9.18.2018

UE4 がもたらす、 AnotherWorld VR による KOBOLD VR 体験への映画的リアリズムの実現

作成 Ken Pimentel

暗い。本当に真っ暗だ。ドイツの中心にある不気味な森の中であなたは立っており、ただ道を照らす懐中電灯のみを持っています。すると、あなたの目の前に、何年もの間誰も住んでいなさそうな、不気味な村が現れました。ドアはきしんだ音を立て、あなたを中へ手招きしています。その中へ入るのは躊躇われます。どんな恐怖が待っているのか想像つかないからです。でも、あなたはそこに「少年」がいることを知ってます……
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異教の神話、古代の迷信、ハッピーエンドではいつも終わらないドイツの古い寓話からインスパイアを受けた「 KOBOLD」(名前の由来は、プレイヤーが最終的に出会う恐ろしい怪物から)は、背筋がぞっとするようなトランスメディア体験であり、映画と VR ゲーミングの境界を曖昧にします。その VR 体験には短編映画が付属しています。それは、視聴者が仮想世界に足を踏み入れる前に、これから出会うキャラクターの紹介や、行方不明の少年とその家族についての背景を説明しています。

KOBOLD は最近、第75回ヴェネツィア国際映画祭で Interactive Content の Best Virtual Reality Experience にノミネートされました。また、英国のレインダンス映画祭、モントリオールの第47回 Festival Du Nouveau Cinéma in Montréal を含む、数多くの有名な祭典に参加する予定です。
KOBOLD では、プレイヤーが、自由に動くことができる没入感たっぷりの非常に現実感のある恐ろしい世界に浸れます。そして、手がかりを見つけて問題を解決し、選択肢を選んでいくことで物語の結末が変わっていきます。 KOBOLD は、ゲーマーと、新しいことを試してみたいホラー映画ファン両方に狙いを定めてアピールしています。そして、アーリーアダプターの叫び声を聞くに、それは成功していると言えるでしょう。最初に VR 体験をしたうちの一人は、「かなり目 を見張るような体験でした」と、語っています。「最後の瞬間、あなたが後ろを振り返ると、それが…その黒い正体がわかります...そう、奴だ!そいつが、あなたの方へやってきます。その時、あなたは自然に反応してしまうでしょう。」

ベルリンに拠点を置く AnotherWorld VR は、1年半かけて KOBOLD VR Experienceを開発しました。VR 開発者チームは熱心な10人で、 VR ストーリーテリング、プログラミング、レベルとキャラクター デザイン、フォトグラメトリー、モーション キャプチャ、フェイシャル アニメーション、空間オーディオ デザインを担当しています。「アンリアル エンジンで起こる目に見えない魔法を微調整しているのです。」と語るのは、同社のクリエイティブディレクターである Max Sacker 氏です。

VR での映画的リアリズム

AnotherWorld VR は、映画制作のバックグラウンドを生かし、ストーリーテリング、映画哲学、没入型ゲームの双方向性を重視した VR 体験の制作を専門としています。KOBOLD の目的は、 VR で映画的リアリズムを実現することでした。

「これはインディー開発者にはもちろんのこと、どのゲームスタジオにとっても無理難題です。」と Sacker 氏は述べています。ゲーム業界では「映画的リアリズム」のルールが破られることが多く、最終的な製品がプリレンダリングトレイラーに忠実ではないと彼は感じています。Sacker 氏と彼のチームは、 KOBOLD に対して希望を捨てませんでした。
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初期段階でフォトグラメトリーを実験した結果、実際のキャラクター、場所、物をスキャンすることで真の没入感が生まれ、最初に望んでいた結果が得られることを確認できたからです。RealityCapture を使用することで、大量の写真を迅速に処理し、高品質の 3D アセットに変換することができました。

現実感をさらに高めるために、チームは Faceware を採用しました。これによって、高度なマーカーレスのフェイシャル キャプチャ技術により、実際の俳優やキャラクターのフェイシャル ジェスチャをビデオカメラで撮影し、高い忠実度でデジタル ダブルに転送できます。「顔の表情の読み取りは、私たちが生まれた時から持っている本質的なスキルで、日々の生活の中で学び成長し続けています。ささいな表情の変化、笑み、顔のしわだけで、全てのことがわかります」と Sacker 氏は説明します。「仮想現実では現実世界と同様に、あらゆるディテールが無視できないので、フェイシャル アニメーションの現実感は体験の没入感を保つ上で最も重要です。」

俳優の動きを捉えるため、チームは Perception Neuron モーション キャプチャ スーツを採用しました。従来のシステムとは異なり、 Perception Neuron は動きを追跡するために特殊なカメラを必要としません。 代わりに、パフォーマーの頭、腕、胴、脚、足、個々の指に、簡単に固定できる硬貨程度の大きさのセンサーを使用し、 Wi-Fi を介して、ノートパソコンにデータ シグナルを効率的に送信することができます。そして、 Wi-Fi のシグナルを受信できる限り、モーション キャプチャ スタジオをどこでも自由に設定することができます。

全ての作業をアンリアル エンジンで

AnotherWorld VR は、非常にリアルな品質を維持する没入感のあるインタラクティブな体験と、現実世界のすべてのデータを一緒にまとめる必要があり、彼らはそれに大変な苦労を要しました。チームにとっては、彼らが目指していたビジョンと一致するエンジンは1つしかありませんでした。「 UE4 のグラフィックス、シェーダー、ライト、パーティクル、シネマティック ツールは信じられないほど高品質で、映画製作をしていた時から知っているツールセットによく似ていると感じました」と Sacker 氏は言います。

ムービー制作の際、アンリアル エンジンの違いについて、主演アーティストの Tom Kis 氏が下記のように喜びを伝えています。「映画のシーンを見る場合、最終的なレンダリング結果を見るには何時間から何週間もかかることがあります。しかし、 UE4 のリアルタイム プレビューアは最終イメージに近いため、時間を大幅に節約できます。新しいバージョンのエンジンでは、ビジュアルをさらに進化させることができました。」
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リード プログラマー Sandro Forster 氏と Spatial Sound デザイナー Takuro Sakomoto 氏は、アンリアル エンジンのブループリント ビジュアル スクリプティング システムのファンです。「私が UE4 で最も評価する機能の1つは、ブループリントで利用できる、時間ベースのフロー制御です」と Forster 氏は言います。「 [それを使うことで] 、時間依存のコードとスクリプト化されたシーケンスが完全に合わさったコードを、簡単かつ素早く書くことができます」と Sakomoto 氏は語っています。また、彼は、ブループリントを使用し、減衰アルゴリズムやオーディオ ボリュームを操作することで様々なサウンド オクルージョン システムも簡単に作成しています。

テクニカル アーティスト Jasper Stutterheim 氏は、アンリアル エンジンの際立つ特徴の1つであるにも関わらず、他と比べて目立っていないものについて、下記のように挙げています。「 3D 空間でカーブを編集できることや、それを必要に合わせて、さまざまな方法で操作や形状を変更できることです。それにより、UE4 上でコンテンツはより設計しやすくなっています」と彼は説明します。「この機能が特別なものであるとすぐには思えないかもしれません。ただ、汎用性があるので、開発者にとって非常に力強いです」

Sacker 氏は、チームでの経験を一言でまとめて、「アンリアル エンジンのおかげで、以前は不可能と考えられていたビジュアルやインタラクションの作成ができるようになりました」と述べています。
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