2018-6-5

『L.F.O. -Lost Future Omega-』制作秘話

作成 平松 早紀

「かつて人々が夢見ていた、今はもう無い失われた未来の世界」と、シンセサイザーで音を変化させるために使うエフェクトの一つ「LFO」の二つの意味が込められている、大福フューチャーラボのゲーム『L.F.O. -Lost Future Omega-』が2017年12月28日からNintendo Switchで遊べるようになりました。 今回Nintendo Switchへの移植を担当したプログラマーの立石さんにお会いし、原作者がゲームに込めた想いなどを交え、開発エピソードを語って頂きました。

Q1. 「L.F.O. -Lost Future Omega-」は、どういったゲームですか?

 

・ジャンルについて
画面奥に進んでいくタイプの3Dシューティングゲームです。 インスパイア元になっているのは、90年代前半のアーケードゲームです。アーケードゲームのようにさっくりとプレイすることが出来るシューティングゲームです。

 

・特徴について
音と光がゲーム内容にシンクロするのが特徴です。BGMに合わせて弾が当たったり、効果音が変わったりするリズムゲーム要素が入っています。 本作はUE4を用いており、美しい映像とともに音楽を楽しみながらシューティングゲームをプレイすることが出来ます。
 

Q2.どういう風にプレイヤーの皆様に楽しんでもらいたいですか?

シューティングですがリズムゲームとしての側面が大きいので、音に集中しながらプレイしてもらいたいです。ロックオンやホーミングを毎回変わるBGMに合わせて「今押したら気持ちいい!」というタイミングで押せば、もっと楽しめると思います。 適当にポチポチ押してプレイしたとしてもBGMや演出で補正して気持ちよくプレイができるよう狙って作られています。なので「イケてる気分」になって楽しんでもらいたいですね。

またアーケードゲームの様に気軽に短時間でさくっと何回も遊んでもらいたいです。 シューティングは苦手だけど音楽には関心がある、という人には無敵状態の「OKIRAKU MODE」でリラックスしながら遊んでもらって、慣れてきたら「NOMAL MODE」を選んでもらいたいですね。 おすすめはジョイコンを左右持ちしての身体全体を動かしながらのプレイです。
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Q3. Nintendo Switchで出すに至った経緯を教えてください。

「映像のキレイさ」や「音の気持ちよさ」がコンソールゲーム機に向いているのではないかと思いました。原作者である大福フューチャーラボさんに直接お声がけをし、パブリッシャーさんにつなぎました。私とパブリッシャーさんとで、このゲームを遊ぶのに一番面白いハードを検討していました。

その時にPC版の「L.F.O.」をプロジェクターに移して大音量でプレイしたら、プレイヤーは勿論、周りで見ている人たちも楽しんでいたことを思い出しました。一人で気軽に楽しむ遊び方も出来ながら、TVモードで大画面に映して遊ぶこともできるNintendo Switchがこのゲームの内容に一番合っているハードではないか、という話になりました。また最新ハードでのリリースに挑戦してみたいとも思い、そのまま開発させてもらうことが出来ました。
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Q4.チーム体制について教えてください。

PC版を作った原作者と、それをNintendo Switchに移植した私の2人体制です。デバッグやフォントの調整などの細かいサポートはパブリッシャーさんにやっていただきました。 2人だけなのでやりとりがとてもスムーズで、とても速く開発を進めることが出来ました。困ったことがあったらすぐに相談し、すぐに対処できるというのは少人数開発の強みですね。

Q5.UE4を開発で使用してよかった点はありますか?

「思った以上にそのまま動いた」という点ですね。想定していたよりもNintendo Switchに移植しやすかったです。移植に関するソースコードの書き換えという手間がほとんどなかったです。 もともとUE4を制作に使用したのは原作者が”最短経路で画がキレイなゲームが作れそう”と思ったからだそうです。UE4を使用したことでプログラマーとしてゲームの面白さの根っこに直結する部分に一番力を入れることができ、開発スピードはとても速く、そのおかげで発想の幅が広がったとのことです。

UE4を使っていて一番便利だったのは、ブループリントです。ほぼブループリントで作りました。ブループリントの理屈がわかればマテリアルも組めるようになる点もとてもよいですね。マテリアルを理解するとブループリントでも似たようなノードの組み方が出来るようになります。原作者はグラフィック側のプログラマーではなかったですが、UE4を使うことで多少は出来るようになり、工夫もいれやすかったと言っていました。 UE4は、Unreal Engine 4で極めるゲーム開発 や Unreal Engine 4 マテリアルデザイン入門 などの本を読み、Unreal 4 Tutorial: Advanced tron material といった動画を見て習得していました。おすすめはalweiさんのブログ Let's Enjoy Unreal Engine と同じくalweiさんの本 Unreal Engine 4 ブループリント逆引きリファレンスですね。またUE4 Marketplaceには安心して使えるクオリティのアセットが豊富で、とてもありがたかったです。
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Q6,今後の展開について教えてください。

英語版が2018年5月3日にリリースされました!海外の方にも楽しんでいただけると嬉しいです。翻訳はパブリッシャーさんにお願いしました。このゲームは翻訳する項目が少なく海外版をリリースしやすかったと思います。 「音を楽しむ」という、言葉がいらないゲームなのでどこの国の方でも楽しんでもらえるゲームになっていると思います。海外展開することが出来て本当に嬉しいです! 今回リリースした時にいただいたフィードバックを今後さらに活かしていきたいなと考えています。

Q7.興味を持っていただいた方に何か一言どうぞ!

このゲームに興味を持っていただいたことがとても嬉しいです。尖がったコンセプトのインディーらしいゲームがコンシューマーからリリースされるなんて想像もしていなかったです。こういうインディーゲームを家庭用機で楽しめるのがとてもありがたいし、嬉しいです。「L.F.O.」だけではなく他の尖がったインディーゲームも気軽に家庭用機で遊べる今の時代をみんなで楽しんでいけたらいいな、と強く思います。

インディーゲームを遊んだ人がインディーでゲームを作ってくれたらこの業界はもっと盛り上がると思いますし、そのきっかけとして「L.F.O.」があったらとても嬉しいです。小さい規模のゲームではありますが、これが一つ大きな爪痕を残すことが出来ればいいなあと思っています。私たちが楽しんで制作したものを、同じように楽しんで遊んでくれたらクリエイター冥利に尽きます。これからもインディーゲームを一緒に楽しんでいきましょう!

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