Unreal Studio 4.22 がダウンロード可能な状態であるとお知らせできることをうれしく思います。様々な新機能により、あなたのデザインデータから目を見張るようなフォトリアルなビジュアル、体験、インタラクティブアプリケーションを作成することがより高速に、簡単に行えるようになりました。
この新リリースはコアとなる Unreal Engine にも、無料の Unreal Studio ベータの一部の Datasmith といった追加ツールセットの側にも、新機能を追加しています。あなたがどの業界で仕事をしているとしても、役立つ新機能があるはずです。それでは最新機能のハイライトをご覧ください。
リアルタイム レイトレーシング (ベータ)
Unreal Engine 4.22 は NVIDIA の RTX グラフィック と Microsoft の DirectX Raytracing (DXR) フレームワークの力を活用し、物理的に正確な反射、エリアライトによりソフトシャドウ、アンビエントオクルージョン、半透明描写、スカイライトからのライティング、イメージベーストライティングといったシーンにリアリズムを加える精妙で正確なエフェクトを簡単に実現できます。DXR をサポートする最初のリリースされたゲームエンジンである Unreal Engine はレイトレースすることに恩恵があるパスだけ選択的にレイトレースを行い、他のパスでは高速なラスタライザを使用します。この選択的なハイブリッドソリューションにより、レイトレーシングの品質と使いやすさを得つつも、リアルタイムも可能にする高速なレンダリングスピードを実現します。
ユーザーエクスペリエンスに特化した VR スタジオ でプレビューリリースで早期にこのテクノロジーをテストした Zoan のファウンダー兼 CEO のMiikka Rosendahl 氏は以下のように述べています。「デザイン、仕上げ、材質が重要な仕事をクライアントとしている時には、ビジュアルの正確性は必須です。レイトレーシング技術により、即座にクライアントの空間や建物を、現実的なライトと反射でビジュアライズすることが可能になります。」
Datasmith の改善
常にデータ変換、最適化フレームワークである Datasmith の拡張と改善を続けています。もちろん、このリリースでも拡張と改善が行われています。より高い忠実度を、最小限の作業で得ることができるようになりました。- 3ds Max:基本的なアニメーションサポート、Forest Pack Pro と RailClone アセットによるパフォーマンス改善、ライト強度マッチングの改善などが追加されました。
- Revit (ベータ):エクスポーターはまだベータとしての提供ですが、機能追加、安定化、パフォーマンスにおいて大幅に改善しています。
- CAD:大規模シーンのインポートパフォーマンスを改善し、NURBS スティッチオプションを追加し、Rhino ファイルのテッセレーションをさらにコントロールできるようにしました。
- glTF (ベータ):オブジェクトアニメーション、基本的なライト、PBR マテリアルのサポートに加えて、非破壊再インポートワークフローへのアクセスを追加しています。
- MDL/AxF:ユーザーエクスペリエンスの改善、ビジュアル忠実度の強化、イテレーションの高速化のためにインポーターの改善を続けています。
- VRED/DELTAGEN:これらのファイルからのバリアントを Variant Manager で使えるようになりました。
レンダリング出力オプションの拡張
静止画から没入型エクスペリエンスまですべての成果物を単一のアセットから Unreal Engine から作成するパスを常に提供してきました。今、出力データについてさらに多くのオプションが追加されています。- レンダーレイヤー(ベータ):Unreal Engine 内蔵の コンポジットモジュールの Composure にオブジェクトを複数のレンダーレイヤーに分けて出力することを可能にするユーザーインターフェイスが追加されました。Photoshop など外部のパッケージでの編集に役立ちます。
- nDisplayの改善: nDisplay サポートが改善されました。1つの Unreal Engine インスタンスから異なるビューポートを複数のディスプレイにレンダリングすることが可能になり、没入環境の作成がより効率的に行えるようになりました。
- 新しい HoloLens サポート:Microsoft HoloLens リモート ストリーミングのサポートが追加されました。また今年リリース予定の HoloLens 2 をサポート(ネイティブ及びリモート)します。
Unreal Editor のユーザビリティ改善
様々な大きさのオブジェクトが数千も存在するような複雑なシーンの扱いが改善するように Unreal Editor のユーザーエクスペリエンスを改善しました。また、メッシュ編集ツールと Variant Managerも改善しています。- Unreal Editor 一般の改善:選択した面の周りをカメラがオービット移動できるオプション、選択サイズに合わせて変化するマウスホイールとパンの感度、複数レイヤーの可視性の 1 クリックでの切り替え、階層での選択コントロールの追加などです。
- メッシュ編集ツールセットの改善:背面を向いている三角ポリゴンを選択するかどうかのオプションを追加し、背面ポリゴン表示についても改善しました。
- Variant Manager の改善:ドラッグ・アンド・ドロップサポートを追加し、複数アクタの選択と編集を可能にしました。ブループリントイベントトリガーも追加しています。
こちらで新機能を確認し、今すぐUnreal Engine をダウンロードしましょう。
Feature image courtesy of Obvioos