人類の進化、ペストの流行、火星の生活といったテーマに取り組んだチームが、Developing Beyond のセミファイナリストに選ばれました。Developing Beyond は、賞金総額 50 万ドルの 1 年間にわたるゲーム制作コンテストで、エピック ゲームズ と Wellcome が共催し、参加チームが新しいゲームの IP をエピックの アンリアル エンジン を使用して制作します。コンテストのエントリでは、デベロッパーは、Transformations というテーマに沿った魅力的で没入感があり、エンターテイメント性が高いコンセプトを提出することを求められました。
コメディアンでありキャスターの Susan Calman 氏が司会を務め、審査員団がコンテストを通してゲーム制作を見守ります。審査員には、偉大なゲーム デザイナーである John Romero 氏をはじめ、歴史家、作家、キャスターの肩書を持つ Bettany Hughes 氏、ケンブリッジ大学の Head of Virology の Ian Goodfellow 教授、Eurogamer の Chris Bratt 氏が名を連ねます。
各セミファイナリストは 1 万 5 千ドルを受け取り、科学者とタッグを組んで自分たちのコンセプトをさらに進化させていきます。以下はセミファイナリストの顔ぶれです。
「Cure Me! (仮称)」、Sluggerfly 制作
プロジェクトの概要: 「Cure Me!」 は非同期型マルチ対戦 FPS ゲームです。一方がバクテリア、寄生虫、菌類などの別の生命体の特徴を獲得して急速に進化するエンティティをコントロールします。もう一方は、科学者としてプレイし、流行を防ごうとします。最先端の生物学的兵器と戦うゲームです。
「Ecce Homo」、Holy Warp 制作
プロジェクトの概要: 「Ecce Homo:A Journey Through the Dark」は、3D アクション アドベンチャー ゲームです。初期人類の生活を探検します。初期人類とは正確に言うと、ごく初期の二足歩行から解剖学的な現生人類へのヒト属の進化です。ゲームは 11 のセグメント (レベルすなわちチャプター) に分かれます。各チャプターでは初期人類の進化の主要マイルストーンに焦点をあてています。
「Seed」、All Seeing Eye 制作
プロジェクトの概要: 「Seed」はプレイヤーが植物を発見して育て、植物をエンジニアリングする VR ゲームです。プレイヤーは目をみはるような背景に没入し、ハンド トラッキングを使ってユニークで美しい植物を生み出します。こうした植物は目の前であっという間に成長していきます。地球の人口増加に伴い、植物や農作物との関係は人類の生存に不可欠なものになっています。世界の変化に直面し、シード バンクやその役割からインスピレーションを得てこの関係を模索することを目指します。
「Singularity」、Random Logic Games 制作
プロジェクトの概要: 「Singularity」はストラテジック要素を備え、デジタル時代の人類の変化を表したインタラクティブな物語です。理性的な人間が情報によってどのような影響を受けるか、明らかに正しいと思える結論に対して、どうして善人と悪人の両方に成り得るかについてのゲームです。「Singularity」では AI は新たな困難に適用するように絶えず変化します。これは人類の変化と新たな環境への適応を表現したものです。意志決定、モラル、情報、背景が我々の考えと行動にどのような影響を及ぼすかを模索します。
「Terramars」、Untold Games 制作
プロジェクトの概要: 「Terramars」では、プレイヤーは火星をテラフォーミング (惑星改造) するミッションに取り組む 6 名の乗組員を管理します。そのために、火星の資源、人類のベースキャンプの開発を管理しなければなりません。最も重要なのは、生活環境による乗組員の精神的、肉体的な健康への影響を管理することです。火星の変化を模索するとともに、「Terramars」 では未知の惑星の生活に適応するときに生じる人体、精神、社会的関係に対する課題とストレスについて考えます。
「Winter Hall」、Lost Forest Games 制作
プロジェクトの概要: 「Winter Hall」 はペストの大流行に関するナラティブな探検ゲームです。プレイヤーは時間を飛び越えて、キャラクターたちの生活を数時間体験します。プレイヤーが一人称視点でワールドを探検するにつれて、その時代を背景にしたアイテムや物語が明らかになっていきます。このゲームではプレイヤーは時の経過に伴い別の人間に変化し、何年かにわたり起こる生活と変化を探索します。
審査の司会を務める Susan Calman 氏は以下のように述べています。「一人のゲーマーとしてこうしたゲームを是非やってみたいです。着想から初期段階のゲームまでデベロッパーの皆さんの進捗を見守ることができて光栄です。皆さんの想像力によってどのようなプロジェクトになるかワクワクします。」
2017 年 7 月の Develop:Brighton で 6 つのプロジェクトの成果を審査します。ここでファイナリストの 3 チームが最終ラウンドに進むことになり、それぞれ 6 万ドルが与えられます。2018 年 1 月に優勝チームは 15 万ドルを授与されます。準優勝チームには 5 万ドル、3 位のチームには 3 万ドルが授与されます。
このコンテストは、一年間にわたり実用最小限の製品 (MVP) を制作するスタジオのために持続可能な基盤を与えることを意図しています。
Wellcome でブロードキャスト、ゲーム、映像の仕事を担当する Iain Dodgeon 氏は次のように述べています。「最先端の兵器戦から生まれたばかりの AI の制御まで、ゲームのアイデアは Transformation というテーマに沿いつつ見事なまでに多様性に富んでいます。私は、実際には初期ヒト族、中世、火星の移住コミュニティの生活を体験したことはなく、園芸家として成功を収めたこともありません。しかし、ゲームを通してそうした人生がどんなものであるか、現在の私の生活にどのような影響を及ぼすかについて考える機会を与えてくれます。」
エピックの European Territory Manager である Mike Gamble は以下のようにコメントしています。「課題に対する取り組みは素晴らしく、数々の優れたエントリから最終的に 6 チームのセミファイナリストに絞り込むのは難しいことでした。セミファイナリストのチームはバラエティに富み、参加者は欧州全体に広がり、それぞれ独自のスタイルで取り組みました。今後、一年、面白い展開が期待できると思います。」
エピック ゲームズと Wellcome がコラボするのは今回で 3 回めです。過去に Make Something Unreal Live と The Big Data VR Challenge を実施しました。
詳細については、Developing Beyond のウェブサイト、 www.developingbeyond.com をご覧ください。