画像提供:Flight School Studio

Stonefly - 心温まる穏やかなアクション アドベンチャー ゲームをめぐって

Daniel Kayser
Bohdon Sayre 氏はゲームディレクターとしてスタジオのリリース作品となるゲームプロトタイプに対してイテレーションを行いながら新テクノロジーの課題に取り組みます。コンピューターアニメーション経験があり、プロダクションパイプラインについて膨大な知識を持つ Bohdon 氏は Flight School Studio のなんでも屋です。スタジオのすべてのインタラクティブプロジェクトに関わって、技術面だけではなく、アート的なビジョンについてもすべての開発プロセスでディレクションを行っています。過去の作品としては、Diggs NightcrawlerIsland Time VR、エミー賞にノミネートされた Manifest 99、IGF Award ファイナリストの Creature in the Well などがあります。 Moonbot Studios の CTO としてアカデミー賞を受賞した The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore のスタジオパイプラインを構築した経歴もあります。
Stonefly は、どこにでもあるロボット ゲームではありません。それはクリエイター Flight School Studio がどこにでもいるデベロッパーではないからかもしれません。テキサス州ダラス、カリフォルニア州ロサンゼルス、ケベック州モントリオールに分散した、アーティストと技術者の集団で構成される、Flight School Studio は、ゲーム、映画、AR、VR だけにとどまらず、メディアで未知のものを探し求めています。

最新プロジェクト Stonefly では、トップダウン型の、ピンボールの要素を取り入れた、ハック&スラッシュ、ダンジョン アドベンチャー Creature in the Well で学んだ教訓を基にしながら、その一方でロボット ゲームの典型を打ち破ることをチームは目指していました。自分探し、過去とのつながり、相互の信頼をテーマとする、ほのぼのとした穏やかなアクション アドベンチャーとして、表現された内容がここにすべてあります。

2021 年 6 月 1 日にゲームがちょうどリースされたので、このタイミングで Flight School Studio のゲーム ディレクター Bohdon Sayre 氏から、プロジェクトの原点、ゲーム エクスペリエンスの対象、よく練られた従来にないロボット ゲームの基礎として、どのように自然と虫への関心が働いたのかについて伺いました。 
 

ご参加いただきありがとうございます。Stonefly はすばらしい映像ですが、従来型のロボット ゲームとは違います。どのようにコア コンセプトが生まれたのかを教えていただけますか?

Bohdon Sayre (Flight School Studio ゲーム ディレクター):
Stonefly には複数のキーとなる開始点があり、一見すると関係ないように見えますが、具体的なアイデアに発展させる方法で重要な役割を果たしました。かなり前に、ピンボールのようなゲームのプロトタイプを作っていました (Creature in the Well を開始する前です!)。そこにはとっておきたい、面白い部分がありました。Adam Volker (プロジェクトのクリエイティブ ディレクター) と私は、Creature in the Well の砂漠と機械の環境を作成した後なので、設定を緑の多い場所、自然に覆われたところにすることを考えました。すぐに決定したのは、小さな虫がゲームの敵として登場すること、多様なクリーチャーやその動作を楽しんでデザインすることです。ゲームプレイは、タワーディフェンス系あるいは、Dynasty Warriors のようなものまでも考えていました。さらにコア テーマとして物理要素に重点を置いていてCreature in the Well では、電気でした。今度のゲームでは、空気と風がすべてです。これらの組み合わせが、ゲームの初期プロトタイプにつながりました。シンプルなカプセルがジャンプして、気流を捉えます。小さな虫が這いまわり、突風で吹き飛ばします。

Stonefly では、「自分探し、過去とのつながり、相互の信頼をテーマとする、心温まる穏やかなアクション アドベンチャー」と表現されるゲームにプレイヤーが入っていきます。目指しているエクスペリエンスのタイプと対象プレイヤーについて詳しく教えてください。

Sayre:
Stonefly では幅広いオーディエンスを考えています。前のゲームより、ストーリー重視ですが、アクション要素もふんだんに盛り込まれています。時間をかけて、うっとうしい「バゴ (buggo)」を追い払い、メカの操縦技術を高めますが、必ずしもエネルギッシュなものではなく、ほのぼのとした感じがあります。ゲームの展開方法に多くのテクスチャがあり、リニアの、ストーリー重視のレベルから、滑空して探検するだけのオープン エリアまであります。異なるタイプのゴールを目指せるので、これによりフレッシュな感じを維持できます。完全装備のメカの操縦はかなり複雑になりますが、あらゆるスキル レベルのプレイヤーが選択できると思います。アシスト オプションがあり、ヘルプが出たり、プレイが簡単になったりします。
画像提供:Flight School Studio
ゲームのメイン キャラクターが旅の間に NPC と作る関係について、説明していたげますか?

Sayre:
Annika Stonefly は、若い発明家で、父親の整備工場で働き、「リグ」 (この世界の虫型メカ) を改造しています。彼女は、頭が良く、この世界の動植物について知るために、あらゆるものを好んで読んでいます。まだ自分に自信がありませんが、プレイヤーがゲームを進めていくとともに何かをつかみます。Annika は盗まれた家宝を取り戻すために旅に出て、その途中で Acorn Corps と言うよそ者のグループに出会います。Corps は、高度な操縦テクニックを持ったパイロットのグループで、大量の宝物を獲得できる危険なミッションに挑んでいます。Acorn Corps ははみだし者のグループですが、思いがけず、Annika とメンバーのRavenwood、Daven、Clara の間に深い友情が生まれます。お互い助け合って、このワールドそして自分自身のことを理解していきます。

トレーラーや静止画像を見ると、プレイヤーに多様なカスタマイズ オプションと自由に使えるスキル/能力があるようです。ゲームシステムがどのように働き、ゲームプレイとどのように関係するのかを説明していただけますか?

Sayre:
はい、ジャンクの部品からクラス最高のメカを構築するときに、多くの作業があります。見た目と動作に関わる機能を分離しました。機能が増えても常にメカの外観が変わりません。一方作成する新機能とすべてのアップグレードからのメリットはあります。Annika が新しい場所で新しい虫に出会い、新しい発明を自動的に生み出します。このリサーチの多くの部分が記録され、プレイヤーはそれぞれの虫にいくつ遭遇したのかを表示できます。さらに新しい発明につながる、あるいはさらにリサーチが必要なものかを示します。能力またはアップグレードが発明されると、プレイヤーは作成するために必須のリソースを集める必要があります。さらにプレイヤーが使用している能力の種類を装備または管理する必要がないように、設計されています。新しい能力を解放するとき、フィールドで簡単に使用でき、すべての能力は戦略を考慮して、面白い組み合わせで、使用可能になります。
画像提供:Flight School Studio
プレイヤーはゲーム全体で多様なタイプの虫と対決します。バリエーションやゲームの敵をデザインするプロセスについて説明していただけますか?

Sayre:
メインの戦闘は、プレイヤーが空中から驚かして、虫をひっくり返します。それからレベルの外に突風で押し出します。この突風は地上でチャージする必要があります。空中にいて、開けた場所に急降下し、着陸し虫を押し出す場所を見つける、このシーケンスは、虫が多様にデザインされているので、虫に応じて変わります。鉱物を食べるだけの小さい虫がいます。プレイヤーが求めているものが食べつくされる前に、追い払うようにする必要があります。 

他にデザインした虫は、2 つのカテゴリ、地上タイプと空中タイプに当てはまります。メインの虫は、Scissor Scarab というもので、欲しい鉱物をプレイヤーが探しているのがわかると、押し出そうとします。ハサミを広げて地上で待ち構えています。近づくと突進してメカをはさみ、レベルから落とします。これは基本的に一部の領域が着陸に危険なところになっていて、押し出す能力をチャージする場所を慎重に選択することが重要です。こういう訳でこの虫を地上警備と呼んでいます。他の虫は、空中で鉱物の集まっている場所を防御します。浮遊しているのは危険で、虫の攻撃をかわすために伏せる必要があります。攻撃を受けないで、虫を続けて驚かすのは厳しくなります。 

地上のそばの部分や空中の離れたところなど異なるエリアに多様な虫がいることで、すべてがうまく連携するようになっています。デザインで多様性を生み出すことを考えると、それぞれの虫の目的や動作のタイプに多様性があれば良いことになります。遭遇するそれぞれの「buggo」を記録でき、すぐに対応するために、使用できる個別カウンターもあります。大きいクリーチャーは攻撃をブロックすることもできるので、ひっくり返し、レベルから押し出すために、弱点の部分を見つける必要があります。

Stonefly では、ミッドセンチュリーモダンと自然界の両方から着想を受けた非常に興味深いアート スタイルが採用されています。プロジェクトは初めからこのアート スタイルでしたか。それとも進行とともに発展しましたか?

Sayre:
Stonefly のアート スタイルは進行とともに発展しました。作成した以前のルック デベロップメントと、新しい領域を求めた労力を組み合わせた結果です。高い質感を多用した、印象的なコンセプト アートで開始しました。それらの多くはバックグラウンドで直接確認でき、ゲームの木、草、他のサーフェスの共有プロパティに多くあります。コンセプトを 2D から 3D に変換するとき、特に、それぞれのアセットをデザインし作成した過程で確立した、ライティングや他のテクニックで試すときに、常に進化が起こります。
画像提供:Flight School Studio
林の上層、湿地、とげだらけのイバラなど、未知の多様な自然の風景の中で、プレイヤーはゲームのミッションを遂行します。全体のエクスペリエンスに対してゲームの環境はどれほど重要でしょうか、さらに開発プロセスはどのようなものでしょうか?

Sayre:
Stonefly の最初の目標には、美しい環境のステージを作成すること、探検する生態系で多様性を表すことがありました。進んでいくと多様な場所が次々と現れるのは、Annika が家からどんどん遠くに離れる旅の感覚に重要なものです。ゲームの多くのアセットのように、多様なインパクトの強い雰囲気を設定する、コンセプト アートのピースで始め、最後に見たいものを見たい順序で選択します。テクスチャを作成する方法により、どのオブジェクトの色もすばやく簡単に変更できます。2 番目のステップは、各ロケーションでもっとも特徴のあるアセットを選択して、各生態系のカラー パレットから細かい色の違いをなくします。これにより、ユニークな見かけのロケーションを大量に作成できます。それぞれに完全に新しいアセットを作成する必要はありません。

Flight School Studio の前のタイトルの一つ Creature in the Well は、トップダウン型の、ピンボールの要素を取り入れた、ハック&スラッシュ、ダンジョン アドベンチャーですが、ユニーク なゲームでもあります。このゲームの開発およびシッピング プロセスで学んだことで、Stonefly の開発に利用したことがあれば、それが何かを教えてください。

Sayre:
多くのことがあり、すべて挙げるのは困難です。この 2 つのゲームは感じがまったく異なりますが、構造では共通部分がたくさんあります。Creature in the Well で獲得した経験のおかげで、Stonefly で多くの部分を達成できました。技術的な多くの経験により、一定のゲーム システムの構造を作成する方法で微妙な違いを生み出すことができ、安定性および多様性を高めています。ゲームのシッピングは独自のスキルで、ゲームの多様な要素で修正または再検討する必要があるとき、信頼性のあるパターンを把握することが、本当に重要です。リリースするときに、膨大な数の問題が見つかります。これを経験したので、2 番目の大規模なゲーム タイトルを計画するときに非常に役に立ちました。 

創造性の点でも、Creature in the Well から多くのことを発見しました。完全に新しいタイプのゲームプレイをプレイヤーに教える点で同様の課題があり、新しいそれぞれの情報にどのようにプレイヤーが応答するのかを考えることは、Stonefly のオンボーディング プロセスを設計するときに役に立ちました。
画像提供:Flight School Studio
Unreal Engine がこのプロジェクトに適している理由を教えてください。

Sayre:
Unreal Engine はすばらしいツールで、これを利用すると、私たちのチーム サイズでは以前に不可能だったような規模のゲームを制作できます。このエンジンがオープンソースであることにより、推測する部分がなくなり、同時にリソースとして新しいプログラミング パターンやテクニックを学び、ゲーム内で活用しました。ゲーム開発では目標がとどまっていません。誰も見掛け倒しと考えない、すべての機能が、Unreal Engine をエネルギーで満ち溢れたツールにしています。コンテンツ分析、参照管理、アセットの検証、ランタイム時の文字通りすべての対象の検査など、数百のデバッグおよび開発ツールを利用でき、すべてがすばらしい開発環境を生み出しています。

開発の間にチームで役に立った、個別の UE ツールはありますか? 

Sayre:
Stonefly で使用した最も重要な機能は ゲームプレイ アビリティ システム だと思います。ゲーム デザインのかなりの部分が、この強力なプラグインとその機能をベースに作られています。これがなければ実現できなかったようなゲームプレイのパスが開かれました。2 番目はおそらく Editor Utility Widgets です。ランタイム時にデバッグ メニューに表示され、設計時にエディタ内でも使用される、開発ツールをすみやかに作成できることは、これがなければ、決められたスケジュールで、実現できないような機能を作成するワークフローが解放できるということです。
画像提供:Flight School Studio
Epic MegaGrant の獲得、おめでとうございます!プロジェクトに影響はありましたか?

Sayre:
Epic MegaGrant はプロジェクトに重要なものでした。プロジェクトで自分の期待する通りにあらゆることを実行するのは、常に非常に困難です。削減や範囲の縮小は避けられません。延長時間が得られたので、プロジェクトがただ動く状態から仕上げることができ、非常に感謝しています。
どのプラットフォームで Stonefly をプレイできますか。詳細情報はどこで確認できますか?

Sayre:
詳細情報は stoneflygame.com を確認してください。このゲームをプレイできるのは、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PC で、Steam および Epic Games Store から入手できます。

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