画像提供:Richard Hogg and Hollow Ponds

優れたインディー ゲーム I Am Dead が、死後の世界をユーモラスに描く

By Jimmy Thang |
2021年2月15日
Richard Hogg 氏は、ビデオ ゲームも制作しているアーティスト兼デザイナーです。英国イーストサセックス州ヘイスティングス在住で、この地を拠点に活動しています。数年間主にイラストレーターとしてキャリアを積んだ後、10 年ほど前から Hollow Ponds の Ricky Haggett 氏とのコラボレーションを開始し、数々のゲームを手がけています。
10 名ほどのデベロッパーが中心となって Nintendo Switch と PC 向けに開発された I Am Dead は、死後の世界を舞台にしたパズルアドベンチャー ゲームです。恐ろしい世界として描くのではなく、死後の世界での人々の暮らしを探索していく、温かみと魅力あふれるタイトルです。I Am Dead では、プレイヤーは最近死後の世界にやってきたばかりの Morris Lupton を操作します。Morris Lupton は、災害で自分の島が破壊されそうになっていることを知ります。この破壊を防ぐために、Morris はさまざまなものの内部や人々の記憶を調べなければなりません。GamesRadar+ のレビューでこのゲームは、「個性的かつ愉快な魅力あふれるパズル アドベンチャーで、ゴーストを思わせる X 線ビジョンのメカニズムも秀逸」と評価されています。
 
それほど大きくないチームがこのような優れた人気のインディーズ ゲームを開発できた理由とその経緯を、アーティスト兼デザイナーの Richard Hogg 氏にインタビューしました。Richard Hogg 氏は、2D と 3D のビジュアルを融合したカラフルなアート スタイルをどのようにして実現したか、一風変わった世界を作り上げたのかについて語ってくれました。
 

I Am Dead は、心温まる、愉快で、一風変わった死後の世界を探索していくパズル ゲームとなっていますね。このようなゲームを制作しようと考えたきっかけを教えてください。
 
私たちのチームは、前々から死というテーマを前向きに捉え、なんだか恐ろしいというイメージではなく、人間らしい方法で描くゲームを制作したいと考えていました。以前からこのような路線で様々なアイデアが出ていたので、これまでのゲームのプロトタイプでもそのいくつかを検討しました。そして、I Am Dead のメカニズムの考案に着手したときに、プレイヤーがゴーストのような存在になることが自然にフィットするように思えたのですこのアイデアはうまくいったのではないかと思います。
 
このゲームは、プレイヤーがものの中を覗き込んで、失われた記憶や手がかりを見つけるという、まったく新しいゲームプレイ ループを備えていますね。このコンセプトはどのようにして生まれたのでしょうか?
 
会話をしているときに思いつきました。あれは、いろんな果物や野菜が MRI スキャナーを通過するアニメーション GIF をいくつか Ricky [Haggett] に送ったときだったと思いますが、その GIF をきっかけに、リアルタイムで 3D オブジェクトの一部を「スライス」できるゲーム メカニズムの可能性が話題になりました。私たちチームは、技術面の検討に少し時間をかけて、プロトタイプを作成しました。
画像提供:Richard Hogg and Hollow Ponds
I Am Dead は魅力あふれるカラフルなローポリのアート スタイルが特徴で、ゲームプレイを見事に引き立てていますね。ゲームの外観を完成させるのには、何度も細かい調整のイテレーションを行ったのでしょうか?
 
そうですね。イテレーションというよりは時間をかけてブラッシュアップしていきました。今まで 3D アート アセットを使ったゲームには取り組んだことがなかったので、自分がアートディレクションできるようなものにする必要がありました。それにはライティングを使用しないローポリ アートがうってつけでした。また、基本的にベクター アート ソフトウェアを使えば、ほぼ完璧な外観の 2D コンセプトのアートを作成できます。例えば、Steam などで使用されているゲームの「キー アート」(背後で夕日が沈んでいく灯台のイメージの画像) は、私が自分で描いた絵で、インエンジンのアートではありません。また、外側だけでなく内側もモデリングしなければならないという技術的な課題があったので、ライティングを使用しないシンプルなローポリのアート スタイルが非常に理にかなっていたのです。
 
I Am Dead では 2D と 3D が見事に融合していますね。どのようにしてこの 2 つのスタイルを融合させることができたのか、詳しく教えてください。
 
ありがとうございます!私たちチームは、3D アートを補完するものの、3D アートとはきわめて異なる 2D アート スタイルの開発に多くの時間を費やしました。2D アートは、できる限り少ない色数を使用する、粗いグラフィック描画スタイルです。ですから、2D アートをゲームの他の部分と融合させようとするのではなく、コントラストを重視しました。唯一の例外は、各レベルの終わりに他のゴーストと出会うアニメーションがあります。このアニメーションは先程申し上げたベクター コンセプト アートに近いスタイルですが、これは、素晴らしい Angus Dick がアニメートを担当しました。
画像提供:Richard Hogg and Hollow Ponds
ゲームの舞台は幻想的なシェルマーストン島で、カラフルなキャストのキャラクターや擬人化された生き物たちが登場しますね。I Am Dead の世界のデザインでは、どのようなアプローチを採用されたのでしょうか?
 
Ricky [Haggett] と私は「世界を作り上げる」ということについて大まかな考え方は持っていました。たくさんのものに興味を持ち、見たり読んだりしたものについていつも話し合い、そういった長い時間をかけて浸透していくプロセスを経てビデオ ゲームとしてまとまっていきました。今回は、作家の Catherine Johnson 氏とのコラボレーションを行いました。Catherine Johnson 氏は基本的にこのプロセスにぴったりの人物でした。私たちはともに時間を過ごし、本や人類学、歴史について話しました。美術館などにも足を運びました。
 
その後、より実用的な第二のプロセスとして、私はすべてのものを描くことにしました。そういった一連の絵をツイッターでシェアしています
 
ビデオ ゲームだけが伝えることのできる、このゲームならではのストーリー性が高く評価されていますね。プロジェクトではこのようなストーリー性を実現できるように意識してデザインを決定したのでしょうか?
 
いいえ、ストーリー性を意識していたわけではありません。私たちはゲームの作り方しか知らないので、ゲームを作り続けていたらこのようなストーリー性が得られました。よいアイデアなのではと思います。考えてみると、私が携わってきたほとんどのゲームは、この説明が当てはまると思ういます。I Am Dead についてユーザーの皆さんにストーリー性を評価していただけて嬉しいです。
 
I Am Dead は Hollow Ponds と Richard Hogg との共同開発ということですが、その開発はどのようにダイナミックな取り組みだったのでしょうか?
 
そうですね。I Am Dead が最初の共同開発ではありません。Hollow Ponds の代表 Ricky Haggett 氏と私は、12 年ほど前から一緒にゲームを作っています。そうですね。私は自分たちの取り組みについて理解しているつもりです。ほとんどのゲームは企業が制作していて、ゲーム制作者は全員その企業のフルタイムの従業員なので、私たちの取り組みは面白いといえますね。また、私たちの仕事のやり方は、構造的には映画やテレビ番組の制作方法に近いと思います。
画像提供:Richard Hogg and Hollow Ponds
I Am Dead は、小さいチームでゲームの合理化されたビジョンを実行している素晴らしい事例だと思います。プロジェクトのスコープは開発中に大きく変わりましたか?
 
ええ、変わりましたとも。特に開発の最初の段階で変わりました。最初から主要なメカニズムの内容については把握していたのですが、ゲームプレイの仕組みの詳細は、ほとんど未定でした。例えば、ゲーム内でのプレイヤーの動きについては、かなりの時間をかけて調整しました。これは一種の「既定」の要素でうまく機能するのですが、プレイヤーの動きには多くの時間を費やして、さまざまなパラダイムを試しました。お察しの通り、世界の中を動き回る方法の根本的な要素を変更すると、ゲームのスコープにも影響するのです。
 
I Am Dead では、特にものの中を「スライス」すると隠れたアイテムが出てくるときのアニメーションが印象的でした。これを実現するのは技術的に難しい作業だったのではないでしょうか?
 
実はこれはアニメーションではないのです。オブジェクトをスライスしているときには何もアニメートしていません。(最終的には、クールで魅惑的なアニメーションのように感じることが多いというのはよくわかります)。むしろ、プレイヤーがオブジェクトを操作している間に、オブジェクトの一部がリアルタイムに消えていくのです。そうです。これは本当に難しい作業でした!
画像提供:Richard Hogg and Hollow Ponds
ゲームを開発しようとしている他の小規模チームに何かアドバイスはありますか?
 
とにかく、ゲームを開発しましょう。小さいチームだからといって何か制約があるわけではありません。文字通り妨げるものが何もないのです。ツールは信じられないほど簡単に入手できて、多くの場合無料です。ゲーム開発を楽しみましょう。
 
貴重なお話をありがとうございました。I Am Dead の詳細情報は、どこで確認できますか?
 
聞いて下さりありがとうございます。チームの公式サイトを是非ご覧ください。

    今すぐ Unreal Engine を入手しましょう!

    Unreal Engine は世界で最もオープンで高度な制作ツールです。
    あらゆる機能とソース コード アクセスを完備している Unreal Engine を使用すれば、すぐに制作に取り掛かることができます。
    イベント
    11月26日

    「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」の講演アーカイブを公開いたしました

    Unreal Engine 公式大型勉強会「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」を11月16日(月)~11月22日(日)にオンライン開催いたしました。各講演のアーカイブ動画・スライドを是非ご覧ください。
    イベント

    「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」の講演アーカイブを公開いたしました

    Unreal Engine 公式大型勉強会「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」を11月16日(月)~11月22日(日)にオンライン開催いたしました。各講演のアーカイブ動画・スライドを是非ご覧ください。
    スポットライト
    2月24日

    Moment Factory が Epic と協力してライブ イベントのプリビジュアライゼーションの DMX サンプル プロジェクトを作成:今すぐ入手可能

    ライブ イベントの計画はますます複雑になっています。ライティング、ビデオ コンテンツ、舞台美術、自動化、特殊効果を組み合わせると、無限の可能性が生まれます。DMX で制御されるライティングやエフェクトの正確なプリビジュアライゼーションを Unreal Engine で作成できます。無料のサンプル プロジェクトを今すぐ入手しましょう!
    スポットライト

    Moment Factory が Epic と協力してライブ イベントのプリビジュアライゼーションの DMX サンプル プロジェクトを作成:今すぐ入手可能

    ライブ イベントの計画はますます複雑になっています。ライティング、ビデオ コンテンツ、舞台美術、自動化、特殊効果を組み合わせると、無限の可能性が生まれます。DMX で制御されるライティングやエフェクトの正確なプリビジュアライゼーションを Unreal Engine で作成できます。無料のサンプル プロジェクトを今すぐ入手しましょう!
    ニュース
    2月10日

    MetaHuman Creator スニークピーク:忠実度の高いデジタルヒューマンの作成が簡単に

    説得力のあるデジタル ヒューマンを作成するのは、従来、難しく、時間も費用もかかりました。MetaHuman Creatorを使用すれば、髪や服を備えた最高品質のユニークなデジタル ヒューマンの作成にかかる時間を短縮することができます。ここでは、この新しいツールの概要をご紹介します。
    ニュース

    MetaHuman Creator スニークピーク:忠実度の高いデジタルヒューマンの作成が簡単に

    説得力のあるデジタル ヒューマンを作成するのは、従来、難しく、時間も費用もかかりました。MetaHuman Creatorを使用すれば、髪や服を備えた最高品質のユニークなデジタル ヒューマンの作成にかかる時間を短縮することができます。ここでは、この新しいツールの概要をご紹介します。