芸術を表現したり、物語を語る事は、人の体験の核心となります。誰しも人は、自分の行動や言葉を通じて物語の語り手となっています。ただし、語る方法は急速に変化している - デザイナー、著者、クリエーターである Ariel Arias 氏はしみじみ感じています。
20 年以上に渡り本やグラフィック小説で未来の物語を執筆しているアルゼンチン出身の多才な彼は、今回 Totwise Studios と緊密に連携して、ホラーとサイエンス フィクションを新しいプラットフォームで見事に融合させました。
Arian と Studios チームは、The Hum という何とも不吉なタイトルのシリーズにおいて、未開拓分野である仮想現実の世界に The Hum:Abductions を始めとする体験を設定し、地球外での物語を繰り広げる試みに挑戦しました。
「仮想現実は巨大であり、我々にとって未開発の分野です。だから、心の底からわくわくします」と興奮気味の Arias 氏。「ただし未開拓の作業を進めていくために、迅速なプロトタイプが可能なツールが必要でした。」
最先端技術への追従は、どんなデベロッパーにとっても難しいですが、Arias 氏曰く、アンリアル・エンジン 4 というツールはユーザーが自由に ブループリント などを配置することができるので、Arias 氏もチームもこのような困難に正面から取り組むことができたそうです。
「まったく問題ありませんでした。ブループリントのおかげで、シーンとメカニズムはとても早く作成できるし、ペルソナとアニメーション・ブループリントを使えばパワフルなキャラクターも作成できるんです」と Arias 氏。
Totwise Studios では少人数のチームが、新しいコンテンツで恐怖感を確実に煽っていこうとしましたが、開発中は不安でいっぱいでした。
「私が UE4 を使い始めたのは、2014年3月の最初のリリースの時です。当時私は別のエンジンを使っていて、ブループリントには若干懐疑的でしたし、C++ に対しても少し不安に思っていました」と Arias 氏は説明します。「しかもツールが多すぎる。さぞかし扱いにくいだろうという目でエンジンを見ていました。」
ところが、Ariel 氏とメンバーはすぐに気がつきました。アンリアル・エンジン 4 は自分達が以前見たエンジンから大幅にアップグレードさている。そして使いやすさ、そして便利さは彼らの予想をはるかに超えていることに。
「すべての特性を理解するまでに数週間はかかりました」と Arias 氏。「先日、UE の経験を持たないプログラマとアーティストがチームに加わりましたが、2人ともすぐにエンジンについて理解できました。」
今ではチームも若干増員し、UE4 の機能を十分理解した上で、曖昧さを持たせたり、独特の雰囲気で自分達のビジョンを表現できるようなりました。
「シャドウ / ライトはそれ自体言語です」と彼は説明します。「ビジュアルのストーリー作りを良くしようと思うなら、これを理解しておくことが極めて重要です」
この考え方が、 The Hum のねじれたユニバースにしっかり反映されています。そして、自由に扱えるペイント パレットに、Arias はこの上なく満足していました。 「ライト / シャドウだけでなくエミッシブ マテリアルに関しても、UE のコンフィギュレーションはかなりパワフルです。そして、もちろんビジュアルも魅力的です。」
今現在スタジオでは The Hum の銀河系シリーズでのゲーム開発に尽力していますが、フィクションをまったく別の世界にも広げつつ、他の媒体や形式での物語展開も計画中です。
「我々はゲームだけでなくシネマティクス体験にも UE を使っています」と Arias 氏。「我々のユニバース (本、ゲーム、体験) は、我々が作成するクライアントの中でリリースされます。そこでは、UE4 で作成されたエイリアンをテーマにした短いシネマティックス カットシーンをご覧いただけます。」
アンリアル・エンジン 4 を使って、Ariel Arias と Totwise はユニバースを作成しています。技術的な限界が取り払われたので、サイエンス フィクションに少しだけサイエンス的な要素を加えて、複数のプラットフォーム上にフィクションを展開していきます。
2015 年にPC、Mac、Playstation 4 でのリリースが予定されている The Hum:Abductions に先立ち、Totwise Studios は今月後半に、エイリアン シリーズのシネマティクスをリリースします。
The Hum の詳細は、 http://thehumuniverse.com/ の他、 Twitter や Facebook でもご覧いただけます。