2015年3月30日

NewRetroArcade - 始動

作成 The Digital Cybercherries Team

ネット上にあふれている多数の動画をチェックした後に、最高品質のゲームエンジンの1つと注目したアンリアル・エンジン4を初めて使用してみたのは2014年8月末頃でした。チームメンバーの一人が、たまたまRedditでブループリントエディタとマテリアルブレンディングのデモを見るまではエンジンの採択にあまり本気ではありませんでした。迅速な プロトタイプ作成がもたらす無数の可能性はいうまでもなく、アンリアルエンジン4の使いやすさが最終的にエンジン採択の決め手となりました。他のゲームエンジン(UDKも使ったことがありません!)で開発経験を積んできた開発者は、正直なところ全く新しいデザインとインターフェースに対応する時間がしばらく必要だと思っていました。でもオンライン上にアップされているいくつかのチュートリアルを参考にしてみると、すべてがうまくいきました。あっという間に開発環境に対応してくれたUE4は我々に適していると確証しました。

初めてUE4 を使用してから間もなく、 NewRetroArcade の開発が始まりました。当初は、RenderTargetを用いて撮影されたブループリントシステム、インゲームアクタとオブジェクトを用いてアーケードOculus デモとしてスクリーン上に描画させることにより、アーケードの全ゲーム開発はすべて手動で行う予定でした。そして見事成功しました!弊社のアーティストがアーケードゲーム用に再生する素晴らしいデモを作成してくれたおかげで、しばらくの間は本当にうまく機能しました。でもゲームプレイがピッタリ合わなくて、次のステップとしてダーツ、バスケットボール、その他にも10ピンのボーリング場などの実社会に存在するアクティビティを実装したのです。でも一度これらの機能を追加すると、周囲は音楽が流れる「フェイク」のアーケードマシーンにインタラクションやプレイ可能なゲームが無い状況になるため、最高のゲーム体験となりうるはずの没入感が失われてしまったのです。そこでUE4をC++コード側から徹底的に調べた結果、VS2013が提供する非常に優れた設定を利用すると、今以上のアーケードゲームを作成するための、アンリアルエンジンのコンパイル作業や外部ライブラリの統合がとても簡単だと気づいたのです!

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Game Boy エミュレーターを搭載するNewRetroArcade バージョン1は、それぞれのアーケードマシーン内部でインスタンスを初期化、ゲームをロードしてプロシージャルテクスチャへピクセルデータを出力します。これらが完全に機能するまでの作業には約2日間かかりました。C++のプロトタイピングとホットリロードは、ピクセル演算のテストがとにかく速い上にUE4のソースコードへアクセスが可能であるため、エンジンで表示するビジュアルを得るためにテクスチャやRTIシステムを正しく運用する事例がエンジン内ですぐに見つかりました。

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リリース後に NewRetroArcade をさらに向上させて欲しいとのリクエストをたくさん受けました。最終的には根負けして、さらにいくつかの機能の開発を再開しました。適正かつ正確なエミュレーションのサポートを追加した後に、DLLのロードや優れたLibRetro エミュレーションシステムと機能させるために、従来よりも最適化したシステムの構築を行いました。その後ははアーケードアートをすべて作り替えて、リアル MAME、NES そして SNES エミュレーションをデモへ投入して、新規コンテンツにふさわしい最高のアセットを作成しました。NewRetroArcade の制作には約3か月に匹敵する実働時間を要しました。バージョン1は開発の初めから終わりまでに2か月かかりましたが、その間の開発メンバーは同時にUE4を学習にも取り組んでいました。UE4の高速なプロトタイプ化、ゲームテスティングやビジュアル面に勝るエンジンはなく、いまだに驚きを隠せません。エンジンの偉大さはゲームをリリースした時に強くアピールされたと思います。

チームメンバーの大部分が、Oculusゲーム制作の原動力となるバーチャルリアリティの大ファンなんです。もはやバーチャルリアリティゲームの開発もUE4によるノンバーチャルゲームの開発も困難ではありません。大部分の作業が終了した後に、ゲームをより最適化する方法についてエピックのデベロッパーから得た有益なヒントのリサーチに時間をかけました。アセットと背景を慎重に高速にするためのリアルタイム調整を行ったところ、フレームレートが30FPS近くに向上し、さほど強力ではないシステム上でも文句なく実行し素晴らしい形に仕上がりました。

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UE4との出会いは、当時開発中であったゲームの開発に適したエンジンであるかどうかのテストという形でしたが、アーケードゲームの開発に多大な労力と努力を注ぎ込んで、とても楽しく有意義な経験になりました!それもこれもアンリアルエンジン4であったからだと思います。正気とは思えないほど少ない時間で、開発に必要な全てを成し遂げることができました。時間をかけてエンジンに手を加える必要はもうありません。新規機能やアセットの追加が毎日追加され、プロジェクトが拡大していることを視覚的に認識しています。チームは今後のプロジェクト開発にますますモチベーションが高まっていて、UE4を利用した開発を楽しみにしています。

NewRetroArcade は、弊社のウェブサイト http://digitalcybercherries.com/ からどなたでもダウンロードできます。

Twitter - @DCybercherries