「まるで一年ぶりに初めて机から頭を上げたような感じでした」と Offworld Industries の Chris Greig 氏は言います。
実際には最後に 『Squad』 をチェックしてから 14 ヶ月が経っていました。このゲームは、アンリアル エンジン 4 (UE4) で制作されたスタンドアローンのシューティングゲームです。Battlefield の mod の 『Project Reality』 に関わったチームが制作しました。当時、Greig は軍隊の効率を考えて軍事行動を調整していました。2015 年 5 月に Offworld は、このプロジェクトを Kickstarter で公開しました。Kickstarter では FPS は通常あまり人気がありませんが、当初の目標額の二倍以上を達成しました。
資金提供者を惹きつけたのは、リアルな歩兵隊や車両による攻撃を、位置情報を使った音声チャットに結び付けるという計画です。また、デベロッパーとコミュニケーションをとることで、彼らを納得させました。
当初、このスタジオでは『Squad』 は完成までに 300 万ドル程度かかると断言していました。これは Kickstarter の合計金額をはるかに上回るものです。しかし、Offworld は生まれたばかりのコミュニティとやりとりを続け、自社サイトで PayPal を使ってファウンダーパックの販売を続けました。最終的に、Kickstarter で 434,805 ドルを超える金額を達成しました。その後、 『Squad』 を最後まで制作できる十分な資金が集まったため、予定したよりも早くフルタイムのスタッフを雇用しつつ Early Access に進みました。
連携とコミュニケーション: Offworld では 『Squad』 のキャッチフレーズと同じようなものを考えています。分隊における成功は、組織立った戦略的プランニングが必要です。大きく広がるマップで複数の部隊を導く能力を備えたリーダーたちが必要です。『Project Reality』 の時代遅れの Refractor エンジンの制約を受けずに、現在、戦闘の各側で 50 名ずつのプレイヤーが参加できます。
忍耐と熟練さを備えたシューター コミュニティはほんの一握りだけです。『Natural Selection』、 『Arma』、そして幸運なことに 『Project Reality』 です。
「約2、3 ヶ月の Kickstarter 後に、コア コミュニティの方々にフルタイムでプレイしていただきました。特にラスト 40 日ほどはそうです。彼らにサーバーを解放して、熟練プレイヤーになってもらいました。」
Early Access のローンチに先立ち、Offworld では 『Squad』 の運命はプレイヤーにかかっていることを理解してもらいました。
「コミュニティとその仲間にやる気を出していただいて頼らざるを得ませんでした」と Greig は語ります。「例えば、『このゲームの運命は皆さんにかかっているんです。我々は自分たちのやるべきことをやったので、皆さんはゲームをしてください。初めての体験がすべてなんです』というような感じです。」
『Squad』 はクリスマス前に Steam に登場し、まさに Offworld が望んでいたことが起こりました。『Project Reality』 の名残は、新規参入者によって弱まり、昔の衛兵は戦場を形作る能力の一部を失いました。これは、『Squad』 にとって良いことでもあり、悪いことでもあります。
「『Squad』 とは同じゲームでありませんが 『Project Reality』 のプレイで見られる習慣もいくつかありました」と Greig は説明します。「我々はこうした他のゲームと相互作用し、新しいアイデアやプレイ方法を見つけることを楽しみにしていました。」
「ネガティブな面としては、18 万人も新規ユーザーがいたので、受け入れがたいキャラクターも生まれます。そうした事例を見てきました。沢山のビデオゲームをプレイしてきたので、マルチプレイヤーでどんなことが起こるかはわかっています。しかし、ご存じのように反社会的行動というのは適切な言葉ではありません。」
Offworld では匿名性が持つ不気味さに気をつけてもらっています。例えば、『Squad』 の装備品のプレイヤーのファッションのかぎ十字章があります。こうしたものにどう対処するかについては、開発チームの意見が分かれました。
「取り入れ可能な多くの仕組みがあります。例えば、プレイヤーをミュートする、部隊をロックする、Kick 投票するなどです。しかし、こうしたものでは問題は解決しません。チーム キルのようなことをしてもいいと考えるようなコアな社会問題には対応しません」と Greig は言います。
クラン サーバーには毎日 24 時間管理されていて、問題行動があれば開始する前に終わらせます。こうしたサーバーは常にフルであり、従ってほとんどのプレイヤーは入り込めません。やっかいな点は、体験を大勢で複製するということです。
Offworld ではチームワークの Reputation システムを検討しています。幼稚園でもらえる「よくできました」の星印のようなものです。ある行動や考え方が生まれることを推し進めたものに自ら秩序を保たせるようにします。
もちろん、『Squad』 は組織の指揮系統を推奨し、事前調整やコミュニケーションが必要になります。Offworld では、UE4 のソース コードへのアクセスを活用し、独自の物理を実装しました。『Squad』 のマップが大きくなるにつれて、トラックが行ったり来たりする様子を Greig は思い描いています。プレイヤーが構築した前進作戦基地に補給品を持っていきます。兵站を沢山集めるには、プレイヤーはうまく協力する必要があります。
「最近の多くの FPS では、プレイヤーは一匹狼です」と Greig は言います。「他の人のことを知っている必要はありません。『Squad』 では全く違います。必ず人と話さなければならないため、必然的に人に会います。家族の一員でなくてはなりません。良き家族の一員であれ、犯罪者の一員であれ、仲間は一緒に行動します。」
『Squad』 は、Steam で入手できます。
編集注記: Offworld Industries は、UE4 で制作したゲーム、Squad 用のエディタのSquad Development Kit をランチャーにリリースしました。モッダーは、ツールキットをダウンロードすれば、ゲームに使うエキサイティングなコンテンツ作成をすぐに始められます。
PCGamesN は、長く続いている Making It in Unreal シリーズのためにアンリアル エンジンで制作された素晴らしいゲームを選んでそのデベロッパーにインタビューしています。エピック ゲームズは編集プロセスに関与していません。