Deus Ex (デウスエクス) のコンセプトに触発されたこのホールウェイ (廊下) のシーンは、UE4 のサブスクリプション契約が有効であればどなたでもマーケットプレイスからダウンロードできます。以下のゲストブログは、Quixel's CMO Wiktor Öhman によって投稿されました。
最初に考えたこととプラン
私はずいぶん前から UDK と Quixel ツールの熱心なユーザーですが、ここ数年で、かなり優秀なワークフローを確立して、それほど手間をかけずにアイデアを試し、イテレートすることができるようになりました。
私がアンリアル・エンジン 4 を利用できるようになったのは、頭の中で明確化していたこの Sci-Fi Hallway という新たなプロジェクトに取り掛かろうとしている時でした。そこで、これまでの DDO → UDK というワークフローが、Quixel SUITE → UE4 というワークフローにうまく移行できるかどうか調べてみることにしました。結果は、信じられないくらい上手く行きました。
私が Deus Ex のコンセプトに基づいて環境を作ろうとしたのには、2 つの理由があります。1 つは、Deus Ex がとても好きだったからです。第 2 には、非常にきれいでメタリックなサーフェスが、テクスチャリングするにも、ビジュアル的に面白いものに仕立てるにも難しいものであると分かっていたからです。
開始から 2 日
UE4 を使った最初の 2 日間は、主にビデオチュートリアルのシリーズを見て、ドキュメンテーションを通読しました。それによって必要な情報を本当に得ることができました。あらゆる事柄がとても合理的で、理解しやすいと思いました。
タイルの 1 つをモデリングし、タンジェント空間の法線マップ、AO マップ、オブジェクト空間の法線マップ、グラディエントマップ、カラーマップをベイクしました。さらに、法線および AO にディテールを追加しました。この過程は、新たな NDO (Photoshop 内の法線マップをデザインおよびスカルプトするための、Quixel SUITE のツール) を代わりに使用すると、余計な時間がかかったことでしょう。
次に行ったことは、非常に興味深いものです。テクスチャリングです。UE4 で私が心配かつ楽しみにしていたことの一つに、新たなシェーディング システムがあります。私はまだ PBR (物理ベースのレンダリング) でシーン全体を作成したことがありません。また、UE4 でテクスチャがどのように処理されるのか全部を理解しているわけでもありません。とにかく、DDO を使ってタイルを手早くテクスチャリングしてみました。これには約 30 分かかりました。次にこれを UE4 にインポートします。
まず、非常に基本的なマスター マテリアルを作成することから始めました。これは上手くいきました。そのままでもとても見栄えがよく、とてもほっとしました。あのワークフローがほとんどそのまま使えたのです。ただし、このワークフローとマスターマテリアルに少しばかり変更を加えたくなりました。エンジン内で反射率を素早く調節できるようにしたかったのです。
マスターマテリアル
私が目指したものは、マスクに基づいて反射率の値とカラーをスピーディーに微調整できる機能でした。各チャンネル (RGB) に 2 つの値をもち、Alpha に AO をもつマスクを作りました。この 2 つの値は 50% のグレイと 100% のホワイトです。それから、これらの値をマテリアルエディタで分離して、ベースとなるカラーマップ、スペキュラマップ、メタリックマップ、ラフネスマップの領域をマスクアウトするために使用しました。
これで 6 つの異なる「マテリアル グループ」ができたので、素早く値を調整できるようになり、リアルタイムに編集可能な数種のマテリアル タイプが単一のマテリアルに備わるようになりました (プラスティックやガラス、金属など)。
この時点で、このマスターマテリアルにとても満足しました。ただし、作ったアセットを近くで見た時、クローズアップのショットのためにはミクロなディテールが必要だと気がつきました。最初に頭に浮かんだのは、ディテール法線を追加することでした。しかし、すぐにこのやり方は却下しました。これを使って得られる結果に満足したことが一度もなかったからです。その代わりに、DDO についてきた Megascans マテリアル ライブラリを調べて、先のマテリアルの 1 つに関連するラフネス マップの 1 つを取り上げ、このラフネス マップを、アセットのために作成されたユニークなラフネス マップに結び付けました。
このようなことを試したことは一度もなかったため、どのようなものが期待できるのか分かりませんでした。しかし、マテリアルを保存してプレビューすると、実に素晴らしく見えたので、このやり方を採用することに決めました。
最終的に 2 種類の Megascans ラフネス マスクを (または 好みに応じて scuff マップを) シーンに使用することになりました 。1 つは、サテン仕上げステンレスであり、もう 1 つは、傷のついたアルミニウムです。ターゲットのサーフェスに応じてこれら 2 つを切り替えます。これらのスキャンは、DDO を使ったユニークなテクスチャリングにも使用され、リアルできれいなサーフェスを簡単に作ることができました。
まとめ
全体として、フラストレーションを感じる瞬間はまったくなく、極めて快適でした。Quixel SUITE とアンリアル・エンジン 4 の互換性が高く、とても満足しました。
最終的には、シーン全体をテクスチャリングするのに、5 時間までかかりませんでした。シーンを整え、ライティングすることは簡単でした。新たなマテリアルエディタは、とてもとても素晴らしいものでした。4 週間後にはすべてができあがりました (すべてのアセットを最初から作る時間を含めてです)。私にとってこのことは、次のようなことが証明されているように思われました。つまり、UE4 と Quixel SUITE が信じられないくらい早く覚えることができるということ。それから、これらのツールによってクオリティと効率が両立できるということが、です。
ついでにお話すると、ファンをアニメートする時に少しばかりブループリント システムを試す機会があったのですが、キズメットよりも格段に簡単に使うことができると分かって、心地よい驚きを覚えました。必ずや、この新たなスクリプティング システムを使って、もっと複雑なものを作ってみるつもりです。
UE4 は、あらゆる分野ですごいステップアップを果たしたと思います。
私たちのフォーラムで、このリリースについて他のデベロッパーたちと語ってみませんか?