7.31.2018

プラットフォーム ゲーム、謎解き、ステルスの要素を兼ね備えた PLANET ALPHA

作成 Shawn Petraschuk

Unreal Dev Grants プログラムは、2015 年にエピック ゲームズによって創設された、500 万ドルの開発資金を提供するファンドです。毎年、選ばれたデベロッパーとクリエイターに、用途制限のない資金援助を行っています。Adrian Lazar 氏は、初年度に資金を獲得した 1 人です。野心的なプロジェクト、PLANET ALPHA の資金を得た Lazar 氏は、これをきっかけにして、パートタイムで情熱を注いでいた自主制作プロジェクトを、フルタイムの開発スタジオへと進化させました。そして、間近に迫った 2018 年 9 月 4 日に、PLANET ALPHA を、PC、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch 向けにリリースしようとしています。

昼夜を切り替えられる独特な仕組みを持つ PLANET ALPHA は、プラットフォーム ゲーム、謎解き、ステルスの要素を兼ね備えています。アンリアル エンジン 4 で創り出されたカラフルな環境を舞台に、プレイヤーは、あらゆるサイズの生物が暮らす生い茂った森林、危険に満ちたミステリアスな洞窟、浮遊する魔法の島と神話や伝説に登場する空飛ぶ巨大なクリーチャーなどに立ち向かいます。あらゆるところに生き物がいて、視覚的な楽しみに満ち溢れています。

リリースが迫るなか、Adrian Lazar 氏にお時間をいただき、PLANET ALPHA が個人的なプロジェクトから新スタジオ初の待望の作品へと発展していった様子について、話を伺いました。また、豊富な経験を持つ Lazar 氏に、若いデベロッパーが何を学ぶべきかのアドバイスをいただき、過去 4 年間で最も役立ったアンリアル エンジン 4 のツールを教えていただきました。
PLANET ALPHA のために、小規模ながら優秀な人材を集めたチームを作られましたね。独立系の企業として開発に取り組もうと思われたきっかけについて教えてください。

32 歳で自分のゲーム開発スタジオを立ち上げるまでに、約 14 年にわたって、さまざまな規模の企業 8 社で、誰かのために働いてきました。それで、とにかく何か新しいことをしたいと思っていました。

2 年かけて、プロジェクトの資金にどうにか目処をつけてから、2016 年の初頭に、コア チームに 2 人を採用しました。どちらも、以前の職場で一緒に働いたことがあった人たちです。合計で 7 人が PLANET ALPHA の開発に関わりました。

協力を通じて、ゲームの品質はとても考えられなかったレベルまで引き上げられました。これからもこのスタッフとゲームを作っていきたいと考えています。

PLANET ALPHA をご存知ない方たちのために、ゲームの構想を紹介してください。

PLANET ALPHA はアドベンチャー ゲームです。活気のある見知らぬ世界が舞台で、そこでは、プレイヤーは昼夜のサイクルをコントロールできるという特殊な能力を持っています。高スピードなプラットフォーム ゲーム、謎解き、ステルスの要素があり、独自のアート スタイルと合わせて、記憶に残るエクスペリエンスを生み出しています。

簡単に説明するなら、こんなところでしょうか。ですが、本当に期待しているのは、このゲームが、業界自体と同じくらい古くからあるジャンルに対する新しい取り組みとして受け止められることです。魅力的であると同時に興味深い場所にプレイヤーを導くエクスペリエンスとして見てもらいたいと考えています。Screenshot_02.png
PLANET ALPHA のトレーラーを見て、まず印象的だったのは、世界が生き生きとしていたことです。生きているように感じられるような環境を創り出すのは、どのくらい難しいことでしたか?

PLANET ALPHA の開発では、数えられないほどのイテレーションを行い、一度はゲームの方向性を完全に変えたこともありました。しかし、活気のある見知らぬ惑星で立ち往生したような感覚、これは最初から最後まで変わらなかった数少ない点の 1 つです。当初から、それを目標として意識しつつ、チームとワークフローを構築しました。また、どのアセットを作成するときも、この感覚につながるようにしました。

小さいチームであるということは、全員がさまざまな役割を担う必要があるということを意味します。このことは、私たちが作ろうとしているタイプのエクスペリエンス、見た目もゲームプレイも多様なものにとっては、非常に好都合でした。


PLANET ALPHA は、プラットフォーム ゲームとユニークなパズルの要素を兼ね備えているようですね。PLANET ALPHA のゲームプレイの仕組みについて教えていただけますか?

個人的なプロジェクトとして始まったゲームであったため、開発のいくつかの手順をスキップしました。たとえば、ゲーム デザインの本格的なドキュメントは作成しませんでした。その代わりに、ゲーム自身が自然と発展するのに任せて、アイデアから別のアイデアが生まれるようにしました。これは、ストーリー、環境、ゲームプレイに当てはまります。これらは互いを発展させていきました。

プラットフォーム ゲーム、謎解き、ステルス、探索といった要素を併せ持つようにしようと最初から計画していたわけではありません。状況によって異なるアプローチが必要になっていった結果、今のような複数の要素を持つゲームプレイができあがりました。

たとえば、元々は、プレイヤーは銃を持っていて、戦うことができました。しかし、プロダクションの半ばで、銃を持たせることは止めました。もちろん、そうするとプレイヤーが敵に打ち勝つための別の方法を見つける必要があります。そこで、ステルスの要素や環境を利用する能力を追加しました。

同時に、プレイヤーが強制されていると感じないようにするために、異なる仕組みをできるだけ自然に取り入れることが重要でした。たとえば、馴染みのない暗いジャングルの中では、落下して死ぬことよりも、何かに食べられることを心配するべきです。反対に、浮いている不安定な島の上では、足元に気をつけるべきです。高いところですからね。
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Unreal Dev Grants で資金を受け取ったということは、チームにとってどの程度の意味がありましたか? PLANET ALPHA の開発にどの程度役立つ支援となりましたか?

そもそもスタジオができたのは Unreal Dev Grants のおかげですから、とても大きな利益がありました。

2013 年に PLANET ALPHA の開発を始めて、それから約 2 年間、ゲームのプロダクションに必要な資金を集めようとして、うまくいかない時期が続いていました。しかし、2015 年の初めに Unreal Dev Grants から資金を受け取ると、そこからはとても順調に物事が進みました。

その資金を活用して、Indie Prize Singapore にプロトタイプを提出することができ、そこで Best In Show、Most Promising Game in Development、Best Game Art の 3 つの賞を獲得しました。賞を獲得したことで、投資家を見つけることができ、PLANET ALPHA のプロダクションの資金を調達できました。また、ゲーム開発スタジオを設立することができました。

2 年間の挑戦の後に、Unreal Dev Grants のおかげで、わずか数か月のうちに、パートタイムでのゲーム開発から開発スタジオの設立まで辿り着くことができました。

アンリアル エンジン 4 を使うようになってしばらく経ったかと思います。これまでに最も気に入っているツールは何ですか? それはなぜですか?

アンリアル エンジンのノードベースのアプローチは、私にはぴったりです。これまでのところ、最も気に入っているツールはブループリント システムです。

元々、PLANET ALPHA は Unity で開発を始めたのですが、しばらく経つと、私の C# のスキルが低かったせいで、プロダクションの品質に問題が生じるようになってしまいました。それで、一度はプロジェクトを放棄しました。しかし、その数か月後に、アンリアル エンジンがプライベート ベータでなくなり、ブループリント ビジュアル スクリプティングを試すことができました。

多くの人が、ビジュアル スクリプティングがゲームの開発方法として有効なものになり得るということに気乗りがしないようでした。私もその 1 人でしたが、それでも、できるところまではビジュアル スクリプティングでやってみることにしました。それから 4 年経って、PLANET ALPHA の 90 % はブループリントで作られました。ブループリントを使っていない主なところは、主人公の移動のシステムです。これは、才能あるフリーランスのプログラマー、Fernando Castillo 氏が C++ で開発しました。

ビジュアル スクリプティング システムは、簡単に使い始めることができるので、ひとりひとりがさまざまなシステムをすばやく開発し、プロトタイプを作成できます。これもまた、私たちのような規模のチームにとっては大きなメリットです。
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PLANET ALPHA の昼夜を切り替える能力について言及されているのを目にしました。この能力は、プレイヤーのゲームプレイにどう影響しますか?

惑星を回転させる仕組みは、早い段階で取り入れました。すべてのほかの仕組みをつなげると同時に、ゲームを独特なものにする機能を探していました。

私は数年前にスカンジナビアに引っ越してきて、長時間続くカラフルな夕暮れに魅了されました。太陽が地平線の下に沈み、空には鮮やかな影が散りばめられます。大規模で、しばしば劇的でもある転換です。アーティストとして、これをゲームで再現したいと思い、昼と夜のサイクルを実装しました。

ゲームプレイの面では、昼と夜のサイクルは、プラットフォーム ゲーム、謎解き、ステルス、探索から成るゲームプレイのあらゆる面に影響します。プレイヤーは、クエストを進めるために昼夜の変化を活用する必要があります。たとえば、暗い森の中で日差しを求めて伸びるキノコを足場として利用したり、危険を感じると酸性の爆弾を吐き出す植物を利用して敵の気をそらしたり、あるいは敵を倒したりすることもできます。
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これから初めてアンリアル エンジン 4 での開発に取り組もうとしている方向けにアドバイスをいただけますか?

私の場合、アンリアル エンジン 4 を使い始める前に、いろいろとほかのソフトウェアを使った経験があったので、アンリアル エンジン 4 はとても理解しやすいと思いました。しかし、ゲーム開発を初めたばかりの人がアンリアル エンジンにおじけづいてしまう気持ちもわかります。初めは複雑すぎると思うかもしれませんが、その複雑さが、いずれゲームの品質と開発スピードを上げるために役に立つようになります。ですから、複雑さは利点であると考えましょう。それが私からのアドバイスです。

PLANET ALPHA の最新情報はどこで確認できますか?

いろいろなところでご覧いただけます。公式 Web サイトでは、ゲームの最新情報をお届けしているほか、ニュースレターの購読手続きができます。もちろん、ソーシャル メディアでも情報をお届けしています。TwitterFacebookInstagram をご覧ください。また、YouTube のチャンネルでは、最新のビデオをご覧いただけます。

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