画像提供:Torn Banner Studios

プレイヤーを中世の戦場にいざなう『Chivalry 2』 

Brian Crecente |
2021年5月20日

Alex Hayter 氏は、カナダのトロントを拠点とする Torn Banner Studios でブランド ディレクターを務めています。Hayter 氏の主な担当はマーケティングとコミュニティ リレーションですが、同スタジオにおける興味深い試みや決定にも深くかかわっています。
ディストピアの世界観を中世を舞台にした近接戦に取り入れた Half-Life 2 MOD (無料) の開発のために、友人たちが集ってから 15 年近くが経ちました。「Team Chivalry」グループにより、Half-Life 2 のトータル コンバージョン (TC) MOD として 2007 年に Age of Chivalry がリリースされました。

2010 年には、このチームの数名によって大幅な変更となる Unreal Engine への移行が行われ、Torn Banner Studios が設立されて、本格的な Chivalry: Medieval Warfare の制作プロジェクトが始動しました。

Torn Banner Studios の最初のリリースは近接戦闘の傑作とも言える作品で、多数のプレイヤーを集めて、困難なスキルを習得する必要がありましたが、その高度なマルチプレイヤー ゲームプレイのおかげで熱狂的なファンベースを確立できました。新たに魔法の要素を戦闘に取り入れた Mirage: Arcane Warfare を 2017 年にリリースした後、同スタジオは本来の目的である「騎士の戦い」を描く作品の制作に取り掛かりました。

Chivalry 2 は、オリジナル作品と同様の強烈さと戦闘における精度を維持しながら、プレイヤーを中世時代の戦場へといざなうことを目標としていますが、この新バージョンは、最大 64 プレイヤーの対応や、戦場や攻城戦のシネマティックな描写によってさらに魅力的なものとなっています。また、使いやすくはあるが習得するには努力を要する戦闘システムも更新されて、引き続き採用されています。

当社では、Torn Banner Studios の Alex Hayter 氏に、同スタジオの技術転換、近接戦闘における繊細なバランスの調整、そしてこの熱狂的な期待を集める続編作品における同スタジオのビジョンについてお話を伺いました。
本作品は Torn Banner Studios における 4 つ目の商用ゲーム作品となりますが、過去 11 年ほどにおいて、同スタジオの開発プロセスや製品はどのように進化しましたか?

Alex Hayter 氏 (Torn Banner Studios のブランド ディレクター):
よく聞いてくださいました。端的にお答えすると、私たちは自身の大幅な変革を成し遂げながらも、野心と創作を追求する意思と考えを持ち続けました。こうした背景が、2012 年の Chivalry: Medieval Warfare における数々の好評と成功につながったと考えています。私たちは常に私たち自身の「ドリーム ゲーム」を制作することを目標としており、Chivalry 2 にもそうした想いが込められています。

オリジナル作品の Chivalry は、「中世期を舞台にした究極のマルチプレイヤー FPS」を制作するという想いのもと、世界中に散在するアマチュアのグループによって、それぞれのベースメントや部屋で共同制作されました。この作品では、多くのプレイヤーがプレイし、定着率を高めるための工夫をさまざまな側面に取り入れました。近接戦における武器の応答制御性の高さ、中世ファンタジーを巧妙に描くマルチプレイヤー マップのデザイン、モンティ パイソンに影響を受けた個性という隠し味などです。ハリウッド映画の影響を受けた「剣を持つ騎士」が登場する中世ファンタジー要素をふんだんに取り入れたゲームの制作というビジョンは現実のものとなりましたが、実際には不満が残る点がかなりありました。十年前は極小規模のスタジオであったことと、私たちの経験が十分でなかったことが原因です。

私たちは Chivalry 2 を「思いどおりのものを制作するための機会」と捉えました。昔とは違い、今は AAA の経験を持つ実績豊かなチームに、十年以上もの経験を持つデベロッパーたちが所属しているからです。さらに、今は Tripwire Interactive からのサポートも受けています。Tripwire Interactive は、Epic Games ストアでの PC 向けリリースに加えて、本タイトルを現世代および次世代のコンソール プラットフォームでもリリースすることで、本タイトルを一段上のレベルへと引き上げ、私たち単独では成し得なかった、より幅広いオーディエンスへのリーチを実現する上で多大なサポートを提供してくれました。
Mirage: Arcade Warfare はあなたのスタジオの得意分野ではないことを試したタイトル作品であり、結果的には不満が残る作品となったわけですが、この作品の開発、ローンチ、サポートの各プロセスでどのようなことを学びましたか?また、学んだことをどのように Chivalry 2 に取り入れましたか?

Hayter 氏:
Chivalry には中世、マルチプレイヤー、近接戦闘、混沌というすべての要素を取り入れましたが、Mirage では、これらの要素のバランスを変えることで何を試せるかを考えました。範囲ベースの戦闘を Chivalry の接近戦と同じくらい計画的でユーザー制御されたものにすることで、マルチプレイヤーでの戦闘を一新する新しいコンセプトを取り入れたゲームにすることが目標でした。通常では考えられないユニークなアートを取り入れ、従来の近接戦闘を一新するアイデアを盛り込んだことで、Chivalry に熱中した高スキルのハードコア ゲーマーたちにとってとても魅力的なゲームが完成したと思いました。

Mirage の直後には、Chivalry の続編となる「ドリーム ゲーム」の開発を計画していましたが、それでも Mirage に盛り込んだチャレンジやまったく新しいエクスペリエンスを、マルチプレイヤー ゲーム好きの多くのゲーマーに楽しんでもらえることを願っていました。当スタジオのチームについては、多くのスタッフが、Age of Chivalry から Chivalry: Deadliest Warrior にいたるまでの Chivalry シリーズ (スタッフにとって開発に関わった唯一のタイトル シリーズ) からの「創造的休暇」を希望していました。これまで、一つの作品シリーズに非常に多くの労力と時間を費やしてきました。

当然ながら、後からの予測ということになりますが、その失敗は製品レベルにありました。第一印象でゲームの意図を伝えきれなかったため、マーケティングには非常に苦労しました。通常とは異なる設定やアート スタイルによってカジュアルなゲームと捉えられ、Chivalry シリーズを通じて築き上げてきた成果からのステップ バックというように見られたのです。そのため、全体的に私たちがターゲットとしたハードコアなゲーマーをがっかりさせる結果となり、新しいプレイヤーたちも難関である戦闘操作の壁にぶつかり、エクスペリエンスの低下を招きました。つまり、私たちはターゲット オーディエンスであるすべてのユーザー層の希望を叶えるという点において、良い仕事をできなかったのです。

創造性のレベルでは、プロジェクトの方向性があちこちに変わって一貫性が失われ、全体を一つにまとめきれなかった点があります。これは間違いなく私たちがチーム全体として学んだ教訓であり、Chivalry 2 で好評を得ることができたのは、まさにこの教訓のおかげでした。
最終的に Mirage での失敗が糧となり、その後の成果につなげることができました。Mirage について思い返すと、私たちが困難をうまく切り抜けることができたことに感謝する気持ちになります。他のスタジオで同じような失敗があった場合、おそらくはほとんどのスタジオが廃業に追い込まれる羽目になるためです。ですので、私たちが失敗から他のスタジオよりも多くのことを学べたことを幸運に思います。もし Chivalry 2 を最初のタイトルの直後に制作していたら、Mirage と同じ理由で失敗していた可能性が非常に高かったと思います。このような経緯で仕上がった私たちの作品は、マルチプレイヤー ゲームの歴史に残るような偉大なゲームの一つとなり得るものと確信しています。

Torn Banner Studios では、ファーストパーソン近接戦闘の分野においてさまざまな専門技術を確立してきました。この数年で、あなたのスタジオのゲームにおける戦闘はどのように進化していて、Chivalry 2 では戦闘においてどのようなことを達成したいと考えていますか?
Hayter 氏:端的に言うと、Chivalry 2 における戦闘のデザイン目標は、ちょうど剣を持って酒場で喧嘩するような感覚を味わってもらうことにあります。当スタジオの設立者である Steve Piggott は、「混雑した酒場いる客同士の喧嘩を誘発するために、誰かが武器が詰まったバッグを酒場に投げ込むようなもの」とこれを表しています。戦闘における創造性、狂気、そして死に物狂いさを剣を使って表現したのが、この作品のスピリットとも言える部分なのです。

Chivalry: Medieval Warfare では、プレイヤーが所有する武器を使って行えることを細かく制御できる戦闘システムを開発しようと試みました。このシステムの基礎となるのはリアルタイムの攻撃です。武器を振り回すと (スウィング)、武器が空中で移動するにつれて、武器自体がダメージを与えるものとなります。つまり、照準のように点だけでなく、敵が剣の軌道上にくるように狙いを定める必要があります。より迅速に武器を敵に当てるためにカメラを調整したり、不可避の衝撃に対して武器をスローダウンさせるために、カメラの向きを外したりできます。このリアルタイム スウィング システムは「ドラッギング」とも呼ばれ、Chivalry 2 でも基本的なシステムとして利用されていますが、オリジナル作品と比較すると、そのスウィング操作のレベルは大幅に強化されており、敵との読み合いに焦点を当てたものとなっています。プレイヤーが発見した「回転切り」や「バレリーナ」のような攻撃スタイルはオリジナル作品では可能でしたが、私たちが意図してデザインしたものではなく、今回はそのような動きはできません。このことが、Chivalry: Medieval Warfare の高レベルの戦闘においては、プレイヤーとパリィ ベイトを混乱させるために、ドラッグとフェイントを過度に多用する結果となりました。結果としてリアルな戦闘を感じさせるような効果にはならず、奇妙で不自然な描写となりました。たまに行う程度であれば問題ないのですが、受け手側ではそうは感じられず、ゲームプレイ レベルでは戦闘における中世の騎士の厳かさは表現できませんでした。

Chivalry 2 では、プレイヤーが常に攻撃武器を即興で使用し、交互型の攻撃に没頭できるようにすることに焦点を当てています。少数の戦闘機能のみで永久的で圧倒的な「メタ」を形成するのではなく、Chivalry 2 では、戦闘時には常に興味深く、驚きのある選択肢があるとプレイヤーに感じて欲しいと思っています。
画像提供:Torn Banner Studios
この種のゲームの多くでは、操作の難しさやゲームプレイにおけるニュアンスの必要性のため、ゲームに参加する際のハードルが高くなる傾向にありますが、初心者のプレイヤーが参加しやすくなるような調整は行っていますか?行っている場合、本作品の優れた戦闘エクスペリエンスを損なうことなく、どのようにしてそれを達成しようと思っていますか?
Hayter 氏:高度なスキルを必要としないフロアを設けるという大きな目標はあるのですが、それでもこのジャンルの他のゲームと比べると、求められるスキルのレベルが高くなってしまいます。Chivalry: Medieval Warfare のプレイを取得したプレイヤーであれば、Chivalry 2 はまるで学校に逆戻りしたように感じることでしょう。一新された戦闘システムを学び直さなければいけないからです。基本的なこととして、Chivalry 1 には斬撃、脳天割り、刺突、キックが用意されていましたが、Chivalry 2 には斬撃、脳天割り、刺突、キック、パンチ、特殊技などに、それぞれ通常攻撃と重攻撃の両方が用意されています。さらに、サブクラス、フットワーク、特殊能力、サポート アイテムなどにも追加の選択肢が加えられました。つまり、プレイヤーにはこれらを試し、ゲームのさまざまな段階でスキルに磨きをかける余地があるのです。

それと同時に、初心者のプレイヤーでも参加して生き残ること自体はそう難しくないことがおわかりいただけることでしょう。ブロックを持つことができるようになり、盾や武器に隠れることに飽きたら、これを使って攻撃に参加できます。ブロックを持っているとプレイヤーのスタミナは減り続けますが、同時に周囲に気を配ることで、チームメートからの援護を待つ時間を稼ぐことができたり、最初にパリィの完璧なタイミングを計る必要なく、切り返しやカウンター攻撃を習得したりできます。戦闘システムの仕組みについてプレイヤーがより学べるよう、チュートリアルだけでなく、UI を通じたヒントと画面メッセージには膨大な時間を費やしました。プレイヤーの皆さんには、ゲーム中で死んだ場合など、毎回何が起きてそうなったのかを理解してもらえるようにすることが私たちの目標です。

Chivalry 2 の開発では多くのアルファ版が制作されましたが、そのプロセスでどのようなことを学びましたか?また、学んだことをゲームにどのように活かしましたか?

Hayter 氏:Chivalry 2 の公開アルファ テストは NDA 下で行われ、2020年3月から 2021年4月まで続きました。その間は、1 ~ 4 日間のテストを毎月行っていました。これらのテストによって貴重な情報を得ることができました。開発時に長時間にわたってゲームをテストし、フィードバックとバグ レポートを提供してくれたテスターの方々にはとても感謝しています。

私たちは、以前のタイトル作品からの経験を踏まえて、コミュニティのフィードバックや意見を得るプロセスを改善したいと考えていました。今までに成し得なかった大きな成功として、2012年の Chivalry: Medieval Warfare をローンチしましたが、当時は、短期間で膨れ上がった巨大なコミュニティとうまくコミュニケーションを取る準備をしておらず、またそのような知識もありませんでした。2021年の今から考えると、これが当スタジオで最も改善できた領域だと思います。開発当初からの目標の一つが、Chivalry 2 の早期開発版を当スタジオの熱狂的なファンのゲーマーの皆さんに公開することでした。実際に、この期間中には数万人にも及ぶアルファ テスターの皆さんにご協力いただきました。

また、ゲームのローンチ後も、フィードバックやバグ レポートを遮断するようなことはしません。私たちは、Discord サーバーを通じた当スタジオのコミュニティとの強固な関係を維持し、Chivalry 2 のローンチ後も、その対応を、コミュニティのフィードバックを常に必要とする個別のプロジェクトとして扱っていく予定です。Chivalry 2 の優れたゲーム エクスペリエンスを構築する上で、コミュニティには多大な貢献をいただきました。
すべての Chivalry シリーズ作品では、中世を舞台にした映画や TV 番組にインスピレーションを受けた架空の世界が描かれています。ゲームの舞台を現実世界ではなく架空の世界に設定した要因は何でしたか?

Hayter 氏:Chivalry 2 は、中世時代の映画や TV 番組の「プレイ可能なバージョン」と感じてもらうことを意図しています。ですので、私たちにとっては、このような映画のシーン内でプレイする場所として架空の世界を作り出すことが理にかなっていました。また、架空の世界という設定では創造性をより発揮できるという利点もあります。マップの制作時に現実に縛られることもありません。架空の世界自体も好きに設定できますし、レベル デザインやアートの面でも可能なことの幅が広がります。さらに、そもそも私たちは物語を創造し、「アガサ」と「メイソン」が対立して争いにいたっている理由などの背景を細かく設定することが大好きなのです。このような物語は私たちのハードコア ファンたちを惹き付けるだけでなく、ストーリーやコンテキストの面でも Chivalry 2 における戦いの背景や理由なども与えてくれます。

Chivalry 2 の要素に影響を及ぼした特定の映画や TV 番組はありますか?あるのであれば、どの映画/TV 番組で、どのようなインスピレーションを受けましたか?

Hayter 氏:もちろんです。Chivalry 2 では、主に中世を舞台にした映画と TV 番組からインスピレーションを得ました。

開発全体を通じて参考資料として最も頼りにしたのが、Game of Thrones (ゲーム オブ スローンズ) の「Battle of the Bastards (落とし子の戦い)」でした。エモーショナルなシーンや、2 つの軍が衝突した際の激しい戦火を生き延びたジョン スノウの判断力、カメラが戦場を移動するにつれて繰り広げられる戦闘のストーリーなど、この作品のファンタジー レベルでのシネマティック エクスペリエンスは、まさに私たちが Chivalry 2 のプレイヤーに提供したいと考えているものです。

Chivalry シリーズの 2007年版である Age of Chivalry は、ソース エンジンを使用した Half-Life 2 の MOD でした。2012年の Chivalry: Medieval Warfare の商用リリース版で、Unreal Engine に移行することを決定した要因は何でしたか?

Hayter 氏:Chivalry: Medieval Warfare のローンチ開発は 2008年~2012年の間に行われましたが、Unreal Developer Kit (UDK) のリリースに伴って、当スタジオの若いスタッフのようなアマチュアのデベロッパー向けに Unreal Engine などのツールが入手しやすくなった時期にちょうど重なりました。まさに、ゲーム開発における水位標とも言える時期です。Epic では Unreal Engine 3 を使用するデベロッパーに対して良質のサポートを提供しており、更新を通じたエンジン自体のサポートも非常に充実したものでした。これは、私たちが Chivalry 2 に Unreal Engine 4 を使用した今日も変わっていません。Unrea Engine のおかげで、当スタジオのチームは「まとまりのない MOD チーム」を卒業してインディー デベロッパーへと躍進することができたのです。

Chivalry 2 では 6月のローンチ時に完全なクロスプレイをサポートする予定ですが、この機能の導入を決定した要因は何でしたか?また、その実装は困難でしたか?
Hayter 氏:私たちからすると、クロスプレイの導入は、一緒にオンライン上でプレイできるオーディエンスの幅が広がり、PC 版単独で達成できるよりも遥かに多くのゲーマーに参加してもらえるという、ある種の確約でした。クロスプレイを取り入れたことで、将来においても Chivalry 2 はさまざまなオーディエンスに愛され、サーバーが常に混雑するような盛況を博すタイトルになることを確信しています。

また、クロスプレイの導入は、すべてのプラットフォームで同等のエクスペリエンスを提供するゲームを開発するという、非常に大きなチャレンジでもありました。どのようにプレイするかにかかわらず、本来は同じゲームであるため、それぞれのコンソール版でコンテンツや機能を削るわけにはいかず、PC 版とまったく同じに仕上げる必要がありました。広範囲のマップに散らばった 64 名のプレイヤーが存在し、すべてのプラットフォームで良質のパフォーマンスを実現しなければならないという状況は非常にハードルの高いチャレンジでしたが、私たちはそれをやり遂げたのです。このために膨大な量の最適化作業をこなしました。そのおかげで、驚くほど低スペックの PC ハードウェアであってもプレイ可能なゲームが完成したのです。

これは Torn Banner Studios の最初の PlayStation 5 および Xbox Series S/X 向けタイトルとなりますが、これらのハードウェアに搭載された新技術のおかげで実現できた改善点や新機能はありますか?
Hayter 氏:PlayStation 5 と Xbox Series X のネイティブのレイトレーシング機能についてはぜひとも活用したいと考え、これを Chivalry 2 に統合すべく、開発パートナーと緊密に連携しました。PC、PlayStation 5、Xbox Series X のローンチ後になりますが、レイトレーシングは確実にロードマップに含まれています。

私たちのゲームは HDD 上でも問題なく機能しますが、当然ながら SSD でプレイする際の高速ロードはゲーム チェンジャーとも言うべき優れた点であると思います。

PS5 の DualSense コントローラーも非常に魅力的な機能です。私たちの目標は、プレイヤーに没入感のあるエクスペリエンスを楽しんでいただくことにあるので、スタミナ低下時に固くなるトリガーによって、プレイヤーのキャラクターが弱った体で盾を掲げようと力を振り絞る感覚を実現できることは魅力的です。また、剣を振る際はその位置 (体の側) が関係するため、単にビデオ ゲームをプレイしているのではなく、まさにその場で自分が剣を振るっているような感覚を得ることもできます。
このゲームのビジュアル面は、レイトレーシングや 4K 解像度などの技術にどのように影響を受けましたか?

Hayter 氏:
私たちの目標は、プレイヤーがゲームであることを忘れ、映画の戦闘シーンにいるような感覚を生む没入感のあるエクスペリエンスを実現することにあります。これを達成する上で、これらの技術は非常に重要でエキサイティングなものです。レイトレーシングのサポートはこれに対応するプラットフォーム版のローンチ後にリリースされる予定ですが、これによって新たなレベルのシネマティック ビジュアル要素がゲームに加わります。輝きを増した鎧や武器は、これらの新技術を備えたハードウェアの力を象徴するものと言えるでしょう。

次世代コンソールでは、大型 TV における 60FPS での 4K 解像度がとても魅力的です。私たちは、60Hz よりも高いリフレッシュ レートに対応するスクリーンを持つプレイヤーのために、制限なしのフレーム レート オプションも用意しました。Chivalry 2 は「ゆったりしながら大虐殺を楽しむ」というコンセプトのゲームなので、ハードウェアの最高のパフォーマンスを、ソファにもたれかかってコントローラーを操作しながら楽しめるというのは最高です。

Chivalry 2 のビジョンを実現する上で、最も役に立った Unreal Engine の要素は何でしたか?

Hayter 氏:
Unreal Engine には多数の優れた機能が備わっていますが、オリジナル作品よりも高度なシネマティック エクスペリエンスを Chivalry 2 で実現する上で、シーケンサ機能が非常に役立ちました。シーケンサによってビルドされたシネマティックスを各レベルの冒頭で使用することで、これからの始まる戦いの状況をプレイヤーに把握させることができます。一部のマップでは、キャラクターが大勢登場する、アニメートされたシーケンスをビルドしました。例えば、「ラドヘルムの包囲 (Siege of Rudhelm)」では、攻撃者が殺そうとしている VIP の「後継者」ターゲットを見ることができます。多くのマップでは、プレイヤーはキャラクターの視点を通じて、自分が軍の隊列に並んでいるように感じます。また、一部のマップでは、プレイヤーのチームが敵と対峙した際に、プレイヤーによる操作の前に司令官のスピーチが聞こえることもあります。

また、ブループリントのビジュアル スクリプティング機能もとても役立ちました。デザイン チームはこれを使用することで、コード チームから独立した形でより迅速に作業を行えるようになったため、プログラマーの貴重な時間をデザイン チームからの小さなタスクではなく、新しいツールや機能での作業により多く費やせるようになりました。この機能は開発プロセス全体を通じて有用でしたが、ローンチ後もゲームプレイのバランスの変更や調整を容易に、そしてオンザフライで、コードに触れることなく行えることを意味しています。コンテンツを追加するたびに、コミュニティからのフィードバックとそれに対応するためのイテレーション作業が必要になるマルチプレイヤー ゲームにおいては、この機能には語りつくせないほどの価値が秘められています。
(本インタビューの時点で) 35 名のスタッフが所属する当スタジオが AAA クラスの大規模なゲームでありながら挑戦的な要素を持つゲームを制作できることで、業界内で良いポジションに立つことができました。私たちは、自分たちの作品に誇りを持っています。Unreal Engine は、その制作において私たちを強く後押ししてくれたすばらしいツールでした。

本タイトルのデザインに関して、ここでご紹介いただけるような特別なゲームプレイやビジュアル要素はありますか?もしあれば教えてください。

Hayter 氏:
私たちのチームは、戦闘とレベル デザインの連携作業を通じて、ゲームの主要モードである「チーム目標」モードのマップに沿ってプレイヤーが進むにつれて、勢いが高まる印象を醸し出すべく作業に注力しました。このゲーム モードには、Chivalry 2 の大きなセールスポイントである、本当の戦場にいる感覚になる優れたデザインが施されています。

「チーム目標」のマップでは、破城槌を城門まで運ぶ、城門を破壊する、村を制圧する、最終目標である城を攻略する、といった複数のステージをクリアして最終的な目的を達成します。プレイヤーには、ダイナミックな戦場に実際にいるような感覚、混沌とした状況、そして同じ目標に向かってチームで力を合わせて戦い抜くチーム スピリットを存分に味わっていただきたいと思っています。
このような雰囲気を作り出すために、当スタジオのデザイン部門とも密接に連携して作業を行いました。当然ながら、レベルや戦闘の雰囲気を調整し、ちょうど良いバランスに保つために、内部と外部の両方のスタッフによる膨大なプレイテストを行う必要がありました。新しい「ダーク フォレスト (Dark Forest)」マップのような巨大なレベルの開発には数年もの時間を費やし、望みどおりの雰囲気に仕上げるまでに数百回にも及ぶイテレーションを行いました。

「チーム目標」の各レベルは、歴史的事実または映画や TV から中世期を象徴するモーメントに沿ってビルドするようにしました。このようなコンセプトを主な目標としたり、ときには単にレベルの側面として扱ったりしました。このように、コンテキストに沿ったストーリーにプレイヤーとアクションを結び付けることで、プレイヤーには、単にスコアを稼ぐのではなく、ストーリーを構成する一員としてチームで協力して目標を達成する感覚を提供できます。もちろん、戦闘のデザインもこれに沿ったものにする必要があります。このため、64 名のプレイヤーが参加する戦場での混乱を管理できるゲームとして Chivalry 2 を制作しました。エキサイティングなタイマン勝負や小規模な戦闘もありますが、上のマップを見ると、ちょうと綱引きで勝負を争うように、2 つの巨大な兵団が衝突しているのがわかります。
次世代ハードウェアと Unreal Engine の長期的な可能性について、あなたとチームが最も期待していることは何ですか?

Hayter 氏:
当然ながら、当スタジオでは将来の技術と Unreal Engine 5 に注目しています。早く UE5 で新しいプロジェクトを開始したいと思っています。「ポリゴンのバジェット制限は不要」というコンセプトは驚愕に値します。キャラクター担当のチームが、さまざまなキャラクターの各 LOD の作成ではなく、より多くのキャラクターの制作により多くの時間を割けることを想像すると、とても素晴らしい技術だと思います。すべてのパイプラインや技術的な問題に割く時間を省き、創造により多くの時間を費やせるというのは、すべてのアーティストとデザイナーにとってまさにドリーム ソリューションと言えます。

Chivalry 2 では、最適化に関するさまざまな課題を克服し、新旧両方のハードウェアに渡って優れたパフォーマンスを発揮する、64 プレイヤー対応の巨大な戦争ゲームを実現できました。ですので、この点において、困難な作業をさらに任せることのできるゲーム エンジン、そして、それによってチームのキャパシティをより大規模で野心的なプロジェクトに割り当てられることを考えると、とてもワクワクします。
ただ、私たちの場合はまだ少し先の話になります。当スタジオでは、しばらくの間は Chivalry 2 に全力を尽くす予定です。このタイトルは私たちのスタジオにとって極めて重要な成果であり、単に中世を舞台にした優れたゲームを制作したのではなく、言うなれば、近代マルチプレイヤー クラシックを確立したと捉えています。

貴重なお話をありがとうございました。Torn Banner Studios と Chivalry 2 の詳細はどこで確認できるのでしょうか?

Hayter 氏:
当スタジオでは Discord をメインのコミュニケーション ベースとして使用しているので、ご興味がある方はこちらをご覧ください:https://discord.gg/chivalry2

このタイトルのオープン ベータ版は 5月27日から公開されます。また、Chivalry2.com から先行予約することもできます。Epic Games ストアでは Windows PC 版を 6月8日にローンチします。

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