We Happy Few:アンリアルで作り上げた暗黒卿
2016-7-26

We Happy Few:アンリアルで作り上げた暗黒卿

作成 Jessica Beaudoin

E3 2016 で Compulsion Games の Creative Director、Guillaume Provost 氏がマイクロソフト カンファレンスでゲームのオープニング シーンを紹介すると、ネット検索数が一気にあがりました

暗い記憶をのせた新聞の切り抜きに続いて、Joy と呼ばれる幸福な気持ちにさせる錠剤の摂取をやめた勇気ある Arthur Hastings が映像に流れます。Joy と呼ばれる錠剤の常用で自分は幸せだと思いこんでいるウェリングトンウェールズの住民達のように幸福な気持ちに満たされつつも、自分の過去は覚えていたいと Arthur は思っています。

薬がきれてしまった住民達を見た Arthur は、過剰なまでの幸福感が思い込みであることを悟ります。薬による幸福感を失った Arthur はたちまち、幸福な街の脅威となる Downer とみなされます。そして、パラノイアの牢獄と化したこの街から逃げ出そうとするのです。

物語は非常に面白く、不気味なほどに美しく、1960 年代の設定でプロシージャルに生成され、多彩なクラフト オプション、ユニークな社会への適用システムにより、We Happy Few は PC および Xbox One 向けに今夏リリースされる注目タイトルのひとつです。Compulsion Games の勝因は We Happy Few の開発に最適なツールの評価を慎重に行ったことです。アンリアル エンジン 4 を採用した We Happy Few の開発計画と技術判断について Provost にお話を伺いました。

まず簡単に背景を説明しましょう。Compulsion が最初に手掛けたタイトルは、家庭に問題を抱えた少女が影に出入りして冒険の手助けをする冒険 / パズルゲームの Contrast です。Provost は、ツール経験のあるアーティストが多いことから、Contrast の開発には UE3 を選択しました (当時 Compulsion のスタッフはわずか 7 名でした)。ただ、一番重要だった要因は、デベロッパーがエンジンのソースコードにアクセスしやすいことでした。重要なライティングの構成要素の適用とゲームの中枢であるシャドウ レンダリング システムにより、少人数のチームで Contrast のビジョンを実現することができました。

もちろん、ソースコードへのアクセスも Compulsion が次作でもアンリアルを採用した大きな理由の1つです。さらに Provost は、UE4 の初期バージョンも試す機会に恵まれました。We Happy Few で実現させたい複雑なプロシージャルなワールドを効率的にビルドできるか不安な点があっても、UE4 がすべて解決してくれました。プロトタイプを数セッションで試してみて、Provost は UE4 に備わっている素晴らしいツールに非常に感動したといいます。

「UE4 は UE3 に比べて格段に進化しました。スクリプト コードの代わりに超パワフルなビジュアルツールであるブループリントが登場したことで、プログラマーはアーティストとデザイナーがパフォーマンスと安定性に対して与える可能性のあるダメージを理解することができました。項目にそって機能性を区分することで各メンバーに責任も配分され、プログラマーに負担をかけずにデザイン側で修正できる柔軟性を与えてくれました。」

ただし、複雑なブループリントのゲーム ステートを保存したり、ネットワーク上でレプリケートする時など、柔軟性の結果として課題が生じたこともあります。結果として改善されたと Provost は判断したと言います。「ソースコードにアクセスできないために、プロジェクトの終盤でプログラミング作業の人手不足になったり、コアコードの重要な課題を修正できなかったりしたので、非常に重要な機能を泣く泣く諦めるくらないなら、柔軟性および決定するための責任を選びました。」

プロシージャルに作成されたこのようなワールドの場合、ソースコードへのアクセスが鍵となります。We Happy Few では、ランタイム時にアセットをロードする珍しい方法を使って街のレイアウトを絶えず変化させ、ライティング パイプラインにユニークなニーズを作り出していると Provost は説明します。「ソースコードが利用できると、UE4 のシステムの調整だけでなく、実現したいものに対するエンジンの構造的な結びつきが深く理解できるようになります。」

さらに UE4 が提供する柔軟性は、ウェリングトンウェールズの外観づくりにも大きな役割を果たしています。街は、それぞれが特色を持つ District (区) で構成されており、縮図のようにする必要があります。アンリアルの物理ベースのレンダリングは、Garden District の荒れ果てた木造の家から Parade District のおしゃれで豪華な装飾の家まで、すべて等しく洗練された状態で仕上げることができます。そしてマスター マテリアルとマテリアル インスタンスのノードベースのワークフローを使えば、建物のスナップが可能です。

さらにプレイヤーは、We Happy Few 内に建物を建てることができます。実際、ウェリングトンウェールズで数時間以上生き延びるには、クラフトが必須なのです。植物を貴重な軟膏に変えたり、特定の District に相応しい衣装の作成まで、クラフト システムは幅広いマテリアルとテクスチャの様々なオブジェクトに機能します。アンリアルのレンダリング システムはここでも役に立ちます。すべてきちんと定義して、異なるタイプのライティングでも確実に挙動させます。

今ではすっかり拡大した Provost のチームは UE4 の大ファンです。

We Happy Few の著者として、アンリアルを使って物の名前や説明を変更したり、目的や項目名を楽しんで書かせてもらっています。パワフルでありながら、直観的な環境なので、アンリアルの使い方を専門に習わなくても、最低限の項目を教えてもらえれば必要なことがすべてできてしまいます」と Alex は言います。

レベル デザイナーの Vince の場合、アップデートが頻繁に必要な時に非常に便利だそうです。「新規アップデートの内容はすべてのメンバーが必要としている」からです。彼が今注目しているものが、完全にノンリニアで、リアルタイムなシネマティックス アニメーション ツールのシーケンサーです。

Chief Operating Officer の Sam Abbott 氏は「アンリアルは、『アンリアル (非現実)』なところが大好きです!絶対に年を取りませんよね。でも自分の母親と話す時は、母親が異常に我慢強い場合がほとんどです。」 

「水晶玉でエンジン選びはしません」と Provost は言います。「様々な要因を考慮して決定します。」そして Compulsion のケースでは、UE4 はどんぴしゃな選択でした。「晴らしいコンテンツ ツール以外にも評価に値する様々な要素を搭載した UE4 を選んで、本当に良かったと思っています。」

We Happy Few は本日 7 月 26 日 Steam Early AccessGOG Games in DevelopmentXbox Game Preview に配信されます。 

on Facebook and Twitter で Compulsion Games の最新情報および We Happy Few のアップデートをチェックしましょう。

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