画像提供:Troglobytes Games

Unreal Engine で新しいゲームプレイ メカニズムを作成した Blind Fate: Edo no Yami

サイバーパンクの日本へようこそ。2650 年、この国は幕府が支配し、神話上の生物がロボットとなって歩き回る新たな暗黒の江戸時代に入っています。サムライとしての任務は、命令に従って相手を倒すだけ。唯一の課題は、まったく目が見えないことです。

Yami の世界へようこそ。新しいオープンワールド アクション ゲーム、Blind Fate:Edo no Yami のヒーローである Yami を導くのは、彼の感覚と歴史的な環境データしかありません。

このような特殊なコンセプトをどこで思いついたのか、不思議に思っているのはあなたが最初ではないでしょう。しかし、バルセロナを拠点とするTroglobytes Games のチームにとって、興味深い伝承を作り出し、ゲーム メカニズムの限界を押し上げることは、当たり前のことです。

詳しく知るために、この勢いのある Epic MegaGrant 獲得者にゲームや組み込んだものなどについてインタビューしました。それでは、どうぞ!
 

Troglobytes Games に詳しくない方のために、何から始めましょうか?どのような特色がありますか?

Saverio Caporusso (Troglobytes Games の CEO):
2015 年から、Troglobytes Games は型破りなゲームプレイ メカニズムと美学で革新的なゲームの製作を追求してきました。私たちのチームは、才能ある若者と、EtromKienKing Commander などのタイトルに携わった 20 年上の経験を持つベテランとで構成されています。

私たちの主力タイトルは (今まで) HyperParasite でした。これは、敵を障害物というより資源とみなし、捕まえて体を乗っ取るという斬新なシューティングのベルト スクロール アクション ゲームです。

Blind Fate:Edo no Yami は、とても素晴らしいコンセプトです。このアイディアを何から得たのか教えてください。

Saverio 氏:
私たちは熱心なアーケード ゲーマーですが、中にはペン、紙、サイコロのセットのみを使用してストーリーをプレイして作りあげていく昔ながらのテーブルトップ RPG プレイヤーもいます。私たちはマルチジャンルのロールプレイング ゲームである RIFTS をプレイし、テクノ カウボーイ、ビクトリア朝の宇宙吸血鬼、心霊騎士、およびサイバーサムライなどのキャラクターのストーリーを語るという創造性の限界を押し上げました。

これにより、盲目の主役が世界や周囲の敵を感覚でどのように把握するのかについて考え始めました。そして、何らかのセンサーにワイヤーで接続されている脳があれば、それが完ぺきな答えになるのではないかと考えました。
画像提供:Troglobytes Games
センサーは、プレイヤーが Blind Fate の熱、音、匂いを視覚化するのに役立ちます。それらを組み合わせることが、ゲームプレイにどのように影響していますか?
 
Saverio 氏:
私たちにとって、周囲を探索するためにプレイヤーが使用するセンサーは、彼らに報酬を付与するための素晴らしい方法でもあります。また、プレイヤーはセンサーを使用して、古いデータではわからない危険を避けたり、袋小路から抜けだしたりすることができます。

たとえば、Yami が出口のない部屋やトンネルにたどり着いたとします。聴覚センサーに切り替えると、通気口が現れて操作できるようになり、プレイヤーは次の部屋に進むことができます。別のレベルでは、Yami が係留されているボードから隣のボートへジャンプします。しかし、彼は古いデータのみを使用して世界を見ているため、何艘かのボートは消えていることがあります。運良く聴覚センサーを使用することで、Yami はどのボートが残っていてジャンプできるかを、桟橋にぶつかって音を立てているかどうかで検知することができます。

他にも採集品やアップグレード、ビーコンのような音を立てる伝承のかけらもあります。プレイヤーは、それらが環境内で立てるこもった音を耳にするかもしれませんが、聴覚センサーを使用した場合にのみ、アイテムの正確な位置を示す波紋が表示されます。

戦闘中は、正しいセンサーを使用して近づいてくる敵ごとに位置を判断する必要があります。敵は気付かないうちに背後から飛びかかってきたり、攻撃してきたりする場合もあります。WeakSpot ミニゲーム中にセンサーを切り替えると、目が見えないにも関わらず、Yami が強力な攻撃に気付いたり、強力な攻撃を繰り出したりする様子をシミュレートできます。
画像提供:Troglobytes Games
このプロジェクトにおける目標とは、どのようなものでしたか?

Saverio 氏:
私たちの目標は、一番最初の段階からプロジェクトに資金援助してくれる投資家を見つけることだったため、プレイヤーもパブリッシャーも含めたすべての人びとに、革新的なゲームプレイを通じて何か違ったものを見せたいと考えていました。また、目立つためには、ソーシャル メディアに投稿するクールな「AA」グラフィックや高品質のエフェクトなど、魅力的なコンテンツを作成する必要があることもわかっていました。

SF とサムライをブレンドすることにより、独自の神話を作成する素晴らしい機会が訪れたようですが、どのようにしてこの 2 つのまったく異なる要素のバランスを取ったのか教えてください。

Saverio 氏:
歴史的に日本の最も輝かしい時代といえば、サムライとその社会的な軍事力で知られている江戸時代が挙げられます。ゲームの背景を江戸時代にすると決定したとき、私たちは支配的な幕府だけでなく、菩薩、妖怪や他の神話上の生き物など、宗教的な存在も追加できると思いました。
画像提供:Troglobytes Games
SF 的な要素として、この江戸時代の伝統的な日本の環境にケーブル、ホログラム、そしてテクノロジーを追加しました。メイン キャラクターの Yami には、たとえば人工頭脳を移植することを決めました。敵については、最初、Dinobots を見たり、さまざまなサイバービーストが登場するアーケード ゲームをプレイしたりしてアイディアが浮かびましたが、すぐに、ロボットのような虎や龍を採用することにしました。ただし、これは特に珍しいことではありません。
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代わりに、ヒーローはそれぞれが独自の歴史を持つ、より中身のある敵と戦うことが決定しました。このような理由から、妖怪と神の SF 作品を作成することが決まりました。それぞれは独自の武器と一連の動作だけでなく、本当に日本の民話にある豊かな言い伝えも特徴としています。

盲目のメカニズムの作成や定義はどのようにして行ったのですか?実際に目の見えない方たちと作業して、彼らの体験を再現したのでしょうか?

Saverio 氏:
ゲーム内では、目の前にあるものがわからずに歩くと、見えない何かにぶつかることになります。そのため、プレイヤーは周囲にあるものを調べるようになり、その間も素早く行動するようになります。

目が見えない状態で戦う感覚をシミュレートするためには、長いプロセスが必要でした。最初に、ゲームの見える敵を検出できるようにしました。敵がアクティブになると、音がしたり、匂いがしたり、武器が熱を持ったりします。正しいセンサーを使用すると、プレイヤーは敵の足音や姿のヒントを画面上で確認できるようになります。

そして、プレイヤーが感知する敵が増えたり減ったりすると、それが戦い開始の合図です!私たちが使用したメカニズムでは、敵を攻撃するほど、より敵の姿が現れるようになるものでした。シルエットと姿がより鮮明になり、最終的には他のビデオ ゲームと同じように敵が表示されます。
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プレイヤーを戦闘させ続けるため、プレイヤーが敵から歩いて、またはジャンプして離れると、最終的にはまた見えなくなるまで姿がフェードアウトしていきます。次に、WeakSpot のコンセプトを追加しました。敵を攻撃すると可視性が高まり、ある程度の可視性のしきい値に達すると、敵の攻撃可能な弱点を検出することができます。色分けされているウィジェットにより、実際に弱点を攻撃するために使用するセンサーが示されます。プレイヤーはセンサーを変更し、素早くサムスティックかマウスを使用して Yami に弱点への攻撃を指示し、さらなるダメージを与えるミニゲームをプレイする必要があります。弱点を突くと、獲得した可視性が失われていくのを止めることもできます。
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このメカニズムを多くのプレイヤーとテストし、高評価のフィードバックを受けました。しかし、私たちはまだ改善の余地があると感じたのです。そこで、敵の攻撃に対して攻撃前のさまざまな視覚的通知を追加することにしました。プレイヤーはその攻撃が受け流せるか、ブロックできないものか、またはカウンター攻撃できるものかが簡単にわかります。

そのとき、アクション ゲームとして敵を見えるようにするためのプロセスは、まだ先が長いということに気付きました。代わりに、Yami が攻撃したり、攻撃をかわしたりして敵と関わる場合はいつでも、敵がすぐに現れるようにしました。また、さらに多くの視聴者に届くように、可視性のしきい値と弱点のメカニズムをより一般的な戦闘システムに置き換えました。刀、ハンドキャノン、空中ダッシュによる攻撃を組み合わせて 5 連続、または 7 連続攻撃コンボを繰り出すと弱点が検出され、ミニゲームが開始されます。
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敵を倒すと、一部の敵はその種類に関するデータを公開します。データを収集すると、それらの敵は常に一部が見える状態で現れます。このようにして、既知の敵の居場所を把握しながら、センサーを使用して他の敵の居場所を探すことができます。そしてそうなんです。最初のデモをリリースした後、ゲームをプレイしてくれた目の見えないユーザー数名から Discord で連絡があり、貴重なフィードバックをいくつかくれました。

Yami は周囲の世界を移動するために、何百年も前の環境データに頼らざるを得ません。ゲームプレイのハードルとなる不正確なデータを含める場所は、どのように決めたのか教えてください。

Saverio 氏:
だいたいは注意深くレベルを移動し、Yami のセンサーを使用してもらうためのリマインダーとして、各ミッションの最初の部分に正しくないデータを配置しました。ときどきそのようなデータのせいで報酬やサブレベルが隠れていたり、まれに致命的なトラップが隠れていたりすることもあります。

ゲームでは、Yami はいくつもの日本の民話に登場する生き物のロボット版と対話しますが、どのようなものが登場しますか?

Saverio 氏:
私たちが妖怪や神についての物語を使用することに決めたのは、ビデオ ゲームや映画、ゲームなどにたくさんのサイバー ビーストが登場しても、神話上の生い物が登場するものはなかったためです。

ゲーム用には約 20 種類の生き物を作成しましたが、その中には麒麟や鬼、雪女、泥田坊などの NPC や敵がいます。一部はそのままで目的に適したものになっていますが、その他のものは、外観を変更してニーズに合わせました。
 
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たとえば、市街地では、プレイヤーは WaNyudo (輪入道) や Akaname (あかなめ) に出会うことがあります。輪入道 (坊主の車輪) は、中央に人間の頭が付いている大きな炎に包まれた車輪で、罪人を追いかけます。私たちの SF 版では、ロボットのような頭が浮かぶ大きな車輪で、パトカーのように赤と青のサイレンが備わっています!

あかなめは、ベタベタした手足と長い足を持つ小鬼の一種です。私たちは下水道を歩き回ってゴミや下水、目の前に現れる人を集める、四つ足で移動するコンテナのロボットを作成しました。
HyperParasite はとても色鮮やかなゲームでした。Blind Fate も同様です。ネオン カラーやハイパーカラーにこだわり続けるのは、なぜですか?

Saverio 氏:
HyperParasite は輝かしい 80 年代へのラブ レターで、たくさんのネオン ライトが含まれています。Yami では、未来的な SF の世界から破壊された世界滅亡後の世界への移行を示したかったのです。ネオンはそのコンセプトを強化するのに役立ったため、このタイトルにも使用することに決めました。
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Blind Fate は Troglobytes 初の横スクロール ゲームです。ツインスティック シューティング ゲームからこのスタイルに移行したのはなぜですか?また、そのプロセスでどのようなことを学びましたか?

Saverio 氏:
盲目のキャラクターが登場するアクション ゲームをプレイするというアイディアを取り入れていたため、横スクロール ゲームのほうが適していると確信しました。

特に主役が周囲の状況を把握するために使用するさまざまなセンサー (熱センサーや音センサー、匂いセンサーなど) を表現するときなど、かなりたくさんの技術的な課題がありました。

いくつかの工夫が必要になりましたが、全体的に、この結果には満足しています!たとえば、ビジュアルをオーディオと組み合わせて機能させる必要がありました。あるセンサーから別のセンターに切り替えると、通常はその特定のセンサーのレンズを通して見える「新しい」バージョンの環境を示すビジュアル エフェクトが表示されます。それと同時に、すぐに何かが起きていることを示すサウンド エフェクトが聞こえ、重要度の低い環境音や音楽の音は小さくなります。カメラ エフェクトやシェーダーを使用して、認識しやすいようにセンサーごとに色分けし、この機能を強化しています。

また、コンソール (特に Nintendo Switch のような携帯ゲーム機や、PS4 や Xbox One のような古い世代のコンソールなど) でスムーズに実行できるようにゲームを最適化する方法も学ばなければなりませんでした.これは非常に素晴らしい経験で、今後のプロジェクトに引き継いでいきます。

このプロジェクトに影響を与えたゲームはありますか?また、隠れキャラクターはいますか?

Saverio 氏:
映画であれば ZatoichiBlind Fury など、ゲームであれば StriderMark of the Ninja などから影響を受けています。

もちろん、隠れキャラクターをいくつか含めています!Blind Fate:Edo no Yami のストーリーは 2650 年が舞台です。ゲームの SF 設定により、2150 年からのタイム カプセルのようなものを隠すことができました。それにはいくつかのゲーマーの記念品、最もスペインを象徴するゲームや、もちろん、HyperParasite への敬意を表して取り入れたカメオなどが含まれます。

なぜ Unreal Engine がこのゲームに適していると思われましたか?何か役に立った機能はありましたか?

Saverio 氏:
私たちは 8 年間、ほぼずっと Unreal Engine を使用してきましたので、このようなタイプのプロジェクトに適していることはわかっていました。私たちにとって本当に役に立つ機能は、Unreal Engine の堅牢かつ強力なシェーダーとマテリアル ワークフロー、そして注目に値する Niagara VFX システム です。この両方の機能のおかげで、Blind Fate:Edo no Yami の美的なビジョンを実現することができました。

たとえば、Yami が新しい環境データを見つけると、環境がどのように変更されたのかが表示されます。マテリアル エディタ および マテリアル パラメータ コレクション のおかげで、起きていることを素早く同期させることができました。これは印象的なエフェクトですが、簡単に作成することができました。
画像提供:Troglobytes Games
開発プロセスについて教えてください。何か面白いお話はありましたか?

Saverio 氏:
この 2 年間のロックダウン中、自宅で作業しながら Blind Fate:Edo No Yami を開発しました。Xbox 向けと PC/Steam 向けに 2 つのデモをリリースし、最終ボスの直前に「Big Hammer」という非常に強力な敵を追加したのです。

大きなハンマーを持ったボスを倒すことがどれほど難しいか、たくさんのフィードバックをもらいました。私たちは難易度を簡単なレベルと標準レベルとの間で線引きしようとしていたところだったため、フィードバックは役に立ちました。その結果、敵の一部を少し弱体化しました。これは現在 Steam で入手可能な プロローグ をプレイしていただき、実際にご確認ください。

昨年、Epic MegaGrant を獲得されましたが、そのことは Blind Fate の作業にどのような影響を与えましたか?

Saverio 氏:
Epic MegaGrant のおかげで、Dorotabo や Jikokuten などの特定のアニメーションの品質を改善したり、仕上がりの一部を再作成したりして、よりスムーズで、より長く、より壮大にすることができました。いくつかの AAA 作品に携わったことのあるシニア アニメーターを雇用することができたことで、私たちのビジョンを現実のものにするため、すべての限界を本当に打ち破ることができました。

また、作曲家兼サウンド デザイナーである Joe Kataldo 氏は、チェロ演奏家の Tina Guo 氏と Éru Matsumoto 氏、太鼓演奏家の Isaku Kageyama 氏、ミキシング兼マスタリング エンジニアの John Rodd 氏と協力し、彼らの才能を Blind Fate:Edo no Yami のメイン テーマに追加することができました。

Blind Fate:Edo No Yami についての情報は、どこで確認できますか?

Saverio 氏:
私たちのプロジェクトに興味がある方であればどなたでも、Twitter で Troglobytes Games をフォローしてください。また、ゲームのプロローグである Blind Fate:Edo No Yami – Dojo は、Steam でプレイすることができます。また、Discord サーバー にもご参加ください。

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