Relic Seeker: Hypogeum の制作ストーリー
April 10, 2018

Relic Seeker: Hypogeum の制作ストーリー

作成 Jinyoung Choi

Relic Seeker:Hypogeum は、考古学者が古代文明の秘密を探る旅をするパズル アドベンチャー ゲームです。プレイヤーは考古学者として古代遺跡を探検し、前文明の時代に地球にやってきた地球外生命体の痕跡を見つけ、行く手を阻むパズルを解いて先に進みます。

本作は VR ゲームで、韓国の Massive Wheel の 3 名のアーティストから成るチームが制作したものです。Massive Wheel のメンバーに、アーティストだけで構成される小規模チームがアンリアル エンジン 4 (UE4) を使うことで、どのように複数プラットフォーム対応の美麗なグラフィックスのゲームを開発できたかについてお話を伺いました。
 

本作について語る前に、まず Massive Wheel についてお聞かせいただけますか?

Massive Wheel は 3 名のアーティストから成るチームで、全員が大手オンライン ゲーム スタジオでしっかりとした経験を積んできています。我々 3 人は、ゲームのデザインとアートだけでなく、コーディングやプランニングも行いました。サウンドもアンリアル エンジンのマーケットプレイスから音源を購入してチームで作業しました。Relic Seeker:Hypogeum は Google Daydream プラットフォームと Oculus Gear VR プラットフォームで自分たちの初の作品としてリリースされました。現在、Steam VR、Android、IOS 向けに 1 年以内にリリースする準備をしています。

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Relic Seeker:Hypogeum のプロジェクトが始まったきっかけは?

他の多くの韓国デベロッパーと同様に、メジャーな PC  ゲーム、特に MMORPG からキャリアを始めました。かなりの経験を積んだ後、何か新鮮なものを作ろうとしていました。そのとき、3D パズル アドベンチャーのモバイル ゲームというアイデアが浮かんだんです。このジャンルはとても珍しいし、我々全員が好きだというだけでなく、開発における複数分野の多くの課題を克服できるかもしれないと考えたのです。 

SNS と BIC Fest (Busan Indie Connect Festival) で開発ビルドを公開した後、ユーザーから Relic Seekerは VR の方が向いているのではというフィードバックが沢山ありました。それで、その可能性と自分たちの能力を検討した後、VR 開発に本気で取り組み始めました。

その結果、うまくいったのです。いくつかのカンファレンスで韓国と日本の多くの人々がこのゲームを楽しみました。たったひとつのゲームで長時間過ごすのはとても難しかったのですが、多くのプレイヤーが 30 分間の制限時間いっぱいプレイしました。こうしたセッションは非常に貴重なものです。我々はできるだけ多くのユーザーのフィードバックを適用し、美しいグラフィックスを実現し、非常に没入感の高い VR ゲームを作りました。

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ゲームの空間は滅多に重複せず、様々なステージが多くのパズルのオブジェクトとユニークな構造物で構成されます。わずか 3 名というチームの人数は、この規模の作業を行ううえで問題になりましたか?

我々は全員 3D モデリングができます。このスキルは役立ちましたが、プロジェクトにおける我々の強みは、自分たちの能力の限界をさらに押し上げたということです。もちろん、開発過程では多くの困難が待ち受けていました。どれくらいのスケールが適切であるか、どの程度まで詳細に表現するかを把握するための過去のプロジェクト データがありませんでした。しかし、多くのデザインを制作し、自分たちでモデリングする過程で必要なデータを集めていきました。最終的に、特徴的で詳細に表現された空間や建造物をゲームに実装することができました。

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アンリアル エンジン 4 ( UE4 ) を選んだ理由は?

2 つの主な理由として、グラフィックスの質の高さとブループリント ビジュアル スクリプティングがあります。我々は全員アーティストでゲームのプログラミング経験がありませんでした。ですから、難しいプログラミングの原理原則なしに、自分たちが望む非常に高品質なグラフィックスを実装することを優先しました。実際、別のエンジンで開発を始めたんですが、プログラミング経験がなくても使える UE4 のブループリント ビジュアル スクリプティング システムを使うと、同じ環境でグラフィカルのパフォーマンスが上がりました。Unity から Unreal に移行したのは実に価値あることでした。

例えば、最適化は開発で非常に難しい部分でしたが、HLOD と事前計算されたビジビリティを使って沢山のドロー コールを削減しました。この 2 つは、アンリアル エンジンのユーティリティの一部であり、マルチビューでパフォーマンスを大幅に改善する可能性があります。さらに、ブループリントを使ってドロー コールを減らすことができました。UE4 使用の満足度は高く、プロジェクトの目標を達成する助けになりました。 

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Relic Seeker:Hypogeum はアンリアル エンジンのブループリントだけを使って開発されましたが、何か理由はありますか?

もちろん。C++ のネイティブ コーディングは馴染みがありませんでしたが、自分たちが必要とするすべての機能をブループリントで実装できたからです。ブループリントは直観的で便利なものであり、パズルを作ったり、実際にゲーム全体をブループリントで作成しました。Relic Seeker:Hypogeum を、コードを一行も書かずに Google Daydream と Gear VR でリリースすることができたのです。 

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アンリアル エンジンの他の機能で開発に役立ったものはありますか?

アンリアル エンジンの最近のアップデートと現在開発中のものには驚かされます。VR では新技術が絶えず導入されていて、SDK が各プラットフォームに対して毎回アップデートされます。アンリアル エンジンはこうした状況に対応して迅速にアップデートしてきました。こうした動きが、最適化とゲームの品質に大きな影響を及ぼしています。 

マルチプラットフォームの対応でもアンリアル エンジンは我々のような小規模チームの大きな助けになりました。まず、Daydream バージョンを開発してから、それを基に Gear VR バージョンの作業を行いましたが、開発中にさらなるエンジンの最適化が追加されました。ですから、Daydream 版に最適化を実装したところ、数時間もかかりませんでした。複数プラットフォーム向けにゲームをリリースし、維持管理しなければならないという観点からこれは大きなメリットです。

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将来、アンリアル エンジンを使いたいインディー デベロッパーに何かアドバイスはありますか?

インディー デベロッパーにとって様々なプラットフォーム向けにゲームを公開することは不可欠であると考えています。最小限のメンバーで多くの問題を生じることなく複数プラットフォームに対応できるかどうかを優先した方がよいでしょう。こうした観点からアンリアル エンジンは優れた選択肢といえます。

マルチ プラットフォームを見据えた作業をするうえで、基本的に UE のバイナリ バージョンをできる限り使って作業するというルールを決めていて、新バージョンがリリースされるたびにただちにアップデートしています。最新のリリースのバージョンを維持できるようにして、後で他のプラットフォーム向けに変換するときに、各プラットフォームで調整する時間を短縮します。 

プログラミングの経験がなく、アンリアル エンジンの使用を検討しているデベロッパーの中には、自分たちが計画しているゲームをブループリントだけで作れるのだろうかという疑問を感じて、実際に作業を開始する前にあきらめてしまう人がいます。ブループリントは皆さんがお考えになるよりもパワフルなものだとお伝えしたいと思います。何と言っても我々はブループリントだけで高品質なグラフィックスのゲームを作ったんですから。

Relic Seeker:Hypogeum とチームについての情報はどこで得られますか?

ゲームについては、Daydream 版GearVR 版 をご覧ください。アップデート情報については、 Facebook をご覧ください。