画像提供:Dimfrost Studio

北欧民話から着想を得た近日リリース予定のホラー ゲーム Bramble:The Mountain King

80 Level
意欲的なスウェーデン出身のゲーム デベロッパーである Fredrik Selldén、Mikael Lindhe、Ellinor Morén によって 2017 年に設立された Dimfrost Studio は、チームにとってゲーム業界への最初の一歩となりました。チームが最初に手がけたゲーム プロジェクトは、A Writer and His Daughter で、コンサルタント業務もこなしながら開発を行いました。この最初のプロジェクトのおかげで、チームはゲーム開発の重要な基礎を学び、Dimfrost Studio が注力し、磨き上げていくべき対象とはなんであるかを理解することができました。

Fredrik Präntare と David Wallsten がチームに加わり、Dimfrost Studio は成長し始め、現在では 13 人のチーム メンバーと 4 人のコンサルタントで構成されています。チームは、ダークなテーマのストーリー主導のゲームからインスピレーションを得ています。具体的には Alice:Madness Returns、Alan Wake、Dark Souls、Shadow of the Colossus、A Plague Tale:Innocence、Resident Evil、The Evil Within などが挙げられます。
2021 年 6 月、Dimfrost Studio は、北欧民話から着想を得たストーリー主導のホラー アドベンチャー Bramble:The Mountain King を発表しました。Epic MegaGrant を獲得している本作は、Unreal Engine を使用して開発されており、PC とコンソールで来年リリースされる予定です。この近日リリース予定のタイトルの詳細を知るために、開発チームに、UE がどのように没入感のあるゲーム体験の実現に役立っているのかについてお話を伺いました。
 

Bramble:The Mountain King を制作するに至った経緯を教えてください。

Dimfrost Studio、CEO、Fredrik Selldén 氏:
最初は、私と Ellinor、Mikael の 3 人でさまざまなスタイルや設定を試していました。北欧民話をモチーフにして、北欧の環境を取り上げたいということは、早い段階から決まっていました。ちょうどその頃、Unravel が発売されました。Unravel のグラフィックスやスタイルを見て、リアルでありながらダークで恐ろしい展開のゲームを制作したいと考えました。そこからアイデアを膨らませ、たくさんのデモを作り、さまざまなアイデアやゲームプレイを模索した結果、Bramble:The Mountain King に行きついたのです。
画像提供:Dimfrost Studio
Dimfrost Studio プロデューサー、Josua Mannebäck 氏:通常、北欧をテーマにしたゲームといえばバイキングを思い浮かべますが、私たちはバイキングが一切登場しないストーリーを制作したいと考えていました。北欧民話はまだ広く知られていない部分があり、豊富なストーリーが存在するため、ストーリー主導型のゲームにぴったりでした。スウェーデンをはじめとする北欧諸国の民話やクリーチャーを世界に紹介するまたとない機会だと思いました。
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ゲーム制作で Unreal Engine を使用した理由を教えてください。

Dimfrost Studio リード テクニカル アーティスト、Mikael Lindhe 氏:
私たちは、A Writer and His Daughter の最初のプロトタイプ制作を通じて、Unreal Engine の使用方法を学習しました。Unreal Engine を選んだのは、当スタジオがこのゲームで実現させたいと考えるのビジュアルに対応できるためです。Unreal Engine は美しい要素を作り出すことのできる幅広い機能を備えた優れたツールです。
 
以前 Blender を使用していた私は、マテリアルブループリント の両方でノードをすぐに使いこなすことができました。C++ を使用する選択肢もあったのですが、迅速なイテレーションとブループリントの驚くほど幅広い機能を活用することで、従来のコードを一切書くことなく、最初のゲームを完成させることができました。
画像提供:Dimfrost Studio
このゲームで設計したゲームプレイ メカニクスについて教えてください。
 
Fredrik Selldén 氏:
ストーリーやキャラクターの進行とうまく連動するようなメカニクスを考案することがとても重要でした。そのメカニクスが適切に機能していると感じることができるまでに多くの作業を行いました。また、主人公が、内気で怖がりな少年から、勇敢で強い人物へと成長していくようなメカニクスを制作したいと考えていました。Nordic Game Conference 2019 で Josef Fares とストーリーやゲームプレイについて幅広く議論したのですが、そのときに Josef Fares は私たちのデモをテストしてくれました。それが私たちに大きなヒントをもたらしてくれました。
画像提供:Dimfrost Studio
Spark of Courage (勇気の火花) はその一例です。これはゲームの序盤でメイン キャラクター Olle が見つける石で、旅の間にこの石はより大きな力を得ていきます。この石は、少年 Olle の性格と純粋な意思を反映しています。危機的な状況では Olle が必要とするアイテムに変化することもあれば、Olle が怒りや邪悪な気持ちから我を忘れそうになると、Olle に対抗することもあります。

また、Olle の成長に合わせて、Olle のボスもデザインしました。序盤では Olle は直面するあらゆる恐怖から逃げ延びようとすることしかできません。Olle にできるのは逃げたり隠れたりすることだけです。その後、生き延びるために反撃できるようになります。
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本作のボスやモンスターが登場することになった経緯をお聞かせください。

Josua Mannebäck 氏:
まず何よりも、クリーチャーは北欧民話や子供の頃に聞かされていた物語に大きなヒントを得ています。トロールは John Bauer 氏のアートにヒントを得ています。また、トロールはスウェーデンでは誰もが知っている怪物です。主な課題は、ゲームプレイとストーリーの適切なバランスを見出し、これらの象徴的なクリーチャーを正しく表現することでした。
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たとえば、Näcken というクリーチャーは、北欧諸国においても場所によって Näcken にまつわるストーリーが異なります。スウェーデン内でも地域によってストーリーが異なるのです。私たちは、さまざまなバージョンを調べ、それを自分たちなりにアレンジしました。これらの物語を聞いて育った北欧の人々に受け入れてもらえるように、また北欧民話をこれまで知らなかったプレイヤーには紹介できるように、これらのクリーチャーをデザインすることは、私たちにとってきわめて重要でした。

基本的に、昔の民話は子供たちが森や湖に近寄り過ぎないよう、怖がらせるためのものだったので、まさにその考え方をベースにゲームを作りました。普遍的な物語でありながら、警告でもあると言えます。
画像提供:Dimfrost Studio
意図する雰囲気を醸し出すうえで、ライティングはどのように役立ったのでしょうか?

Mikael Lindhe 氏:
ライティングは Bramble においてとても重要な役割を担っています。それ自体が 1 つのキャラクターといっても過言ではないほどです。ライティングは、各レベルに独自性をもたらし、ストーリーの一部を強化するために使用しています。優れたツールやアドオンを使用していろいろ試した結果、かなり素朴なライティング セットアップを利用することになりました。ほとんどのシーンで、スカイ ライトディレクショナル ライト、および 指数関数的高さフォグ のみを活用していますが、一部ハイライト用にシャドウをキャストしない ポイント ライト を使用しています。
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Epic MegaGrant の受賞は、皆さんの開発の過程や開発プロセスにどのように影響しましたか?
 
Fredrik Selldén 氏:
とても大きな影響がありました。応募した当時私たちは無給で働いていたのです。ですから、MegaGrant から得た資金のおかげで、生活資金を得るだけでなく、ゲーム開発に打ち込み続けることができました。また、Epic とつながりを持つこともできました。2019 年には Unreal Present at Nordic Game Conference と Gamescom に招かれました。これらのイベントで、私たちに大きなチャンスがもたらされました。Nordic Game Conference では、Zordix という会社が私たちのデモをプレイしてくれました。それからほどなくして、Dimfrost Studio と Zordix は合併することになりました。
画像提供:Dimfrost Studio
次はどのようなステップをお考えですか?また、Dimfrost Studio のプロジェクトはどこでフォローすることができますか?
 
Josua Mannebäck 氏:
何よりもまず、Bramble:The Mountain King を自信を持ってリリースできるレベルに到達するまで開発することに注力したいと考えています。私自身を含めチームは、気骨のあるテーマや歴史の暗黒の時代が好きです。私たちはストーリーテリングが大好きで、これからもストーリーテリングの制作を続けていきたいと考えています。ストーリーテリングを制作したいという気持ちは私たちの血の中に流れているものであり、これからも消えることはないでしょう。
  
Bramble の開発については、TikTokInstagramFacebookTwitter、および 当スタジオの公式 Web サイト で、プロジェクトについて頻繁に紹介していますので、是非フォローしてください。

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