2017年5月28日、東京目黒のドリコム社カフェ会場にて、第3回UE4 Tokyo Meetupが行われました。今回は比較的大規模に開催した過去の2回と比べて、方向性をシフトし、新たな取り組みを実施しました。本記事は、これからMeetupを開催する方々の参考にしていただけるよう会場の雰囲気だけでなく運営における課題と改善点もレポートしています。
▲第3回UE4 Tokyo Meetupの様子
■会場
会場は、東京都目黒区にある株式会社ドリコム様の無償セミナースペース「しぇあスペ」。お洒落なカフェスペースをお借りすることができ、十分な広さと落ち着いた雰囲気の中、イベントを進行することができました。
▲しぇあスペ
ドリコム様のご好意で飲料水を提供していただきました!
新たな取り組み
過去のTokyo Meetupは、100人~150人規模の参加者を募集し、ゲストスピーカーの方にトークをしていただくセミナーをメインとしていました。最新の情報を習得できる反面、交流要素が少ないことが課題となっていました。
そこで今回は、一気に方向性を変え、コミュニケーションをメインに据えたイベント作りにしよう!という話が持ち上がったのでした。
具体的には、発表者を募集し短時間で好きな事を話していただく「LT(ライトニングトーク)」、UE4の疑問点や処理の実装方法などを自由に議論する「ディスカッション」でスケジュールを構成しようという結論になり、運営やゲストではなく参加者の方主体で動けるMeetupを目指すことになりました。
▲ライトニングトーク
▲ディスカッション中、UEエディタを使った実演
■施策
今回は折角の方向転換ということで、試験的に取り入れた試みがいくつかあります。
1. 参加人数を減らし、全体でのディスカッションを実施する
今回のメインです。その場に参加している誰でも、質問をしたり説明に補足をつけたり、或いは意見に突っ込んだりといった発言が可能な全員参加型のディスカッションを試みました。
▲ディスカッション
事前に募集していた質問の他にも新たな議論などが生まれたり、UE4のエディタを使った実演や参加者の方のブログを元にした情報提供など、予定調和ではないライヴ感のあるセクションになりました。反面、全体で満遍なく発言があるという状況にはなりませんでした。40人という参加者の中で喋るのは人によってはハードルが高く感じるのかもしれません。余裕があれば参加者を分割し、グループでのディスカッションをするのも良いでしょう。
2. 機材の導入により、発表を気楽に
「EZCast Pro」という機材を導入し、誰でも無線LANで会場のプロジェクタに自分のPC画面を投影できる仕組みを試しました。これにより、いちいち壇上に上がる必要がなく自席で発表ができるため、画期的な試みと思われたのですが……。
当日変換アダプタの不良があり、画面が正常に映し出されず使用を断念することになりました。これについては次回以降正常に運用できるよう調整し、その上で再度試したいところです。
3. 参加者にUE4の習熟度を自己申告してもらう
参加者の方には入場時に名札をお渡しし、同時にカラーふせんを自分がどの程度UE4に習熟しているかで3段階から選んでいただきました。
▲入り口で名札とふせんを受け取ってもらう
これは懇親会などで話すときに、話のきっかけや仲間探しに利用してもらいたいという意図です。開催後に、「SNSアカウントなどにアクセスできるQRコードが欲しい」という意見もいただきました。
4. 「Discord」を使用した実況
チャットツール「Discord」にてTokyo Meetup専用のサーバーを設け、参加登録していただいた上で自由に実況や感想を書いていただくという試みを行いました。こちらは無料で使うことができます。
口に出して何か言うのは恥ずかしいけど、文章なら……というクッションや、LTやディスカッションの傍ら雑談やちょっとした野次といった感覚での利用を想定していました。
▲Discord上でのイベント中の会話ログ
Discord上での発言は次第に増えていき、最終的にはTwitterなどでのコミュニケーションをとるのと同じように砕けた掛け合いが生まれました。
時々ログが次々と流れる様子をスクリーンに写すことで賑わいを実感できましたが、常に雑談を会場に映し出すようにするのも面白いでしょう。テキスト発言を拾って議題に出すのもライヴ感があっていいかもしれません。
当然ながら、Twitterでの実況は減るため外から盛り上がっているのが見えづらくなります。とはいえ、テキスト上で一方通行で終わらない会話ができることは、会場でのもうひとつのコミュニケーションの軸として有効でしょう。
5. Amazon Prime Now
アマゾンプライム会員かつ、首都圏での開催でのみ使用できる最終手段です。アマゾンから1時間で物資が届きます。設営の段階で足りないものや忘れ物に気付いた場合、Amazon Prime Nowのサービスを使うことで間に合わせられる……かもしれません。
6. 展示コーナー
懇親会の間、自分のプロジェクトなどを自由に展示するようアナウンスしました。LTでの疑問点をPCを広げて説明したり、開発中のゲームを試遊したりといった光景を見ることができました。
▲会場にギリギリまで残って遊ぶ運営メンバー
■課題
進行に手間取ってしまいましたが、前回、前々回とは異なる新しい形のミートアップを示せたのではないかと思います。しかし、イベントにつきものの機材トラブルや、アンケート結果などを省みての課題があることもまた事実です。
1. 機材トラブル
イベントにつきもののアクシデントです。試験運用や設営段階でのテストによりある程度防げますが、会場の機材との相性もありますので予備の手段を用意しておくといいかもしれません。可能であれば会場の施設などを事前に確認したうえで、持っていく機材をチューニングすると良いでしょう。
2. アンケート結果
今回のミートアップ開催後、アンケートを実施しました。設問については、次の開催に活かせるようなものを選んでいます。選択肢を選ぶ質問より、直接記述していただく箇所があると生の意見が聞きやすいです。
幸い、今回様々なご意見やご感想をいただきました。以下は一例です。
・実際にゲームをつくる工程が見てみたい
・UE4全体を見るより、特定の機能に絞って解説する内容があるとよかった
・ハンズオンをやって欲しい
実際にUE4で何か作るような、実践型コンテンツを望む方が多い印象でした。次回の東京ミートアップでは、第1回で実施したような「ライヴノーディングバトル」(短時間でブループリントを使用し、作ったゲームを比べる)を行うかもしれません……!
3. ディスカッション
ディスカッションという試みについては、まだまだ当初目指したような雰囲気を出せていませんでした。誰もが積極的に発言する……というのは難しいですが、少しでも皆さんが参加でき、白熱した議論や話し合いができるように模索していきたいところです。
■その後の活動へ
今回開催したミートアップはあくまで入り口であり、その後の継続的な活動に繋げられるのが理想だと考えています。その日参加して終わりではなく、Web上などで交流や活動を続けられるようになると理想的かもしれません。ひとつの試みとして、Discordサーバーはイベント以来開放しており、UE4関連の質問や議論の場として使っていただけるようにしています。
最後に、ライトニングトークやイベントに参加していただいた方々、資料やドーナツ(!)の提供などのサポートを行ってくださったEpic Games Japan様、そして会場を提供していただいた株式会社ドリコム様に感謝を申し上げます。
Unreal Engine 4を使い活動し、交流したいと思っている方や、仲間を増やしたいと思っている方は、ぜひともUE4のミートアップを開催してみてください!