2016年8月30日

美しいシューティング ゲーム、『Boiling Bolt』

作成 Jeremy Peel

ゲームはあらゆる理由から作られます。明らかなのはエンターテイメント目的ですが、ときには宣伝目的もあります。Persistent Studios は 『PopcornFX』 を制作した会社です。『PopcornFX』 は、『Trove』 や 『Black Desert』 のようなゲーム向けに美しいパーティクルを作るミドルウェアです。美しいパーティクルにするのは非常に難しい仕事です。ウィンドウ表示に入れることはできず、カタログでは適切に見えません。

そのため、このスタジオでは横スクロールのシューティング ゲームを作っています。明るいライトや手の込んだ爆発を見るのにこれほど適切なものはあるでしょうか?

しかし、そんなに単純ではありませんでした。リード デベロッパーの Jérémie Thomas 氏は 1 年前に Persistent Studios に加わる前に、フリーランスとして、またUbisoft でも仕事をしていました。彼は、特にこのジャンルのファンではなかったため、プロジェクトは沢山のリサーチをすることから始まりました。

「随分多くのことを学びました」と Thomas は語ります。「2 ヶ月というもの横スクロール ゲームだけをプレイして、何が良いか、悪いかを検討していました。この分野のスーパー プレイヤーたちに会って、彼らが好きなものと嫌いなものを尋ねました。」

 

彼らが嫌いなものは、ゲームの妨げになるような派手なエフェクトであることがわかりました。

「我々がやろうとしていたことと正反対だったんですよ」と Thomas は笑います。「彼らは何もかも明瞭でわかりやすいものが好きなんです。ゲームでどうするか混乱することがありますが、ハードコアとミッドコアの両方の層のプレイヤーが気に入るようなゲームを作っています。

Thomas のチームは Unity で作業を始めましたが、自分たちが目標とするものに対して「美しさに欠ける」と考えて、9 月にアンリアル エンジン 4 に切り替えました。結果として得られた『Boiling Bolt』 の素晴らしい点は、絶えず視点を切り替えていることです。プレイヤーは 2D プレーンで戦っていますが、戦場は宙に浮かぶ島々がある 3D ワールドの一部として存在しています。島には木製の塔、金属製の防壁、打ちっぱなしの配管などがあります。マジシャンとテクノマンサーとの戦いであることがわかります。

プレイヤーの船は、背景から前景に漂い、また後ろに戻るというように、激しいクロス スティッチを針で縫うかのようにジグザグに動きます。ワールドでその経路を描画することは、George Miller のエンドレスなアクション シーンの絵コンテを作るようなものでした。

「たくさんのホワイト ボックスの作業をしました」と Thomas は打ち明けました。「ブループリント を使えば、誰でもゲーム制作に関わることができます。そのため、アンリアル エンジンでプロトタイピングするのはそんなに難しいことではありませんでした。」

チームはまる一か月、ひとつのプロトタイプ レベルを詳細に計画してから、アーティストにそれを委ねました。最先端のグラフィックスを使い慣れたスタジオにとってこれまでの経験にそぐわないやり方でした。 

「我々は VFX チームであるため、一部のスタッフは他社向けや自分たちのためにエフェクトを作り、『格好いいよね。ゲームに入れなきゃ』という感じなんです」と Thomas は説明します。「だけど、それを使うことはできません。」

チームはパーティクル エフェクトを作るたびに、自問自答します。「見た目はいいけど、役に立つだろうか?」

役に立つこともあります。Persistent Studios では、ブラックホールの爆発をシミュレートするエフェクトをまとめました。Thomas のチームは、敵を破滅へと引き込む渦巻きを空に生み出す機能を備えた武器をその周囲に作ったのです。

『Boiling Bolt』のメカニクスは、古典的なシューティング ゲームからだけではなく、『Bayonetta』や『Quantum Break』といったコンテンポラリー作品の影響も受けています。プレイヤーは発射物を避けて一息つくために時間の流れを遅くすることができます。Co-op では、2 つの船が細い電気の線でつながっています。これは高電圧線で入ってくるものを何でも捉えます。 

プレイヤーは 4 種類の武器を持ってすべてのステージを開始します。迫りくる船や各レベルのボスと対峙するために賢く武器を切り替えることが不可欠です。

「ほとんどはメカニカルな動物のようなものです」と Thomas は説明します。「どうしてそうなったかはわかりませんが、楽しいんです。これらは非常に重要ですが、レベルの最後に到達し、ボスが登場するような従来のシューティング ゲームにはしたくなかったんです。レベルによっては中盤に登場します。考え方を変えたかったんです。

Persistent Studio の開発に対する配慮は続きます。最近のイベントでゲームのプレイヤーからフィードバックを集めました。

「可視性は難しい部分でした」と Thomas。「画面上に物が多すぎるのです。カメラが動きすぎます。それで彼らの意見を聞きました。」

そう言いながらも、このジャンルのファンの関心のためにチーム自体の関心を完全にあきらめたわけではありませんでした。

「チーム内では多くのスタッフが、格闘ゲームがお気に入りでした。スコアリング システムが好きなんです。コンボなどが沢山あるととても楽しめるゲームになります。ですから、シューティング ゲームに格闘ゲームの要素も加えました。」

Boiling Bolt は近々リリース予定です。 

編集注記: PCGamesN は、長く続いている Making It in Unreal シリーズのためにアンリアル エンジンで制作された素晴らしいゲームを選んでそのデベロッパーにインタビューしています。エピック ゲームズは編集プロセスに関与していません。