2019年3月22日
Satisfactory:クラフト、銃撃戦、乗り物の要素を 1 つに組み合わせた意欲的な建設シミュレーター
Coffee Stain Studios、プログラマー兼コミュニティ マネージャー、Jace Varlet 氏:元のコンセプトができたのは、Goat Simulator の作業を終えることを決めたあとのプロトタイプ作成期間でした。投票を行って、気に入ったものとそうでないものを決めていました。当時 Factorio に夢中になっていた私を含む 2 人は、3D の一人称視点の工場建設シミュレーションを作成し、スタジオの全員がそのアイデアを気に入りました。そこからは話が簡単に進み、Satisfactory が生まれました。

Satisfactory をプレイすると心が落ち着きそうに見えます。そのような癒やしの効果は意図的なものですか?
Varlet 氏:はい、そうです。心を落ち着かせる雰囲気にしたのには、2 つの目的があります。1 つは、工場のことを考え、リファクタリングしていくときに、イライラしたり気が散ったりしないようにするためです。そしてもう 1 つは、未踏の惑星の穏やかな自然と人間による介入の効果との間で、コントラストを作り出すためです。工場の中では、周りから聞こえる機械の音によって、穏やかな雰囲気はかき消されてしまいます。Lizard Doggo が出ている初期のティーザー トレーラーでも、この効果が強調されています。
銃撃戦については情報があまり公開されていません。プレイヤーはゲーム内で何を撃つのですか?
Varlet 氏:多くの攻撃的な野生動物がいるので、それらから自分の身を守る必要があります。「Hogs」や「Spitters」から、クモのようなクリーチャーまで、さまざまです。ちなみに、クモ恐怖症の方向けに、「クモ恐怖症」モードがあります。このモードでは、クモが大きな猫のスプライトに変換されます。無抵抗のクリーチャーもいて、それらを撃つこともできます。あなたがモンスターであるなら、という条件付きですが。

戦闘の要素は Satisfactory においてどれほど大きなものなのでしょうか?
Varlet 氏:探索は Satisfactory の重要な要素の 1 つです。探索が面白く見返りのあるものになるように、さまざまな工夫を凝らしてきました。戦闘もその一部です。FPS ほど充実した戦闘ではありませんが、楽しく、難しいもので、探索に少しスリルを加えています。
Satisfactory では、プレイヤーが乗り物をプログラミングして、カスタムのルートを走り続けるようにすることができます。その目的は何ですか? また、実装は難しかったですか?
Varlet 氏:主な目的は、資源の長距離輸送を行いながら、プレイヤーがほかのことをできるようにすることです。たとえば、石炭が工場から遠く離れたところにあり、処理するためにどうにかして運んでくる必要がある、という場合があります。もちろん、やたらと長いコンベア ベルトを作ることもできるのですが、トラクターを 1 台作ってその経路を記録するほうが、資源を採取するところまで巨大なコンベア ベルトを作るよりもずっと安くつきます。あとは、楽しいから、というのも理由です。
Satisfactory のビジュアルはすばらしいですね。美術面については、どうやって発想し、実現したのですか?
Varlet 氏:人間である私たちは、樹木、岩、植物などがどう見えるか、一定の期待を持っています。見知らぬ惑星という設定なので、その期待に応えなくても済むのですが、ゲームとしては応えたほうがいいでしょう。プレイヤーには、自分が見ているものが何であるか理解してもらうと同時に、自分の家にいるようには感じてもらいたくないと思っています。馴染みはあるけれど異質なところがある、という感じです。
表示距離がとても長いようです。UE4 のツールでパフォーマンスの最適化に役立ったものは何ですか?

Varlet 氏:ええ。表示距離を長くするために、いろいろなことをしています。レベルの LOD ツールを活用して、いつでもマップ全体を見られるようにしています。階層 LOD を使って、レベルにあるオブジェクトの大きな塊 (崖の面など) のドローコールを減らしています。また、Culling Volume を使ったり、フォリッジに LOD を使ったりもしています。一部のオブジェクトについては、距離が離れたときにマテリアルをシンプルなバージョンに置き換えるようにしています。
建造物が非常に複雑なものになることがあると思いますが、どうやってカジュアルなプレイヤーでも楽しめるようにしているのですか?
Varlet 氏:ゲームのオンボーディング プロセスについて多くの作業を行いました。シンプルな形で始めて、徐々に複雑になっていきます。いきなり難しいことを要求するわけではありません。また、この点では探索の要素が役に立つと考えています。(私がときどきそう思うように) 工場の設計をちょっと休みたいというときに、何かを探しに外に出かけることができます。
建造物とコンベア ベルトが相互につながりインタラクションするためのロジックを考えるのは、難しいことでしたか?
Varlet 氏:ゲームのプロトタイプを作る段階でその問題を解決したのですが、ソリューションは粗いものだったので、リライトが必要でした。そのシステムを担当したプログラマーの 1 人である G2 によると、数学的なところが最も難しかったとのことです。スプライン関連の数学については特別なことはありませんが、コンベア ベルトらしい動作を実現するのはとても難しいことでした。

以前、マルチプレイヤーについてほのめかしていらっしゃいましたが、Satisfactory では最大何人のプレイヤーをサポートするのでしょうか? また、マルチプレイヤーがどのようになるか詳しく教えていただけますか?
Varlet 氏:マルチプレイヤーは実装します!公式にサポートするのは 1 ~ 4 人までですが、特に制限は設定しません。お望みであれば、50 人でプレイして PC の限界に挑戦してみてください。ただし、その結果については、バグ レポートを上げるのではなく、YouTube に投稿して多くの人に見てもらえるようにしてくださいね。
UE4 が Satisfactory に適していたのはどのようなところですか?
Varlet 氏:Coffee Stain Studios ができる前から Unreal Engine を使っているので、慣れているということが大きく役に立っています。とても使いやすいということもありますし、エンジン全体をカスタマイズできるのもすばらしいところです。個人的な意見としては、ブループリントはすばらしい機能です。アーティストが直感的に利用でき、自分の力でスクリプティングを行うことができます。すばやく成果を上げることができると同時に、プログラマーの負荷を減らすこともできます。

スタジオにとって最大の課題は何でしたか? どうやって克服したのですか?
Varlet 氏:ゲーム全体が課題だったのではないでしょうか。これほどの規模のゲームを開発するのは初めてです。怖いところもありました。開発中、ゲームがまだまとまっていないうちは、辛い時間でした。ちゃんとできあがるだろうか、気に入ってもらえるだろうか、売れるだろうかと悩んでいました。今思い出しても嫌なものです。確信を持つことができず、それは対処が難しいことでした。しかし、血と汗と涙とコーヒーの結晶としてできあがったゲームは、自信を持てるものになりました。その良さをお分かりいただけるものと思います。
Satisfactory について、ほかに何か伝えたいことはありますか?
Varlet 氏:Satisfactory の中心となっているのは工場のゲームという要素ですが、それ以上のものを見つけ出して欲しいと思っています。美しい手作りの世界を探索でき、クリエイティビティを発揮する余地も多くあります。たとえば、一部のプレイヤーは、SugarSumo というミニゲームを作り出しました。空高くにあるアリーナで、プレイヤーが Sugar Cube (トラクター) を使って押し合い、相手を落とそうとするゲームです。また、ジャンプ パッドによる「ジェット コースター」は、マップのあちこちへとプレイヤーを投げ飛ばすことができます。
本日はお時間をいただきありがとうございました。Satisfactory について知るには、どこを見ればいいですか?
Varlet 氏:詳細については、www.satisfactorygame.com でご覧いただけます。また、ソーシャル メディアのチャネルとしては、Twitter、Facebook、Instagram、Discord、Reddit があります。