2014年8月22日

マーケットプレイス新コンテンツ: Landscape Mountains

作成 Thomas Browett

この雪に包まれた山岳環境は、Unreal Engine 4 のランドスケープおよびフォーリッジツールを使って出来る事をショーケースするために作成されたものです。テレインの大きさはおよそ 5 km × 5 km ほどで、高い峰や曲がりくねった谷、凍り付いた湖、何千本もの樹木からなる森で構成されています。

ランドスケープの造形

ランドスケープの造形

このシーンの高さマップとレイヤーマスクは、隆起や積雪など様々なエフェクトを活用してリアルな環境を生み出す事のできる「World Machine」という手続き型地形生成プログラムを使って作成されました。

World Machine での生成後、テレインの高さマップとレイヤーのテクスチャを UE4 のランドスケープ システム経由でエディタにインポートしました。次にランドスケープ ツールを使い、造形とレイヤー ペインティングを追加して一部箇所を調整しました。

アーティスト Ryan Brucks 作成の「Landscape Mountains」素材は、ランドスケープのレイヤーマスクを使うことで岩・草・雪の各テクスチャ セット間がブレンドされるように設定されています。またテクスチャ情報に基づいてレイヤーを自然にブレンドし、遠くから見た時のタイリングの出現を抑えるため、複数のマテリアル関数を併せて作成しました。

フォーリッジのペインティング

フォーリッジのペインティング

樹木や岩石のクラスターは UE4 のフォーリッジ ツールを使って追加しています。このツールは数百種類ものメッシュを、スケール・方位等の設定をランダムにして素早く地表上にペイントできるよう設計されています。またフォーリッジ ツールではランドスケープのレイヤーをマスクとして使用する事が可能になっています。例えば、特定のフォーリッジ メッシュを草レイヤーにのみ表示させたい場合、エリアのペイント時にこのメッシュは岩や雪のあるエリアには配置されません。

フォーリッジ システムを利用するもう一つの利点が、インスタンス化されたスタティック メッシュです。これらはクラスターとして自動的にグループ化されます。各クラスターが必要とするドローコールは、それぞれのクラスターにではなく、単一のメッシュに対応するものだけとなるため 、レンダリング コストを軽減する事ができます。

今回はさらに樹木メッシュの LOD を設定し、最もディテールの低い LOD メッシュを平面ビルボードにする事でさらなる最適化が可能となりました。これら機能のおかげで比較的密集していながらも、遠距離から見た場合には非常に安いコストでレンダリングできる森を作成する事ができました。

なお樹木のビルボード メッシュですが、これは実は「SplineThicken」マテリアル関数を使ってた 2 個の三角形を、指定の幅まで延ばしただけの薄い面で出来ています。この機能を活用することで、ビルボードが常にカメラの方向を向きつつもスプラインの軸に沿って方向を維持するため、上空から見ても地面に対して直立したままにする事ができます。上の画像をご覧いただくと、遠くの木々がワイヤーフレーム モードでは細い線として表示されるのが分かります。

ランドスケープを探索する

ランドスケープを探索する

最後に Landscape Mountains を楽しく探索できる方法として、ハンググライダーのブループリントをご用意しました。このハンググライダーを使って環境内を自由に飛び回る事ができます。また下降すればスピードが上がり、上昇すればスピードが落ちるようになっています。また少しやり応えを加えるため、光るリングを追加しておきました。リングを通り抜けると一時的なスピードブーストが得られます。このリングと少しばかりの飛行技術を駆使すれば、驚くような高度にまで上昇する事も可能です。

Unreal Engine 4 のリリースと合わせた、この新しいサンプルを是非お楽しみいただけたらと思います。フィードバックやご質問などについては、こちらのコメント欄をお気軽にご利用ください。