2007年度最高のロールプレイング ゲームのひとつに数えられる Mass Effect は、BioWare が手掛ける最新の傑作ゲームです。この開発会社 BioWare 社 (Electronic Arts が最近買収) は、奥深いストーリーと魅力的なキャラクタを、完成度の高いインタラクティブ エンターテイメントとして仕上げました。
BioWare の共同創設者で CEO を務める Ray Muzyka 氏は、Mass Effect 開発チームの主な目標は、究極的な SF ゲームを制作することだったと語っています。小規模な開発会社の発言としては高慢にも聞こえるかもしれませんが、BioWare では、これに挑戦する意気込みがありました。
「Mass Effect では、緊迫感のある迫力のストーリーで、銀河を駆け巡る冒険心を満足させるようなスペース アドベンチャーを目標としていました」と Muzyka 氏は語ります。「このゲームでは、映画的な要素を前面に押し出して、大作映画の俳優と監督の両方を演じているような気分を味わってもらいたいとも思いました。これを実現するため、ゲームではこれまで見たことも聞いたこともないような非常にリアルなデジタル俳優と、心に響く場面を満載したストーリーを制作しました。ハリウッド超大作のような演出を実現するため、ドラマチックなカメラ アングル、フィールド深度、モーション ブラーなどの映画的な手法を用いましたが、なによりも大きなポイントは、その舞台の中心でプレイヤーが主演俳優を、そして監督を演じることができるという点です」
このようなハリウッド映画的なスタイルを採用するに当たって BioWare では、Alien、Blade Runner、Star Trek II: The Wrath of Khan、2001: A Space Odyssey などの名作 SF 映画を参考にしました。これらの映画には、極めて明確な雰囲気と、プロフェッショナルな映画的トーンが導入されていると Muzyka 氏は話しています。しかし、チームに影響を与えたのは映画だけではありませんでした。
Muzyka 氏は、「ゲームという意味では、その影響は、プレイヤーが銀河を旅しながらさまざまな惑星を発見する 1986年の Starflight や、Star Control にまで遡ります。Mass Effect の未開拓世界に関して当社のチームは、次世代ゲームによって再現される、非常にリアルで自由に冒険できる宇宙を想像することを楽しんでいました」と語ります。
この広大な宇宙をリアルに再現するため、BioWare は Epic 社の Unreal Engine 3 を採用しました。
「奥の深い魅力的なワールドとキャラクタの作成を可能にする、ストーリーとキャラクタに関する自社開発技術と Unreal Engine とを組み合わせることによって、Xbox 360 版と PC 版の最高に魅力的なゲームの開発に向けて、非常に力強いスタートを切ることができました。またチームの懸命な努力のおかげで、Mass Effect では極めて満足のいく結果を出せました」と Muzyka 氏は述べています。
Mass Effect は 2007年、New York Times 誌の「Game of the Year」賞や、Academy of Interactive Arts & Sciences の「RPG of the Year」賞をはじめとする 90 以上の賞を受賞しました。
「BioWare が Xbox 360 用と PC 用に開発した追加技術を組み合わせることによって、Unreal Engine は、非常にリアルなビジュアル、これまで見たこともないような豊かな表情を見せるデジタル俳優、そしてストーリーを盛り上げる高度な映画的アプローチの実現を可能にしてくれました。情熱をもって開発に励んでくれた当社のチームは BioWare の誇りです。 彼らと一緒に仕事できるということは、とても光栄なことだと感じています」と Muzyka 氏は語ります。
BioWare では、PC 版とコンソール版の両バージョンの Mass Effect の開発に UE3 を採用し、確かなストーリー ラインとデザインを最初に制作。次に、魅力的なパートナー、白熱の戦闘、奥の深い冒険、楽しくて面白いキャラクタの成長など、キーとなるその他の要素を丁寧に構築しました。Muzyka 氏は、次世代ゲーム機や PC の環境では、すべてを新しいレベルへと進化させることができた、と語ります。
Muzyka 氏はさらに、「前世代の技術ではまったく不可能だった、見事な光源処理や物理エフェクトを作成することができました。また、Dolby デジタル対応サウンドの完成度も非常に高く、Mass Effect は本当の意味で、ハイクオリティなホームシアター環境に対応しています」と続けます。
次世代ゲーム機や PC の環境では、アニメーション用に使用できるメモリも増えたため、キャラクタ同士や環境との物理的なインタラクションがこれまでより大幅に改善しました。またそのキャラクタ自体も、最新技術によってリアルな表情がつけられ、唇の動きも同期するようになっています。
Muzyka 氏によれば、これらすべてが、この世界最高峰のエンターテイメント ゲームに寄与しているとのことです。Mass Effect は、興味があるものや、さまざまな行動に起因する重要な結果を確認したり、ほかのキャラクタや銀河全体に影響を与える行動を取ったりと、時には緊張しながら、また時には感動しながら、キャラクタが自由に行動できるゲームとなっています。これが、PC 版の Mass Effect の 5月の発売に大きな期待が寄せられている理由のひとつです。
Muzyka 氏は、「当社の自慢は、リアルさの基準を新しいレベルへと押し上げるデジタル俳優たちです。説得力のある表情やジェスチャなど、信じられないほどリアルなアニメーションと動きと、プロの声優による会話との組み合せによって、実在する人物や生物と話している気分になれます」と話します。
Muzyka 氏は数年間にわたって、デジタル キャラクタの大きな進歩を目の当たりにしてきており、BioWare の最大の成果のひとつとして、物語にリアルな感情を吹き込むことができたことを挙げています。
Muzyka 氏は続けて、「BioWare 初期のゲームはテキストがメインだったため、どんなに工夫して会話を記述しても感情がほとんど伝わりませんでした。音声を追加できるようになったときは、実際に感情的な会話を聞くことでデジタル演技に深みが出ました。現在では、デジタル俳優が、物理的なインタラクションを踏まえて演技できるまでに進歩しました。デジタル俳優をクローズアップすれば、その表情やジェスチャに感情を見て取ることができます。このようなキャラクタは、これまで以上にリアルで自然な動きや行動を見せるため、リアルな感情に深みが増します」と語ります。
BioWare 社のすべての RPG における共通点は、深みがあって入り込みやすいストーリーです。Mass Effect is もその例外ではなく、その核となるストーリーは、数多く用意されているサイド クエストをプレイしなくても、何 10 時間というボリュームとなっています。
「探検できる数多くの惑星や場所、参加できるサイド クエストやサイド ミッションを含めると、Mass Effect では、プレイヤーの選択に合わせて奥行きが広がっていきます。ゲーム内のコンテンツすべてをクリアするには、40 ~ 50 時間、またはそれ以上の時間がかかるでしょう」と Muzyka 氏は話します。「プレイの内容に直接関連する複数の異なるエンディングも、ゲームに深みを与えています。もちろん Mass Effect は、PC 版と Xbox 360 版の両方をクリアした後も楽しむことができます。ゲームを 1 回クリアすれば、それまでのプレイでレベルが高くなっているキャラクタを使って最初からプレイすることや、新しい能力を持つ別のキャラクタでプレイすることも可能です」
開発チームは最近、Mass Effect の PC SKU のインターフェイスをカスタマイズし、受賞歴を誇るオリジナルの Xbox 360 版 Mass Effect をベースに、変更や最適化を念入りに実施しました。
「当社初の Xbox 360 版 Mass Effect 用ダウンロード コンテンツ「Bring Down the Sky」は今月リリースされます。これには、戦闘、クエスト、冒険を満載した新しいワールドが追加されていて、プレイ時間も、この新しいアドベンチャーによって 90 ~120 分ほど長くなっています」と Muzyka 氏は説明します。今後は、Xbox 360 版と PC 版の両方に、追加の拡張コンテンツが予定されています。