画像提供:Whatboy Games

戦術的なデッキビルディング アドベンチャー Trials of Fire が早期アクセスのフィードバックを反映して、より優れたタイトルに

Daniel Kayser
Whatboy Games は、Adam Doherty 氏と Dax Ginn 氏が、AAA レベルの洗練されたゲームプレイを備えた、反復可能なゲームプレイ ループに焦点を絞った素晴らしいインディー ゲームを制作するために立ち上げたスタジオです。Whatboy Games 初のタイトル Trials of Fire は、この方針に忠実に従って、エキサイティングな新しい戦闘メカニクスを、オリジナルの架空の世界を舞台にした、プロシージャルなプレイヤー主導のストーリーに実装したゲームです。
Trials of Fire に初めて操作したとき、このゲームは従来のデッキビルディング ジャンルに独自のスタイルをもたらすことがわかりました。大災害に見舞われた後の架空の王国を舞台にしたターン制シングルプレイヤー戦略ゲーム、Trials of Fire は、広大なオープン ワールドでの自由な探索、マルチキャラクターによるカードを使った戦闘、戦利品、ロードアウト、レベルアップの各システムの革新的な融合が組み合わされ、プレイのたびに充実したプレイとこのゲームならではの戦略的機会をプレイヤーに提供します。

かつて Rocksteady のデベロッパーであった Adam Doherty 氏と Dax Ginn 氏の 2 人は、自分たちのプロジェクトを継続的に向上させながら、他のゲームとは一線を画した卓越したゲームにする必要があることを理解していました。デッキビルディング ゲームが広まった現在でも、この考えを実践しています。実際、Polygon のプレビューで、Trials of Fire はこのジャンルの「最高傑作」と評価されており、本作の早期アクセス段階が非常に実りあるものであったことが伺えます。

ゲームがリリースされた現在、早期アクセス段階でのゲームの進展と継続的な開発状況について、Whatboy のゲーム ディレクター Adam Doherty 氏とスタジオ ディレクター Dax Ginn 氏にお話しを伺いました。  

リリースおめでとうございます!このプロジェクトを詳しく知らない方のために、Trials of Fire の概要について教えてください。
 
Dax Ginn 氏 (スタジオ ディレクター):
こんにちはインタビューにお招きいただきありがとうございます!Trials of Fire は、廃墟と化した架空の世界を舞台にした、戦術的なデッキビルディング アドベンチャー ゲームです。このゲームは、古代の書物のページの中で展開されます。Trials of Fire は広範なプロシージャル ゲーム システムに基づいて構築されたローグライトで、プレイヤーがプレイするたびに、まったく新しいユニークなストーリーが生み出されます。プレイヤーは、3 人のヒーローで構成されるパーティを選択して、ゴールを目指して、ゲームワールドの広大で荒涼とした不毛の地を冒険に旅立つところから始まります。途中でポイントに立ち寄りながら、ストーリーの重要な場面で厳しい道徳的判断を下さなければなりません。この判断が、多くの場合、死闘に発展します。ゲームの核となるのは、ヘックスベースのデッキ主導型の戦闘で、プレイヤーはパーティの枠を越えたデッキ戦略だけでなく、戦術的なポジショナル プレイにも集中して、敵を出し抜き、最終的には倒さなければなりません。このゲーム ワールドは、未曾有の大災害に見舞われた後に混沌とした無法地帯となった世界です。残された種族はすべて、生き残りをかけて日々決死の戦いに挑みます。
 
このプロジェクトに伴い、Whatboy Games スタジオの規模も拡大したのではないでしょうか?現在、チームのメンバーは何人いらっしゃるのですか?
 
Ginn 氏:
コア チームの人数は変わっていません。フルタイムで開発しているのは私たち 2 人だけですが、このゲームではとても有能なフリーランスの方たちの協力を得ることができ、非常に恵まれていました。Trials of Fire には約 400 枚のカードがあり、それぞれのカードには、プレイするとトリガーされるアクションやパワーを表すイラストが描かれています。Max Davenport 氏と Paul Abbott 氏がこのイラストを担当してくださり、過去 2 年間にわたり膨大な量の手描きのカードやアイテム、キャラクターを制作してくれました。また、ゲームで、戦闘に移行するときに、3D バトル アリーナが本のページから浮き出てくるという、とても素敵な演出があります。このゲームの 3D モデリングを担当した Jody Sargent 氏が、技術的に驚くほど高度な作業でこの演出を実現してくれました。また、キャラクターやゲーム ワールドのごく初期のコンセプト設定は、Sandra Deuchewitz 氏が担当しました。荒涼とした危険な雰囲気の中にも、戦うことで希望が見出せることを感じさせる架空のゲーム ワールドを構築できました。さらに、音楽を担当した SCNTFC や、伝説やこのゲームの世界観を構築するストーリーを担当した作家の Nathan Joyce 氏も協力してくれました。

このように全員を挙げても、決して大規模なチームではありませんね。ですが、とても有能なグループであり、その能力が最終的なゲームの質の向上に大きく反映されたと思います。
画像提供:Whatboy Games
前回お話しを伺った後、Trials of Fire はしばらくの間早期アクセスとして公開されましたね。この重要な段階でのプレイヤーからのフィードバックは開発にどのように影響があったのでしょうか?
 
Ginn 氏:
2019 年 5 月に初めての早期アクセスにおいて、私たちは、プレイヤーからのフィードバックやコミュニティ主導の建設的な批評の重要性を正しく評価できていませんでした。私たちは、ゲームをどのように開発するべきか、限りあるリソースをどの領域に集中させるべきかについて、常に固定的な考え方にとらわれていました。しかしながら、約 2 年にわたり毎週アップデートをリリースすることで、Discord やその他のフォーラムに投稿されたコメントやフィードバックに非常に迅速に対応できるようになりました。また、イテレーションや改善を迅速に行う姿勢は、プレイヤーの皆さんに本当に喜んでもらうことができると思います。自分が行ったコメントや提案が数日以内にゲームに反映されるのですから。これは、私たちデベロッパーでさえ非常に嬉しいことなのです。Trials of Fire のゲーム システムは、各アドベンチャーが複雑になればなるほど、拡張される設計になっています。そのため、プレイヤーがこのゲーム システムを私たちを越えた領域に進んでいくことはまったく不可能なことではありません。この場合、プレイヤーからのフィードバックが大きな違いを生み出すことになります。世界中のプレイヤーがどのようにゲーム システムを限界点まで進めているかを知ることができたことは、最終的なゲームのバランスと品質に大きなプラスの影響をもたらしました。
 
Trials of Fire では、プレイヤーはカードプレイと、戦術的な陣地戦を組み合わせて敵と戦いますね。早期アクセス期間に、こういったメカニクスのバランスがかなり調整されたのでしょうか?あるいは、最初の体験とほぼ同じ体験が維持されたのでしょうか?
 
Adam Doherty 氏 (ゲーム ディレクター):
早期アクセス期間中にゲームのバランスを大幅に調整し、戦闘中と戦闘外の両方で大幅な変更を実施しました。当初のビジョンを忠実に再現しながらも、プレイヤーからのフィードバックを反映して、細かい部分を大幅に変更したのです。また、プレイヤーがどのようにゲームをプレイしているのか、どこで失敗しているのか、あるいは簡単に成功しすぎていないか、どのようなカード/アイテム/ヒーローの組み合わせが最も効果的なのか、といったデータも追跡しています。このような素晴らしいフィードバック (中には厳しい意見もあります) やデータがなければ、私たちがどのような状況に陥っていたのか想像もできません。プレイヤーの皆さんの意見がなければ、Trials of Fire の品質もまったく違ったものになっていたでしょう。
画像提供:Whatboy Games
今回のプロジェクトで Unreal Engine を選択した理由として、Unreal Engine に慣れていたことと、広範なクリエイター コミュニティを挙げられましたが、実際のところ、UE を選択したことで、早期アクセス期間中にアクティブで機敏な対応がどのように可能になったのか教えていただけますか?
 
Doherty 氏:
もちろんですとも。Whatboy Games では、ビジュアル エフェクトと UI のロジックの管理にブループリントを戦術的にに活用することで、オーディオ デザイナー、アーティスト、VFX アーティストがどのコードに対応できるかにかかわらず、必要な作業をすばやくイテレーションできるようになりました。このように特定の 1 回限りのイベントを公開することで、グローバルなパフォーマンスの問題を気にすることなく、きわめて柔軟に対応できるようになりました。
 
コードの観点から見ると、ブループリントと C++ を組み合わせてデータ駆動型のクラスを簡単に追加できるだけで、新機能の追加やイテレーションを驚くほど迅速に行うことができます。

また、Unreal Engine の使いやすいテクスチャやストリーミング システムのおかげで、ローディング画面やメモリ容量を心配する必要なく、高解像度のグラフィック コンテンツ (カードの画像など) を大量に追加することができます。
 

技術レベルで、開発中に克服した課題などで、UE 開発コミュニティに共有してもよいというお話しがあればお聞かせください。

Doherty 氏:
Unreal Engine には搭載されていなかったため、実装する必要があった処理の 1 つが、ゲーム モードのシームレスな切り替えです。ゲーム モードのシームレスな切り替えにより、ゲームの異なる部分 (メニュー/アドベンチャー/戦闘) の多くのロジックを区分化したまま、ゲームをロードした瞬間からアドベンチャーを終えるまで、シームレスな体験を維持することができます。適切に機能させるために、取り組む価値は十分にあったと思います。

また、バトル アリーナへの移行をできる限りスムーズに行うことにも、注力しました。レベルを直視しながら、シームレスにレベルをロードするには、いくつかの課題がありましたが、主に、優れた才能を持つ 3D アーティストの Jody が素晴らしい仕組みを作ってくれました。先程も申し上げましたが、すべてをスーパー モジュールにすることで、カットやフェードなしで新しいバトル アリーナをロードして移行できるようにしました。これこそ、私とリモート チームとの素晴らしいコラボレーションの賜物と言えるでしょう。

正式リリースということで、このゲームのコミュニティにさらに多くのメンバーが加わることになりますね。Trials of Fire のコミュニティとの関係性やこのゲームを、今後どのように発展させていきたいとお考えかお聞かせください。
 
Ginn 氏:
私たちにチャンスをくださったプレイヤーの皆さん、そして早期アクセスを通じて Trials of Fire をサポートしてくれたコミュニティの皆さんに、心から感謝申し上げます。Whatboy Games では、常に、開発中に直面した課題を率直かつ包み隠さずにお伝えし、毎週のコンテンツ アップデートや Discord などのコミュニティ プラットフォームで利用可能なオープンなチャットを通じて、プレイヤーの皆様から寄せられた信頼に応えることを信条としています。私たちは、Trials of Fire の Discord サーバーに参加されたすべての皆様にパーソナル メッセージを送信するようにしています。Whatboy Games では、このような取り組みが一人一人に対応した有意義な関係性の始まりになると考えています。私たちは、プレイヤーが私たちを信頼してくださっていることに深く感謝しており、必要に応じて、プレイヤーのご意見にいつでも対応したいと考えています。Trials of Fire のコミュニティが拡大すると、さらに大きなテーブルを作成する必要があります。このゲームは、設計上、複雑さが増しても簡単に拡張できるようなシステムになっていますが、私たち Whatboy Games は、プレイヤーの皆様との絆を大切にする有意義なスタジオであり続けたいと考えています。そのためには、時間をとって、プレイヤーの皆様と対話し、コメントやフィードバックを取り入れる必要がありますが、Whatboy Games ではそういった取り組みをこれからも行っていきます。
画像提供:Whatboy Games
Trials of Fire や Whatboy Games
の詳細情報は、どこで確認できるでしょうか?  
Ginn 氏:
Trials of Fire のSteam ページに、このゲームに関する様々な情報および早期アクセス中に提供された毎週のアップデートの履歴が掲載されています。プレイヤーの皆様が Whatboy Games (そして他のプレイヤー) とつながりたい場合は、いつでも Discord で Whatboy Games にアクセスしてください。

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