ファンタジー作品の中ではお金が欲しくてたまらないドワーフ達は登場しませんが、素晴らしい採掘技術を持っているドワーフ達が Ghost Ship Games 制作 『Deep Rock Galactic』 で見事に主人公となりました。鉱物資源が豊富な惑星 Hoxxes IV での非常に危険なミッションを任せられるのは、強力でしぶとい鋼の心を持った Deep Rock Galactic Mining Company 社員の他にはいません。
シューティングゲーム、宇宙採掘ストーリー、協力プレイゲームといった要素を兼ねそろえた『Deep Rock Galactic』は、アンリアル エンジン 4 が作り出した明と暗の鮮明なコントラストが躍動的に映し出るカラフルなアニメーション アドベンチャーです。最小主義でありながらも綺麗に定型化されたポリゴンの美しさによって、同系統のゲームの中でユニークさがひときわ目立っています。このゲームでは 4 人のプレイヤーがチームを組んで、いかなる犠牲を払ってでも富と生存のために戦います。
縁あって共同で Ghost Ship Games を設立した 6 人の仲間は『Deep Rock Galactic』に使用するエンジンとしてアンリアル エンジン 4 に白羽の矢を立てました。今回は 6 名の共同設立者の中から Søren Lundgaard 氏- (CEO)、Jonas Møller 氏 (Lead Programmer)、Robert Friis 氏 (Art Director) にお話を伺いました。長年使用していたエンジンではなく UE4 を採用した理由とその魅了についてお伝えします。2018年2月28日に Steam Early Access と Xbox Game Preview でリリースされる本作品には銃を構えたドワーフ達が登場します。一体彼らはどのように作られたのでしょうか。
みなさんは他のプロジェクトで開発の経歴を堅実に積んできたわけですが、どうして 6 人で一緒に会社を立ち上げようと思ったのでしょうか?
Robert Friis - 同じ情熱を持ち合わせていた我々全員に、またとないチャンスが訪れたのだと思います。我々 6 人のうち 5 人は同じ職場でずっど一緒に働いていたのですが、ちょうど同じ時期に解雇されたのです。共同設立の話が初めて持ち上がった時、6 人全員が「こんなチャンスは二度とない」と言ってすっかり始めるモードになっていました。大変ではありましたが、6 人の中で「やめれば良かった」と一瞬でも思った人は誰一人いませんでした。
『Ghost Ship Games』には協力プレイ ゲームがなぜそこまで重要なのでしょうか?
Robert Friis - たまたま我々全員が好きなジャンルだったのです。しかも、開拓の伸びしろがまだたくさん残っている点も魅力です。協力プレイゲームはかなりの数が出回っているにもかかわらず、常に進化しています。そういう意味ではプレイヤーの期待をそこまで裏切らずにいろいろ実験ができる点が気に入っています。従来のシューティングゲームを少し取り入れたとしても「自分達の独自のゲーム」にすることができるのです。
スタジオのデビュー作品である『Deep Rock Galactic』 の制作は何がきっかけとなりましたか?
Søren Lundgaard - 『Deep Rock Galactic』 のアイデアは基本的にこのスタジオを設立した要素と同じです。他の設立メンバー達とコンセプトを分析した結果、十分に採算が取れるアイデアだということが分かりました。サンドボックス型のゲームは、オープン系の開発でアーリーアクセス版を作るという私達の意図にぴったりでした。中核となっていた技術も技術肌の設立メンバーにしっくりきました。宇宙でドワーフが採掘する協力プレイ ゲームは、パブリッシャー、投資家、ゲーマー全員にとって驚くほど市場に出すのが簡単なゲームとなりました。当分の間『Deep Rock Galactic』が我々の唯一のタイトルになると思います。
ドワーフが銃を構えて登場するというゲームはあまり見かけませんが、一体どこから思いつたのでしょうか?インスピレーションの源泉となるゲームなどはありましたか?
Robert Friis - 宇宙のドワーフは決して新しいトロープではないのですが、長い間その価値にまったく気づいてもらえなかったのです。ドワーフに関してはオールドスクール ファンタージの『Warhammer 40,000』 からインスピレーションを受けました。ホラーとユーモアをゲーム用に融合する方法や全体像の作り方に関しては、たくさんの大好きな映画に加えて特に『Aliens』と『The Abyss』 の 2 つに大きな影響を受けました。これは我々のほぼ全員がです。
実行中のポリゴン グラフィックスはまさに恒星そのものですね。最初からこのスタイルに決めていたのですか?それとも開発プロセスの途中で変更したのですか?
Robert Friis - これはもともと「ぼこぼこの表面」の洞窟の生成方法における技術的な限界から生まれたのです。このスタイルは 実はゲームとも相性が抜群であることが次第に私達の目にもはっきりしてきたのです。そこで、法線マップだけで作ったモデルでさらに詳しく実験し、チームの規模や目指している対象範囲と照らし合わせた結果、詳細度を下げた方が大いに納得できる結果が得られたのです。高解像度のモンスターを 1 種類だけ作るよりも、定型化したモンスターが 10 種類欲しいと思いました。
次は協力プレイについてお伺いします。『Deep Rock Galactic』では、プレイヤーごとに独自の役割が与えられるのですか?あるいはどのドワーフでも同じでしょうか?
Robert Friis - 実はその両方なんです!ガンナー能力のあるドワーフやドリラー能力を持つドワーフといったようにプレイヤーごとに役割のクラスが決まっています。現在クラスは 4 つありますが、さらに増やしていく予定です。とはいえ、数が増えてぐちゃぐちゃになり収集がつかなくなってきたら、その時は役割分担を取り払おうと思います。戦場のように忙しいけれども、どうにもならない状態までには至らない、そのような難易度に仕上げることができて誇りに思っています。
銃といえば、プレイヤーが使用する武器や戦術について教えてください。採掘作業をどのようにゲームプレイにしましたか?
Robert Friis - ドワーフはクラスごとに独自のスキルとギアを備えているので、結果的にはそれぞれが活躍して協力プレイするようになっています。例えば、ある点から別の点までジップラインを作成することができるクラスと、プラットフォームを作成することができるクラスは別にしています。成功するためのツールを全員に与えることで、クラス間で強いシナジー効果が生まれると同時に、自分はチームの一員だという連帯感も芽生えます。開発初日から我々が重要視してきた部分です。
採掘作業自体もゲームで重要な役割を果たしています。ドワーフは採掘労働者なので、ずっと採掘し続けています。Hoxxes に眠る金や MORKITE は目の前にあるのに、押し寄せるエイリアン クリーチャーの大群に対抗するのが精一杯です。掘って、富をつかんだら、すぐ逃げる。『Deep Rock Galactic』のルールです。
『Deep Rock Galactic』は素晴らしいライティングが特に目をひきます。アンリアル エンジンを使ってどのようにゲームの重要な部分に躍動感を出したのでしょうか?
Robert Friis - 私達のレベルはプロシージャルに生成されるので、たいていのゲームで見かけるようなベイクしたライティングを使用することができません。つまり、リアルタイムで処理できるような非常にパワフルでフレキシブルなエンジンを必要としていました。アンリアル エンジンの使用感はその意味で最高でした。我々が必要としていた処理能力をもつエンジンは他にもありましたが、作業中にプロトタイプの設定や簡単迅速に画面へ出力することができるアンリアルのおかげで、我々の作業時間は大幅に短縮されました。
みなさんは CUbisoft など大手パブリッシャーでの経歴をお持ちなのでアンリアル エンジンはお馴染みかと思います。小規模のスタジオで独立した今、その経験はどのように生かされていますか?
Jonas Møller - 我々のチームは多種多様なエンジンの経歴をもつメンバーが集まっていますが、自分達でスタジオを設立するまではアンリアル エンジンの経験は実はそれほどありませんでした。以前と比べて一番大きな違いは、パッケージ化、ローカライズ、ユーザー統計などをすべて自分達で行わなければならない点です。アンリアルはドキュメントが非常によく整備されていましたし、大規模で積極的なコミュニティが存在するので非常に助かりました。
もうひとつは、少人数で集中して作業ができるので開発速度が本当に速いのです。アンリアル エンジンは基礎がとてもしっかりしているので、着手した後はどんどん先に進むことができ、最初の 1 ヶ月間で基本的な操作を習得して実行することができるようになります。
コミュニティにもアルファ版とベータ版を使ってもらって、実際のリリースにつなげました。コミュニティのフィードバックはゲームの形作りに役立ちましたか?
Robert Friis - コミュニティ、そして彼らからのフィードバックは素晴らしいかったです。優れたアイデアをバンバン出してくれる偉大なるモチベータとでも言いましょうか。我々自身でも検討していたものがほとんどでしたので、自分達が欲しいものはやっぱり他の人達も欲しがっているんだ!と分かると喜びは倍増しました。クローズド アルファが近づくと、コミュニティから為になるアイデアや指摘が情熱が波のように我々にどっと押し寄せて感激しました。アーリーアクセス版が待ち遠しいです。
開発全般において、アンリアル エンジンの中で特に便利だった特性やツールは部分はありましたか?お気に入りの機能をお聞かせください?
Jonas Møller - 私が今まで経験したエンジンの中では、すべてのツールの品質基準が群を抜いていました。メンバーそれぞれ好みがあるとは思いますが、ブループリント / アセット システムを使うとプロトタイピングと開発の速度がとても速くなりました。UI 開発はアンリアルを使ってもまだ複雑ではありますが、それでも他のエンジンに比べるとはるかに楽になりました。
『Deep Rock Galactic』 の情報はどこでチェックすれば良いですか?
www.deeprockgalactic.com へお越しください。Steam Store と Microsoft Store のリンクはこちらです。2月28日から Steam、Xbox、Wind10 上でリリースが開始されます。