2011年1月25日

Unreal Engine 3 Pushes New MMO TERA Beyond Traditional RPGs

作成 John Gaudiosi

ファンが待ち望んだ、ソウル発のマルチプレイヤー オンライン ファンタジー RPG「TERA Online: The Exiled Realm of Arborea」は、180 名のスタッフで構成される Bluehole Studio のチームによって開発され、数多く発売されているほかの MMORPG ゲームを凌駕しています。これは、このゲームの開発に、クリエイティブな原動力と Unreal Engine 3 technology が活用されているからです。Bluehole Studio は、実績ある実業家 Byung-Gyu Chang 氏と、NCsoft 社の Lineage II の開発 (これにも Unreal Engine の技術を利用) を担当したプロデューサー、主任ゲーム デザイナー、主任プログラマー、アート ディレクターによって、2007年3月に設立されました。

「Unreal Engine 3 は非常に優れたエンジンで、当社の開発スタッフのほとんどが過去のゲーム開発で使用しています」と、Bluehole Studio の主任クライアント プログラマー Sung-joong Lew 氏は語ります。「Unreal Engine は、表情のレンダリングや高いパフォーマンスなどの不可欠な機能を備えると同時に、生産性の高い開発ツールも豊富に用意されています。また、技術の拡張能力も卓越しています。このエンジンの利点は、 Unreal Tournament 3 と Gears of War 2 の開発時に導入された各種機能が Unreal Engine 3 に自動的に導入されたため、開発者がその最新技術を直接利用できたことです。

Tera

本ゲームの技術アート ディレクター Shin-hyoung Im 氏は、氏のチームは UE3 の Kismet と Matinee を使用してゲームのオープニング シネマティックスを作成した、と述べています。モジュール化されているこの優れたエンジンのおかげで、チームは FPS に必要な機能を簡単に追加することができました。Im 氏はさらに、高度に設計された UE3 の 開発ツール によって、追加リソースも簡単に作成できた、と語っています。

TERA の開発初期段階にあった2007年、チームはいくつかの課題に直面しました。Lew 氏は、氏のチームが、このゲーム エンジンによって実現するとされていた開発生産効率に関して懸念を抱いていた、と言います。しかし Unreal Engine 3 には、ゲーム開発の初期段階でリソースの作成を可能にする、高度に構成された開発ツールが用意されていました。 「開発の初期段階でこのエンジンを使用したため、当時はバグに悩まされました」と Lew 氏は語ります。「また、MMORPG 用の広大な地形を 開発 するためのツールで動的にロードされる大量のデータを作成することも困難でした」

しかし、主要メンバーの過去の経験、そして Unreal Development Network およびその後の Epic Korea からの支援のおかげで、最終的に開発チームは UE3 の技術を最大限活用できるようになりました。

TERA

共同プロデューサーの Harns Kim 氏は、TERA Online の舞台となっている「Arborea」というファンタジー世界は、「Lord of the Rings」などの古典的なファンタジー物語や Blizzard 社のゲーム「World of Warcraft」、そしてギリシャ神話やローマ神話の影響を受けている、と説明します。

「創造の神が世界を創り、神の子供たちは戦争を起こして、最終的には全員が世界を離れていきました」と Kim 氏は述べます。「人間とその他の生物が地球上に残されましたが、去っていったはずの神の 1 人が地下世界に逃げ込んで新しい種族を創造しました。この地下種族が地上に進撃したため、人類と生物たちは、協力してこれに立ち向かうことになったのです」

この新しい MMORPG ゲームでは、アクションによってストーリーが進んでいきますが、プレイヤーはノンターゲッティング方式の戦闘に引き込まれていくことになる、と Kim 氏は確信しています。本作品の接近戦は、キャラクタの戦闘方法が攻撃範囲に依存する Xbox 360 や PlayStation 3 でのプレイ方式と似ていますが、TERA の遠距離攻撃では FPS のような照準が表示されます。

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「TERA の見どころは、ノンターゲッティング方式の戦闘モードです」と Lew 氏は語ります。「プレイヤーは、敵を選択することなく直接攻撃できます。これは、ほかの MMORPG と大きく異なる点です。この斬新な機能によって、リアルさと興奮度が最高に増します」

Lew 氏は、Unreal Engine 3 を原動力とする高度なハードウェア技術によって可能となったノンターゲッティング戦闘システムは、よりリアルタイムなプレイ環境を演出する、と説明しています。このゲームの中心的なアイデアのひとつは、「ゲーム専用機のプレイ スタイルを MMORPG ゲームに取り込む」というものだったため、開発チームは、この独自の戦闘システムの開発に集中的に取り組みました。この機能だけを見ても、TERA が、「World of Warcraft」などのビッグ タイトルを含め、現在発売されているほかのゲームとはひと味違うということがわかります。

ゲーム専用機のようなプレイ感覚に加えて、トレーラーを見たり、実際に TERA を起動してみると、Unreal Engine 3 によって実現した圧巻のビジュアルが真っ先に目に飛び込んできます。バラカやハイエルフなどの種族との戦闘や、ソーサレスやプリーストなどのクラスのプレイ、ファイヤー デストロイヤーや凶暴な野獣などのモンスターとの闘いなど、TERA では、あらゆる場面で息を呑むようなビジュアル表現を味わうことができます。

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「まず最初は、Unreal Engine の標準フォン シェーダーに用意されているディフューズ、ノーマライズ、スペキュラ、スペキュラ パワーなどの機能を活用して、キャラクタの肌の雰囲気と、実際のコスチュームの各種マテリアルの表現にベストを尽くしました」と Im 氏は説明します。「次に、このフォン シェーダーを若干調整して、TERA 固有の独特な色の表現に使用しました。キャラクタ デザイナーと技術アーティストは、このためにずいぶん長い時間を費やしてきましたが、この作業は現在も継続しています」

多くの MMORPG と同様に、TERA でも、プレイヤーの創造力が重要な位置を占めています。プレイ可能な全キャラクタは、完全にカスタマイズすることができ、ここにも Unreal Engine 3 のビジュアル能力が活かされています。詳細までわかりやすくカスタマイズできる World of Warcraft と同様に、TERA でも、顔、髪、声、服、武器、装備などのオプションを、各種族に設定することができます。肌の色、髪の色、刺青、髭、アクセサリなどは、マテリアルのパラメータを調節することによって可能になっています。

「TERA のような オンライン ゲーム の開発では、生産効率が主な懸念事項になります」と Lew 氏は語ります。「したがって、ハイクオリティなリソースを大量に開発できるような規模の大きい開発チームを結成するより、レンダリングに多くの最新技術を取り入れるように方針転換するのがベストだと言えます。Unreal Engine 3 のおかげで技術アーティストは、マテリアルを自由に編集してさまざまなビジュアルを作成することができました」

Bluehole Studio では、Epic Games の Unreal Development Network も活用されました。Lew 氏は、Epic やその他の Unreal 開発者からの、Unreal Engine 3 に関するメーリングリストとアーカイブ情報が役に立った、と述べています。

「当社には、開発チームの英語力と UDN の Web サイトの低速なトラフィックという問題がありました」と Lew 氏は指摘します。「しかし Epic Korea がオフィスを開設してからは、Epic Korea のチームが翻訳を支援してくれました」

TERA Online は 3 年間にわたってソウルで開発されましたが、最初からグローバルな MMORPG 市場をターゲットとしており、これが、Unreal Engine 3 が利用された理由のひとつです。

「韓国の MMO 市場は、非常に競争が激しくなっています」と Kim 氏は語ります。「この市場では、常に新しいビッグ タイトルが期待されており、ゲームには少数の新機能だけではなく、全体的なクオリティも求められます。TERA Online は、このようなすべてのニーズに応えられるものに仕上がったと思います。当社ではこの新しい代表作品について、開発初期の段階から、グローバル市場をターゲットとしていました」

TERA は、数多い MMORPG の中でも、UE3 技術を使用した最高レベルの最新作として、2011年に韓国で、2012年には世界各地でリリースされます。