韓国の VR コンテンツ開発会社である EVR Studio は、 VR に重点を置いたメディアの次世代を先導することを目指しています。最近、UE4 を使って開発中の感情移入させる VR プロジェクトの 『Project M』 のティーザー映像をリリースしました。
EVR Studio はゲーム開発、ビジュアル グラフィックス、エンジニアリング、ファッション、執筆、写真など様々なプロフェッショナル分野の経験者が集まった会社です。多様な現実生活の体験が無限の想像力と融合する仮想世界を作るために、各分野で幅広い経験を持つ様々な専門家を集めました。
『Project M』 では、魅力的でリアルなデジタル キャラクターと、人を惹きつける映画のようなストーリーテリングのユーザー体験を合わせて VR で多様なエピソードを繰り広げます。 今の時代は、かなりのコミュニケーションが音のないテキストのやりとりや、他の人を見たり、その声を聞いたりせずに顔文字を使うことで成り立っています。『Project M』 では、ユーザーに感情的癒しを与えたいと考えています。これは、ユーザーとの間のダイアログだけでなく、その感情の状態を覚える仮想キャラクターをデザインすることで行います。
こうしたダイアログは次のコンテンツがどのように進捗するかを示すうえで重要です。ユーザーがある時点で助けたキャラクターが、将来のユーザーの行動に対して関心を持つようになります。
このティーザーはアンリアル エンジンのマチネで 2D でキャプチャーされました。これは VR ではありませんが、VR バージョンを Oculus Rift のレンズを通してみるとユーザーはデジタル キャラクターの感情に簡単に引き込まれます。これまでデジタル キャラクターで一般的に体験されてきたものではない、驚くべき興奮を生み出すのです。
ティーザーの制作は、オーディションから実稼働まで 6 週間かかりました。90 名いたオーディション参加者から一人の女優を選び、リアルなテクスチャになるように顔を 3D スキャンし、ブレンド シェイプを使って様々な表情を作りました。
生きているかのような感情的な表情、肌の色合いのかすかな変化や、充血した目の詳細を表現するために、アンリアル エンジンの目、髪、および皮膚の各シェーダーを、マチネとブループリントと合わせて使用しました。その結果、短い時間で成果を上げることができました。
リアルタイムの VR を開発している間、アンリアル エンジンの GPU ビジュアライザーを使用することでシステムの負荷を生じている原因を直観的に特定できるだけでなく、作業効率も高まりました。アーティスト レベルで特定された問題に対処できるからです。
このティーザーはアンリアル エンジンの強力な機能を使った技術的アプローチでいわゆる『不気味の谷』 (ロボット等がどれくらい人間に似ているかによって強い嫌悪感を感じるポイントがあること) を超えるのに成功した EVR Studio の初の試みです。また、ユーザーがキャラクターに感情移入するためにリアルタイムのデジタル キャラクターの感情をどの程度表現すべきかについても学びました。ティーザーの完成後、出来る限り多くの人々に参加してもらって、VR HMD を使ってティーザーにどれくらい感情移入するかについて複数のテストを実施しました。これは後で開発に反映する貴重なデータ収集のプロセスです。
さらに EVR Studio は AI の声に感情を反映する AI システムにも取り組んでいます。これはプロトタイプで利用できます。
今後のニュースや会社の情報については、 EVR Studio の Facebook ページ と www.evrstudio.com のサイトをご覧ください。