リアルタイム 3D の仕事に就く方法:各業界のリクルーターに話を聞く

ポートフォリオにはどの程度の作品数が必要なのか。

仕事の面接では何がダメージとなるか。

どうすれば目立つことができるか。

先日開催されたキャリアについてのウェブセミナー「From Student to Studio: The Art of Finding Your Dream Job」(学生からスタジオへ:理想の仕事に就くためのテクニック) では、Blizzard、Sony Pictures Imageworks、Illumination からお招きした 3 人のエキスパートが、卒業を控えた 1,600 人の学生に向けて、このようなトピックについて話をしました。

就職活動に絶対的な正解はありませんが、パネリストの方々によると、成功する就活生が使う (あるいは習得する) スキルには共通点が見られるそうです。以下では、そのスキルを挙げ、そして各パネリストがアーティストやリクルーターとしてのキャリアを通じて学んだ重要なポイントを紹介します。

それでは始めましょう。
 

ヒント 1: 受け止め方の影響は大きい

成功者を集め、成功の秘訣を尋ねると、2 つのポイントが浮かび上がります。それは「始まりと終わり」、そして失敗から何を学んだかです。特に失敗に関しては、その原因を分析することで、次回は何をうまくやればいいのかについて、多くの知見が得られます。ただし、失敗を生かすためには、失敗してもいいという認識が必要です。その認識がなかった場合、そのことが成長を妨げている可能性があります。

Sony Pictures Imageworks でトレーニング、アーティスト開発、アカデミック アウトリーチ担当マネージャーを務める Greg Barridge 氏は次のように述べています。「失敗はすばらしいことだと気づく必要があります。失敗は、新たなレベルを目指して懸命に努力したことを意味します。目標達成のために努力している場合は、失敗しても問題ありません。ただし、願望は計画ではありません。計画は絶対に必要です。今は仕事に就くことが計画だと思いますが、5 年後はどうでしょうか。ディレクターなのか、スーパーバイザーなのか。目指す先がわかっていなければ、計画を立てることはできません」
 

ヒント 2: 進化の波に乗る

これにはパネリスト全員が同意しています。みなさんには時代が味方についています。3D 関連の職務は世界中で急増しています。すぐに思いつく業界 (ゲーム、VFX、アニメーション) 以外にも、新規参入企業が建築やメタバースなど幅広い分野で人材を求め、雇用の機会が増えています。

Illumination で人材採用担当バイス プレジデントを務める Dawn Yamazi 氏は、次のように述べています。「私は長編アニメーションの分野に 15 年間携わってきましたが、デジタル メディアのアーティストの需要がこれほど多いのは久しぶりです。もう『私は映像を作りたい』、『私はシリーズものをやりたい』といった感じではなく、もっと開かれた状況になっています。既卒生や学生が進んでトレンドを観察し、機会を探っていくことができれば、いい意味でサプライズが待っているでしょう」

ただ、変化がますます一般的になってきているため、トレンドに注目することが非常に重要となります。

「この業界でこれほどバーチャル プロダクションやバーチャル コラボレーションが重要になるとは誰も予測していませでした」と Barridge 氏は加えます。「メタバースなど、あらゆることが現実になっていて、キャリア パスは無数にあります」
 

ヒント 3: 職探しは戦略的に

LinkedIn は、多くの人にとって効果的なツールで、人脈づくりだけでなく、求職者探しにも使われています。Yamazi 氏は、そこに Web サイトへのリンクがあることが、人材を探すリクルーターにとって重要だと指摘します。今は誰もが忙しく、候補者リストを作成する際に情報が一元化されている場所に頼っています。リクルーターの視界に入るよう心がけましょう。

また、そこで何をするか考えることも重要です。Blizzard Academy の前学部長兼創設者である Bob Nicoll 氏は、次のように加えます。「ソーシャル メディアの時代には、発信する内容に注意が必要です。今後、雇用主となる可能性がある人が誰でもそれを見ることができます。リクルーターが目にするサイトでは、プロとして賢く立ち振る舞うことが求められます」
 

ヒント 4: ポートフォリオは完璧を目指さない

いいポートフォリオの条件は何でしょうか。それは内容の質とまとめ方です。

Barridge 氏は言います。「私が担当している Sony のインターン プログラムには、毎年 800 人の応募があります。作品は量よりも質です。学生のリールを見て最初の 3 秒で、一緒に仕事がしたいかどうか判断できます。3D モデル、クリーチャーなど、リアリティーを感じる瞬間があるかどうかが決め手です。常に最高の自信作を前面に押し出してください」

ただし、多くの学生が、自信作を絞り込むことはできても、それがどのようなストーリーを伝えているか、実際にどの程度の時間で印象を残す必要があるのかについて考えていません。

「展示会やイベントでは、数千本のリールを受け取ります。そのリールは、3 〜 4 人のアーティストとともにサウンドをオフにして見ます。自信作はもったいぶらずに絶対に最初に持ってきてください。最後まで見ないで判断することもざらです。ほどほどの量で、完璧でなくてもかまいません」

ポートフォリオは、それを見る人に合わせて変える必要もあります。組織や担当者によって、人材に求めるものも異なります。

「ポートフォリオは、応募する求人に合わせてカスタマイズしてください」と Nicoll 氏は言います。「応募する職種に合った作品を入れて、無関係のものは省くようにします」
 
Axis | University of Hertfordshire

ヒント 5: 一緒に仕事をしたい人になる

パネリスト全員が認めるのは、最初の仕事を得るのがとても難しいということです。何百人、何千人も応募者がいる場合は特にそうです。そしてある程度までは、運やタイミングの良さが、採用されるかどうかに関係します。ただし、相手に与える印象が、昔ながらの強みとなることもあります。Nicoll 氏と Barridge 氏はいずれも、Imageworks ではコミュニケーション スキルと協調性が重視されていたことを指摘しました。Yamazi 氏は、自信があるのはいいことだが、「礼儀知らずや傲慢な人はいらない」と述べています。

そこで、どうしたら親しみやすく優秀と見えるかを探っていけば、注目してもらう方法がわかるかもしれません。
 

ヒント 6: 目標は成長すること

理想の仕事に目が向いていると、着実な進歩が見られないときに弱気になりがちです。しかし、Yamazi 氏によると、重要なスキルはあらゆる場所にあり、時間をかけて蓄積されていきます。

「理想とする目標を持つことは重要で、それで方向性が決まります。でも、仕事はすべて重要です。私はさまざまな仕事 (ウェイトレス、広告) からさまざまなことを学びました。目標に到達するまでの過程は人それぞれですが、私にとっては、さまざまな企業文化、さまざまなワークフローを知っていることが助けになりました。一方で、理想を掲げながら、別の仕事で生計を立てなければならなくても気を落とさないでください。たとえばバリスタという仕事から学べるコミュニケーション能力や対人スキルなどもすべて重要です。ただし、前進を続け、目的を果たすためには、離れるタイミングもわかっている必要があります。そうした目的をすべて果たせているとき、それが幸福な状態となります」
 

ヒント 7: 勇気を持つ

最後に、何かをひどく手に入れたいときでも、実際に仕事を始めると、自分に自信をなくしたり、自分には評価されているほどの能力はないのではないかと疑ったりすることがあります。成長には一般に不安が伴います。自分が前進「できる」と信じるだけでなく、前進する「必要がある」と脳に信じ込ませることが、自分を高める際に気持ちを保つ秘訣となります。

「欲しいものすべてが、不安の向こう側にあると気づくことが必要です」と Barridge 氏は言います。「その挑戦に立ち向かう必要があります。尊敬する相手に自分の作品を見せるのは不安ですが、その恐れが自分の前進を妨げます。挑戦し、先に進みましょう」

まったくそのとおりではないでしょうか。

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