Image courtesy of Sony Interactive Entertainment, Guerrilla, and Firesprite

Horizon Call of the Mountain は、PS VR2 でどのように次世代のバーチャル リアリティを実現したのか

Jimmy Thang
Jan-Bart van Beek 氏は Guerrilla のスタジオ ディレクターの 1 人であり、このスタジオに 21 年以上在籍しているスタジオ アート ディレクターでもあります。同氏は、スタジオ ディレクターとしては日々のオペレーション、ビジネス開発、複数のプロジェクト管理、従業員の福利厚生を中心に仕事をしています。スタジオ アート ディレクターとしては、Guerrilla におけるすべてのプロジェクトとフランチャイズ プロジェクトにおけるビジュアル スタイルの開発、調整、実装を行っています。Jan-Bart 氏とアート チームは現在、Horizon Call of the Mountain Horizon Forbidden WestBurning Shores に集中して取り組んでいます。
GuerrillaFiresprite によって開発された Horizon Call of the Mountain は、大人気シリーズ Horizon の次の作品です。PlayStation® VR2 のマーキー ローンチ タイトルの 1 つです。このゲームは Horizon Zero Dawn の一連のイベントをスピンアウトした作品で、贖罪を求めるカージャ族の元戦士レイアスが主人公です。Unreal Engine で開発された Horizon Call of the Mountain は、PS VR2 の次世代 VR プラットフォームを活用したゴージャスなビジュアルと鮮やかな色が特徴です。

ゲームの開発について詳しく知るため、Guerrilla のスタジオ兼アート ディレクターの Jan-Bart van Beek 氏にインタビューを行い、ゲーム開発におけるいくつかの目標、Horizon Call of the Mountain における繰り返しプレイできるシステムをどのように作ったのか、戦闘デザインをどのように行ったのか等についてお聞きしました。

初めての方向けに、Horizon Call of the Mountain とは何かを教えていただけますか?

Guerrilla のスタジオ兼アート ディレクター Jan-Bart van Beek 氏:
Horizon Call of the Mountain は、Guerrilla と Firesprite によって開発された PlayStation VR2 ゲームです。恥ずべき過去を持つカージャ族の元戦士であるライアスの物語です。プレイヤーは彼の目を通して世界を見て、過去の行動の贖罪を求める旅に出ます。

Horizon Call of the Mountain のストーリーは、シリーズにおける前作 2 つのうち、いつの出来事ですか?

JB 氏:
Horizon Call of the Mountain Horizon Zero Dawn の 2 つのミッションの間に起きたストーリーです。しかし、Horizon Call of the Mountain を理解するのに必ずしも Horizon Zero Dawn をプレイする必要はありません。プレイヤーに対してこれら 2 つの作品の間に何が起きたのかを伝えることができてうれしく思います。

Horizon Call of the Mountain は、大人気シリーズにおける初の VR 作品となります。この作品の開発において達成したいと考えていた目標のいくつかを教えていただけますか?Horizon の世界観において、VR はどのように役立ちましたか?

JB 氏:
これは PlayStation の次世代 VR ハードウェア向けに一から作った、ユニークで新しい Horizon のゲームです。巨大な機械獣がプレイヤーの上を歩く轟々とした音から弓の弦を引いた際の緊張感まで、リアルな没入感を得られます。VR で、ゲームプレイをまったく新しいレベルに引き上げて本物のゲーム体験を提供できるようになりました。このゲームでは、こうした素晴らしい VR 体験をプレイヤーにうまく伝えるため、細部にも注意を配っています。

一人称で壮観な世界を探索することができます。雄大で、潜在的な危険が隅々に潜んでいると実感できるようなワールドの作成に努めました。プレイヤーが獰猛な機械獣に立ち向かう際は、プレイを通じて学んだすべてのスキルを使って戦うことになります。コミュニティの人たちが野生の世界で困難にどのように立ち向かっていくのかを見るのが楽しみです。
Horizon Call of the Mountain は探索、クライミング、シューティング、リバー ライド モードなどがあり、繰り返しゲームをプレイできる堅牢なシステムが備わっています。このようなシステムをどのように作りましたか?

JB 氏:
Call of the Mountain では、VR が初めての人でも慣れた人でも楽しめるゲームにしたいと考えました。VR ゲームをプレイする際は、夢中になりがちです。従来のゲームよりもはるかに物理的なリアルさがありますし、没入感は薄型テレビの前に座ってプレイするのとは比べ物になりません。過度な情報量を提供すると、プレイヤーはすぐに圧倒されてしまいます。

ループするシステムにすることで、プレイヤーはプレイする際にワールドをより広く詳細に見られるようになります。ボディー ランゲージや呼吸パターンなどの側面から、人々がゲームにどのように反応しているかについて多くのことがわかります。これにより、ゲーム設計が大きく違ったものになります。

Horizon の世界観を VR に合わせる際、難しいと感じたことはありますか?もしあったなら、それをどのように解決しましたか?

JB 氏:
Horizon の世界を VR で再現できたら素晴らしいな、とはいつも考えていました。とはいえ、VR で雄大な自然の風景と素晴らしい機械獣をすべてうまく表現するのは確かに難しかったものの、それでもこれは一番大きな問題ではありませんでした。VR では多くの場合、完璧な没入感を得られ、脳を欺いて周囲の世界が現実であると認識させることができます。そしてゲームプレイの際プレイヤーは 2 つのハンドを操作することになりますが、それらのハンドが本物の手であるかのように使用できる必要があります。Horizon の世界を VR で再現するだけでなく、プレイヤーが自分の手でその世界を実感し、満足できるレベルの楽しいゲーム体験を提供するのが一番難しかったです。
Image courtesy of Sony Interactive Entertainment, Guerrilla, and Firesprite
Horizon Call of the Mountain のストーリーには、複数のルートがあると聞きました。ゲームの世界観をどのように作ったのか、教えていただけますか?

JB 氏:
VR で可能な限り最高のゲーム体験を幅広いプレイヤーに提供するなら、より古典的な一本道のストーリーが良いと思います。しかし私たちは、短い「技術デモ」ではなく完全な形のストーリーを備えた素晴らしいゲーム体験を提供したいと考えました。つまり、何度もプレイできるような、最初は見逃したかもしれないエリアをまた探索したいと思うプレイヤーにとって意味のあるようなゲームにしたかったのです。これを実現するため、ストーリーに分岐を設け、世界観に深みを加えるコンテンツを追加しました。
Image courtesy of Sony Interactive Entertainment, Guerrilla, and Firesprite
ゲームの戦闘メカニズムについて、詳しく教えていただけませんか?

JB 氏:
戦闘時に大型の機械獣がプレイヤーを押しつぶそうとしている際、VR が初めての方も慣れている方も、空間をうまく認知して処理するのが難しいことがすぐにわかりました。それで、ロックオン システムに似た新しい戦闘システムを開発しました。これにより、プレイヤーは敵に対して自由に動けるようになり、戦闘エリアを移動するときも何度も方向を調整しなくて済みます。このシステムのおかげで、戦闘を通常 VR で行えるものよりもはるかに速く行えるようになりました。戦闘中は多様な操作がこなせる一方で、非常にダイナミックで密度の高い戦闘も可能です。

ゲームは Guerrilla と Firesprite が一緒に開発しています。開発時の両スタジオの関係について教えていただけませんか?

JB 氏:
Guerrilla と Firesprite はこのタイトルを共同開発しました。これにより、両 PlayStation スタジオ間の素晴らしいコラボレーションが実現しました。このような才能あふれる方々と一緒に仕事ができて、とても楽しかったです。

Horizon Call of the Mountain が PlayStation VR2 の能力をどのように活かしたのかを教えていただけますか?

JB 氏:
新しい PS VR2 ハードウェアとそれによって可能となることをすべて活かしました。たとえば、ハプティクスとトリガーでワールドに対する没入感がより高まりました。弦の張力、さまざまなクライミング ホールド、ジップ ライン、植物、世界のオブジェクトなどはすべて、ハプティクスとアダプティブ トリガーを用いています。それにより、追加のフィードバック レイヤーを用意できました。たとえば、登るときやものを握る際にも抵抗を感じられると思います。
Image courtesy of Sony Interactive Entertainment, Guerrilla, and Firesprite
Horizon Call of the Mountain は、視線トラッキングを利用した最初のゲームの 1 つでもあります。これをどのように活用しましたか?

JB 氏:
中心窩レンダリングと組み合わせることで、画像の忠実度を高めつつ、プレイヤーが見ている場所を特に強調するように最適化しました。さらに、動的解像度スケーリングでスムーズなフレームレートの維持を実現しています。

PlayStation VR2 のシャープな解像度を踏まえたうえで、Horizon Call of the Mountain を VR 用にどのように最適化したのか、教えてください。

JB 氏:
視線トラッキングと中心窩レンダリングの組み合わせは、ゲームチェンジャーとなりました。必要な場所に追加の詳細を正確にレンダリングできるようになったためです。それに伴い、PS5 のパワーを重要な領域に集中させながら、目が高レベルの詳細を認識できない領域でのレンダリング コストを下げることもできました。

貴重なお話をありがとうございました。 Horizon Call of the Mountain の詳細はどこで確認できますか?

JB 氏:
詳細については、PlayStation.com をご覧ください。またはソーシャル メディアで Guerrilla と Firesprite チャンネルをフォローしてください。

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