『トランスフォーマー』ゲーム三部作を誇るHigh Moon Studiosは、世界的な大ヒット現象で広く知られています。開発チームは、マイケル・ベイ監督の最新映画の原型となったトランスフォーマー:ダーク・オブ・ザ・ムーンの前作ゲームに携わったのみならず、Hasbro Toyの神話に深く関わるオリジナルタイトルにも精通しています。
シリーズ最新作『トランスフォーマー:フォール・オブ・サイバートロン』の開発に関わったリードプログラマー、Andrew Zaferakis氏は、スタジオがUnreal Engine 3技術に精通していたため、開発初日からプロトタイプ の作成等開発にしっかり取り組んでいくことが出来ました、と功績をたたえています。
Zafrakis氏は、「ここ数年間でエンジンに数多くの変更が加えられました。我々はボーン・コンスピラシーゲームを皮切りに、UE3初期からの利用者です。長年にかけてEpic社はエンジンに大幅な改善を加え、また我々はそれに対応してきました」と語っています。
フォール・オブ・サイバートロンのゲームディレクターを務めたMatt Tieger氏は、カスタムエンジン機能の一例が、ゲーム中のメタリックな表現に顕著に表れていること、またそれは大変な作業であったと指摘します。「いくつかの変更箇所は、トランスフォーマーのホーム惑星であるサイバートロンのメタリック表現に合わせる必要がありました。プレイヤーをメタリック調に表現したワールドへ導くためには、より精巧に制作する必要がありました。」
大絶賛をうけヒット商品となったトランスフォーマーゲームシリーズで最も成功を収めたワー・フォー・サイバートロンの後続となるフォール・オブ・サイバートロンは、スタジオが今までに手掛けた作品中 、最も意欲的に着手したゲームかもしれません。ストーリーの観点からは、ゲームにはより豊富な公式アニメコンテンツが盛り込まれ、トランスフォーマーが地球上に君臨する以前の歴史が明らかにされています。正と悪の関係に命を吹き込む壮大な戦いに、High Moon StudioはUE3を採用しました。
「レベルスクリプティング全作業は、キズメットに大いに依存しています。ツールボックスの使用により、弊社のコンテンツクリエーターがプレイヤーへ興味深いインタラクションを提供出来るようになりました。キズメットの簡易な拡張性能は、トランスフォーマー固有のカスタムツールを提供し、デザイナーによる更なるゲームのコントロールを可能としました。ゲーム内のシネマティックスにはマチネがほとんど使用され、ゲームプレイのスクリプト化されたイベントをより複雑なものに仕上げています。」とZaferakis氏は語りました。
「サイバートロンのランドスケープは、ワー・フォー・サイバートロンに比べ劣った状態にあります。惑星の広大なセクションが閉鎖され、偽装的コントロールが可能なエリアのみが機能性を持ちます。環境に多様性を持たせたことは、各設定に独自のスタイルが吹き込まれチームは非常に満足しています。環境つくりの成果は、過去のトランスフォーマーゲーム制作に関わった要員よりも小さなチームで遂行されたことを考慮するとより感慨深く感じます。」
「私が最もチームを誇りに思う点は、少人数チームで制作するにあたり、がむしゃらな働き方へ傾倒するよりもスマートに開発を進めてくれた点です。新たな技術の実装により、ゲームを終了したり再スタートすることなくゲームの実行中にコード変更を可能とし、結果をすぐさま見ることが出来ます」とTiegar氏は語っています。
Zaferakis氏「それぞれの新たな試みは、スタジオが前作から学んだ知識とコードベースに起因するものです。レビューアーやコミュニティから寄せられたワー・オブ・サイバートロンに関するフィードバックの確認に努め、推測に基づく開発ではなく、初めからこれらの寄せられた意見に基づいて変更を実装していく形をとりました」
High Moon Studiosはシリーズの最新作の制作にあたり、トランスフォーマーの各キャラクターと彼らを象徴する能力から直接インスピレーションを受け、ゲームプレイの機能や環境造りに活かしました。例えば、コミックや漫画の世界ではジャズは引掛けフックの技で知られています。チームはこの特徴はジャズのキャラクターや性格形成に重要な要素と考え、長期に渡る重労働の上ゲームプレイにこの技を実装しました。
「『トランスフォーマー:フォール・オブ・サイバートロン』における主要新機能は、マルチプレイヤーによるキャラクターのカスタマイズが可能なことです。ファンの皆さんは未だかつてないカスタマイズ機能を利用して独自のトランスフォーマーの構築が可能で、オンライン上のプレイヤー相手にバトルを繰り広げることが出来ます。このタスクの遂行には、各トランスフォーマーキャラクターの分解のための再認可が必要となります。再認可プロセスの一部には全キャラクターのテクスチャとシェーダーの改善が関連していて、ビジュアル品質に大幅な向上を見ることが出来ます。」とZaferakis氏は語っています。
困難な問題に直面した時などは、Epic社が提供しているUnreal Development Network(UDN)を知識ベースとしてチームが活用したとZaferakis氏は言及しています。また、UDNコミュニティは貴重な情報源として質問への回答、開発者が必要とするサポートをいつでも与えてくれたとも語っています。
最終的に完成した商品は、完全没入型トランスフォーマー体験を約束するものであり、戦争で荒廃したサイバートロンを背景に、プレイヤーによるトランスフォーマーの操作、味方の選定、マルチプレイヤーアクションへの参加が可能となっています。ゲームを作成するにあたっての再検討や再デザインは最新の技術をトランスフォーマーゲームへ組み込み、その印象的な存在感がHigh Moon StudiosとUE3によってもたらされました。