2017年4月12日

Robo Recall の OST の無料リリースが開始

作成 Daniel Kayser

今年の GDC 2017 の ‘State of Unreal’ オープニング セッションでリリースされ  大喝采を浴びた VR シューティング ゲーム Robo Recall は、Oculus Touch を使ったアーケード アクションとクリエイティブな戦闘で大人気を博しました。アンリアル エンジン 4 でビルドされた Robo Recall は Robo Recall Mod Kit による mods に完全対応しており、ゲームは Oculus Store で無料リリースされています。

この好調な滑り出しに続き、 エピック ゲームズは 最近の主要アップデートにおいて、‘Shooty Shooty Gun Hands’ というタイトルのボーナス オーディオ トラックをリリースしました。

エピック ゲームズは、Robo Recall ファンのみなさんに対して SoundCloud からのサウンドトラック完全版の無料リリースを発表します。‘Return to Sender’ や ‘Scrap Metal’ などのトラックに加えて、この無料サウンドトラックもゲームそのものに負けない迫力と個性に満ちています。  

エピック ゲームズの Seth Weedin に、サウンドトラックの作成、そしてそれがプロジェクト全体に与えた影響について語って頂きました。Seth はゲームプレイ メカニクスのスクリプト処理、音楽、テクニカル オーディオ統合、システム、チュートリアル スクリプト処理をはじめ、Robo Recall 開発で様々なタスクを担当しました。サウンドトラック制作に関する Seth のインタビューをお楽しみください。もっと詳しく知りたい方は、今週 Seth が行う  Robo Recall postmortem panel at VRLA  にもご参加ください。

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Robo Recall のサウンドトラック制作の人数および役割分担について教えてください。

Seth Weedin:開発全体を通して、音楽はすべて私が担当しました。ブループリントを使ったダイナミック ミュージック システムの書き出し、すべての音楽トラックおよび音楽アセットの構成 / 制作 / 実行、そしてギターの演奏です。ただ、最も重要なことは、チームのみんながフィードバックや意見を出してくれることです。これが何よりのサポートになりました。この音楽でいける、という感覚は彼らが教えてくれました。

サウンドトラックは、メタルとシンセ スタイルの様々な特性がうまく融合していますよね。環境音楽の挿入、そして熱いギターのソロで 80 年代のアクション映画そのものです。最初からこのスタイルを目指していましたか?それとも、ゲームを開発しながら具現化したのでしょうか?

S.W.:そうですね、ゲームが形を成してくると、音楽も具体化してきました。ゲームでは常に変更が生じるので、最初から何かを決めてしまうことはなかなか難しいです。ダイナミック サウンド システムでちょっとした変更をできるようにするメカニクスもあり得るのですが、アセットも新たな必要になります。でも逆に、音楽がゲームプレイを変えるかもしれませんね。すべて予定どおり、きれいに繋がって、速く仕上げることができました。

これだ、とひらめいた瞬間があります。オフィスにいる人達が OST の最初のトラックの中のリフ部分を無意識に鼻歌で歌い始めたのです。突然でした、本当に。1 日に 5 ~ 6 回は確実に聞きました。そこで私は、そのリフをベースとして、サウンドトラック全体に響かせてみました。

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サウンドトラックに影響を与えたビデオゲームやアーティストはいますか?

S.W.: Steve Vai と Joe Satriani の影響は大きいですね。10 年前に初めてギターを手にした時から、彼らの音楽をずっと聴いていて、今回のサウンドトラックでは、ギターの部分にかなりの影響を与えています。コンボの後に演奏される短いリフ、アクション中のドロップ D、即興のギターソロなどは、彼らの技から得たヒントです。

シンセとパーカッションについては、最近聴いている Perturbator と Kavinsky でしょう。彼らはとにかくすごいです。

プロセスについてですが、個々のトラックはどのように作成を始めましたか?

S.W.: 各トラックはスタンドアロンに作成します。そして制作のどこかでいつもの手順に合わせて細かく区切ってゲーム アセット (ダイナミック ミュージック、スクリーンの読み込み、スコア リフなど) に適用できるようにします。

まずはギターを自由に弾きます。練習するような感じです。私の音楽の中にギターが長い間存在していなかったので、新鮮な空気を吸った気持ちでした。思い通りに何かを実現させるためのギアや余裕をもったことが一度もありませんでした。即興を 30 分程度したら、きっといい考えが浮かぶだろうと期待してパーカッションとシンセの作業に取り掛かります。

コンセプトがいい感じになったら、すぐに作業を中断し、そのトラックをゲームに入れて、どんな感じになるのか確かめます。こうすることでチームからも意見がもらえます。初期段階ではこれが非常に貴重なのです。この時点でゲームとぴったり合うのであれば、そのトラックで作業を「開始」したと判断し、そのまま反復処理と仕上げ作業を行います。

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このサウンドトラックでは、どのような楽器と装置を使用しましたか?

S.W.: (Tommy が Floyd Rose FRX を後付けしてくれた) Gibson Les Paul Studio を Vox AC15 アンプにつなげ、そこからオーディオ インターフェースと FL Studio に直接送りました。ステレオ効果を強く出すために、ほとんどの部分で左用と右用に合わせて 2 回録音しました。

装置 / ソフトウェアに関しては、OST のすべてのトラックは、私が 10 歳の時から使っていた FL Studio を使って制作しました。プロジェクトのシンセでは、Harmor と Serum が気に入っています。

このような素晴らしいサウンドトラックを作り上げる最大の楽しみは何でしょうか?

S.W.: お褒めのお言葉、ありがとうございます。そうですね、正直なところ、サウンドトラック制作中の最大の楽しみは、実際プレイした時に、ゲームとサウンドトラックが一緒に進化している様子を見た時です。綱引きしていた両者が、ある日ぴったり意気投合してプレイしています。ゲームとサウンドトラックはもはや別々の存在ではなく、一心同体となっているのです。本当に素晴らしい仕上りです。みなさんにぜひ楽しんで頂きたいと思っています。

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Robo Recall 公式サウンドトラックは  Epic Games channel on SoundCloud でお聞き頂けます。Robo Recall の詳細については、 このゲームの公式ウェブサイト をご覧ください。