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資金調達の方法: 適切なタイミングで適切な人たちにアプローチする

Mike Futter
編集者注: 著者の Mike Futter 氏は、フリーランスのジャーナリストであるとともに、ゲーム業界のコンサルタントでもあります。Epic との契約記事であるこの「資金調達の方法」シリーズは、デベロッパーたちが資金調達の世界を理解し、動き回ることができるようにするために書かれています。

ゲーム開発業界における「資金調達の方法」 シリーズ第二弾にようこそ。第一弾の記事では、さまざまなタイプの資金調達方法と、それぞれに合った投資の見つけ方の第一歩について説明しました。

今回の記事は、2 つのことを取り上げます。まず、さまざまなタイプの投資を開発タイムラインとどのように連携させるか、についてです。さらに、会社やゲーム プロジェクトに資金を確保するための準備のしかたについても説明します。開発者がこの決定をする際の大きな要因は、スタジオが取り組んでいるゲームの種類です。

株式投資 対 プロジェクト ファンディング

理解しておくべき非常に重要なことがあります。それは、ゲームのための資金調達とスタジオへの投資は違うということです。ベンチャー キャピタリスト、エンジェル投資家、その他の機関投資家は、株式を求めています (会社の部分的な所有)。彼らは、単一のゲームへの資金提供の求めには関心をもちそうにはありません。

そして、それらのグループは、パブリッシャーやプラットフォーマーとの合意がない限り (あなたの会社の売却はこれに含められます)、あなたのスタジオのための少数派としての所有権に関心を抱くことはそれほど多くありません。むしろ 1 つ以上の特定のゲームのための契約を結ぶ可能性のほうが高いでしょう。

やっかいなのは、どうするのが最適か判断することです。

「経験則に従うならこうです。プレミアムまたは製品としてゲームを制作している場合 (すなわち、リニアなもの、または、ストーリーベースのものを制作している場合) は、プロジェクトのためのファンディングのみを選択すべきです」と、Execution Labs の共同創設者である Jason Della Rocca 氏は説明します。「無料プレイまたはサービスとしてゲームを制作している場合は、ユーザー基盤とスケーラビリティが重要であり、会社の株式ベースの資金調達が適しています。」
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Scavengers Studios による『Darwin Project』
ルールには例外がつきものですが、ベンチャー キャピタリストは、購入後に収益化の機会 (マイクロ トランザクションや、追加購入を促すために使える長期的なコンテンツ戦略) が備わっていない、短いナラティブ ゲームに興味を持つことはないはずです。

Rocca 氏はまた、資金調達を求める際は感情移入をともなって事に当たるように開発者にすすめています。潜在的な投資家が誰であり、彼らの興味がどこにあるのかを理解することが重要なのです。そのような訓練を終えると、自分のスタジオやプロジェクトが特定の投資家に適しているかどうかを判断できるようになります。

「私たちは開発者と頻繁に行うことがあります。その大部分は、『何を行っているのか?チャンスはどこにあるのか?どのようなゲームやスタジオを構築しているのか?』と尋ねることから始まります。」

始まりは大変 

資金調達の機会には、進化があります。会社の成長段階、プロジェクトの開発ライフサイクルの段階が変われば、別の種類の資金を確保できる可能性が高くなるのです。状況は、早い段階で厳しいものになるはずです。AAA からインディー系スタジオに移行した有名クリエイターでない限り、機関投資家やエンジェル投資家が初めから思い切って投資してくれることはまずないでしょう。

そこで、多くの新興のスタジオは、Rocca 氏が言うところの「愛の資金」を求めます。これは、親戚や友人から提供される資金のことです。ただし、必ずしも無条件な資金であるということではありません。「愛の資金」を提供してくれた人が株式や収益の分配を要求することは珍しいことではないのです。

開発早期の段階では、「愛の資金」が重要な燃料となります。これは、特に、プロトタイプのための資金調達を見つけることが非常に難しいことによります。他の選択肢としては、貯金や他の収入源に頼ることとなります。 

「プロトタイプをパブリッシャーやファンドに売り込めるようにするためには、自力すなわち自己資金に頼らざるを得ません。しかし、これが実に難しいのです」と話すのは、Robot Teddy の共同創設者であり、Kowloon Nights のポートフォリオ マネージャーも務める Callum Underwood 氏です。「このようなことは、あまりスポットライトが当たらないマイノリティの人たちや、行き来しづらい国からやって来た人たちにとっては、大きな足枷になります。そのような人たちには信用力もなく、コネもありません。彼らは、ゲームのさまざまなデベロッパーたちとは、密接なつながりを持っていないかもしれません。たとえば、ロサンゼルスの人たちとは勝手が違うのです。」

幸いなことに、投資とプロジェクトの資金調達のための準備として、早いうちからできることがあります。売り込みの前段として、人脈作りが有益です。

「私たちは、すぐに資金が調達できるとは思っていませんでしたが、そのためには、人脈作りが非常に重要であると分かっていました」と Polyarc の CEO で共同創設者の Tam Armstrong 氏です。「そのような考えのもと、すぐさま交流 (と言って差し支えないと思いますが) を開始しました。最初のプロトタイプが完成したので (これは最終的に『Moss』になりました)、それまで構築してきた人脈につながる人々のところに積極的に回って歩きました。そのときまでに私たちは、私たちがどのようなことをしていて、どのようなプロセスをたどることになるのかということについて、人々に話していたのです。」

売り込み段階でやるべきことと、やってはいけないこと

ほとんどの売り込みは、冷たいメールとともに始まります。潜在的な資金提供者に初めてアプローチをするときに開発者が提供する情報は、あまりにも少なすぎる場合がしばしばです。熟練者は、承認や招待を待つのではなく、最初のメールにすべての情報を盛り込むことをすすめています。

「そのようにすると、やるべきことと、やるべきではないことが混在する地雷原となる可能性はあります。」と Underwood 氏は言います。「私にメールを送って、ピッチを見たいかわざわざ尋ねるべきでしょうか?ピッチはただ送るだけで構いません。私がビルドを見たくない場合は、ビルドをクリックしないだけです。ですから、せいぜい煩わしいだけであり、このようにしても契約を獲得する妨げになることは決してありません。」

「何を送るべきか決めることは、大変です。しかも、その文は多すぎても少なすぎてもいけません。でしたら、箇条書きにしましょう。『これがビルドです。これが動画です。これがお願いしたいことです。これがスケジュールです』という具合に。そのピッチ (売り込み用素材) が気になれば、私は、座ってプレイしてみます。そして、チームに話をしてみることになるでしょう。紙のピッチよりもプロトタイプのほうが強力であることを知るべきです。ただし、あなたが非常に有名なデベロッパーであるなら別です。その場合は、明快な紙のピッチを用意すべきです。また、多くのチームは、仲介者やエージェントを使おうとしますが、Kowloon は誰とでも話しますよ。経歴や地理的条件にかかわらず、あらゆるゲームを調べてみるのです。」

Underwood 氏は、できるかぎり完璧を目指すようにデベロッパーにすすめます。 ― ビルドに特定のコントローラーが必要ならば、そのように言うべきです。獲得を目指している予算の範囲をはっきりさせましょう。その予算をどのようなことに使われるのかその概略を明らかにさせるのです。QA やローカライズ、他のプラットフォームへの移植などがそこに含まれることになります。 
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Counterplay Games と Gearbox Publishing による『Godfall』
ミーティングがセットされたら、用意すべきものがいくつかあります。まず、プレゼンテーション資料です。そこには、チームやゲーム、アセットについての情報が含まれるようにします。また、基本的な情報と俯瞰的な予算 (それほど細かくなくても大丈夫です) が把握できるワンシート企画書も準備しましょう。それから、プレイ可能なビルドがあるなら、それも加えましょう。(特にアップデートしたものがあれば)。プレゼンテーション資料は凝りすぎないようにします。明確で整理されたものを用意しましょう。何かの賞を狙うわけではありませんので。内容が (デザインではなく) 大切です。

もちろん、売り込みをかける対象の資金提供者を正しく見極めることも重要です。プロジェクトのための資金調達を求めるべきか、それとも株式投資を求める方がよいのか判断できたら、潜在的なパートナーがそれぞれどのような会社やゲームに興味を持っているのか理解する必要があります。

「出資者にどのようなことをあなたが期待しているのか、正確に知りましょう。そして、それを見極めることができると思えるようになってから、人々にアプローチしましょう」と Underwood 氏は言います。「私は少しばかり珍しい立ち位置にいます。と言いますのも、Kowloon Nights とは、ビジネスとスカウティングで活動をともにし、Superhot とは、一緒に Superhot Presents を立ち上げ、Oculus のためには、コンサルティングとスカウティングを行っているからです。」

「さて、これらの 3 社すべてに対して、同時に売り込みをかけるのは意味あるやり方とは言えません。なぜでしょうか?それを理解することが、多くのデベロッパーたちが抱えている問題を解く鍵となります。たとえば、Kowloon Nights のウェブサイトを見てみましょう。すると、VR や AR は扱っていないことがわかります。したがって、VR ゲームを Kowloon に売り込むべきでしょうか?Superhot でもそうなっています。VR や AR は対象ではありません。この 3 社を例にとるならば、VR のゲームは Oculus に売り込むべきでしょう。他の 2 社はいけません。しかし、驚くべきことに、これに反する間違いはしょっちゅう目にします。本当に大切なことは、10分間の時間を割いて出資者について知る、ということです。壁にものを投げつけて、何がくっつくのか待つ ― というやり方では、せっかくのチャンスを逃してしまいます。」

プロジェクトをパブリッシャーやファンドに売り込む場合、未来の出資者が支援できる額の範囲を知っておくことも重要です。その範囲に食い違いがあると、ミーティングの席についても、すぐに終わっていまうでしょう。

「非 VR ゲームに 3 億円の投資を求めているのでしたら、そもそもそのような額に出資できるのはどのパブリッシャーなのか知っておくべきです。あるいは、出資の規模として容認できる桁の額だと考えることができるのは、どのパブリッシャーなのか分かっておくべきです。このような金額を求める売り込みが Superhot Presents に送られて来るのですが、それは驚くほど多いのです。これは悲しむべきことです。なぜなら、デベロッパーの時間が浪費されることになるからです。」

株式の資金調達を求めている場合は、他にも考慮すべき点があります。プロジェクトの資金調達は割と短期ですが、エンジェルやベンチャー キャピタリストに会社を売り込むのは長期に及ぶ仕事です。その関係は 10年以上続くこともありえます。Polyarc は、資金提供者のタイプごとにどのような会話を中心に行ったのか説明してくれています。
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Polyarc による『Moss』
「人々と会話をするときには、常に、あらかじめ調べていたことがありました。それは、その人たちがどちらの投資を行いたいのか、ということです」と Armstrong 氏は言います。「その人たちが私たちから何を聞きたいのか確信があったため、それに応じて、話題を変えていました。会社に投資する人たちは、会社の戦略に興味がありました。彼らが知りたいのは、2、3、4、5年後にどのようなことが起こり、そのための計画はどのようなものなのかということです。一方、プロジェクトへの投資を行う人の場合は、そのようなことは目立って問題にはなりません。なぜなら、興味の的は製品にあり、その製品の売り上げについて、知的推測をしてみたいと考えているからです。そのプロジェクトが順調に利益を出しそうなら、投資してみようかとなるわけです。このことは、モチベーションの問題です。株式投資の場合は、会社が成功することが投資家のモチベーションとなります (「成功」という語の意味はさまざまですが)。他方、プロジェクトへの投資は、プロジェクトがシッピングされて成功するということがモチベーションとなります。」

各資金提供者が使う指標を検討してみることも大切です。株式の出資者は、業界がサービスとしてのゲーム (プレミアおよび無料プレイ) に移行するにつれて変わってしまいました。Della Rocca 氏は、生産ベースの指標から離れることによって、投資家とつながる可能性を高めることができるとアドバイスします。

「生産的な指標にあまりにもこだわっている人は、大変なことでしょうね」と Rocca 氏は言います。「コミュニティ的な指標と私は言っているのですが、これを用いるなら話は逆です。たとえば、次のようになります。『さて、クローズドベータを実施してみたところ、1,000 人のプレイヤーが参加してくれました。その後、さらにクローズドベータを行ったら、その数は 5,000 人に跳ね上がりました。プレイヤーをトラッキングしてみたところ、プレイしていた人は全員翌日も戻って来てくれました。全員で 20 セッションがプレイされました』このようにコミュニティ的指標で考えるなら、投資家に対して成長を示すことができます。このことは、特にモバイルゲームの場合に当てはまりますが、PC ゲームやコンソールゲームやアーリーアクセスの場合にも有効です。コミュニティ的指標という考え方は重要なのですが、たいていのデベロッパーはその指標に切り替えません。」 

Della Rocca 氏によると、ユーザーの獲得と保持について株式投資家に伝えることは、ゲームのレベル数や武器の数について話すことよりも重要だとのことです。 

「そのような話からは、あなたはちゃんとゲームに注意を払って、真剣に取り組んでいることがわかります。2 つ以上の武器を作らなければならないかどうかという問題は、あまり意味がありません。」と Rocca 氏は言います。

株式投資のスケジュール例

2018年の GDC のプレゼンテーションで Della Rocca 氏は、さまざまなレベルの株式投資を模索するためのスケジュール例を示しました。それは、すべて自己資金と「愛の資金」(利用可能な場合) から始まります。
その講演で Della Rocca 氏は、収益が上がる前のエンジェル投資が、完全に確立された会社のライフサイクルに入ってから早くも 6か月の時点で開始される可能性があると述べています。このライフサイクルには、主要な担当者が配置され、プロジェクトへの取り組みが開始されることが含まれています。会社が収益を上げ始め、損益分岐点に向かってゆっくりと上昇し始めると、ベンチャーキャピタリストと株式のファンドは長期的に見て有望であることを確認して、シード ファンディングを提供し始める場合があるのです。

損益分岐点に達した後は、追加の資金調達ラウンドによって成長に拍車がかかります。増えたユーザーをサポートするための人員を補充する資金が提供されるのです。

Della Rocca 氏は、プロジェクトのための資金調達の道を選択している人々にも、見通しをもたらしています。パブリッシャーは、後続の記事で詳しく説明しますが、彼らに最も効果的にアプローチできるのは、チーム/プロトタイプ/予算が整っている場合です。クラウド ファンディングは、2012年に Double Fine がビデオゲームカテゴリーで Kickstarter ゴールドラッシュを開始したときから変化しています。クラウドファンディングは、ここ 8 年間でゆっくりとコンセプトのフェーズから、制作サイクルのかなり後期のフェーズにシフトしたのです。 

さまざまな断り

資金調達では、さまざまな反応が得られます。完全に No という返答もあります。できれば、Yes を獲得したいものです。また、それと分からない拒絶に出くわすこともあります。あなたが取り組んでいることを知りたいだけという人にも出会う場合もあるでしょう。

「予想していなかったことも起きます。私は、ゲーム業界に興味がない人々とこれほど多くの電話をするようになるとは思っていませんでした」と Armstrong 氏は明かします。「否定的に言っているのではありません。人々の中には、あなたがどんなことを言うのか聞いてみたいだけの人もいるし、そのような会話が楽しいと思う人もいる、ということを私は言いたいだけなのです。あなたの目標が、そのような電話の主 (あるいは、そのような電話の主の何人か) から投資を得ることだと明白になっていたとしても、その人たちは金輪際投資をするつもりはありません。悪意をもっているのではありません。単に『やあ、俺の知らない世界で懸命に働いている人から話を聞いてみたい』ということなのです。」

また、あなたのゲームに興味をもっているかもしれない潜在的な投資家が、投資する準備がまだできていないけれども、将来行われることになるかもしれない投資の道を閉ざしたくないという場合もあります。そのような場合の No は、「今はまだだけども」という意味なのです。

「そのような言い方は何回か耳にしましたが、たいていは単に『これからも連絡を取り合いたいものですね。何か進展があればおしえてくださいね』という言い方がされます」と Armstrong 氏は言います。「その言い方は、会話を未来にシフトするものです。私の考えでは、このような言い方は、一般的には「柔らかい No」として評されるものであり、実際にその大半は、そのとおりなのです。」

あなたは、どの投資家パートナーと組むべきか決断する立場にあるかもしれません。そのことは、あなたのニーズに最適な方法で前に進むために、他の投資家には No と言うことに他なりません。

「そのための手法は、一つの観点から述べるとこうなります。すなわち、基本的な関係と興味のレベルが確立したら、十分な時間をとって、個人的なレベルにおいて良好だと思われるような人と、会社でパートナーとなることについて話し合うのです」と Armstrong 氏は述べます。「共同設立者を選ぶときに、非常に注意深く綿密に行うのであれば、誰の資金を使うかということについても、最新の注意を払う必要があるはずです。その場合、資金を出すそのパートナーは、会社における地位を基本的に買い上げることになるからです。つまり、だれもが大きな額の共同資金を自由に運用できるわけではない、ということに目を向けてほしいのです。理想的には、十分に時間をとって、その投資家と、価値観と将来の会社像について話し合い、協力関係が築けたと感じられるようにするべきです。」
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High Horse Entertainment による『Disc Jam』
投資を利用して前進する、というやり方をまったく取りたくない人もいるでしょう。独立というものは、多くの AAA 出身のデベロッパーにしてみれば、やっと勝ち取ったものです。High Horse Entertainment は、2 人から構成されているスタジオです。外注と自分たちによる仕事をバランスよく配分している、ユニークな立ち位置のスタジオです。Tim Rapp 氏と Jay Mattis 氏の二人は、Activision で働いていた経歴をもち、ともにライブ サービスとネットワーキングの専門家です。このことが、最初のゲーム『Disc Jam』の成功に寄与しました。 

High Horse は、興味深い買収と投資のオファーにも関わらず、頑固に独立を貫いています。

「会社を買収するオファーには、共通の考え方に根ざしています。そのパターンは、たいてい 1~2 種類です」と Mattis 氏は言います。「一つは、こんな感じです。『会社やっていますが、オンライン空間にはうまく進出できていません。1、2度挑戦したことはありますが、やっかいで複雑なものだと分かっただけでした。こういう分野に詳しくて、テクノロジーを構築してくれる人を探しているのですが』というものです。もう一つは、こんな感じです。『「Disc Jam」はいいですねえ。ユーザーはたくさんいるし、クロスプラットフォームのオンラインゲームだし。私たちもそのゲームや、他にもお二人がやっていることに参画したいのですが、会社を買収して、さらに前進するという案はどうでしょうか?』というものです。他にも異なるバージョンがあって、『お二人が成し遂げたことを気に入っています。私たちが建設中のスタジオもしくは他の既存のスタジオにお二人に来ていただくということはできないでしょうか?』という感じです。これらの 3 つのパターンは、表現が少し異なりますが、私たちの結論は同じになります。そもそも、私たちが Activision を去ったのは、自分たち独自のものを作りたかったからです。独立した生き方が、常に私たちの夢であったのです。」

資金調達のための時間を残す

資金調達が、GDC やその他のトレードショーなどの従来からある物理的なイベントの外で行われる作業であることを私たちは忘れがちです。毎年 1〜2 週間に限定される活動ではなく、会社の運営プロフィールの一部にする必要があります。

売り込み用ピッチの開発や、プレイ可能なビルドの作成、調査、電話、メールの送信は、多くの時間を食います。あなたのスタジオが小さくて、一から起業しているのであれば、資金調達こそ重要であるはずです。

「かなりの時間だと言ってよいでしょう」と Armstrong 氏は指摘します。「それは仕事なのです。フルタイムに満たない程度にやっている仕事だと言えるのは、他にもゲームのプログラムとデザインの仕事をしているという事実があるからにすぎません。平均すると、1週間につき確実に 1日以上取り組んでいます。ですから、間違いなく稼働時間の 20% は占有しています。50% 取られていたかもしれません。とにかく、かなりの時間になっていました。」

それでも、Armstrong 氏は、Polyarc が資金調達を行うのに十分な時間を費やしたか自信がありません。スタジオには専任のビジネス デベロッパーがいませんでした。

「そのような人がいたなら、もっと迅速にもっと効率的になったでしょうか? ― 大いにあり得ます」と Armstrong 氏は言います。「私は限界を見ていません。非常に多くの時間を投入する人をまだ見たことがないからです。」

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Mike Futter 氏は、フリーランスのジャーナリストであり、ゲーム業界でコンサルタントを務めています。また、『Gamedev Business Handbook』の著者であり、Virtual Economy ポッドキャストの共催者でもあります。 詳細は こちらをご覧ください。
 

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