2019年7月26日
Quixel と SideFX が語る、フォトリアルで映画のようなリアルタイム映像作品 Rebirth の開発
Davis 氏は、プレゼンテーションのなかで、映画のようなトレーラー、Rebirth の開発方法について詳しく説明しています。Quixel のチームは、2018 年 6 月にアイスランドを訪れ、フォトグラメトリー キャプチャを行いました。その翌月に、キャプチャしたものを使って Rebirth を作成するというアイデアが生まれ、2018 年 8 月後半から、そのプロジェクトについて熱心に取り組み始めました。そして 2019 年 3 月に、GDC において短編映像が発表されました。特に品質を考慮すると、このプロジェクトは短期間で作成されたものであると言えます。
Rebirth はビジュアルに優れているだけでなく、デモのパフォーマンスが非常に高いものになっています。滑らかなフレームレートで実行されていますが、環境全体が 3D で、ビルボード化による負荷の軽減は行われていないと Davis 氏は述べています。
プレゼンテーションのなかで、Davis 氏は Quixel Bridge と Quixel Mixer の使用法を紹介しています。具体的には、砂利、濡れた砂、乾いた砂の作り方と、Quixel のアセットを UE4 にインポートする方法を説明しています。 2 つめのライブストリームでは、SideFX のテクニカル アーティスト Paul Ambrosiussen 氏と、ゲーム コミュニティ マネージャー Ben Mears 氏をお招きしました。SideFX のソフトウェア、Houdini は、Quixel による Rebirth の開発に貢献しました。トロントに拠点を置く SideFX は、2018 年の 10 月から 12 月にかけて、Rebirth のプロジェクトを支援しました。
詳しくご存じない方向けに説明すると、Houdini は、プロシージャルなモデリング、アニメーション、エフェクト、シミュレーション レンダリング、合成を扱うパッケージです。時間の制約が厳しかった Rebirth にとっては不可欠なものとなりました。
ライブストリーム内で、Ambrosiussen 氏は、ユーザーが大きさを調整できるように変更可能な属性を持つ、多様でスマートなデジタル アセットを紹介しています。また、Ambrosiussen 氏は、次に挙げる 5 つの主なカテゴリで SideFX が Rebirth にどう貢献したかについても詳しく説明しています。
- FX
- メッシュの処理
- テレイン
- ワールドビルディング
- 巨大建築物のディテール作成
それから詳細についての説明に入り、Ambrosiussen 氏は Rebirth でのフォグの設計方法と、浮遊する自動車の作成方法を紹介しました。そのなかで、Houdini でのベイキングのスピードについても触れました。次に、侵食についてどう実験を行ったかと、求めているビジュアルを実現するために Rebirth でフォリッジをどう作成したかを説明しました。
そして、映像内の巨大建築物の説明に移り、Houdini が提供する、重要なプロシージャル生成ツールを紹介しました。Houdini のツールによって、通常アーティストによる手作業が必要となる、時間のかかる作業を減らすことができました。
ライブストリームの終盤にかけて、Ambrosiussen 氏は UE4 Houdini プラグインのバージョン 2 を発表しました。バージョン 2 では、ブループリントをサポートするほか、次のような多数の改善点があります。
- HDA のプリセット、パラメータ
- コンストラクション スクリプト、Blutility
- PGA アセットのリンク
- 複雑な依存関係
- 分散非同期クック
- UI と UX
- ユーザーからのフィードバックを反映
- パラメータの UI、デフォルト値、表現式を改善
- レベルと独立、ワールド合成
- ユーザーからのフィードバックを反映
- パフォーマンス
- メッシュ作成の高速化
バージョン 2 での改善点について、詳しくはこちらをご覧ください。現時点では、このプラグインの正式なリリース日は決まっていませんが、年末までにはリリースされる見込みです。
ライブストリームをお楽しみいただけたら幸いです。インスピレーションを得て、独自のフォトリアルなプロジェクトを作成された場合は、Twitter で @UnrealEngine 宛てに #UE4 のハッシュタグを付けてツイートし、ぜひでき上がったものを見せてください!