画像提供:Sumo Newcastle

Hood:Outlaws & Legends — 中世を舞台にしたクラス制 PVPVE 強奪ゲームのデザイン

2021年6月9日
Andrew Willans 氏はこれまでの15年、2K、Ubisoft、CCP、そして現在の Sumo Digital などの企業でデザインを担当し、さまざまな AAA タイトルの開発に関わってきました。主な作品に、 ドライバー サンフランシスコ、ウォッチドッグス、ザ クルー、ディビジョン、EVE:Valkyrie 、英国アカデミー賞ゲーム部門にノミネートされた Grow Home などがあります。現在は、中世を舞台にしたマルチプレイヤー強奪ゲーム Hood:Outlaws & Legends のゲーム ディレクターです。
Sumo Newcastle が開発した Hood:Outlaws & Legends は、あなたがこれまでにプレイしてきたものとはまったく異なるゲームかもしれません。この PVPVE は、中世を舞台にしたクラス制の強奪ゲームです。この英国の開発者は、ロビン・フッドの世界観をベースに、 ゲーム・オブ・スローンズPayday が融合したような作品をデザインしました。Shacknews は、 レビュー で「Hood:Outlaws and Legends は通常のオンライン マルチプレイヤー ゲームとは一味違った素晴らしい作品である。PVPVE スタイルは驚くほど上手く機能し、いたる所で新たな障害が生み出され、ユニークな戦略が提供されている」と、その革新的な融合を賞賛しています。

このゲームでは、4 人編成の 2 チームと AI が「侵入」、「宝物庫破り」、「宝の持ち逃げ」の 3 ステージで対戦します。これらの異なるフェーズを容易にするために、Sumo Newcastle は多数のエントリー ポイントと経路を提供する各種サイズのマップを作成し、シナリオごとに最適な、まったく異なるアビリティを備えたさまざまなクラスを用意しました。ゲームのリプレイ性 (やりこみ要素) を高めるために、鍵の位置や敵の AI 巡回の場所などにランダムな要素が加えられています。これらの多種多様なオプションの中を、戦術的に、ステルス的に、または燃える弓を射てプレイヤーたちはミッションの遂行を目指します。

Hood での Sumo Newcastle による開発アプローチを知るべく、Andrew Willans 氏にインタビューしました。本作のゲーム ディレクターである彼は、影響を受けたプロジェクトや、ゲームのプロトタイプ作成に Unreal Marketplace のアセットを活用したこと、この分野でイノベーションが求められる課題などについて語ってくれました。
Hood:Outlaws & Legends はユニークなマルチステージの PVPVE によるプレミスが特徴的です。制作のきっかけを教えていただけますか?

ゲーム ディレクターの Andrew Abedian 氏:Sumo Newcastle は PVE のファンと PVP ファンの両方を擁しています。私たちの開発ノウハウの多くは、対戦型マルチプレイヤーゲームの制作体験から来ていますが Vermintide 2 のような協力型ゲームや コール オブ デューティ のような敵対型シューティングゲームにも同じくらいの情熱を持っています (ここでは私たちのお気に入りを 2 作品しか挙げませんが)。私たちは本当にプレイしたいゲームをプレイしたかっただけだと思います。 Hunt:Showdown のようなゲームをプレイすることで、これらのジャンルをミックスすることへの渇望があることが分かりました。より伝統的なチーム同士の対決や、無法者のチームとプレイヤーが操作する王国の護衛との対決などのデザインについて長い間議論を重ねましたが、それよりも最終的には新境地を開拓することにワクワクしていました。

このゲームの大まかなベースはロビン・フッドで、舞台は中世です。なぜこのプレミスと設定がゲームに適していたのですか?

Willans :理由を考えていたら「gritty (粗さ、武骨さ、気骨)」という単語が思い浮かびました。Hood のコンセプトを考えるにあたり、Sumo ファミリーで未使用だったコンセプトから受け継いだ、素晴らしくダークで完成されたキャラクター アートのおかげで、幸先良くトーンを明確にすることができました。出版パートナーに売り込みをかけた 2019年の市場は、ヒーローもののシューティング ゲームや、バトル ロイヤルのクローンで溢れていました。これらのクローンは一様に非常に親しみやすく、ほとんど漫画のような美学を取り入れているように見えました。私たちは、その他大勢とは一線を画し、少し変わったオーディエンスにアピールし、最初のプレゼンで持っていたゲーマーの DNA に忠実であり続けたいと思いました。「ゲーム・オブ・スローンズロビン・フッド の世界で Payday をしたらどうなるだろう?」と自問しました。
Hood:Outlaws & Legends では、射的の名手「レンジャー」、サポート クラスの「ミスティック」、ステルスが専門の「ハンター」、そして近接攻撃を得意とする「ブロウラー」の 4 クラスがプレイできます。それぞれスキルセットや特殊能力が大きく異なりますが、デザインやバランスを取るためのアプローチについて教えていただけますか?

Willans:まず私たちは、2 人の遠距離攻撃系のキャラクターはハードコアなプレイヤーにアピールすると考えました。誰もが役割を演じて楽しめるはずですが、レンジャーやハンターの能力を最大限に引き出すためには、レンジャーであれば遠距離射的や追尾射的などの入力技術を、ハンターであれば姿を消して暗殺を繰り返すなどの戦略性を磨く必要があります。面白かったのは、当初、多くのプレイヤーが マリアンヌ (ハンター) を最弱のキャラクターと考えていましたが、実際には (正しく使いこなせば) ほぼ間違いなく最強のキャラクターだということです。 

近接戦闘系のキャラクターは、プレイヤーに素早く接近しやすい操作性を提供します。連射系のプレイスタイルを好む方には、連打に最適な ブロウラー (ジョン) がお勧めです。ミスティック (トーケ) は、重い攻撃を仕掛ける前に若干注意を要しますが、ヒーラーとしては十分なパンチ力があり、相手を長時間スタン (気絶) させることができます。いずれの近接戦闘型の無法者も、遠距離攻撃系のキャラクターが使う防御的回避の代わりにブロックを使います。これは、プレイスタイルの違いをより明確にするための意図的な決定でした。ブロックは回避するよりもタイミングが取りやすいのですが、パリィ (攻撃の受け流し) をマスターすることが、トーケとジョンの 2 人を最大限に活用するための鍵になります。

戦闘のグループ ダイナミクス、ヒット リアクション、スタン状態、スタミナ、ヒット ポイントなどのテストのためだけに戦闘ジムで多くの時間を費やしました。もちろん情報収集には実際のゲームに勝るものはないので、リリースされた今は受信データ分析してチューニングを検証しています。これは継続的なプロセスであり、当たり前のことですが、私たちが行う微調整は、意見ではなくデータに基づいて行われます。 

Hood:Outlaws & Legends では、「天守への潜入」、「宝物庫破り」、「宝の持ち逃げ」の 3 ステージが用意されています。ゲームプレイのループを完成させるために、何度も試行錯誤しましたか?  

Willans:
常に私たちは独特な強奪のステージに満足していました。物語的に優れた強奪映画とするためにこのステージが必要です。また、3 幕構成にすることで、異なる配分かつ、適切なタイミングで、ステルスとアクションの使い分けが要求されるゲームプレイに上手く仕上がりました。コアループまわりで最も試行錯誤したのは、両チームにどの程度の情報を提供するかという部分でした。初期のプロトタイプでは、対戦相手の進捗状況を相手チームに一切知らせていませんでした。そのため、鍵を盗み、金庫を開き、もう一方のチームに気付かれることなく宝を回収することが可能でした。「完璧な計画を立て、完璧に実行できる」ので、これはこれで楽しかったのですが、敵チームの無法者を見つけられなければ、かなり孤独なゲームになってしまいます。

両チームが遭遇したときが、最も強烈に楽しい瞬間となることが分かったので、相手チームの情報を更新し続けるための各種 UI を実験しました。発売時の 3 ステージのアップデート メッセージには満足していますが、発売後は、よりハードコアに進化した強奪戦をぜひ導入できればと思っています。その場合、ステルスは勝利に欠かせないものとなるでしょう。
4 人のプレイヤーで構成された競い合う 2 チームに挑戦する AI (それと無敵に近い総督のボス) は、繰り返しプレイしても新鮮さが失われないよう、どのように開発しましたか?

Willans:これには、技術的な制約とゲームプレイとの間の落とし所を探すための調整が絶えず必要でした。一方で、プレイヤーが護衛に見つかってしまった場合に分かりやすい結果を出力する必要がありますが、それと同時に、あまりにも多くのターゲット間で戦闘が行われるとすぐ過剰になり、適切な防御、回避、または反撃すらできなくなってしまいます。この課題を 8 倍 (全選手分) にして、スイート スポットを見つけるために、かなりの試行錯誤が必要だったことは想像に難くないでしょう。私たちはさまざまな護衛のアーキタイプを使用して、さまざまなレベルの挑戦を提供したので、例えば、距離を詰めて攻撃する必要のある近接戦闘系のキャラクターにとっては、1 人の弓使いが深刻な脅威と成り得ます。遠隔攻撃系キャラクターの場合、彼らの木矢や石矢では騎士アーキタイプの鎧にダメージを与えることができないため、危険から逃れるか、暗殺を行うためにギアを使って相手の気を引く必要があります。 

新鮮さを保つために、マップが再生されるたびに複数のポストとパトロール パスが交互に配置されます。もちろん、AI はどこにでも誘導できます。そのため強奪プレイの開始時点では、AI の開始位置と、宝物庫は騎士によって守られているという事実以外ほとんど予測ができません。回収中にレジスタンスに遭遇するかどうかを決定しているのも、宝箱をウィンチに持っていくときに AI が宝箱を見たかどうかに基づいています。気楽にやり過ごしたければステルスしていればいいのですが、アラームを作動させれば、より多くの王国の分隊が盗品を守ろうとするあなたの所へ押し寄せてきます。

ゲームのレベルを作るためのアプローチを教えていただけますか?PVPVE のゲームプレイにさまざまなキャラクターのアビリティを組み合わせた場合ならではの、デザイン要素で考慮すべきことは何かありますか?

Willans:私たちは、各マップを何度もプレイできるようにする必要がありました。そこで、いくつかのマップは見通しが非常に広く、遠隔攻撃系のキャラクターに有利そうに見えるのですが、目的達成のために主要エリアに入ると、非常に密集しており、近接戦闘系のキャラクターに有利にしてあります。マップによっては、宝物の建物が 3 つあり、それぞれに宝物庫を生成する可能性のある階が複数あります。プレイヤーにとって公平な戦いの場を作るために、多様性の確保が不可欠でした。目的の宝がどこに現れるかを予測することはほとんど不可能であり、運が良かったとしても、動的に変化するシステムが多数用意することで、同様の強奪戦が二度と起こらないようにしなっています。

また、ジョンだけが持ち上げられる落とし格子の門や、ロビンとマリアンヌだけが撃ち落して横断の機会を増やすことのできるロープの梯子など、キャラクターのアビリティに直結した分かりやすいレベル デザインもあります。 
プレイヤーはステルスを使用するか、燃える弓を射ることが多いです。さまざまなプレイスタイルを容易にするサンドボックスの作成方法についてお話いただけますか?

Willans :「新興のゲームプレイを受け入れる」というフレーズがすぐに思い浮かびました。開発全体を通して、ステルスとアクションのバランスを取りながら、楽しみがありつつも、制限が多過ぎず、かつ荒らし行為が発生しにくいものを目指しました。純粋なマルチプレイヤーのステルス ゲームを作る際の最大の課題は、自分のチームの誰かが意図したようにプレイしてくれなかった場合にどうするかということです。私たちはチーム全体にペナルティを課すのは不公平だと思ったので、より個人的な結論を選択しました。アラームを作動させてしまうと、ゲームのフィードに名前が表示されて恥ずかしい思いをすることになります。また、自分のキャラクターが赤でハイライト表示されるので、もう一方のチームが自分の位置を確認することができ、護衛はチームメイトではなく自分に群がることになります。あなたのチームが、あなたを守るためにジャンプしてオープンな戦闘に参加しないことを選択した場合、隠れたままステルスを続けることができます。

とはいえ、戦闘開始、突撃、スライディング、手榴弾の投てき、爆発性の矢の発射はとても楽しく、強盗というファンタジーを味わう鍵となっています。映画「ヒート」の逃走シーンで銃撃戦がなければ、どれほど拍子抜けするか想像してみてください。そのため、最終のアクションには必ず戦闘があります。奪取のための戦いは、緊張感のあるドラマチックなものでなければなりません。しかし、護衛に見つからずに宝箱を積むことができれば、ステルスで脱出できます。稀なことですが、現在の AI エスカレーション ルールでは絶対に可能です。

限られたライフ、限られた UI、アラームを作動させるフェイル条件の厳格化など、よりハードコアなアプローチを望むプレイヤーが多いことは承知しています。これは私たちがぜひ提供したいものですが (開発中にこの種のルールを楽しんでいました)、まずはプレイ人口を増やすことが先決です。そのためまずは、親しみやすいゲームプレイと明確なミッションの目的を優先しました。

弓、ステルス攻撃、近接攻撃用の武器などによる、さまざまな戦い方がありますが、本ゲームの戦闘システムをどのように開発したのか教えていただけますか?

Willans:最初期のデザインでは、すべてのキャラクターが遠距離攻撃系と近接戦闘系の両特性を持っていました。そのため、ブロウラーのジョンはハンマーを遠くに投げ、ミスティックのトーケはフレイル (鎖) の先からメイスを出すようにしました。これらは理屈の上では素晴らしく思えたのですが、デザインをさらに掘り下げていくと、投げた武器を回収するのはあまり楽しくありませんし、戦闘中に武器を失って素手だけになってしまう可能性もあると思いました。このような議論を経て、遠距離攻撃系と近接戦闘系という 2 つの主要な戦闘スタイルが定義され、「どのキャラクターにも武器を持たせること」という最初の戦闘ルールが生まれました。これにより、ロビンの弓が近接攻撃でどのように使用されるかについて創造的に考えざるを得ず、また、マリアンヌの手首に装着されたナイフ アタッチメント付きクロスボウの誕生にもつながりました。

私たちの初期のプレイテストでは、ジョンはヘッドショットに打たれ弱かったので、最も弱いキャラクターと見なされていました。相手に向かって激しく走っていっても、頭をタイミングよく撃たれると簡単に倒されました。そこで、防御手段としてブロッキングとパリィを導入し、さらに弓のフル チャージ ショットとクイック ファイア ショットで与えられるダメージに差をつけました。続けてこれを開発の全工程に反映させました。キャラクターにはパワー ファンタジーとしての OP 感が必要で、それに合わせて他の無法者も微調整しました。 

ステルス性を実現するためには暗殺が不可欠ですが、その開発はまだ先の長い道のりです。簡単にし過ぎると、プレイヤーがバックスタブ フィッシングをしているだけで、命懸けでコンガ ダンスを踊る行列のようになってしまいます。難しくし過ぎると、プレイヤーは アサシン クリード のようなシングルプレイヤー ゲームの信じられないほどの使い勝手の良さに慣れているため、システムが不公平であると感じたり、バグがあると感じたりします。対戦プレイのスイート スポットを見つけるのはやっかいですが、適切なデータを追跡できるようになったことで、より精度の高いチューニングが可能になりました。手始めに、アニメーションの途中で攻撃者を攻撃することで、進行中の暗殺を止められるアビリティの開発などに取り組んでいます。
このゲームは、動く部分が多いにもかかわらず、アクセシビリティーが高いと評価されています。その理由は何でしょうか?

Willans :私たちはずっと、強奪の 3 ステージを伝えることが最大の課題だと考えていました。そのため、プレイヤーに向けの情報量や更新頻度を少なくとも倍増させました。ジョン (ブロウラー) のようなキャラクターがいれば、誰もが気軽に参加して矢を正確に射るためのスキルを磨かなくても楽しむことができます。また、チームの目標がプレイヤー間の協力を促すと思います。チームプレイが成功に不可欠な場面が多いので、経験豊富なプレイヤーの多くが、自分の利益になるように盗賊団を誘導、支援することを期待しています。 

私を含め、チームの先輩方の多くは何よりも第一にアクセシビリティーを重視する Ubisoft の開発チーム出身です。私たちは可能な限りプレイヤーを大切にしていますが、私たちのチーム規模では、自分たちが設定した目標に向かってすべてを仕上げるのは確かに大変でした。最も重要な要素をこのようにすぐ理解していただけたのは有り難いことです。

Hood:Outlaws & Legends では幻想的な光と影が美しい建築物と融合しています。このゲームの洗練された外観はどのようにして生まれたのでしょうか?

Willans
:端的に言えば才能に溢れ、情熱的なアート チームがいるからです。私たちが「中世を舞台にする」と決めた瞬間から、彼らは北東部のあちこちに出掛けて、城、夕日、嵐の雲などを撮影していました。私たちの目の前には豊かな歴史があり、そのことが建物やテクスチャのリアルな表現に大きく貢献しています。私は 2019年に 8K の岩の画像を数多く見ました。

Hood では歴史的な正確さについてはあまり考慮していませんが、それでも私はかなり近いと確信しています。チームは、映画や文学から連想されるあの時代の雰囲気、ムード、色調を見事に捉えていました。ゲーム・オブ・スローンズ には大きな影響を受けましたが、いくつかのマップでは、よりアイデンティティを強化するために、そこからさらなる発展を試みました。ステルス ゲームということで、夜のマップや、灰色の濃淡が 50 ばかりになってしまう危険性が常にありましたが、Marshland や Outpost のようなマップを見ていただければ、明るい光と影のコントラストがステルス作戦にどれほど効果的であるかが分かるはずです。 
Hood はマルチプレイヤー専用のゲームですが、スタジオは、環境的なストーリーテリングで物語を描くことを目指していると発表しています。これを実現するために、チームではどのような工夫をしたのか教えていただけますか?

Willans :それぞれのマップには、それぞれの伝えるべきストーリーがあります。王国は支配者であり、彼らは力で人を操ることによってこの権力を掌握しています。プレイヤーがマップを探索すると、古い世界が新しい世界と出会う場所が見えてきます。Marshland では、そびえ立つ王国の天守と新しい教会の下で、故意に浸水させられた家や古い礼拝所が崩れ落ちています。Outpost では、かつての鬱蒼とした森が伐採され、王国の守備隊を守るために木造の要塞が作られています。Citadel でプレイヤーは、金で縁取られた建物が地平線まで伸び、そびえ立つ彫像が眼下の農民を見下ろすような、圧迫的な威厳のある王国の冷たい心臓部を見ることになります。

また、各マップには非常に有益なテキスト情報も収録されており、マップ固有の収集可能な装身具も多数用意されています。これらから、各地域の人々の窮状が読み取れます。 
 
長い道のりはまだ始まったばかりですが、私たちは Hood を思い描いていたゲームにするために全力を尽くします。
 
今回新ジャンルに挑戦するにあたり、開発面で最も苦労したことは何ですか?


Willans :大きな野望と、限られたリソースのジレンマでしょうか。PVPVE 強奪ゲームのための確かなデザインに仕上がっていることは分かっていました。かなり初期のプロトタイプでも、対戦するたびに可能性を見い出し、楽しさを感じることができました。しかし、このビジョンを私たちが望む品質基準を保ちながらスケール アップすることは常に挑戦でした。設計図面で、それは巨大な作業でした。例えば、リプレイ性に優れ、機能豊富で変化に富んだ目的が高密度なマップと、FPS と近接戦闘両方のプレイヤーに魅力的なキャラクター リスト、同時に最大 8 人のプレイヤーに対応し、ゲームを挑戦的なものにする AI システム、採用したプレイヤーに有利でありながら、楽しさを制限しないステルス技法、そして多くの場合大混乱の中での PVP の遭遇などで苦労しました。

これらすべての機能でその分野で最高の完成度を実現するには、600 人規模の大きなスタジオのチームでも苦労しますが、私たちには 60 人しかいませんでした。ですので、発売時に達成した成果を非常に誇りに思っていますし、今年は開発を継続する予定です。早期アクセスの週末は、Twitch のストリームに釘付けになりました。プレイヤーの多くは完成度の高さを見て、素晴らしい時間を過ごしていました。彼らは、ウィンチでの巧みな防御に歓声を上げ、相手チームを一掃したときには拳を突き上げ、マップの中間地点から非常識なショットを繰り出したときには驚きの声を上げていました。私たちがプレイしたときとまったく同じような声が彼らから聞こえてきました。良さを分かってもらえたのです。 

新しいことをするのはいつでも恐ろしいことで、リスクもありますが、私たちが改良し、磨きをかけ、確実に楽しめる基盤を築いていく中で、コミュニティも成長しながら私たちに付いてきてくれることを願っています。
 
Unreal Engine のどのような点がこのゲームに適していましたか?

Willans :当スタジオのノウハウの大部分が Unreal Engine に格納されています。直近のプロジェクト (EVE:Valkyrie) も UE4 で開発しています。ですから、Unreal Engine は Hood においても論理的で最善な選択でした。迅速な試作、 ブループリントの作成 に優れ、 マーケットプレイス も充実しているので、本番稼動前に一時的なアセットを使って一通りサニティー チェックすることができます。開発者の多くが思い浮かべる言葉は「簡単」だと思います。結果は素晴らしく、ワークフローのためのツールも素晴らしいと思います。

次世代機にリアルタイム レイ トレーシングと 60 FPS のパフォーマンスを組み込むのは難しかったですか?

Willans :そうでもなかったです。UE4 のサポートと機能セットに依るところが大きいです。もちろん、最適化部門のコーダーたちの努力を軽視するつもりはありませんが、最大の課題は、マップの中でその努力を披露する機会を十分に設けることでした。マップの 50 % を占める巨大な水域がある Marshland がその好例ですが、Outpost で描画される泥で濁った水たまりで動くレイ トレーシングも同様に印象的です。

次世代機で 60 FPS を達成することは、当初からの目標でした。私たちは常に、ゲーム機と PC の間の差を可能な限り埋めたいと考えていました。このような対戦型ゲームでは、自分自身を含む多くのゲーマーにとって、クロスプレイでの公平感がとても重要です。
 
次世代ゲームの開発でチームが最もワクワクすることは何ですか?

Willans :その答えとしてフレームレート、解像度、レイ トレーシングは当然ですが、余剰のパワーがあるということは、技術的制約が少なくなるということであり、例えば、30 個の AI を同時にサポートできないためにデザインしたゲームが実現できないというような状況は減っています。私たちはまだそのパワーを十分に享受しきれていないと思っています。PlayStation 4 と Xbox One に素晴らしい体験を提供しなければならないという理由があったので、過去に片足を突っ込んだままのような状態でした。 

おそらく次のプロジェクトでは、この質問にもっと自信を持って答えられるでしょう。

どのように Hood:Outlaws & Legends を進化させる予定ですか?

Willans :バトルパスを利用した素晴らしい新コスメティックなど、1 年分相当のコンテンツがすでに計画されており、現在新機能の制作に全力で取り組んでいるところです。まだ多くは公表されていませんが、5 人目のキャラクターである Eidaa が登場すると、事態が大きく変化することは間違いありません。新しい山の見事なマップが間もなく公開されます。また、より協力的なプレイを楽しみたい方のために、ご要望の多かった PVE モードを実装する予定です。このモードでは、XP やゲーム内通貨が獲得できます。 

また、コミュニティにとって適切な時期に適切な対応できるように、プレイヤーの皆様からのフィードバックを分析して、新しい機能やゲームモードを設計し、バグ修正、チューニング、バランス調整を組み込んでいます。長い道のりはまだ始まったばかりですが、私たちは Hood を思い描いていたゲームにするために全力を尽くします。

Hood:Outlaws & Legends の詳細については、ゲームの 公式ウェブサイトTwitterFacebook ページ 、YouTube チャンネル、 Epic Games ストアのページ をご覧ください。

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