2016年12月6日

エピック ゲームズが Khronos Group の VR API スタンダード イニシアチブをサポート

作成 Dana Cowley

コンピューティングおよびグラフィックス API のオープン スタンダードを策定する業界コンソーシアムの Khronos Group は、VR 向けのオープン スタンダードを策定するための 新しいイニシアチブ を発表しました。これは VR のハードウェアやソフトウェアのデベロッパーにとって朗報です!

エピック ゲームズでは、VR 市場の成長と革新のために、Khronos の取り組みを全面的にサポートします。以下はニュース リリース全文です。その一部として、この API をアンリアル エンジンで採用しサポートするつもりだという、エピック ゲームズの創設者であり CEO の Tim Sweeney のコメントが引用されています。

Khronos が VR スタンダードのイニシアチブを発表

業界が共通の VR API 策定を呼びかけ

2016 年 12 月 6 日にマカオで開催された SIGGRAPH Asia で、Khronos™ Group は、最新の VR デバイスを利用するためのベンダー間共通でロイヤルティ フリーのオープン スタンダード策定のための新しいイニシアチブへの参画を呼びかけました。Khronos Group は、業界を代表するハードウェア / ソフトウェア企業から構成されるオープン コンソーシアムです。

VR 市場の急成長はプラットフォームの断片化につながり、複数の VR のランタイムで実行するように移植されカスタマイズされるため、GPU やディスプレイは複数のドライバー インターフェースをサポートしなければなりません。こうした断片化は、複数プラットフォームで実行可能な VR 体験の制作を阻みます。その結果、複数の VR デバイスをサポートするデベロッパー側で余分な出費が生じます。この状況では準最適ディスプレイ ドライバーで最適化することになるかもしれません。

この新スタンダードの主な内容としては、ヘッドセット、コントローラーなどのトラッキングのための API、および多様なディスプレイ ハードウェアでレンダリングするための API が含まれます。これによって Khronos のスタンダードに合致したものであれば、どの VR システムにでもアプリケーションが移植可能になります。その結果、エンド ユーザー体験は大幅に向上し、コンテンツの可用性が幅広くなり VR 市場のさらなる拡大に拍車をかけることになるでしょう。

スタンダードの範囲と主な目的を定めるための最初の予備フェーズ後に、詳細なプロポーザルやデザインに関して迅速に取り組みます。ご興味がある企業の方々は是非 Khronos の策定プロセスに参画し、考えを表明したり投票に加わってください。デザインに関しては誰でも貢献いただくことができます。このイニシアチブに関する詳細と Khronos Group への参加については www.khronos.org/vr をご覧ください。

業界のサポート

「VR 業界が大きな注目と投資を集めているということは VR 技術が認められたということです。今後も成長を続けるには、標準化とAMD がオープン スタンダードの Khronos イニシアチブをサポートすることが必要だと考えます」 (AMD のディレクター兼 VR の Worldwide Head である Daryl Sartain 氏)

「VR はグラフィックス業界を牽引しています。素晴らしいユーザー体験が制作されており、家庭、仕事場、レジャーにおけるビジュアル コンピューティングが変化を遂げています」 (ARM 社の メディア プロセシング グループ、プロダクト マーケティング担当副社長である Jakub Lamik 氏) 「VR 市場の成功と規模の拡大は、業界標準によって加速するでしょう。Khronos はこの分野で先駆者的リーダーであり、我々は全面的にサポートします。」

「あらゆる主要プラットフォーム ファミリーで VR が急成長を遂げている状態で、Khronos の新スタンダードのイニシアチブは非常にタイムリーなものです。エピック ゲームズではこの取組みに全面的に貢献し、その API をアンリアル エンジンで採用しサポートします」 (エピック ゲームズの創設者であり CEO の Tim Sweeney)

「オープン スタンダードがあれば、デベロッパーは説得力のあるクロス プラットフォームの体験を一段と容易に作成することが可能になり、VR の魅力を皆様にお届けすることができます。業界の皆様とこのイニシアチブに取り組むことを楽しみにしています」 (Google VR の Director Product Management の Mike Jazayeri 氏)

「仮想現実はコンピューティング インターフェースに革命をもたらしました」 (Intel の VR Center of Excellence のディレクター、 Kim Pallister 氏)「Khronos のコントリビューターの皆様と協力し、VR 向けのオープン スタンダードを策定し、革新をさらに推し進めたいと思います。」

「NVIDIA では業界が一丸となって VR 向けのオープン スタンダードに取り組むことを大変うれしく思います」 (NVIDIA の VR ジェネラル マネージャー、 Jason Paul 氏)「NVIDIA は新しいスタンダード策定に積極的に参加しています。このスタンダードによって、VR の幅広い導入とクロス プラットフォームのコンテンツを推進します。」

「Khronos のオープン API は、これまで業界にとって非常に貴重なものであり、ベンダーの非互換性に対して差別化とイノベーションとの均衡をとるものです。VR が成熟するにつれて、実務上欠かせない機能が明確になってきています。オープン スタンダード API が協力のもと策定されるのは自然の流れであり重要なマイルストーンです。Oculus ではこの取り組みに貢献することを喜ばしく思います。」 (Oculus VR、CTO 、John Carmack 氏)

「VR の成功は大きなハードウェア市場の繁栄にかかっています。一般消費者や専門家も同じように断片化や互換性の心配をせずに製品を選ぶことができるような市場です」 (Razer の OSVR ビジネス リード、Christopher Mitchell 氏) 「これは当初から OSVR のビジョンであり、Khronos Group に参加して、業界全体のインターフェースの標準化を推し進めることができるなんて胸躍る思いです。」

「新しいプリンターを買っても、ワープロをアップグレードする必要はありませんよね。VR と AR のオープン スタンダードを通して、ユーザーはベンダーに関係なく最高レベルのデバイスと周辺機器を選んで、それらを組み合わせて使用することができます。」(Sensics CEO、Yuval Boge 氏)「我々のチームは OSVR を制作中に多くのことを学びました。10 年にわたる HMD の制作でも同様です。こうした専門知識を活かして Khronos のオープン API イニシアチブをサポートすることを光栄に思います。」

アイトラッキングの市場リーダーとして Tobii は VR におけるアイトラッキング技術の開発に力を注いできました。Khronos の VR 標準化のイニシアチブを歓迎します。」 (Tobii の Vice President、Johan Hellqvist 氏)「Foveated Rendering (中心窩レンダリング、ユーザー視線の中心部分のみ高解像度表示) と Gaze Interaction (視線インタラクション) は、VR 体験の鍵を握るものです。VR に焦点をあてて取り組むデベロッパーのために API を標準化する Khronos の取り組みは、コンテンツを飛躍的に増やし、VR エコシステムを豊かなものにするでしょう。」

「市場の VR システム数は急成長を遂げています。これらのほとんどは、デベロッパーから個別の API サポートを必要としていますが、これは消費者にとって大きな断片化になっています。」 (Valve の Gabe Newell 氏) 「断片化の対策として、アプリケーションが多様な VR デバイスをターゲットにすることができる Khronos の標準 API の取り組みは、重要なステップです。」

「VR は、パワフルな GPU、マシン ビジョン プロセシング、最新のディスプレイ コントローラー技術などのパイプラインのほぼすべてが複雑に結びついたものです。」 (VeriSilicon Intellectual Property Division、Executive Vice President の Weijin Dai 氏)「こうした技術の主要プロバイダとして、Khronos が包括的な VR 標準の策定に取り組んだことを嬉しく思います。我々はこの取組みを全面的に支持します。」

Khronos Group について

Khronos Group は、幅広いプラットフォームやデバイス上で並列コンピューティング、グラフィックス、ビジョンおよびニューラル ネットをオーサリングし、促進させるオープン スタンダードを策定する業界コンソーシアムです。Khronos の規格には以下のものがあります。すなわち Vulkan™, OpenGL®, OpenGL® ES, OpenGL® SC, WebGL™, SPIR-V™, OpenCL™, SYCL™, OpenVX™, NNEF™, COLLADA™, および glTF™ です。Khronos 会員は Khronos の規格策定に参画し、公式に展開される前に様々な段階で投票することができます。規格のドラフトや適合テストに早い段階で関わることで、最先端の高速プラットフォームやアプリケーションの提供を早めることができます。

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Khronos, Vulkan, DevU, SPIR, SPIR-V, SYCL, WebGL, WebCL, COLLADA, OpenKODE, OpenVG, OpenVX, EGL, glTF, OpenKCAM, StreamInput, OpenWF, OpenSL ES, NNEF および OpenMAX は Khronos Group Inc. の商標です。OpenCL は Apple Inc. の商標です。 OpenGL は Silicon Graphics International の登録商標であり、OpenGL ES と OpenGL SC のロゴは Silicon Graphics International が Khronos の許諾のもと使用する登録商標です。他のすべての製品名、商標、および/または企業名は単に識別目的で使用するものであり、個々の所有者に所属するものです。