フリー移動の協力プレイ型弾幕系 VR シューティング、Evasion
2017年10月24日

フリー移動の協力プレイ型弾幕系 VR シューティング、Evasion

作成 Daniel Kayser

仮想現実空間に大きな関心を寄せていたデベロッパー達は、これまでなかった表現方法による没入感の虜になっています。忘れられないような体験になるアクションがいっぱいの瞬間にも、ユニークな方法で物語を組み込む能力もゲーム表現には欠かせません。そうは言っても、既知のものを新しい何かに変換したいデベロッパー達にとって、VR 空間はまだ多くの課題が立ちはだかります。

それがまさに、新しく発表された Evasion の目標です。Evasion は、世界滅亡後のエイリアン ワールドを舞台とする弾幕系 VR シューティング ゲームです。開発スタジオの Archiact は VR 空間分野に果敢に挑戦し、UE4 を使ってフリー移動の協力プレイ型戦闘システムをゼロから作り始めました。

Archiact VR の Lead Software Engineer である Brian Milligan 氏に、Evasion の詳細および協力プレイ VR 体験型を採用した経緯についてお話を伺いました。

Evasion とはどのようなゲームなのでしょうか。

世界滅亡後のエイリアン ワールドを舞台とする、狂気の VR 弾幕系シューティング ゲームです。フリー移動の協力プレイ型戦闘システムはまったくゼロから作り始めました。 我々は正真正銘のコンシューマーで FPS を体験しているような気分になれる VR ゲームを作成しようと思いました。 限界に挑戦して、VR で可能または不可能とされていた これまでの前提のいくつかに挑むことにしました。

Evasion での協力プレイ体験にとって、ルーム スケールがなぜ重要だったのでしょうか?

完全に没入してこのゲームの中で自分がヒーローになった気持ちを感じてもらいたかったので、 ルーム スケールはイマーシブに避けたり、避難したり、移動することができます。 もちろん、 さらに小さい空間で立ったまますべて制御できるようにもしてあります。このゲームでは協力プレイが非常に重要なポイントです。メイン スタジオの壁に貼り付けてあるデザイン モットーの 1 つです。シングル プレイヤーでも楽しめますが、クラスごとにユニークな能力を備えた分隊をいろいろ組み合わせるとさらに楽しさがアップします。

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分隊にはどのような役割がありますか?他の役割との補間はどのように行うのでしょうか?

異なるクラスとの補間や権限付与を可能にする協力プレイの仕組みを、現在いろいろ開発しています。クラスごとに固有の防御武器があります。受け身能力とパワフルな留めの一撃に加えて、もう片方の手はチームメイトを援護する能力があります。他のクラスとインタラクトして、強力な組み合わせを作ることができます。また、目標達成型ゲームなので、プレイヤーがヒーローとなってチームを救う瞬間が必ず用意されているのも魅力です。

プレイヤーはどのような敵を戦いますか?

シューティング ゲームを楽しんでもらうために我々が何よりも力を注いでいるのが AI です。ゲームの基本的な仕組みは、知的なターゲットをヒットし、炎が飛んで切る方向を先読みして防御するというスキルを元に発展します。プレイヤーは、チームワークのいい昆虫サイボーグ軍隊と戦います。彼らの挙動は本物の虫をモデルにして作成されています。チームで襲ってくる敵に対して、アーケードゲームの典型 『ギャラ』 を思わせる群れを用意しました。これは蟻、カリバチ、ミツバチ、白アリなど社会性を持った虫の間のコミュニケーションと動きを参考にしました。敵の数を減らして、チームの大きさや弾幕数を減らします。カブトムシ、オオスズメバチ、クモをモデルに完全武装した手強い敵もいます。

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Evasion ではチームプレイが要です。成功を手に入れるためにプレイヤーはお互いにどのような点に気を付けるべきなのでしょうか?

壮絶な戦闘になるので、チームメンバーの助けによる回復は非常に重要です。またゲームは objective-base なので、状況に応じてプレイヤーは異なる戦術的な役目を果たすことが必要になります。面白い戦術を工夫して展開できる広さがあるので、側面ルート、奇襲、希望するなら単独攻撃を組み合わせることができます。

移動は VR 体験で解決すべき課題の中でも最も難しいものの 1 つです。このゲームでは背景の横断にどのようなアプローチを取りましたか?

我々の目標は初日から目立つ動きのオプションを倍賭することでした。プレイヤーがコンソールのように移動できることをコミュニティから常々切望されていたので、VR で完全にフリー移動が実現できるようになることにチームの大半が大興奮していました。同時に我々は乗り物酔いにも配慮し、移動レベルをフリー移動から、酔いやすい人も気にならない小走りに設定しました。ほとんどの人は、一度 酔わなくなると、敏感な人向けのモードからフリー移動に変えることができることも分かりました。

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オーディオ プレイはゲーム体験に臨場感を与える上でどのような役割をしていますか?

どんな VR ゲームでも 3D 空間オーディオの没入感がプレイヤーを魅了します。それは Evasion でも一緒でオーディオの役割は非常に大きいです。ど派手な弾幕ショーにするためには、仲間の位置と、飛んでくる火の粉の方向をプレイヤーが意識し続けるようにゲームプレイを仕組むことが重要でした。あちらこちらで起る爆発、破壊、発射、敵、大騒ぎの分だけ音も必要になります。サウンド エンジニアとデザイナーは多忙を極めましたが、その努力は見事に実を結んだと思います。

弾幕体験は非常に激しいですよね。VR タイトルということで、ゲームに確実に適用可能な最高のエレメントはどのように見極めましたか?

崖が広がる光景など、弾幕の特性をいくつか学びました。トレイラーから分かるように、 大きな武器で 仲間達と攻撃し 大きな爆発が次々に起こり、休む暇なく進み続けます。スキル レベルは別の特性です。Evasion という名前から分かるように、このゲームは常に用心して、物理的に素早く身をかわし、先を見越して移動して、プロアことでショットを避け続けなければなりません。

アクセス性に関しては、「学びやすいが、なかなか勝てない」ゲームにこだわりました。様々なレベルでのプレイが可能です。他のゲームと同様に、始めた頃はすぐに死んでしまっても徐々に忍者のような殺戮マシンに進化します。ただし誤解しないでください。これはハードコア 弾幕シューティング ゲームです。カジュアル プレイヤーの場合 VR デモ体験は 5 分で十分です。

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とても美しいゲームですね。グラフィックス部門でのチームの目標は何でしょうか。達成するためのステップについても教えてください。

アートは物語から流れ出てます。アンリアルを使うことで、 エピックのエイリアン ワールドへ連れ込む準備ができました。アート チームはすべてを統合してイマーシブにしました。これは相当な作業量でした。早い段階から、アバターの全身を IK で動かすこと、敵を変わった体型にすること、背景へのトランスポートオプションは複数用意することに決めていました。その後で、VFX、爆発アクション、ぶっちぎりの破壊でプレイヤーの頭をたたきたくなったのです。 「不可能なことをやろう」という考えですべての限界に挑みました。後はひたすら「最適化」に明け暮れました。アンリアルは Robo Recal のソース / コンテンツを学習資料として提供してくれたり、アンリアル デベロッパーの素晴らしいライブ ストリームをたくさん配信してくれたり、使用したチーム全員が本当に驚きました。仕様は最小限に抑えながら、データベース PC リグを限界まで達せさることに非常にワクワクしています。

このプロジェクトにアンリアル エンジン 4 を選んだ理由はなんでしょうか?

前のプロジェクトのデベロッパーの 1 人がアンリアルを使ってみたいと言って、何と 6 週間で素晴らしいデモを作ることが出来ました。 道が切り開かれて、中国の VR Arcades に登場する Drone Storm というゲームデモを自力で作り上げました。 彼に続いて、チームはどんどんアンリアルに魅了されました。 私は前のプロジェクト Gears of War 4 から遅れてチームに参加したので、既にエンジンが大好きでした。 最高品質のグラフィックスと最高のライン マルチプレイヤー ネットワークにより、身の程しらずに思えたこのプロジェクトも簡単に着手することができました。何もよりも私達に力を与えてくれたのはアンリアルエンジンでした。デザイナーとアーティストは、ブループリントやマテリアル エディタなどの充実した編集ツールを使って様々なものが作成可能です。そしてエンジニアはそれらを動かすシステムやツール作成に集中することができます。

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UE を使った開発中に、特に便利だと感じた部分はありましたか?

アンリアルが提供するツールはすべて利用するようにしています。GDC 2016 で紹介されたアニメーションと物理に大興奮しました。破壊、物理アニメーション、エディタでのクロス作成によって、我々はさらに上を目指したくなりました。その中でも私にとって一番大きかったのは、エンジンがオープンソースだったことです。すべてステップインが可能だったので、仕組みをよく理解することができました。動作が要件に合わなければ、適宜変更することができます。

コンテンツをまったく変更せずに、Intel i7 拡張を利用してパフォーマンスを改善しているそうですが、具体的にはどのような方法でしょうか?

このゲームを巨大なマシンから VR の最小スペックサイズにしたいので、すべてのメタルを利用するように懸命に努力しています。ゲームでは GPU に負担がかかる場合が多いですが、CPU にはかなりのアイドルタイムが発生しています。我々はコンソール開発のような PC 開発を試みました。GPU を最大回転数にして 90fps を常に維持し、ハイエンド CPU に対しても同じようにスケーリングする方法を検討しました。i7 には、アンリアルが物理処理のためにデフォルトで自由に実行するスレッドが CPU 上に 2 倍あります。従って、非常に重たい破壊、クロス、アニメーションのシミュレーションのスケーリングは CPU で行います。CPU の限界に挑戦したことで、これらをスケールして美しい表示が可能になりました。例えば、ハイエンドで小さな破片の中に岩をバウンスさせて、それらをさらにチャンクしてローエンド上に置きます。すべてのハイエンド物理機能は設定可能ですが、機能レベルの推奨スペックを超えてしまうとフレームレートに影響がでます。

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Evasion は今どの開発段階ですか?ゲームの詳細はどこを見れば良いでしょうか?

プリアルファ版がちょうど終了し、デモの発表の準備ができたところです。 www.evasionvrgame.com からベータ版プログラムへの参加に登録できます。 wishlist on Steamにも是非追加してくださいね!