Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
Tokyo Underground Killer
のネオンと大音量音楽の作成
Brian Crecente
2023年3月13日
Epic MegaGrants
Japan Games Week
Phoenix Game Productions
Tokyo Underground Killer
インタビュー
ゲーム
ドイツ人のゲーム クリエイター、Daniel Hedjazi 氏は、日本のゲーム業界で 10 年間働いています。CyberConnect2 と Platinum Games でゲーム デザイナーとして働いた後、2019 年初頭に大阪で自身の開発スタジオであるフェニックス・ゲームプロダクションを開設しました。
今年後半にリリースされる
Tokyo Underground Killer
は、大阪を拠点とするスタジオ
フェニックス・ゲームプロダクション
による最初の完全オリジナル ゲームとなります。
そして、それはなんといっても独創的です。
Epic MegaGrant を獲得したこのゲームでは、プレイヤーは超能力を持った殺し屋コバヤシとなって、ネオンに輝く東京の街に繰り出し、カルト教団の指導者に変身した死んだポップ シンガーに触発された、狂った犯罪者たちを切り裂いたり撃ったりすることになります。
スタジオ代表の Daniel Hedjazi 氏に、Unreal Engine がどのように 2 人だけの初期チームによる迅速なプロトタイプ作成に役立ったか、エンジンの Editor Utility Widget がゲーム開発の隠れた主役である理由、そして
Tokyo Underground Killer
のストーリーのインスピレーションとなったトーキング ヘッズの楽曲について話を聞きました。
どうして大阪にスタジオを開くことにしたのですか?
Daniel Hedjazi 氏:
正直なところ、その時点で既に数年間大阪に住んでいたので、あまり迷うことはありませんでした。東京の物価の高さや開発スタジオの多さを考えると、大阪に拠点を置くことは、私たちのような小さなスタジオにとって正しいことだと思ったのです。
フェニックス・ゲームプロダクションの
3 つの柱
について述べられていますね。それは異なるメディアをミックスしたクリエイティブな開発、ジャンルにとらわれないアプローチ、それと柔軟な開発スタイルですね。スタジオを設立して 4 年がたちますが、これらの柱は今でも有効だと思いますか?また、それらは取り組むゲームをどのように形づくってきましたか?
Hedjazi 氏:
これらの柱は、
Tokyo Underground Killer
だけでなく、将来のスタジオのあり方にとってもスタジオの重要な部分です。プロジェクトによっては、ある柱が他の柱より強いかもしれませんし、会社の成長とともに柱も進化していきますが、最終的には、私たちが決めたプロジェクトにおいて、常に存在感を示しているはずです。
Tokyo Underground Killer
の最初のアイデアはどのように生まれたのですか?
Hedjazi 氏:
まだ福岡に住んでいた 2014 年の春に、ゲームの最初のドラフトを書きました。当時、私の頭の中には、ネオンの光と大音量の音楽に包まれながら、スピードを緩める暇もなく、東京の街を夢中で走る人の鮮やかなイメージがありました。このイメージは私の心に残り、このイメージをゲームに置き換える方法を見つけたかったのです。
Tokyo Underground Killer
という名前は自然に決まり、最初からしっくりきていました。
それ以来、常にこのゲームのことを考え、どのようなプレイや感覚になるかを考えていました。だから、スタジオを立ち上げたとき、今こそこのアイデアを実現するときだと思いました。そして、ありがたいことに、このビジョンを一緒に作ろうと思ってくれる、すばらしい才能を持った協力者をたくさん見つけることができました。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
スタジオのホームページには、既成のルールを破り、自分のビジョンに従うことが、ユニークで魅惑的な体験を作り出す鍵になると信じていると書かれていますね。この信念は、
Tokyo Underground Killer
のデザインの進化にどのような影響を与えましたか?
Hedjazi 氏:
この考え方がなければ、ゲームはまったく違うものになっていたと思います。なぜなら、私たちのほとんどはゲームを FPS として捉えていなかったからです。そのため、レベルの構成やリズムは他のシューティングゲームとは少し異なり、
Hotline Miami
のようなものに近くなっています。また、ゲームのかなりの部分を占めるビジュアル ノベル システムにそれほど重点を置いていなかったでしょう。
しかし、この考え方でもっと前進できますし、今後数年間はこの方向でやっていきたいと考えています。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
このゲームの開発に Unreal Engine を採用した理由は何ですか?
Hedjazi 氏:
プロジェクトがわずか 2 人で始まったとき、ゲームプレイのプロトタイプをすばやく作成し、それを繰り返す必要がありました。Unreal Engine はそれに最適で、
ブループリント
を使うだけですぐに結果が出ることがわかっていたので、すぐに Unreal Engine を採用しました。そしてそれが功を奏しました。ほとんどのチーム メンバーは、他のプロジェクトで Unreal Engine の経験があるので、新しい人材の受け入れが非常にうまくいきました。
Tokyo Underground Killer
のビジョンの実現に役立った Unreal Engine の特別な機能はありますか?
Hedjazi 氏:
Editor Utility Widget
は、おそらくこのプロジェクトの隠れた主役でしょう。
このゲームのかなりの部分が、私たちのダイナミックなコミック本のシーンで構成されています。これらのシーンを意図通りに実現するためには、これらのシークエンスをエディタで直接コンパイルおよび編集できるツールが必要でした。
当社のテクニカル デザイナーは、Editor Utility Widget を使って、Unreal Engine 内で完全に夢のツールを作ることができました。
このツールを使用すると、コミック パネルの設定、各パネルの個々のレイヤーのアニメーション化、ローカライズされたテキスト データを使用したカスタム吹き出しの設定、個々のシーンごとのサウンドパスの適用などを行うことができます。基本的に、このツールがなければ、ゲームのビジョンの一部を実現することはできなかったと思います。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
ゲームのプロトタイプを作成するなかで、どのような変更を行いましたか?
Hedjazi 氏:
スピード感はゲームのコア コンセプトのひとつなので、適切なテンポを見つけるために何度も繰り返しました。プロトタイピングの初期段階では、敵の攻撃やプレイヤーの戦闘能力を常に変化させながら、適切な感覚を探りました。あるときは、防御が中心となり、ゲームプレイが遅くなり、別のときは、ほとんど乱闘ゲームになったことを覚えています。方向性が定まった後は、多くの無駄なものを捨てて、最終的なブラッド スキル システムや武器投げなど、プロトタイプで成功した機能の上に構築することができました。
和と洋のデザインを融合させ、ネオンを基調とした究極の美を実現するために、どのような工夫をしましたか?
Hedjazi 氏:
自然にそうなったのだと思います。私たちの中には、海外よりも日本で仕事をしてきた者もいます。一方、フリーランスのメンバーには、日本に来たことがない人もいます。また、海外でまったく仕事をしたことがない日本人スタッフもいます。
しかし、どのようなバックグラウンドであっても、最終的には、すべてのアイデアがゲームの中心となる柱でフィルタリングされるようにし、そのガイドラインの下で最も理にかなっているものを採用しました。
カットシーンに漫画的なアプローチを取り入れていますね。この印象的なアプローチはどこから来たのですか?また、それがゲーム全体のルック & フィールにどのような影響を与えていると思いますか?
Hedjazi 氏:
ストーリーは常にこのプロジェクトの重要な部分であり、私たちのような小さなスタジオでも実現可能な思い出に残る方法でストーリーを伝えたいと思いました。リード アーティストの Hans Steinbach 氏はコミック アーティストとしての経歴を持っているため、ストーリーをコミックとして実現するというアイデアを思いつきました。Hans のアート スタイルは本当にすばらしく、漫画的なアプローチによって、個々のパネルについて Hans と詳細に話し合うことができただけでなく、この世界のムードを他のアプローチよりもはるかに具体化することができました。
ゲームのストーリーとその背後にあるインスピレーションについて教えてください。
Hedjazi 氏:
これは、超能力を持った殺し屋コバヤシが、東京の覇権をめぐって争う巨大な犯罪組織ゴクラクで働く物語です。彼は、仕事を辞めて沖縄で暮らすことを夢見ていますが、過酷な仕事のため、その夢は常に後回しにされています。物語が始まる頃、東京では、異常な犯罪者たちの襲撃が相次いでおり、そのすべてが、死んだポップ シンガーからカルト教団の指導者になったキノシタと関係がありそうでした。コバヤシは、この犯罪者たちを始末する仕事を任され、組織の抗争、カルト教団、そして自分自身の過去に巻き込まれていきます。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
ストーリーの具体的なインスピレーションのひとつは、トーキング ヘッズの曲「Once in a Lifetime」で、ゲームのストーリーを書いているときにかなり心に響きました。
ゲームの中でブラッド スキルはどのように機能するのでしょうか?
Hedjazi 氏:
ブラッド スキルは、プレイヤーが戦闘中に解き放つ超自然的な能力です。プレイヤーは、敵を気絶させたり、捕らえたり、プレイフィールドのルールを変更したりすることによって、より大きな敵のグループと戦うことができます。
ブラッド スキルは、倒した敵から集めた血が十分でないと発揮できません。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
非常に派手なエフェクトと敵のデザインが特徴的なゲームですが、そのあたりの経緯もぜひお聞かせください。
Hedjazi 氏:
敵とボスのデザインはとても楽しくて、まだお見せしていない魅力的なキャラクターがたくさんいます。
敵のコンセプトは、鬼や天狗といった日本の伝統的な面や伝承のデザインを採用し、それらを未来的なテクノロジーと組み合わせることでした。Hans はこのコンセプトを元に、とことんまで作り込みました。最終的なスタイルが決まるまで、彼は約 30、40 種類の異なるデザインを試したと思います。
このゲームのオリジナルの電子サウンドトラックは、
Doom Eternal
、
Amid Evil
、
Wrath: Aeon of Ruin
を制作した Andrew Hulshult 氏が制作していますね。彼の仕事はプレイ体験にどのような影響を与えていますか?
Hedjazi 氏:
Andrew の作品は、ゲーム体験に不可欠です。各レベルには、呼び起こしたいムードとそのベースとなる場所に基づいて、独自の音楽テーマがあります。秋葉原と銀座では雰囲気がまったく違うので、それを音楽に反映させたかったのです。
ミッションごとに、そのエリアがどんな雰囲気なのかを Andrew と徹底的に話し合い、お互いが完全に同じ考えであることを確認しました。Andrew は、普段の彼とはまったく違うスタイルなので、最初は少し抵抗があったかもしれませんが、彼のサウンドワークは、私たちの東京のイメージを生き生きとしたものにするために大きな役割を果たしました。
このゲームで私が望んでいるのは、人々がゲーム終了後も、戦闘中に訪れたさまざまな場所を覚えていてくれることです。そのためには、Andrew の音楽が重要な役割を果たすと思います。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
特に誇りに思っているゲームのデザイン要素で、私たちに紹介していただけるものはありますか?
Hedjazi 氏:
前述のブラッド スキルと連動したブラッド オーバードーズのシステムにはとても満足しています。
ブラッド スキルを使わずに最大量に達した後、プレイヤーがさらに血を集めると、最大量を超えて移動速度を速くしたり弱点を減らしたり、パッシブ スキルを一時的にアンロックできるようになります。しかし、より多くの血を集めるにつれて、徐々に摂取過剰になり、視界がゆがみ、心臓の鼓動が聞こえるようになります。これは最終的に血液の過剰摂取につながり、プレイヤーのブラッド レベルをリセットする前に、クレイジーな特殊攻撃ですべての血が強制的に放出されます。
これは、プレイヤーがミッションのペースの速い流れから抜け出すことなく、ブラッド スキルを使用するかどうか、いつ使用するかについて、より意識的な決定を下すことをプレイヤーに促す、非常に楽しいシステムです。
私たちはこのシステムを、コーヒーの飲みすぎとカフェインの過剰摂取にたとえています。
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ゲームの中で、ミッションの合間に新宿を散策したり、アパートを装飾したりすることができると述べられていますね。このレイヤーをゲームデザインに加えることにした理由は何ですか?また、プレイヤーが探索することで何を見たり発見したりすることができるのでしょうか?
Hedjazi 氏:
これは実は最初のドラフトから計画されていて、ずっと残っていた要素のひとつです。主人公のコバヤシは非常に多忙な人物で、ほとんど休む暇がありません。そこで、彼が流血の合間に息抜きができるよう、小さな別の部分を作りました。コバヤシのような殺し屋でさえ、アイドル グッズや新しい J-POP レコードで自分の部屋を飾るために少しの時間を見つけようとするというアイデアが気に入りました。
ハブの中にはたくさんのミニゲームやその他の楽しいサプライズが隠されているので、ミッションの容赦ないペースに対して良いバランスが保たれています。
Epic MegaGrant
を獲得したことで、ゲーム開発にどのような影響がありましたか?
Hedjazi 氏:
MegaGrant を受け取る直前まで、いくつかの機能をカットしなければならないところでした。MegaGrant を受け取れたことで、妥協することなく、意図したとおりにゲームのビジョンを維持することができました。
その他に、スタジオのゲーム制作について補足することはありますか?
Hedjazi 氏:
長い年月を経て、特にこれほど才能あるすばらしいスタッフたちと一緒にこのプロジェクトをようやく実現できたことは、今でも信じられません。このゲームは個性に富んでいるので、私たちが楽しんで開発しているのと同じように、人々が楽しんでくれることを願っています。
開発に 100% 集中するために、最近は少し情報発信を控えていますが、今年後半、ゲームの発売日を発表できるようになったら、さらに深くお見せできるようになると思います。
Image courtesy of Phoenix Game Productions LLC
時間をお取りくださり、ありがとうございました。どこでフェニックス・ゲームプロダクションと
Tokyo Underground Killer
についてもっと知ることができますか?
Hedjazi 氏:
ありがとうございます。私たちのゲームは
Steam
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また、当社の詳細については、
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