2014年12月10日

「RED:OUT」 by 34BigThings

作成 Valerio Di Donato

34BigThings」は言うなれば、少しゴチャッとした冒険のようなものです。無論、私にとっては特別な物ですが、単なる「インディ系開発会社のひとつ」というレッテルだけではとても言い表せません。

実際の作業空間である当社が 22 ヶ月前に生まれた場所は、3 人の創設者のリビングルームでした。別のオフィスを先日借りたばかりであり、近々そちらへ移る予定ではありますが、現時点での「34BigThings」は、15 名の人間がリビングルームで働いている状態です。

良識に反してイタリアへと戻り、ゲーム開発という冒険に出かけようと決めた時、私達は自分達の求めていた「やる気」を見出すことができました。その後、私達は 3 回のゲームジャムを企画し、デジタルアート学校とのコラボレーションを開始し、スピーチなどを行い、またゲーム業界で働く人々がつながったり協力して才能を伸ばすための開発者団体「T-Union」設立に力を入れました。

そういった数々の出来事を経て、この近未来レーシング ゲームの小型プロトタイプが出来上がりました。私達のチームではみんな「F-Zero」が大好きで、「Rollcage」のようなゲームを懐かしく思い、当然「Wipeout」にもその影響を受けています。同時にこのゲームを単に決まったレールの上を走るレースゲーにはしたくありませんでした。私達が求めていたのは物理演算にさらに重点を置き、十分なスピード感、広大ながらもローポリゴンな風景、タイトな操作感を備え、そして何よりも一貫して 60fps で描かれる純粋なアーケード ゲームでした。そして初期の作業で好ましい結果が得られたため、そこからプロトタイプを一つ二つと作っていきました。

エピック社が新しい価格に関する方針を打ち出してくれたのは、当社にとっては正しく僥倖というべきタイミングでした。 そしてアンリアル エンジン 4 はやるべき仕事をこなすのにピッタリのツールでした。以前に UDK で作業した事もあり、簡単に扱えるとは言い難いソフトウェアだったものの、そこから得られた結果はいつも驚くほど優れた物になったのも事実です。「たしかにアンリアル エンジンは初めは難しい。だがキューブを放り込めば、それはこれ以上になく美しい」というのが私達の感想でした。

そしてその美しさは今も維持されて続けています。

最初の数個のプロトタイプは、すべてブループリントで構築されたものでした。ちなみにこのプロトタイプというのは、単なる自動ドアやグラフィック メニューの事ではありません。完成された稼働する浮遊型レーシング ビークルをブループリントのみで作り出すことが出来たのです。たとえば私達の初のプレアルファ段階のゲームプレイ映像などは船がブループリントからの導入段階にあった頃に録画したものであり、ゲームフェアにブループリントのみのプロトタイプを持ち込んだこともありました。制作の早期段階において、ある程度の結果を生み出せたのは私達のチーム全体にとって大きな自信の源になり、また私達がゲームを通して伝えたかった感覚をピンポイントで掴むことができました。

アンリアル エンジンの地形システムの中で、私達が最も重宝したのが「スプライン エディタ」でした。ソースコードへアクセス可能というメリットと組み合わせることで、私達のニーズにより良く適合させた形にエディタを編集・強化することができました。実は「Red:OuT」ではレース用トラックをスプラインで描いており、このツールはデザインに柔軟性を与え、またコードから直接制御することができる非常に使える道具でした。例に、いかなる時もプレイヤーがスプライン上のどこに居るかを簡単に把握する事が可能だったりします。

そして今度はエピック社から EGX でのゲーム展示許可を頂きました。好意的なフィードバックと本プロジェクトに対する期待を沢山いただくことができ、気分がとても爽快になったイベントでした。そして何か乗り物を楽しく乗り回すことが出来るようになってからは、ゲームの枠組みに十分なほどの余裕のある馬力をもっていると理解しながら、レース用トラックのデザインや既存のシナリオ調整とシナリオ作成、楽しい視覚要素やカメラ エフェクトの追加、船やゲーム モードの追加などに注力することが可能となりました。

私達の旅はまだまだ始まったばかりだと思います。そして皆さんもこの旅に一緒に付いてきてくれたら幸いです。最新情報については私達のツイッター アカウント @redoutgame をフォローしていただくか、私達のウェブサイト 34bigthings.com をご覧ください。