2016年7月5日

プラント VS ゾンビの制作ストーリー

作成 John Gaudiosi

テーマパーク ビジネスでは、インタラクティビティを使った斬新な方法によって、新しい乗り物とアトラクションが次々と生まれています。中にはビデオゲーム技術で作り出された体験もあります。Cedar Fair Entertainment は、Electronic Arts が所有する PopCap の Plants vs.Zombies シリーズを Carowinds テーマパークに持ち込むためにエピック ゲームズのアンリアル エンジン 4 の技術に注目しました。

Plants vs.Zombies Garden Warfare:3Z Arena (制作) は、売り上げ最高のビデオゲーム シリーズのプラント vs ゾンビの 4D バトルの中で 34 対 34 でプレイヤーと戦う新しいシアター アトラクションです。Carowinds は、Alterface Projects にアトラクションに必要な技術のビルド、そして Pure Imagination Studios にはデジタル メディアの制作の協力を要請しました。また、PopCap と連携してマルチプレイヤー用に、赤外線によるガン アトラクションのストーリー展開を用意しました。

ゲストはDave 率いるプラント軍、または Dr.Zomboss と彼のゾンビ集団に参加し、時間、空間、アミューズメント パークの中を移動しながら金色のノームや不思議なすべての力を探していきます。

「Alterface がもつ最先端のインタラクティブなゲーム システムは、全く異なるものの、完全に同期することが可能な 2 つの体験、つまり植物とゾンビのそれぞれと戦うことができます」と、Carowinds の Vice President かつ General Manager の Brad Marcy 氏は語ります。「双方の得点の合計で物語の展開が決まります。」

さらに、チームは片側のアクタが他の画面上のチームに影響を与える「intra-active」エレメントを統合しました。Motion seats により、ゲストがシーンからシーンへゲーム背景を移動する時に、没入レイヤーが 1 つ追加されます。  

システムのコアは Alterface のSALTO オートメーション ソフトウェアとハードウェアです。メディア コンテンツ、デバイス探知、移動、エフェクトなどのすべての変数によって、リアルタイムでゲーム アトラクションを作成します。  

「Alterface は人間の目には見えない赤外線ビームと超高速カメラを基にした最新の赤外線探知技術を使用しています」と Alterface Projects USA のパートナーである Tom Gass 氏は説明します。「これは軍事関係レベルのシミュレーションに使用する技術と同じです。」

ゲストは最高得点の高い個人およびチームと戦うことにより、競争心とリプレイ率を高めます。ターゲットとアクションが異なるとスコア値も異なるので、プレイヤーは経験をするほど上達することができます。

Gass によると、Alterface はこのアトラクションの開発全体をコンセプト構築レベルから EA/PopCap チームと密接に協力して行ってきました。Pure Imagination Studios は 3Z Arena 向けのメディアおよびゲームプレイ作成のために声がかかりました。アンリアル エンジン 4 は大型画面用の体験の作成に使用されました。

Pure Imagination Studios の Chief Executive である Josh Wexler 氏によると、Pure はエピックと密接な協力関係があり、新規の制作パイプライン全体を開発するためにアンリアル エンジンを使っているということです。 

「伝統的な映画とテレビ プロジェクトだけでなく、斬新な形式のテーマパーク ライドにおいても、リアルタイムな制作は本当に素晴らしいです」と Wexler は言います。「コンテンツの開発と制作の方法を変え、またワークフロー内で所定のアーティストの責任の本質も変わってきます。500 ショットの尻尾のアニメーションを行うパイプライン専門ではなくなるので、もっと創造性に幅を利かせることができます。事実、彼らはアニメーションからライティングまで、アンリアルに備わっているすべての機能を使うことができます。」

Pure Imagination ではアンリアル エンジン 4 のお蔭で、8 名から 15 名規模のチームでゲームプレイ体験をわずか 4 ヶ月で作成することができました。

「プリレンダリングされたエンジン シナリオがなければ、この量のアニメーションとゲームプレイの制作は絶対に無理だったと思います」と Wexler は言います。「アンリアルだからこそ可能だったのです。」

Wexler は EA/Popcap がPlants vs.Zombies Garden Warfare の開発に使った独自のエンジンをもっていたため、Pure Imagination は外見を一致させる方法を見つけなけれならなかったことが最初の課題の 1 つだったと言います。

「EA が素晴らしい手段を提供してくれたことは明らかですが、 PVZ ゲームの外見と質感全体にぴったり一致させるためには、まだまだ検討が必要でした」と Wexler は言います。「アトラクションは非常に魅力的に仕上りましたし、ファンはその違いに気がつかないと思います。」

ゲストはゲーム シリーズからキャラクターを近くで見ることができます。個人的に、大画面と立体 3D 体験に感謝しています。Wexler によると、68 プレイヤー、巨大画面、立体 3D など、克服しなければならない課題はまだまだあるそうです。 

「我々はアンリアルの機能を精査して、自社ツールをいくつかカスタマイズすることができたので、このようなゲームプレイ、フレームレート、解像度を実現することができました」と Wexler は説明してくれました。「エンジンに美を投入すればするほど、エンジンはさらに対処してくれます。結局、我々は究極にハードウェアに制約を受けているのです。」

Carowinds がこのさき体験を変更できる点も、ライドの制作にアンリアル エンジン 4 を使う長所です。

「運用開始後 1 年以内に体験を変更する計画は今のところありませんが、コンテンツの更新、季節ものの作成 (ハロウィンなど)、ストーリー展開を徐々にダイナミックに変更する機会は確実にあると思います」と Marcy は言います。

EA がライドを使って今後のゲーム リリースとダウンローダブルなコンテンツとつながる世界へのドアを開きました。このテーマパーク ライドとカリフォルニアのGreat America の Mass Effect New Earth アトラクションは、屋外のゲーマーとつながっています。

「我々の目標の 1 つは、ストーリー展開を広げて、居間では感じることのできない充実した体験をつくりだすことです」と Wexler は語ります。「家に 1 人きりでいたら、PVZ ライドはまた違ったものになるでしょう。」