2015年4月3日

Open World Demo 用アセットの作成

作成 Harrison Moore

Open World Demo で使用する写実的なアセットの作成に Epic Games が使っているプロセスについて学習しましょう。

Open World Demo

我々は「フォトグラメトリ」という手法を使って GDC の Open World デモ用アセットを作成しました。フォトグラメトリとは、写真のシーケンスを使って3D オブジェクトを再現するプロセスです。現実世界のオブジェクトを、ポリゴン メッシュとテクスチャとして忠実に再現して、ゲームレベルに配置することができます。

GDC のテクニカル デモで使ったアセットは、ニュージーランドと北イングランドのフォトグラフチームが撮影した写真をもとに作成されました。15000 枚以上にのぼる被写体の写真撮影に加えて、テクスチャから光源データを取り除くことができるように、撮影時の光条件もキャプチャしました。このような処理により、ゲームの背景で使われるどんな光のシナリオに対してもアセットを使えるようになりました。

Open World 用の写真

被写体をくまなく網羅するために、あらゆる角度から写真を撮影しました。40 枚程度で済む被写体もあれば、大きくなりオクルード領域が広くなると 500 枚以上必要な被写体もありました。被写体にフォーカスを合わせて、露出によるクリッピングが絶対に発生しないように、細心の注意を払いました。同時に、光条件を保存するために、周辺領域の HDR パノラマも撮影しました。

グリッドのキャプチャ

四角はそれぞれ、野外で撮影した写真を表しています。フォトグラメトリの画像切り取り図

 

Agisoft Photoscan で処理中の写真。

撮影した写真はその後、 Agisoft Photoscan などのフォトグラメトリ アプリケーションで処理され、写真をもとに高解像メッシュとテクスチャが作り出されます。

HDR パノラマのカスタム仕様のスクリプト

カスタム仕様でビルドされたスクリプトを使って、被写体周辺の HDR パノラマを利用して被写体のテクスチャを暗くしました。こうすると、すべてのシャドウとハイライトがオブジェクトから取り除かれて、 UE4 内のどの角度からも照らすことができるフラットなアルベド マップが作成されます。この時に、高解像モデルとテクスチャがスカルプト作業のために Pixologic ZBrush に移動されます。

ZBrush

ZBrush で、境界線の下の方などオクルージョンのために保存できなかったメッシュ領域をキャプチャし、再現に伴って生じたアーティファクトに対処しました。低ポリゴンに最適化されたモデルが生成され、UV マップに展開されます。

製品の仕上がり

そして高ポリゴンのディテールが低ポリゴンのモデルにベイクされ、スペキュラ マップとラフネス マップがペイントされます。これが完了すると、モデルとマップがアンリアル エンジン 4 にインポートされ、マテリアル、LOD、コリジョンメッシュがアサインされて、「game-ready」となります!結果、15000 枚を超える写真から 150 超のアセットが作成されました。

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