まないためです。プレイヤーは特典から独自のビルドを作成して、そのベースとしてお気に入りのプレイスタイルを適用できます。
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ゲームのローンチマップについて教えてください。また、それらのマップを使ってどういったことを提供したいと考えていましたか?

Pimenov 氏:
今回のリリースでは 3 つのマップを提供する予定です。最初のマップは、惑星に降り立った場所の「トゥリオン洞窟」です。惑星に生息するクリーチャーとの物語が始まる場所です。このマップでは、異質な環境に覆われた様子を有機的に表現したいと考えました。科学者たちはこの環境に属さない「ゲスト」となります。私たちは映画「プロメテウス (Prometheus)」の雰囲気を気に入っていますが、この映画にも洞窟が登場します。2 番目のマップは、SF ファンのために宇宙ステーションが舞台です。このマップの特徴として、クリーチャーが自由に動き回れる膨大な数の通気口が設置されています。3 番目のマップは、氷河に覆われた南極にある調査基地です。このマップの特徴は、実生活のなじみ深い要素を好む、SF が苦手なプレイヤーに向けて、これらの時代の現実に可能な限り近づけている点です。これら 3 つのマップのレベルデザインはそれぞれ非常に異なります。あるマップではクリーチャーから隠れることが難しく、プレイヤーはより積極的に行動する必要がある一方で、別のマップでは隠密行動が重要になり、そのレベルデザインでは隠密行動のための機会が提供されます。プレイヤーにマップを選択するオプションは提供したくないため、プレイヤーはこうしたそれぞれの環境に適応する必要があります。

ゲームにはスペクテイター モードといったモードを備える予定ですか?もしそうであれば、どのような仕組みになりますか?

Pimenov 氏:
このゲームではゲーム進行と勝利が密接につながっているため、プレイヤーは死んでもセッションを離れることがないように、スペクテイター モードは取り入れないことを決めました。サバイバー側でプレイしている場合、プレイヤーは死んだ後にはドローンとなり、モンスターにダメージを与えたり、さまざまな方法でチームを勝利に導いたりすることができます。ドローンの場合は自身で勝利を収めることはできませんが、チームを大きくサポートすることができます。モンスター側でプレイする場合、死ぬことはありますが、その場合もミニゲームをクリアすることでプレイに戻ることができます。
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Level Zero は本質的に「恐怖」をテーマとするゲームに思えますが、どのようなデザイン手法を使ってそれをゲーム内で表現し、怖さのレベルを上げていますか?

Pimenov 氏:
ゲームには、ダイナミックなサウンド イベントや、緊張を高めるその他のさまざまなイベントが仕掛けられています。たとえば、マップ上での不定期な停電や地震など、さまざまなイベントがあります。一見すると、こういったメカニクスの一部は複雑に見えるかもしれませんが、プレイヤーの緊張を高めるためにこのようにしています。一例として、施錠されたドアを開けると、プレイヤーは画面上で対象のレチクルを使ってコードロックを操作する必要があります。これを「ピクセル ハンティング」と呼ぶ人もいますが、この場合は、その場の雰囲気が高まることで緊張感が増します。

Unreal Engine 5 は御社のゲーム開発に適しているようですが、最新版のエンジンに備わっている機能で、次回作で使ってみたいと思う特定の機能はありますか?

Pimenov 氏:
私たちはリリース後にゲームを UE5 に移行することを計画しています。ゲームのビジュアル要素が劇的に向上することは間違いないため、その機会を心待ちにしています。このゲームでは光が最も重要な要素であるため、LumenNanite を使用することで作品の質が高まるでしょう。また、作品に MetaSound や、アニメーションを向上させるための新ツールも使用したいと思います。1 つのエンジンに必要なすべてがそろっているところがとても気に入っています。

お話を聞かせていただき、ありがとうございました。Doghowl と Level Zero の詳細はどこで確認できますか?

Pimenov 氏:
私たちは常にオンラインにいますので、皆さんの興味がある質問にはいつでもお答えします。当社の Web サイト にアクセスしていただき、そこから Discord や他のソーシャル ネットワークで当社をフォローしていただけます。

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