エピック ゲームズは長い歴史において、Gears of War シリーズ、iOS 版 Infinity Blade、近日公開の Paragon and Fortnite など、最高峰の数々のタイトルを支え続けてきました。業界で大人気のマルチプラットフォーム ゲーム エンジンの 1 つであるアンリアル エンジンは、多数のデベロッパーが BioShock ゲームから Mortal Kombat ゲームに渡るゲーム制作に幅広く愛用しています。
さらにエピックは、開発補助金、コンテスト、プロジェクトの公開など、陰の力で数多くのデベロッパー達を支援しています。GamesBeat と連携して 2015 年 2 月にはアンリアル エンジンを使ったデベロッパー達への開発資金 500 万円の提供を発表 しています。
エピックは、ロサンゼルスの High Horse Entertainment とシアトルの System Era Softworks の 2 社を南カリフォルニアで 8 月 1-3 日に開催される GamesBeat 2016 の講演者として選びました。この 2 社は、5 分でトピックを説明する「ライティング ラウンド」のプレゼンテーションに登場します。ライティング ラウンドは GamesBeat の Stewart Rogers 氏 が司会を担当、Dima Veryovka 氏 (Colabee Studios の共同創設者), Omar Siddiqui 氏 (Kiwi、CEO)、David Levitt 氏 (Pantomime Corporation、CEO) もプレゼンターとして登場します。
High Horse Entertainment
High Horse は 2 名のソフトウェア エンジニア Jay Mattis 氏と Timothy Rapp 氏が創設しました。Activision で Call of Duty and Guitar Hero などのフランチャイズでかれこれ 20 年の開発経歴を積みましたが、「同じゲームをこの先作り続けたくはない」と思ったのが創設のきっかけだそうです。
「チャレンジしたかったんです」と Mattis は語ります。「自分達の強み、市場の状況を厳しく評価した結果、モバイル市場はすでに飽和状態でしたが、コンソールと PC 市場にはインディー チームが入りこむ余地がありそうでした。そこで目標が定まりました。」
High Horse 創設後の 2 人の初プロジェクトは Disc Jam でした。Mattis によると「エア ホッケー、テニス、フリスビーのミックス」だそうです。2 - 4 名でプレイできる、わかりやすいゲームです (ローカルとオンラインの組み合わせ)。プレイしやすく、かつ非常に競争力のあって人気ランキングの上位にくるようなゲームを目指しました。Disc Jam は現在 PC (Steam 経由) および PlayStation 4 での配信を目指していますが、Mattis によれば High Horse は他のプラットフォーム向けにも興味があるとのことです。2 人は 2016 年第 4 四半期から 2017 年第 1 四半期でのタイトル配信を目指しています。
Mattis 曰く、簡単な操作で幅広い作業を可能にしてくれるので、High Horse はアンリアル エンジンを選びました。
「独自のエンジンを持とうと思えば可能だったと思いますが、慎重に選択することが非常に大切」だと思ったそうです。「アンリアルを使ってみて、エンジンはチームの一員のように感じました。ソースコードがすべて提供されているので、必要に合わせて実際に変更が可能なことも便利でした。」
Mattis は GamesBeat 2016 でのライティング ラウンドのプレゼンテーションでは、大手スタジオの 200 名規模の開発チームから見た 2 名だけのインディー スタジオに焦点を当てて説明します。小規模スタジオで 2 人がどのように制作価値の高いプロジェクトを開発し、戦略パートナーとユニークな制作メソッドを強化したのか、その教訓を紹介します。
System Era Softworks
System Era の共同創設者 Brendan Wilson 氏が 2014 年にスタジオを創設した経緯もよく似ています。343 Studios、Tecmo/Koei、Ubisoft、Valve, を含む様々な企業で Assassin’s Creed franchise and the Halo シリーズなどのプロジェクトに関わった幅広いゲーム開発の経験をもった 6 名のスタジオです (5 名の社員と 1 名フルタイムの契約社員が、シアトル本社、トロント、ソルトレイクシティに点在)。大手ゲームスタジオでの経歴にもかかわらず、究極の自己満足欲求を満たすような「何か違った、もう少し小規模で機敏なものを作りたい衝動に駆られた」と Wilson は語ります。
System Era のデビュー作品の Astroneer は、チームメンバー達がみんな宇宙航空技術と有人宇宙探査に興味をもっていたため制作された、co-op モード付のシングル プレイヤー ゲームです。初期の頃、ヒット作は暴力的な内容に偏ってました。
「[子供ができると] 物の見方が若干変わります」と Wilson は言います。「誰もが利用できて [かつ] 暴力的な要素を一切含まないゲームを作りたいなと思うようになりました。Astroneer にはサバイバル要素と危険性が若干含まれますが、誰とも戦わず、誰も撃たず、血も流れません。体験が糧となり、成長につながるような、プレイする息子を完全に自慢したくなるゲームであるべきです。
Wilson 曰く、Astroneer は探索、冒険、サバイバル系のサンドボックス ゲームなので、「完全にプロシージャルなワールド設定なので、背景を完全に制御できます。Minecraft が LOGO のビデオゲーム版なら、我々は Play-Doh のゲーム版です」。
「未来の金鉱探索者である」 Astroneer となって、惑星 (それぞれがユニーク) に上陸して、テレインを変形できるツールで探索し、見つけたリソースを使ってあらゆるものを作る使命を背負ってプレイします。
このゲームは当初、他のゲーム エンジンでデモを作っていましたが、ビジュアル アセットが手早く作成できる点にアーティストが惚れ込んで、アンリアル エンジンに切り替えました。ただ、決定的要因はアンリアル エンジンがオープン ソースだったことです。」突然問題が発生してパフォーマンスのボトルネックになった時、他のメンバーに頼らなくても解決できるようにしたかったと言います。例えば、リアルタイムでテレインを変形するには、かなりの回数のマルチスレッド演算を行う必要がありますが、アンリアル エンジンなら簡単ですし、オープンソースなので短期間で自分達で問題を解決することができます。さらにアンリアルはプロトタイピングも高速なので、新しいアイデアを手早く簡単に試すことができます。
System Era では Steam での Astroneer の PC 配信を目指しています。他のプラットフォームについては開発の可能性はあるものの未定です。最終的な配信日はまだ決まっていませんが、Wilson 曰く、今年の秋を希望しているそうです。
GamesBeat 2016 で Wilson は、ゲームづくりは難しいけれども、ゲームスタジオの創設はさらに困難を伴い、特にメンバーに創設経験者がいない場合は特に難しいということを熱く語りました。Wilson によると、スタジオの創設とゲームの作成の同時進行は「セーリングを学びながら、嵐の中でサメが群がる海を彷徨いながら、セーリングを身に着けているようなもの」ですが、、目標に対して創造性と資金繰りをコントロールできるという点が大きな利点だということです。
詳細は VentureBeat をご一読ください。