エピック ゲームズ、ILMxLAB と NVIDIA と連携。アンリアル エンジン 4 のリアルタイム トレーシングのデモを公開
本日エピック ゲームズは、NVIDIA および ILMxLAB と共同でアンリアル エンジンによるリアルタイム レイ トレーシングのデモ映像をを初公開しました。リアルタイム レイ トレーシングはハイエンドなシネマティック映像の製作者にとっては聖杯とも言うべき至高の目標であり、映画とゲームの融合の大いなる躍進の象徴です。
この実験的シネマティック デモが公にされたのは、Game Developers Conference (GDC) の一環として本日行われたオープニング セッション「State of Unreal」の中でした。3 社は、アンリアル エンジンを使って、映画『スター・ウォーズ』シリーズの『フォースの覚醒』と『最後のジェダイ』に登場するキャラクターが登場する映像を制作しました。デモを支えた技術は、Volta アーキテクチャベースの GPU で実行される NVIDIA の RTX です。Microsoft の DirectX Ray Tracing の API (DXR) を通じて動作します。ARKit が動作する iPad が、ビューをクローズアップした際の細部に焦点を合わせるための仮想カメラとして使われています。
エピック ゲームズは、ルーカスフィルムによるアセットを使って CG による映像シーンを制作しました。このアセットとは、『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』に登場する、回収されたクロムから作られた特徴的な装甲服に身を包んだキャプテン ファズマ、および、ファーストオーダーの船内のエレベーターでキャプテン ファズマと出くわす 2 人のストームトルーパーです。この技術デモでは、状況や動作に即してライティングがシーン内で変化します。その際、シャドウやフォトリアルな反射などのレイトレース エフェクトがリアルタイムでレンダリングされることになります。これまでは、反射率の高い表面とソフトシャドウをここまで美しく、かつ、アンリアル エンジンによる高忠実度の画質レベルで実現することはできませんでした。
本日のデモンストレーションでは以下の次世代レンダリング機能が紹介されました。
- エリアライトのテクスチャ化
- エリア ライト シャドウのレイトレース
- 反射のレイトレース
- アンビエント オクルージョンのレイトレース
- 映画のような被写界深度 (DOF)
- NVIDIA GameWorks のレイトレースによるノイズの除去
「レイ トレーシングは通常、ハイエンド オフライン レンダラを使って膨大な演算時間をかけて行うレンダリング プロセスです」とエピック ゲームズの Tim Sweeney (ファウンダー兼 CEO) は説明します。「映画品質さながらのレイ トレーシングをリアルアイムで実現するのはアンリアル エンジンが初めてです。これはメディアやエンターテイメントというリニアなコンテンツを扱う業界のみならず、フォトリアルなビジュアライゼーションが必要となるすべての市場にとって、実にエキサイティングな開発なのです。」
ILMxLAB の Mohen Leo 氏 (Director of Content and Platform Strategy) は次のように述べています。「ILMxLAB としての我々の使命は、オーディエンスが物語の中に入り込んで、映画のスクリーン上のものと同じくらいリアルに見えたり感じたりする映画的な世界とつながる、イマーシブな体験をリアルタイムによるレンダリングによって作り出すことです。エピック ゲームズと NVIDIA が開発したリアルタイム レイトレーシングを用いることによって、その目標に大きく近づくことができました。」
エピック ゲームズは NVIDIA と密接に連携することによって、DXR の API により利用可能な NVIDIA RTX 技術をサポートしました。エピック ゲームズのグラフィックスおよびエンジン専門チーム、NVIDIA の世界レベルにあるレイ トレーシングのエキスパート、そして ILMxLAB の創造性と芸術性のコラボレーションによって、デモは NVIDIA DGX Station 上で生命を吹き込まれました。
「リアルタイム レイトレーシングはグラフィックス ビジュアライゼーション業界の長年の夢でした。エピック ゲームズそして ILMxLAB の優秀なチームとともにこのような驚くほど素晴らしいリアルタイム レイト レーシングのデモを作成できて感動しています」と語るのは NVIDIA で Senior Vice President of Content and Technology を務める Tony Tamasi 氏です。「NVIDIA RTX 技術、Volta アーキテクチャベースの GPU、そして Microsoft の新たな DXR の API を利用して、チームは真に驚くべきものを開発することができました。ついに、リアルタイム レイ トレーシングの時代が到来したのです。」
本日米国太平洋標準時 11AM (日本時間 3 月 22 日 3AM) から Yerba Buena Center for the Arts Theater で行われる “Cinematic Lighting in Unreal Engine” の中で、このシーンの作成およびレンダリングの仕組みに関する詳細な説明が 1 時間ほど行われます。その模様は YouTube、Facebook、Twitch の /UnrealEngine でライブストリーミングされます。
このシーンは NVIDIA の GDC ブースにおいてリアルタイムで実行されます。会場では Playback、Lit、Ray Tracing、Wireframe の各モードでご覧になることができます。
エピック ゲームズは DXR の API を利用した NVIDIA RTX 技術のアンリアル エンジン デベロッパー向けサポートを今年後半から開始する予定です。