次期 4.5 のリリースには、待ちに待った機能が含まれています。アニメーションのリターゲット機能、自動化された C++ ホットリロード機能、ライトマップの UV 生成機能、ビデオテクスチャのストリーミング機能などがそれです。また、新たなリアルタイム レイトレースによるソフトなシャドウは、動的なシーンを見事にライティングします。スクリーン空間サブサーフェス スキャタリングは、非常にリアルな皮膚表現を可能にします。最後になりますが、アンリアル モーション グラフィックスが使用できるようになるため、UI の作成がこれまで以上に簡単になります!
今回のリリースには、ユーザビリティと学習に関する強化も非常に多く含まれています。また、まったく新しいチュートリアル システム、さらには、Advanced Vehicles (高度な車両) と Twin Stick Shooters (ツイン スティック用シューティング) のための新たなゲーム テンプレートも同梱されています。
アンリアルのコミュニティに所属する素晴らしいデベロッパーの方々の尽力によって 40 を超える機能と改善が実現されました。今回のリリースに対してこのような貢献をしていただいた次の方々に対して、私たちは感謝の気持ちを表したいと思います。
3dluvr、Allegorithmic、Cameron (Alters)、Jefferson Pinheiro (Ixiguis)、Kyle Rocha (kylawl)、Luna (PSG-Luna)、leobenaducci、Mathias L. Baumann (Marenz)、Martino Giovanelli (Hurricane86)、Moritz Wundke (moritz-wundke)、Pierdek、Rama (EverNewJoy)、Ryan Ingram (ryani)、Robert Wallis (robert-wallis)、Rick Yorgason (Skrapion)、Roy (Shammah)、Salamanderrake、Sam Clegg (sbc100)、Steve Anichini (solid-angle)、Shaun Hedrick (triplefault)、Thomas Mayer (tommybear)、Tim Donks (timdonks)、Temaran、Vitaly Ogoltsov (vogoltsov)、Zachary Burke (error454) の各氏に対して。
主な新機能
レンダリング
Ray Traced Distance Field Soft Shadows (レイトレースによる距離フィールド ソフト シャドウ)
新たな動的なシャドウイング方式は、メッシュの距離フィールドを通ってライトまでをレイトレースすることによって機能します。この方式によって、シャープなコンタクトをともなったソフトなエリアシャドウが実現できます!
レイトレースによるソフトなシャドウをともなった指向性ライトです。遠くのセルフ シャドウイングはディテールを保ったままであり、長いシャドウはソフトになっていきます。
指向性ライトは、レイトレースによるシャドウと通常の Cascaded Shadow Maps (カスケードされたシャドウマップ) (CSM) を結合させることによって、両方の方式から最高の結果を得ることができます。このスクリーンショットでは、近くのシャドウだけが CSM によって計算されています。
ポイントライトとスポットライトも機能します。Source Radius (ソース半径) を使って、光源の大きさ、したがってシャドウの半暗部のサイズを制御します。
これらの距離フィールドは、Distance Field Ambient Occlusion (ディスタンス フィールド アンビエント オクルージョン) 機能で使用されているデータと同じものです。Generate Mesh Distance Fields プロジェクトの設定が有効になっているプロジェクトで、この新機能を有効化するためには、ライト上でUse RayTraced DistanceField Shadows にチェックを入れます。
Screen-space Subsurface Scattering (スクリーン空間サブサーフェス スキャタリング)
新たに Subsurface Profile シェーディング モデルが追加されました!サブサーフェス スキャタリングを利用すると、リアルなスキン マテリアルや他にも素晴らしいエフェクトを作成できるようになります。
左: サブサーフェス スキャタリングが無効 中: リアルな設定 右: 設定を強調
モバイルの動的シャドウ
可動指向性ライトのための動的シャドウが、モバイル プラットフォームでサポートされます!シャドウは、最大 2 個のカスケードを使ってカスケードされたシャドウマップを使用してレンダリングされます。
アンリアル モーション グラフィックス (GUI デザイナー)
アンリアル モーション グラフィックスが、デフォルトで使用できるようになります!新たな「ウィジェット ブループリント」を簡単に作成し、UI のデザインを開始できるようになります。もちろん、新機能と改善が日々追加されていきます。
UI レンダリング トランスフォーム
UMG と Slate のウィジェットが、移動、回転、拡大縮小、せん断が可能になりました!
UI のスタイル
ウィジェットを定義するためのスタイリングがよどみなく実施できるようになります。それによってユーザーは、ウィジェットの外見を仔細に制御できるようになり、スタイルのバリエーションがいくつもできてプロジェクトが雑然となるようなことはありません。スタイルは、ゲーム内で変更できるようになり、動的なマテリアル インスタンスがどのような UI でも使用できるようになります!
UI アニメーション
より堅牢なアニメーションのためのサポートが UMG に加わります。
- 複数のアニメーションを各ウィジェットに作成できます。
- アニメーションをウィジェットのブループリントで実行時に制御できます。
- 詳細パネルからキーをアニメーションに自動的に追加できるようになります。
UI アニメーションは、ウィジェット ブループリントのグラフで制御できます。次の画像は、ウィジェットをマウスオーバーすると、アニメーションが再生される例です。
DPI のスケーリング
アンリアル モーション グラフィックスが、解像度に依存しない UI のために、自動スケーリングをサポートするようになりました。デフォルトの DPI スケーリング ルールがあらゆるゲームに備わるようになります。これはプロジェクトのレンダリング設定で調整することができます。
プログラミング
自動化された C++ ホットリロード機能
アンリアル・エンジンでは、Visual Studio または Xcode でコンパイル後に、C++ のゲームプレイのコードが自動的に「ホットリロード」されるようになります!
作業中にエディタをシャットダウンする必要はありません。Visual Studio または Xcode からゲームプレイのコードを通常通りにコンパイルするだけで、エンジンが C++ の変更を即座に適用するようになります。
フルゲームの C++ ホットリロード
エディタを再起動することなく、あらゆるタイプのゲームの C++ コードをコンパイルできるようになります。また、変更はライブで適用されます!新たなクラスまたはプロパティ丸ごと追加できる機能もサポートされます。
サンプルのコンテンツ
Advanced Vehicle (高度な車両) テンプレート
新たな Advanced Vehicle テンプレートでは、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを搭載した車両と、地形や多数の傾斜、ループが備わったテストトラックがフィーチャー!VR ヘッドセットを装着した場合でも見事に機能します。
Twin Stick Shooters (ツイン スティック用シューティング) のブループリント テンプレート
Twin Stick Shooter ブループリント テンプレートは、高速トップダウン シューティングを作成するためのパーフェクトな土台となります。
一方のジョイスティックで移動し、もう一方であらゆる方向に発射できるツイン スティック用シューティングのためのシンプルなテンプレートです。
アーティスト テンプレート マップ
新たなマップがテンプレート スターター コンテンツで利用できます。アーティストがさまざまな光源処理のセットアップを試し、コンテンツがどのように影響されるかを確かめることができるテスト用エリアが備わっています。
アニメーション
Animation Retargeting System (アニメーションのリターゲット システム)
新たな Animation Retargeting System では、人間の形をしたリグを使う異なるスケルトン間でアニメーションを変換できます!
具体例のための動画: アニメーション スターター パックが別のスケルトンに変換される様子を表示しています。
この機能をセットアップすると、同一のリグを使用するスケルトン間でアニメーションを変換できるようになります。
メディアの再生とキャプチャ
ビデオ テクスチャ (メディア フレームワーク)
新たなメディア フレームワークによって、レベル内でテクスチャ化されたオブジェクトおよび UI ウィジェットの上でストリーミング ビデオを再生できるようになります!
この新機能に関するフォーラムの投稿をご覧ください。
OpenEXR フレーム キャプチャ
HDR カラーや 16 ビット ピクセル深度といったリッチフレーム データを OpenEXR ファイルに保存できるようになります。オフラインでのコンポジット作業にとても便利です。
プロジェクト作成
新たなプロジェクト作成ウィンドウ
New Project ウィンドウのデザインが新しくなります。新たなプロジェクトを作成するプロセスが単純化されます!
ターゲットとするハードウェアの選択
対応すべきハードウェアとデバイスの種類を選択できるようになります。最高のプレイヤー エクスペリエンスを実現するために最適化された設定がエンジンによって選択されます!この新機能のための設定は、New Project ウィンドウ、または Target Hardware → Project Settings でプロジェクトを作成する際に可能です。
学習リソース
新たな動画と文字によるドキュメンテーションが加わる他にも、エディタの使い方を学習する方法が大きく変わります。さらに、必要な時にすぐにドキュメンテーションにアクセスできるように、その方法が大きく変更されます!
新たなチュートリアル システム
チュートリアル システムがガラリと変わります。没入感の高いエクスペリエンスが提供されます!
ポップアップ ウィンドウが表示されなくなります (いいですね!)。控え目なテキストの吹き出しがエディタにオーバーレイ表示されて、インターフェイスの各種要素や多彩な機能について説明がなされます。まだご覧になっていないチュートリアルがあると、お知らせが表示されますが、閲覧が強制されることはありません。
チュートリアルをご覧になると決めた場合は、右クリック (またはコンテンツの吹き出し右上にあるコンボボックスの矢印をクリック) するとその他のナビゲーション項目が表示されます。
新たなチュートリアル ブラウザ
素敵なチュートリアル ブラウザが新たに登場します。あらゆるチュートリアルに簡単にアクセスできるようになります。
チュートリアルは、ヘルプ メニューから開くことができます。または、新たなチュートリアルのアイコンをクリックすると開くことができます。
チュートリアル ブループリント
チュートリアルは、実際にブループリントのアセットとして作成されるようになりました。ということは、エディタ内チュートリアルを作成して含めることができ、コンテンツをマーケットプレイスで公開できるようになるということです!
作成したチュートリアルは自動的にチュートリアル ブラウザ の UI に表示されるようになります。
エディタ内のヘルプに関する改善
即座のオンライン ヘルプ
新たなオンライン ヘルプ ボックスにタイプすると、エディタが、インターネットで見つかる有益なリソースをできる限り多く収集してきます。
チュートリアル、ドキュメンテーション、コミュニティの wiki、AnswerHub のページがすべてここからアクセスできるようになります!補足: エディタ内デバッグ コンソールを移動しました。ティルデ (~) キーを押すと、エディタ内のどこからでもコンソールを呼び出すことができます!
新たなヘルプボタン
新たにドキュメンテーションのためのアンカーが多数できたため、エディタ内で参考ドキュメンテーションが必要になった場合に簡単に直接ジャンプできるようになります!
ドキュメンテーションのアクタ
新たなドキュメンテーションのアクタが、有益なドキュメンテーションのページにリンクしているサンプル コンテンツに加わりました。新たな有益なリンクが多数含まれている Content Examples (コンテンツ例) プロジェクトがアップデートされましたのでご覧ください!
ドキュメンテーション ノード
ドキュメンテーション ノードによって、ブループリントのグラフ内でドキュメンテーションのスニペットを表示できるようになります。つまり、グラフ内にテキストや画像を埋め込んで、通常のコメント部の上および下に情報を配置できるようになるのです!
新たなヘルプ ツールチップ
詳細なツールチップがエディタの至る所に多数追加されました。マテリアルのノード、配置可能なアクタ、ブループリント化できるクラスなどすべてにリッチなヘルプが備わります。Ctrl+Alt を押しながら対象をマウスオーバーすると表示されます。
ドキュメンテーション
Unreal Engine documentation の作りが変更され、読みやすくなりました!さらに、検索用の用語がヒントとしてフロントページに追加されたため、お探しのトピックを素早く見つけられるようになりました。
動画チュートリアル システム
エピックのすべての動画チュートリアル シリーズを検索、閲覧できる動画システムがドキュメンテーションに含まれるようになります。あらゆるものがカテゴリに分類され、動画をシリーズ全体として簡単に閲覧できるようになります。
アップデートの完全なリストは、こちらをご覧ください!