2016年1月18日

GameOlic の変化:アンリアル エンジン 4 の採用と革新への追及

作成 Brian Sharon

ゲーム開発:それは科学ではなく芸術です。夢を現実にするプロセスは、期待以上の結果になることが多いという点で、流動的であり進行形です。 どんなに念入りに計画しても、プロジェクトは単なる概算であり、今というぼやけたレンズを通して見る未来の概形に過ぎません。

この未知の要素のせいで、私達は変わる事は困難であり、少し怖いとさえ感じてしまうのです。しかしながら、変化というものはいろいろな意味でゲームおよびテクノロジーの真髄であり、私達が作るすべてのものに必ず存在しているのです。先を見越し、勇気を出して変化を受け入れた人は成功に近づくことができるのです。

ただし、変化に必要なものは勇気だけではありません。デベロッパー達は、チームの人数やプロジェクトのスケールに関係なく、自分のビジョンを実現するための業界トップのツールへアクセスする権利があります。

開発開始から 4 ヶ月後、GameOlic の Uruguayan スタジオでは変わることの必要性を感じ始めました。世界的に大人気となり国を超えて競争力のある MOBA ジャンルになる夢の実現に情熱を注ぐインディー ゲーム スタジオは、例え大きな変化が必要であっても、成功するためには今持っているものをすべて手放さなければならないことに気づきました。

Tantra Rumble 1

「今日の市場では MOBA タイトルのほとんどに同じ計算式が使われています」  と説明するのは GameOlic の CEO である Pablo Bongiorni 氏です。「いくつか付け足して面白味を出しているタイトルもありますが、生き残りが難しい市場ではインディーの場合は特にリスクを伴います。」

そのリスクを重々承知しつつも、当時のゲーム エンジンの限界に大きな不満を抱えていた南米のチームは、自分達のアイデアを現実世界で実現する方法を探し始めました。絶対に妥協はしたくないという思いから、チームは 30 日かけて比較検討し、自分達のゲーム Tantra Rumble にぴったりのエンジンを選びました。とことん話し合った末、チームはアンリアル エンジンを採用しました。 

その選択は簡単なものではありませんでした。チームでは誰もアンリアル エンジンを使ったことがありませんでしたし、エンジンを移行すればそれまで積み上げてきたすべてを犠牲にすることになります。それでも GameOlic の CEO はやる価値があると判断したのです。

「アンリアル エンジン 4 への移行の決断は簡単ではありませんでした」と Bongiorni 氏は打ち明けました。「ただ、これまでは大手スタジオのみが使用できたパワフルなツールに手が届く上、エンジンの学習曲線が低いこともあって、この機会をそう簡単に逃すわけにはいかないと思ったのです。」

GameOlic にとって、アクセス権が移行の決断の決め手となったことは明らかですが、アンリアル エンジン 4 のパワー、そして技術面と芸術面での柔軟性も重要な要素となりました。 

Tantra Rumble 2

多くの MOBA ではプレイヤーのアバターの巨大なライブラリをホストしますが、Tantra Ruble は選択肢を減らし、十分肉付けした異なる 8 個のキャラクターのみを登場させました。 

開発サイクルの効率はそのままで、ブループリント ビジュアル スクリプティング システムと ペルソナ アニメーション エディタ ツールセットなどの機能が統合されてユニークなキャラクターを作成します。それぞれのキャラクターはデザインも個性も全く違いますが、技術的に同じスケルトンを使っているので、ブループリントで少しだけ変更するだけで、特別な新しいアニメーションが出来上がります。

「アンリアル エンジン 4 を使っていて一番良かったことは、キャラクター アニメーションの修正が必要な時に、基本のキャラクターだけを修正すれば、あとはそれぞれを調整すれば済んだことです」と Bongiorni 氏は説明します。「おかげでアニメーションの処理期間を数ヶ月短縮できました。」

オリジナリティはキャラクターから火が付いて、それは GameOlic がペイントするポートレート全体に広がりました。Tantra Rumble は、堂々とした個性に加えて、画面から飛び出す大胆で明るいビジュアルが自慢です。 

Tantra Rumble 3

戦闘員は、危険が迫ると輝いてパーティクルを浴びて、独り歩きしているランドスケープ内で敵と戦う時には色と力が渦巻きになって激しく攻撃します。 

このような壮観なビジュアルは、GameOlic のアート チームとプログラミング チームの融合の賜物です。アンリアル エンジン 4 の マテリアル エディタ や前述したブループリント システムなどのツールは、 GameOlic が大切にしているビジュアルの忠実度を実現する道具でもあり、また使い方も簡単で社内の連携を円滑にしてくれます。

「私の仕事はプログラミングとグラフィック デザインの中間なので、UI の見やすさとエンジン固有のロジックの点でアンリアル エンジンが好きです」と GameOlic のモデラーである Matias Pereyra Lepre 氏は語ります。「ノードベース システムのマテリアル エディタとパワフルなカスケード パーティクル システムのお陰で、求めているレベルの高さは維持しつつ、かなりの労力と時間を省くことができました。」

未経験者に対する敷居の低さと技術的なアウトプットレベルの高さが、GameOlic のアンリアル エンジン 4 の採択を後押ししました。想像の世界のワールドとキャラクターに命を吹き込むことで、自分達の夢を現実のものに変える方法をついに見つけたのです。しかし、克服すべき課題があることにも気づいていました。

Tantra Rumble 4

マルチプレイヤーに重点を置いている多くのゲームと同様に、仲間の意見とプレイヤーのフィードバックに基づいた更新および変更は、ゲームの購買層に楽しい体験を長く提供し続けるためには不可欠でした。多くのデベロッパー達が抱える問題から抜け出すためには、人材が少ない場合は特に必要なことです。

アンリアル エンジン 4 とアンリアル コミュニティのサポートのお陰で、今そして開始後もこれらの問題に立ち向かう心構えは出来ていると、GameOlic のゲームプレイ プログラマーである Heraldo Dardis 氏と Udain Tomar 氏は語ります。

「インディ デベロッパーの立場から、新しい入力が利用できるブループリント システムのおかげで機能のプロトタイプが早くできます」と話すのは Dardis 氏。「UE4 AnswerHub で、大規模なデベロッパー コミュニティの素晴らしいサポートがあったからこそ、我々は開発途中で問題にぶちあたっても解決することができました」と Tomar 氏が続けます。

微調整、修正、変更はアンリアル エンジン 4 の主要機能であり、GameOlic もこれらを判断の決め手としました。一時は中断しかけた Tantra Rumble の開発でしたが、変化を受け入れ、アンリアル エンジン 4 への移行を決断し、その決断に悔いはありませんでした。

「アンリアル エンジン 4 のお陰で、妥協せずに目指す品質のゲームを作ることができます。アンリアルのような最高レベルのエンジンをインディゲーム クリエーター達も使えるようになったのは素晴らしいことです」と Pablo Bongiorni 氏は語ります。

GameOlic の詳細は Facebook、 Twitter、Tantra Rumble の 公式ウェブサイト をご覧ください。